Our DNA & Our Future - Chapter1: ルーツ編LUMIXの歴史は、実は25年じゃない?

LUMIXは25年の歴史を持ちますが、当社のデジタルカメラを支える技術の歴史は、25年にとどまりません。そのルーツは、さらに以前にさかのぼります。
この章では、LUMIXが誕生した2001年より前の時代までさかのぼり、創業以来受け継がれてきた技術や思想が、どのようにLUMIXに息づいているのかを探っていきます。

Section 1
LUMIX以前に、こんなカメラがあったの?

時代は1970年代まで遡ります。当時の日本では、大阪万博や札幌冬季オリンピックの影響もあり、個人旅行やスポーツのブームが巻き起こっていました。

Q. 例えば、1978年に発売されたこの製品。何だかご存じでしょうか? ヒントは、●●と■■を一体化したカメラです。

1978年発売創業60周年モデル C-R1 1978年発売創業60周年モデル C-R1

C-R1:1978年に発売された、当社創業60周年記念モデル

正解は、ラジオとカメラが一体化された「ラジカメ」です。ユニークな発想ですね。どうしてこのような製品が生まれたのでしょうか。
当時、ラジオは生活に欠かせない娯楽の一部。そして、旅行に行く際に忘れられないアイテムであるカメラと一体化することで、よりレジャーを楽しく快適にする商品だったのかもしれません。

今、我々の展開するLUMIXは、ビデオも写真も両方撮れるのが当たり前になっています。このラジカメは、そうした「ハイブリッド」思想の走りだったのかもしれません。

Section 2
LUMIXに必要な要素はもう揃っていた!

では、一体どんな技術がLUMIXの誕生前から存在していたのでしょうか。まず、カメラに必要な光学技術は?

パナソニックの光学技術の歴史は意外に古くからあります。元々1980年代を席巻したVHSビデオのフェライトヘッドや、その後の時代の先端を走ったCDやDVDに搭載する光ピックアップの製造での精密加工を得意としており、レンズに関しても、パナソニック製ビデオカメラや他社に供給するレンズを生産してきています。特に非球面レンズは、トップクラスの技術力と50年もの歴史を誇ります。現在も民生用からプロ用映像機器に至るまで、レンズの自社生産を行っています。

レンズを手に取る
レンズ量産風景
超高精度3D形状測定機

Q. デジタルカメラを作り始めるにあたって、パナソニックの強みになったのは何でしょうか?

それは、イメージセンサーや画像処理エンジンなどのデジタル技術を持っていたことです。デジタルカメラの場合、センサーがフィルム、エンジンが絵作りに相当する部分を担い、被写体の描写をつかさどる重要な役割を持ちます。銀塩カメラ時代にフィルムメーカーが凌ぎを削ってきたこの絵作りの技術は、一朝一夕で得られるものではありません。しかし、我々は長きに渡りビデオカメラやプロ用映像機器を開発し、レンズ・センサー・エンジンそれぞれの「摺り合わせ技術」に精通して培われた画像処理技術の膨大な蓄積を持っています。長年オリンピックの公式機材として迫力ある映像を撮影して全世界にお届けしてきたパナソニックのビデオカメラ技術が、その後の動画・静止画両方で強みを持つLUMIXの開発に活かされたのは言うまでもありません。

Section 3
「手ブレ補正」を当たり前にしたのはパナソニック

今でこそ当たり前の手ブレ補正ですが、この機能を世界で初めて発明したのは当社の技術者です。日頃テレビや映画館で観る映像はブレていないのに、自分で撮影したものはなぜブレているのか?家庭用ビデオカメラが普及し始めた当初は、ビデオ再生中に気分が悪くなったという記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
我々は、この問題にいち早く注目して手ブレ補正の開発を始め、1988年に世界で最初※の光学式手ブレ補正を搭載したビデオカメラを北米市場にて発売しました。

この革新的な技術は、社会や産業に大きく貢献した電子技術の歴史的業績として、2025年にIEEEマイルストーンに認定されました。

※ 光学式手ぶれ補正機能を搭載した民生用ビデオカメラとして。

PV-460:世界初の光学式手ブレ補正搭載ビデオカメラ

日本では1980年代後半頃、家庭用ビデオカメラの小型軽量化に拍車がかかり、パスポートサイズの小型ビデオカメラが大ヒットしていました。一方で、軽量化が進むと手ブレが起きやすくなってしまうというデメリットがあったため、当社は小型のまま手ブレを抑制する技術開発に挑戦し、この手ブレ補正機能を挽回の切り札として投入することにしました。
北米市場のビデオカメラで採用した光学式ではサイズが大きくなってしまうため、新たに電子式手ブレ補正を粉骨砕身の思いで開発。それを搭載して誕生したのが、1990年に発売された「ブレンビー」というエポックメイキングな製品です。

ブレンビー NV-S1:世界初の電子式手ブレ補正搭載小型ビデオカメラ

ブレンビーはCMでユニークな動きをする「ブレンビーダンス」の効果もあり、瞬く間に一世を風靡。今や手ブレ補正はビデオやカメラの基本機能となっているのですから、我々が起こした変革の波が如何に大きかったのかが、お分かりいただけるのではないでしょうか。そして、この手ブレ補正はLUMIXの革新技術につながる礎にもなっています。

Section 4
デジカメ革命第一楽章始まる

デジタルカメラ黎明期、我々の技術者たちは、撮影した画像をその場で確認できる液晶画面の付いたデジタルカメラの登場を目の当たりにして、「これで時代が変わる、次はデジカメだ!」と確信しました。 しかし、この熱い思いはすぐには実を結ばず、全社一丸となってデジタルカメラ事業に参入したのは数年後のことでした。

Chapter 2に続く。