換気時間はどれくらい必要? 夏冬の効率的な換気方法もあわせてチェック

監修:藤原 千秋
ライター:UP LIFE編集部
2021年8月18日 空気

換気への意識が高まっている昨今。これまでにも『UP LIFE』では、換気の大切さをたびたびお伝えしてきましたが、ここで改めて換気のメリットや必要な時間と回数、適した方法などをまとめてみました。教えてくれたのは、掃除や家事に詳しい住生活ジャーナリストの藤原千秋さん。冷暖房時における効率的な換気の仕方も聞いたので、ぜひ参考にしてください。

まずはおさらい。換気にはどんなメリットがある?

以前の記事でもお伝えしているように、換気にはさまざまなメリットがあります。ひとつずつ、藤原さんに教えてもらいましょう。

室内の有害物質を屋外に排出する

「家の中の空気中には、多くの有害物質が浮遊しています。たとえば、花粉やダニ、ホコリ、ハウスダスト、カビなどですね。また、私たちの身の回りのモノの大半である工業製品からの化学物質も、屋外へ逃がしたいもののひとつ。化学物質と聞いてもピンと来ないかもしれませんが、わかりやすいのがニオイです。たとえば、本のインクやビニールもニオイがありますし、消臭剤の香りなどもすべて化学物質、これらの濃度を下げられるのも、換気の大きなメリットです」

二酸化炭素の濃度を下げ、酸素の濃度を上げる

「私たちが吐き出す二酸化炭素は、換気が不十分だと室内にどんどんたまっていくもの。極端に濃度が上がれば頭がぼうっとするなどの不調につながりかねないので、定期的に換気をして新鮮な空気を取り入れる必要があります。また、窓を開けての自然換気は、気分転換にも役立ちますね」

多くの場合、空気がキレイなのは家の中よりも外

「“外の空気は汚れているのでは”と、思う人もいるかもしれませんが、一般的には家の中よりもキレイなんです。もちろん、近くに幹線道路があったり、花粉や黄砂の飛来が激しかったりすればこの限りではないものの、家の中の空気は汚れやすいものと心得ましょう」

換気時間の目安はどのくらい? 1日に何回行えばいい?

こまめな換気が推奨されるようになったことで、換気回数が増えたという方も多いことでしょう。とはいえ、何となく窓を開けるくらいでは、空気の入れ換えが適切に行われない可能性もあります。効率良く換気するには、どのくらいの時間で1日に何回程度、行えば良いのでしょうか?

換気に必要な時間と1日あたりの回数の目安

「まず、24時間換気システムは常に稼働させておくことが前提。その上で窓開け換気を行うわけですが、時間や回数は、部屋の広さや窓の数など、条件によっても変わるもの。“1時間に5分〜10分ほど×2回を目安に”と言われることもあります。かなり頻繁と思う人もいるでしょうが、以前よりも家族で在宅する時間が増えたことを考えると、これからのスタンダードになるかもしれないですね」

窓やカーテン、全開にしなくちゃダメ?

「人目が気になったり、在宅していることを知らせたくなかったりして、窓を開け放つのは抵抗があるという方もいるでしょう。その場合は、排気を行うキッチンや浴室などの換気扇をしっかり作動させておけば、給気側となる窓は少しだけ開けるだけでも大丈夫。換気扇からできるだけ離れた場所にある窓なら家の中を風が通りやすいので、効率良く換気が行えます。なお、長く開けておくときは、防犯の観点から人が入り込めないサイズの窓にすると安心です。

同じように、目隠しのためにカーテンを閉じて換気したい人もいるかと思いますが、カーテンは風に揺れて網戸に当たると汚れてしまいます。人目を避けるには、日除けシェードなどを使うのもひとつの手。どうしてもカーテンを閉じたい場合は、窓を少しだけ開ける方法で換気を行いましょう」

雨の日はどうする? 換気に適した気候や条件

「晴れた日は換気に適していますが、雨が降っているときは部屋の湿度が上がることを懸念されがち。でも、先ほどもお伝えしたように、家の中の有害物質を排出したり、酸素を取り込んだりといったメリットがあるので、雨が家の中に吹き込んでこなければ、窓を少しだけ開けて換気をするようにしましょう。注意したいのは、風が強いとき。外から飛来物が入り込んだり、ドアが勢い良く閉まったりしてケガをする可能性があります。

一方、雨が上がってからは絶好の機会。チリなどが雨と共に落ちて空気がキレイなので、夕立の後などは狙い目。また、明け方近くの最も気温が低い時間帯も、夜露でチリなどが落ちて空気が澄んでいるので、朝一番の換気はオススメです。ただし、一般的に夕立の後や朝は湿度が上がっているので、湿気を逃がしたい場合は避けましょう」

空気の流れが感じられないときは、家電の活用も検討を

「いくら窓を開けても、室内の空気が動いていないと効率良く換気できません。部屋の中でホコリがたまっている箇所=空気が動いていない箇所なので、サーキュレーターや扇風機で風を送るようにしてください。なお、空気が動いているかどうかは、お香を焚いたときの煙の流れでも確認可能。また、風船を10個ほど膨らませて家の中に散らばらせておくと、風のぬけみちに転がっていくので試してみてください」

窓を開けづらい! 暑い夏と寒い冬の換気方法

外気との温度差が大きい夏や冬は、「せっかく快適な温度にした室内の空気を逃すと、光熱費がもったいない」といった理由から、換気を避ける人も少なくない様子。また、人によっては「エアコンで換気ができている」と誤解しているケースもあります。では、エアコンを使う夏や冬は、どのような換気が良いのでしょうか?

夏も冬も、エアコンはつけたままで換気しよう

「まず、冷暖房を付けていても換気は必須です。誤解される方も多いですが、一部の機種を除いて、エアコンに換気機能は搭載されていないので、お使いのエアコンの機能を確認してみてください。
また、換気で窓を開ける際にエアコンを切るのは避けましょう。これは、エアコンは立ち上がりのときが最も負荷がかかるから。さらに、大幅に上下した室温を元の快適な温度に戻すために、余計に電力を消費してしまうので、エアコンはつけたままで換気してください。なお、熱は温かいところから冷たいところに移動する性質があるので、室内外の気温差が大きいときは短時間で効率良く空気を入れ換えることができます」

光熱費が惜しくても、24時間換気をオフにしない

「冷暖房を運転させていると、快適な空気を逃したくないからと言って24時間換気システムを切るのはやめましょう。常に作動させていないと計画的な換気ができないため、つけっぱなしを心がけてください」

帰宅後の換気時には、エアコンも同時にON

「夏、閉めきった家に帰ってくると、熱気がこもっていて不快なもの。特にコンクリート製のマンションは蓄熱してかなりの暑さになるので、開けられる窓はすべて開け、換気扇もしっかり回して熱を外へ逃がすようにしましょう。同時にエアコンもオンにすると、部屋の空気が循環するため、目に見えない小さなチリなども効率よく外へ出すことができます。

冬の場合も同様に。当然ながら室内に熱はこもりませんが、お部屋の空気を効率よく循環させるために、帰宅後の窓開け換気とエアコンの運転は同時に行いましょう」

冬の結露対策としても換気が効果的

「冬にお悩みの人も多い結露の正体は、室内の空気に含まれた水分。空気は温度が高いほど水分を蓄えることができるので、暖房で暖められた室内の空気が壁や窓ガラスで冷やされ、水分を蓄えることができなくなって水滴に姿を替えるのです。暖房だけでなく加湿機まで使っていると、空気中の水分はどんどん増えるため、換気で定期的に空気を逃がすことで結露を抑えられます」

家電と併用することで、換気効率をさらにアップ

イラスト:サーキュレーターを使った換気の様子

先ほどからの藤原さんのお話にもあった24時間換気システムとサーキュレーターは、換気に役立つアイテム。上手に使って、効率良く換気を行いましょう。

停止せずに使おう、24時間換気システム

「改正建築基準法」が施行された2003年7月以降、すべての住宅に導入が決定した24時間換気システム。2時間に一度、家の中の空気をすべて入れ換えるように設計されていますが、これをオフにすると換気が十分に行えなくなります。“光熱費がもったいない”と思うかもしれませんが、自身の健康を守るためにも必ずつけたままにしておいてください」

サーキュレーターで室内の空気を循環させる

サーキュレーターは室内空気の温度ムラをなくすだけでなく、換気でも重宝する家電。

サーキュレーターなどを使い換気効率を上げる例

イラスト:窓を開けて空気の流れを作る。サーキュレーターなどで空気を十分にまわし換気効率を上げる。

窓がない部屋や窓が一箇所しかなくて空気が入れ替わりにくい部屋でも、ドアの外から部屋の中へ、あるいは窓から外へ向けて風を送ることで、空気を動かすことができます。

「ダニやカビ、ホコリやハウスダストを気にして、床掃除をするという方は多くいますが、空気はなかなか気づきづらいもの。でも空気の掃除として『換気』は最もベーシックな方法ですし、わざわざお掃除用品を買ってくる必要もありません。ぜひ習慣化してきれいな室内環境で暮らしましょう」

写真:藤原 千秋

監修:藤原 千秋

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して21年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

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記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。

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