ルーメンとワットの違いとは?明るさの目安とLED電球の選び方

ライター:UP LIFE編集部
2023年2月1日 家事・くらし

LED電球に買い替える時には、買った後に想像と違ったり、設置できなかったということがないように、失敗なく選びたいもの。「明るさを示すルーメンとは?」「ワットとの違いは?」「口金とは?」など、LED電球を取り入れる際に知っておきたい知識や選び方、メリットを解説します。

ルーメン(lm)は明るさの単位

多くのLED電球の仕様(スペック)に、「全光束」としてルーメン(lm)の値が書かれています。
「光束」とは、電球などの光を発する物体、つまり光源から放出される全ての光の量です。その単位がルーメン(lm)であり、数値が高いほど光の量が多くなるため、明るくなります。

白熱電球では、ワット(W)数で明るさをイメージしていましたが、なぜLED電球ではルーメンが採用されたのでしょうか。

ルーメン(lm)は「明るさ」、ワット(W)数は「消費電力」を表す

ワット(W)数は消費電力であり、明るさを示したものではありません。しかし、白熱電球は消費電力に応じて明るさが変わるため、電球の明るさの基準にもなっていました。ところが、LED電球は、例えば8W程度の消費電力で60W形の白熱電球並みの明るさになります。これでは、一般の消費者にはワット数で明るさを判断するのが難しいでしょう。

これまで各メーカーではパッケージなどに「○ワット相当」のような表記をしていましたが、LED電球が登場し始めた当初はメーカー間で性能表示が未統一だったため、「○ワット相当なのに暗かった」などの混乱が生じることもあったようです。
そこで、一般社団法人 日本照明工業会が「電球形LEDランプ性能表示等のガイドライン」(日本照明工業会ガイドB-008)を作成して、下記のような基準を設けました。

  • E26口金(一般電球)の場合
    100形:1520ルーメン(lm)以上
    60形:810ルーメン(lm)以上
    40形:485ルーメン(lm)以上 など

LED電球に取り替える前に白熱電球のワット数を確認しておく

実際にLED電球に取り替える際は、まず使用中の白熱電球のワット数を確認しましょう。
例えばパナソニックの白熱電球には、電球の天面に「60形 100V54W」などと表記されています。これは、「60形の明るさ・電圧100V・消費電力54W」という意味です。ですから、取り替えるLED電球は、パッケージに「60形相当」など同じ表記のあるものを選ぶとよいでしょう。

LED電球にお取り替えする際には、下記の一覧表もぜひ参考にしてみてください。

一般社団法人 日本照明工業会(日本照明工業会ガイド B 008:2013)「電球形LEDランプ性能表示等のガイドライン008」をもとに抜粋して作成

明るさの単位ルーメンについてわかったら、次にLED電球への取り替えの際、注意したいことについて確認していきましょう。

LED電球への取り替え時に注意すべき6つのポイント

LED電球の選び方を間違えると、イメージ通りにしっくりこなかったり使用できなかったりすることがあります。そのような事態を避けるために、注意すべき6つのポイントを確認しておきましょう。

ポイント①口金のサイズ

「口金」とは、電球の根元の照明器具に取り付ける金属部分を指します。電球の口金のサイズは、必ず照明器具のソケットと必ず一致していなければなりません。口金が大きいとソケットに入りませんし、小さいとソケットから抜けてしまい、取り付けられないということになってしまいます。

例えばパナソニックで扱っている口金は、以下の3タイプです。

  • E26
  • E17
  • E11

数字は口金の直径を示していて、E26は直径26mmの意味です。直径は定規やメジャーを使って簡単に測れます。
一般電球タイプのE26は、家庭で一番よく使われています。小形電球のE17は、間接照明・ダウンライト向きです。ただし、間接照明やダウンライトがイコールE17タイプとは限りません。個々の器具によりサイズは異なります。E11はハロゲン電球タイプです。

ポイント②電球の形状(種類)

電球の形には種類がたくさんあります。代表的なのが、白熱電球・シリカ電球、小形電球(ミニクリプトン電球)、ボール電球、ビーム電球、ハロゲン電球などです。これから取り替えるLED電球も、今使っている電球と同じ形状にしましょう。
例えば、パナソニック製のシリカ電球を替える場合は、一般電球タイプのLED電球。ハロゲン電球はLED電球のハロゲン電球タイプを選びます。

写真左:シリカ電球(白熱電球) 写真右:一般電球タイプ

* 形状は商品により異なります。

LED電球のラインアップはこちら(E26口金サイズ)

写真左:ミニクリプトン電球(白熱電球) 写真右:小形電球タイプ

* 形状は商品により異なります。

LED電球のラインアップはこちら(E17口金サイズ)

ポイント③使用している器具のタイプ

LED電球は、光の広がり方の違いから、主に「全方向」「広配光」「下方向」の3つに分けられます。使用する器具と設置場所によって、適したタイプがあります。
リビングにあるシャンデリア・ペンダントなどには、空間全体を照らす「全方向タイプ」がおすすめです。玄関やダイニングなどに設置したブラケット・シーリングなどには、一定の空間で隅々まで照らせる「広配光タイプ」。トイレや廊下などのダウンライト・スポットライトなどは、明るさが集中する「下方向タイプ」が適しています。
また、ランプを斜めに取付ける器具でも、下方向に明るく光が広がるタイプもあります。

画像左:全方向タイプ 真ん中:広配光タイプ 右:下方向タイプ

ポイント④器具の仕様

LED電球が器具に対応していないと、器具の破損や電球の短命化につながるおそれがあります。
特に注意が必要なのは、調光機能付き器具、ダウンライトなどの断熱材施工器具、浴室・洗面台に設置されることの多いカバーで覆われた密閉型器具、門灯・玄関灯などの屋外器具です。
いずれも、対応するタイプなのかどうかはLED電球のパッケージで確認できます。

・器具の種類によっては使用できない場合があります。
※5 浴室では、必ず防湿型器具でご使用ください。
※6 断熱材施工器具とは、(一社)日本照明工業会規格(JIL5002)に適合する、器具内の温度が高温になる環境下でも施工可能な照明器具。断熱材施工器具対応表記の電球は、断熱材による器具加熱を考慮した温度設計がなされている。
※7 使用条件:●下面開放を除く、防雨型または防湿型・防雨型の器具で使用すること。(水滴・結露による故障の原因)●ランプ周囲温度0℃~40℃の範囲で、点灯時に器具に直射日光があたらない場所で使用すること。(水滴・結露による故障、温度過熱による短寿命の原因)●屋内配線に接続された器具(宅内のブレーカーに接続された器具)で使用すること。(雷などの高電圧による短寿命の原因)

ポイント⑤明るさ

前述の通り、パッケージにある「○形相当」と「ルーメン(lm)」の表示を確認しましょう。

ポイント⑥光色

暖かな感じのする色から爽やかな感じの色まで、段階的に4種類「電球色」「温白色」「昼白色」「昼光色」があります。(パルックLED電球プレミアXの場合)

また、家の外と中では光によって物の色が違って見えます。本来の色をどの程度出せるかを示す、「演色性」という指標があり、「Ra」といった数値がパッケージに表示されています。この数値は、100に近いほど自然の色合いに近づき、食べ物や肌の色などよりイキイキと鮮やかに照らします。

左:パルックLED電球プレミアX(Ra90)と右:従来品パルックLED電球プレミア(Ra84)との比較

その他補足

LED電球は、一般電球より若干大きめのため、照明器具におさまらなかったりするケースがあります。
電球の形状と長さ、取り付ける照明器具の寸法をきちんと測っておきましょう。
一般電球と同サイズのものを選ぶと安心です。
パルックLED電球プレミアXでは、シリカ電球と同サイズのコンパクト設計を受け継ぎつつ、よりシリカ電球に近い形状になっています。そのため白熱電球からの取り替え時に、LED電球が大きくて照明器具に取り付けられない、といった不安を解消しています。

* E26口金 一般電球タイプ 空間全体を照らすタイプ40形・60形相当において。同じ明るさのシリカ電球(長さ98mm×外径55mm)との比較。

形状と長さが合っているかを確認することが重要
画像左:パルックLED電球プレミアX 画像右:シリカ電球

LED電球に取り替える際には、これらのポイントもしっかりパッケージで確認しましょう。

ラインアップが豊富!LED電球の種類とメリットを紹介

ここでは、パナソニックのLED電球の種類とメリットについて紹介します。

LED電球の種類を解説

  • 一般電球、小形電球

口金サイズのLED電球。家庭で一般的に使用されている形です。さまざまな部屋や使用器具に合わせ、種類も豊富です。

  • クリア電球、シャンデリア電球

シャンデリアなど透明な照明器具に合った電球です。光のきらめきを楽しむことができます。

  • ボール電球

フォルムが丸いため、シェードなしやフォルムを活かせる照明器具に使用するのがおすすめです。

  • レフ電球、ハロゲン電球

集光性が高いので、スポットライトやディスプレイ照明として使用するのがおすすめです。

  • ミニレフ電球

集光性が高く、照明器具にもおさまりやすい小さめサイズです。スポットライトやダウンライトとして使用するのがおすすめです。

  • T形電球

ソケットが斜めや横に向いているダウンライトなど、一般形では取り付けられない形の器具に使用することができます。

それぞれのLED電球は照明の設置場所やシーンに応じて使い分けられます。
続いて、LED電球の主なメリットを3つ解説しましょう。

LED電球のメリット①消費電力を削減

LED電球は少ない消費電力で効率よく光を発するので、消費電力は従来型より約80%以上ダウンし、寿命も白熱球に比べて約40倍と大幅にアップします。電気代の節約になるほか、電球を交換する手間も軽減されます。また、消費電力が少ないため、排出するCO2も削減されます。つまり、環境に配慮した製品です。もちろん電気代の節約にも。

LED電球のメリット②虫が寄りにくい

LED電球が発する光には、虫が好む波長の紫外線がほとんど含まれません。そのため、虫が寄りにくくなります。照明器具の手入れや掃除も楽になるでしょう。

LED電球のメリット③熱くなりにくい

白熱電球は赤外線を放出するので熱くなります。しかし、LED電球は本体こそ熱くなるものの、発せられる光はほとんど熱くならないので、暑い夏も快適に使えます。

まとめ

LED電球のパッケージに表示されているルーメン(lm)、ワット(W)数との違い、そしてLED電球の選び方について解説してきましたが、LED電球のメリットを改めて理解できたのではないでしょうか。LED電球に取り替えたいと思ったら、ぜひこの記事を参考にして選んでみてください。また、パナソニックの下記サイトでは、簡単な3ステップでお探しのLED電球を見つけることが可能です。こちらも一度、確認してみてはいかがでしょうか。

※1 (当社調べ)当社LED電球LDA7L-D-G/S/Z6とJIS規格一般照明用白熱電球60形との比較。使用条件により変わることがあります。

2023年2月1日 家事・くらし

記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。

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