テストするモノ批評誌「MONOQLO」2020年1月号 コーヒーメーカーランキングで1位を獲得!

テストするモノ批評誌「MONOQLO」2020年1月号 「MONOQLO ベストバイ of the year 2019」コーヒーメーカーランキングで1位に選ばれました。

コーヒーに詳しい識者が多角的に評価

取扱説明書に書かれたとおりの水とコーヒー豆の量を用意して、実際にコーヒー豆からコーヒーを抽出。本来の香りや味が出ているかどうかを検証した。またタンクへの水の入れ方やボタンの押し方など細かい機能もチェック。マグカップを置けるなどの付加機能も試した。

検証方法

1)コーヒーの香り

コーヒーを淹れたときのまろやかな香りは、リラックスさせる効果があると言われている。また飲むときの期待感も高めてくれる。その香りをコーヒー豆からうまく引き出しているかどうかを検証

2)コーヒーの味

抽出したコーヒーの苦み、甘み、コク、後味、雑みなど、コーヒー独特の味の違いを厳しくチェックした。用意したコーヒー豆の特徴がしっかり出ていることが望ましい

3)ミル機能

プロペラ式やフラットカッター式など、ミルのタイプにより粒の均一性や熱の加わり方が異なり、抽出したときの味に直結する。普段使いするうえでは、動作音の大きさも重要となる

4)手間

タンクへの水の入れやすさやセットのしやすさ、抽出後のバスケットの掃除のしやすさなどを検証。コーヒー豆の挽き方や抽出量の調節なども行いやすければ、初心者も簡単に使用できる

5)付加機能

マグカップを置いて直接抽出できたり、コーヒーが煮詰まらずに済むマホービンが付いていたりと独自の機能があると、ユーザーによっては便利に使うことができる

合計

コーヒーの香り、コーヒーの味、ミル機能、手間、付加機能の5項目について、識者がそれぞれ20点満点(合計100点満点)で評価。

識者の紹介

カフェズ・キッチン学園長
富田佐奈栄さん

カフェのビジネススクール学園長。日本カフェプランナー協会の会長も兼任している。

コムスペース代表
中川恵介さん

カフェなどの設計を手掛けており、カフェズ・キッチンでは講師も行っている。

カフェプランナー
橋谷秀幸さん

大手コーヒー会社勤務を経て独立。カフェの開業支援やプランニングを手掛けている。

コーヒーの味だけでなくミル機能などもチェック

コーヒー豆やコーヒー粉と水を用意してスイッチを入れれば自動的にコーヒーを淹れてくれるコーヒーメーカー。ハンドドリップで淹れるより手間が掛からないため、朝の忙しい時間に使うときに便利だ。中でも豆を自動で挽くミル付きの全自動タイプはコーヒー豆から淹れられるため、粉タイプより味の劣化が遅く香りも良くなる。本特集では全自動タイプのコーヒーメーカー9台をセレクト。コーヒーに詳しい識者の意見をもとに点数を付け、ランキング形式で発表する。

検証に使うコーヒー豆と水は、すべて同じものを用意。コーヒー豆が持っている本来の香りや味がしっかり出ているか、濃く出ているか薄く出てしまうのか、温度は高めか、ぬるめかなどをチェックした。結果、コーヒーメーカーによってかなり違いが出ることに驚かされた。

また、すべての機種にミル機能が付いているので、動作音の大きさや掃除のしやすさも気になるところ。プロペラ式やフラットカッター式などの種類によって、粒の均一性、コーヒーの味、価格も異なってくる。豆を挽いてから抽出するため、完成までの時間は4分台~7分台とドリップ式(ミルなし)コーヒーメーカーよりはやや長めになる。

さらに、各機種の独自機能がにも注目したい。豆の挽き具合を粗・中・細などに調節する、抽出温度を調節できる、マホービンに貯められるので煮詰まる心配がない、ステンレスマグやコーヒーカップに直接抽出できる、活性炭フィルター付きでカルキを除去できる、デカフェ豆専用のコースが付いている……など、その機種にしかない機能を重視して選ぶのもアリだ。

今回は5項目の合計点で順位を付けているが、総合順位が下位でも特定の人にはオススメできるコーヒーメーカーもあった。

例えば味が薄めに抽出される製品でもスッキリした味が好きならオススメできるし、付加機能やデザインに魅力を感じることもある。総合順位だけでなく、個々の特徴も参考にして自分にとってのベストを選んでほしい。

家電ランキング1位 初心者でもカンタンに使えて◎

コーヒーメーカーランキング:第1位、コーヒーの香り:15点、コーヒーの味:15点、ミル機能:13点、手間:12点、付加機能:14点、合計(100点中):69点、抽出量:1~5杯、フィルター:紙、サーバー:ガラス製コーヒーメーカーランキング:第1位、コーヒーの香り:15点、コーヒーの味:15点、ミル機能:13点、手間:12点、付加機能:14点、合計(100点中):69点、抽出量:1~5杯、フィルター:紙、サーバー:ガラス製

コーヒー本来の味に大感動!
初心者でも「1杯90円弱」「楽チン操作」でお店味が楽しめる!!

識者の声

  • ハンドドリップで淹れた味にかなり近かったです(富田さん)
  • コーヒー豆を挽いているときに漂う香りがいいですね(中川さん)
  • 操作しやすく、初心者もわかりやすいと思います(橋谷さん)

沸騰浄水コーヒーメーカー NC-A57

サイズ:幅 22×奥行き 24.5×高さ 34.5cm
重量:3kg

妙な苦味もなく後片付けも楽チン!

「コーヒー豆本来の味が出ておりとても美味しい」とプロが絶賛!

識者が自分で何度もハンドドリップで淹れており、味をよく分かっている「まろみブレンド」を使用。抽出したコーヒーを飲んでみると、「この豆の味っぽくなっている」と高い評価。コーヒー豆の挽き具合がとてもよく、粉を膨らませながらうまく抽出されている。

コーヒーの味チェック 豆の味をひきだす「やや酸味が立った本格派」(中川さん)

かなりゆっくり抽出されすっきりしてバランスがいい

使用前は「デカフェ豆は普通の豆と同じように淹れても構わないので、わざわざ別のコースを作る必要があるのだろうか」という意見だった。だが淹れてみると「抽出時間は普通の豆のときより遅かったが、スッキリしていて、とてもバランスがいい味わい」と好評だった。

デカフェ豆コースチェック スッキリしたバランスのいい味 「味自体はかなり本格的です」(富田さん)

フワッとした甘みと酸味のバランスが取れている

ふわっとした甘みや酸味のバランスがとれたコーヒー豆「まろみブレンド」の香りが漂っていた。コーヒーの味への期待感が広がっていく。

コーヒーの香りチェック 期待感が高まる

細かく均一に挽かれており紙フィルターで後片付けもラク

上部の豆容器のフタを開けてコーヒー豆を入れ、スイッチを押せば自動で挽いてくれるのでラク。ミルを蒸らしの前に自動で洗浄してくれる機能も便利だ。

ミル機能チェック 粉が飛び散らない

取り外せるためシンクで水を入れやすい

タンクには最大670ml(5杯分)の水を入れられ、家族分が一度に抽出できる。メモリが裏側に付いているので見えにくい、という意見もあった。

水タンクチェック 水のメモリが少しわかりにくい

「ストレート」と「ソフト」で重厚さや酸味が変わってくる

ガラス容器のフタには、酸味調節レバーがついている。「ストレート」に合わせると重厚でやや尖った味になるが、コクが感じられ非常に美味しい。

ミネラルフィルターチェック 「ストレート」だとコクを感じる

デカフェ豆コースは、ぜひ試してみてほしい!

香りが逃げやすい粉ではなく挽く前の豆の状態から淹れられるので、香り高くおいしいコーヒーが飲めるのが特徴のミル付きコーヒーメーカー。9製品から実際に抽出したコーヒーの香りや味のほか、ミル機能や手間などを総合的に評価した結果、最も優秀な成績となったのはパナソニックの「NC‐A57」だった。

コーヒー豆は、識者がハンドドリップで淹れた味をよく知っている「まろみブレンド」を使用。挽いているときから周囲にいい香りが漂っており、抽出したコーヒーも「非常にいい香りになっています」(橋谷さん)。味も「お店のまろみブレンドにかなり近づいています」(富田さん)と高評価だった。基本的な抽出機能は前回の本誌テストで1位だった「NC‐A56」と同じで、一般的なコーヒー豆から淹れる能力は相変わらず高いことが分かった。

また「NC‐A57」は、新たに「デカフェ豆」コースが追加されているのも特徴だ。そこでデカフェ豆を用意してこのコースで淹れてみると、抽出時間はさらにかかったが、とてもバランスがいい味わいになっていた。時間をかけて、通常のコーヒー豆のようなコクを出しているようだ。昔のデカフェ豆はカフェインを取り除くために薬品を使うこともあったが、今は水圧や二酸化炭素を使う方法も多く、豆自体がかなり安全で美味しくできている。この機種で、ぜひともデカフェ豆コースを試してほしい。

取り外せる水タンク、洗えるバスケット、わかりやすいボタンなど使い勝手もよく、識者の総合評価はダントツで1位だった。全自動コーヒーメーカーのナンバーワンとしてふさわしい製品と言える。