空気が澄んでくる冬こそ夜の「写活」にチャレンジ

1. 夜の撮影に重宝する明るいレンズ
1-1 レンズの明るさの見分け方

空気が澄んでくるこれからのシーズンにぜひチャレンジしてほしいのが、夜の撮影です。昼間とはまた雰囲気の違う撮影ができます。冬の時期はイルミネーションなどの光源が豊富で、夜間の撮影が非常に楽しい季節です。
夜間や暗所での撮影に役立つのが「明るいレンズ」です。カメラ雑誌などでよく見かける「明るさ」というのは、レンズがどれだけ光を取り込めるかを指します。通常、明るいレンズは「F値」が小さいレンズを指します。一般的にはF2.8よりも小さい値のレンズを明るいレンズと呼びます。
明るいレンズを使うと、短い時間でたくさんの光を集めることができ、同じ明るさの場所で撮影した場合、暗いレンズよりもシャッタースピードを速くすることができます。その結果、ブレの少ない写真が撮れるというわけです。
1-2 明るいレンズには単焦点レンズが多い

一般的に、明るいレンズには、単焦点レンズが多く存在します。単焦点レンズとは、ズームレンズとは異なり、撮影できる焦点距離が1つしかないレンズを指します。今回紹介するレンズは、どちらも35mm判換算で35mm相当になります。単焦点レンズは、ズームレンズに比べて構造がシンプルで、大口径であるため光をたくさん集めることができます。また、開放値が明るいものだとF1.2、F1.4、 F1.8などのものが多くあります。一方、ズームレンズは、明るいレンズでもF2.8程度までが多く、一般的にはF4からF6前後が多くなります。
2. 明るいレンズで撮る夜の撮影術
2-1 イルミネーション撮影で見せる「玉ボケ」

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/100sec, F4.5, ISO2500 ©Atsushi Ogai

G100D, LEICA DG 15 F1.7 / 300mm(35mm換算), 1/320sec, F1.7, ISO1600 ©Atsushi Ogai

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/60sec, F1.8, ISO1250 ©Atsushi Ogai

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/100sec, F1.8, ISO1000 ©Atsushi Ogai
冬の風物詩といえば「イルミネーション」です。幻想的で美しいイルミネーションを格好良く撮影したいという方におすすめなのが、玉ボケを活かした撮影術です。
明るいレンズを開放値で使用することで、光源自体をぼかすことができます。ミラーレス一眼カメラの利点であるセンサーサイズとレンズの明るさを活かして、ドラマティックな写真を玉ボケで演出することでスマートフォンでの撮影との違いを感じることができるでしょう。
また、イルミネーション撮影中にフリッカー現象*1が気になることがあります。その際には、カメラのモードをSモード(シャッタースピード優先モード)もしくはMモード(マニュアルモード)に設定し、シャッタースピードを東日本の場合には1/50秒もしくはその倍数、西日本の場合には1/60秒もしくはその倍数にすることで解消できます。
*1 フリッカー現象とは、人工光源(特に蛍光灯やLED)の点滅がカメラに映り込む現象です。
2-2 高感度設定を活用して夜景を美しく撮影する方法

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/100sec, F2.0, ISO1600 ©Atsushi Ogai
夜の撮影で意識したいことは、レンズの明るさ以外にもあります。どんなに明るいレンズでも、それだけでは対応できない場合があります。そのような場合には、カメラ設定の「感度(ISO)*2」を上げることで解決できるかもしれません。状況にもよりますが、感度はISO1600から3200程度まで上げると手持ちでの撮影がしやすくなります。
*2 ISO感度とは、カメラのセンサーが光をどれだけ敏感に捉えるかを示す値です。
例えば、LUMIX S9は、フルサイズセンサーとボディー内5軸手ブレ補正機能により、手持ち撮影の幅を広げてくれます。また、LUMIX G100Dはファインダーが搭載されたカメラなので、覗きながら額にカメラを押し付けて撮影することで、ブレの少ない撮影が可能です。カメラの特性に合わせた高感度設定と撮影スタイルで、夜間撮影の可能性が広がります。
2-3 絞りを調整して光芒写真を撮るコツ

G100D, LEICA DG 15 F1.7 / 30mm(35mm換算), 5.0sec, F10, ISO400 ©Atsushi Ogai

G100D, LEICA DG 15 F1.7 / 30mm(35mm換算), 1/2sec, F16, ISO1600 ©Atsushi Ogai
明るいレンズは絞りを調整することで、光芒を楽しむことができます。光芒写真とは、点光源を中心に光の筋を演出した写真を指します。光芒をきれいに出したい場合は、F値*3を大きく絞ることで得られます。。夜景やイルミネーションなど点光源が多い撮影であれば、その効果は抜群です。肉眼では見ることのできない幻想的な写真が撮れます。また、撮影の際には三脚を利用することでしっかりと固定して撮影することができるので必要に応じて用意するといいでしょう。
*3 F値とは、レンズの絞りの開口部の大きさを示す値で、数値が小さいほど開口部が大きく、数値が大きいほど開口部が小さくなります。
3. スナップ撮影なら35mm画角を極めたい
3-1 スナップ撮影に最適な焦点距離

G100D, LEICA DG 15 F1.7 / 30mm(35mm換算), 1/60sec, F1.7, ISO1600 ©Atsushi Ogai

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/125sec, F4.0, ISO1600 ©Atsushi Ogai
今回ご紹介したレンズは、35mm判換算で約35mm前後の焦点距離を持つレンズです。35mmという焦点距離は、古くからスナップ撮影で愛用されています。人の目に近いと言われているのが50mmですが、それよりも少し広く撮れることで、撮影した場所の情報を多めに画角内に収めることができ、その街の記録的な要素もあるスナップ撮影には最適です。また、ポートレート撮影などでも活用されており、背景を活かしたポートレートにも適したレンズです。
3-2 フォトスタイル「L. モノクローム」で夜のスナップを楽しむ
LUMIXシリーズには、撮影前に好みの色合いや画質を調整できる「フォトスタイル」という便利な機能があります。その中でも人気が高いのが、気軽に上質なモノクロ撮影を楽しめる「L.モノクローム」です。

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/125sec, F1.8, ISO1600 ©Atsushi Ogai

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/80sec, F1.8, ISO1250 ©Atsushi Ogai

S9, S 35 F1.8 / 35mm, 1/60sec, F1.8, ISO1600 ©Atsushi Ogai
夜の街中には、ネオンや街灯など様々な色の光が溢れています。色とりどりの光を活かして撮影するのも楽しいですが、時にはその色を抑えることで別の表情を撮ることができます。そんなときに試してほしいのが、「モノクロ写真」です。モノクロ写真は、光と影のコントラストを強調し、被写体の形や質感を際立たせることができます。特に夜の撮影では、街の灯りが幻想的な雰囲気を演出し、普段見慣れた風景がまるで別世界のように変わります。モノクロ写真を使いこなすことで撮影する楽しさを倍増させてくれるでしょう。
いかがでしたでしょうか。明るい単焦点レンズを持っていれば、標準ズームレンズだけでは味わえない幻想的かつ独創的な写真を撮ることができます。自分の写真の表現力をアップさせるためにも、活躍してくれるレンズです。また、35mmという画角は、旅写真、スナップ、風景、ポートレートなど多岐にわたるジャンルで活用できますので、ぜひ手に入れて楽しんでください。
今回ご紹介したレンズ

LUMIX S 35mm F1.8
スナップショットからポートレートまで手軽に楽しめる、大口径広角単焦点レンズ
送料無料│JACCS36回まで分割払い手数料無料

LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.
スナップ撮影で活躍。小型・軽量・高画質 F1.7「ズミルックス」単焦点レンズ
送料無料│JACCS36回まで分割払い手数料無料
LUMIX S9ブラック「空気が澄んでくる冬こそ夜の「写活」にチャレンジ 」セット(デジタル一眼カメラ/標準ズームレンズ+広角単焦点レンズ)
SET-DC-S9KS35-K

セット内容
送料無料│JACCS36回まで分割払い手数料無料
LUMIX S9シルバー「空気が澄んでくる冬こそ夜の「写活」にチャレンジ 」セット(デジタル一眼カメラ/標準ズームレンズ+広角単焦点レンズ)
SET-DC-S9KS35-S

セット内容
送料無料│JACCS36回まで分割払い手数料無料