Through the Eyes of Daniel Berehulak
Shot with LUMIX S1 and LUMIX S 50mm F1.4 lens
日が暮れて暗くなっても、低照度撮影が可能なカメラがあるので心配ない。
坑夫たちが夜通しで硫黄を採掘する姿を写真に収める。
それは挑戦とさえ思えたが、正確なフォーカスで難なく捉えることができた。
インドネシアは絶景の島国。もしその雄大な自然にたじろがないと言う人がいたら、強がりというものだろう。インドネシアの東ジャワ州にあるイジェン火山も例外ではない。ターコイズブルーに染まる世界最大級の酸性湖。その端に位置する世界最後の現役の硫黄鉱山だ。ここの坑夫は手作業で冷えた硫黄を割り、その重い荷物を背負いながら火口底から頂上まで運んで行く。そんな環境の中で新しいLUMIX S seriesフルサイズカメラシステムを試せることに、私は興奮した。
坑夫たちが50年以上も歩き続けてきた、曲がりくねった山道。登って行くと目に映る、ニワトコの花やシダ、木々を飛び移る黒猿…緑豊かな森に私は感銘を受けた。近くにそびえるムラピ火山を一望しながら、一歩進むごとに新しい驚きがあり、一つ角を曲がるごとに新しい眺望が開ける。目の前で壮大に広がる自然の色という色を、この新しい相棒で撮ることができた。太陽が沈み、辺りが暗くなり始めたが、低照度撮影に最適なカメラを持つ私にはなんの心配もなかった。坑夫たちの夜間の採掘作業を撮影することは挑戦とさえ思っていたのだが、新しいLUMIX S 24-105mmレンズを使えば、いとも簡単に捉えることができた。鉄パイプで硬い硫黄の岩塊を割って板状のかけらにしていく。そんな彼らの動きに、暗がりの中でも正確にピントが合っていく。割った硫黄のかけらを、大きくうねる煙と格闘しながら素手で拾い集めた彼らは、その“恵み”を丁度いいサイズに分ける。そして籠の中に入れ、自分たちの体重より重くなったその荷物を担いで険しい坂を登っていく。月明かりの中でも、コンティニュアスAFのおかげで、そんな彼らの作業する姿を正確に捉えることができた。
高解像度センサーが、その豊かなディテールと色彩を全て捉えてくれた。また、新しいLUMIX S 50 mm F1.4レンズと組み合わせることで、ガスの存在感をしっかり捉えながらも、坑夫たちのシワや皮膚のたるみといった細部まで描ききったポートレートを撮影することに成功した。
卓越した高感度撮影が可能なプロ仕様のカメラだけが、この火山の景色のスケールとディテールを同時にレンダリングし、そして坑夫の仕事姿も忠実に捉えることができる。ここは新しいLUMIX Sフルサイズカメラとレンズにもってこいのロケーションだ。
Daniel Berehulak(ダニエル・ベレヒューラック)
Daniel Berehulakは、オーストラリア人の独立系フォトジャーナリスト。メキシコシティを拠点とするThe New York Timesの定期寄稿者。戦争、天災、社会的不公正の影響を受けた人々の生活など、現実問題への理解を訴え続ける。2つのピューリッツァー賞、6つのWorld Press Photo賞、3つのVisa d'Or賞を受賞。Eddie Adams Workshopの教師および様々な大学やアメリカ自然史博物館のスピーカーを務める。イラク戦争、アフガン戦争、サダムフセインの裁判、西アフリカでのエボラ大発生、ネパールでの2015年の地震、メキシコの政府免責、そして最近ではフィリピンでの“麻薬戦争”など、歴史的な出来事を撮影。