花粉の時期に知りたい、空気清浄機の正しい使い方。花粉への効果はある?
花粉対策のための上手な空気清浄機の使い方についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2026年3月18日
空気
春が近づくにつれ、頭を悩ませることになるのが花粉。対策にはさまざまな方法がありますが、家の中なら空気清浄機を使っているという人は多いことでしょう。一方で、花粉は小さくて目に見えないことから、「ホントに取り除いてくれているの?」なんて声も聞こえてきます。そこで、空気清浄機がどのように花粉を除去しているのか、家電エキスパートの田中真紀子さんに聞いてみました。上手な活用方法と共に、早速ご紹介しましょう。
空気清浄機は花粉を除去できる?
まずは田中さんに、「空気清浄機は、花粉を除去できる?」という疑問をぶつけてみました。その答えは……?
「多くの空気清浄機に使用されているHEPAフィルターは非常に目が細かく、ここを通過した空気に含まれる0.3μmまでの物質を99.97%取り除く性能があります。その点、花粉は0.3μmよりも大きく、HEPAフィルターを通過することができません。こうした物理的に有害物質を取り除く空気清浄機のメカニズムを知れば、きちんと働いていることがわかると思います」
やはり空気清浄機は、花粉を除去できるんですね! 当然ながら、使い方や設置状況などによって効果は変わるようですが、花粉に悩んでいるならぜひとも使いたいところ。
「“花粉は床に落ちるので、空気中の花粉を捕集しても意味がない”と思う人もいるかもしれません。もちろん、床に落ちてしまうと取り除きにくくなることはありますが、花粉が屋内に入ってから床に落ちるまで、1時間ほどかかると言われています。そのため、空気清浄機を運転し続ければ、多くの花粉は空気中を漂っているうちに取り除くことが可能。また、床に落ちても人の動きなどで舞い上がるので、やはり空気清浄機で捕集しやすくなります」
いつ、どこで、どのくらい飛ぶ? 花粉の飛散方法と粒子の特徴
植物の種類や飛散量に違いはあっても、季節を問わず日本のどこかで花粉は飛んでいるもの。以前の記事でもお伝えしたように、春はスギやヒノキ、夏から秋にかけてはイネ科やキク科、アサ科の植物が主に飛散し、冬になれば再びスギが飛び始めるというサイクルになっています。田中さんも「春先や秋のイメージが強いため、1年中飛散していると認識されにくそう」と感じるとか。
「たとえば、一般的に花粉シーズンと言われない夏でも、人によっては自覚しないまま花粉の影響を受けているかもしれません。そう考えると、春や秋以外の季節も対策した方がいいケースはありそうですね」
花粉が飛びやすい時間帯はある?
田中さんによると、「1日のうちで、朝と夕方は花粉が特に飛散しやすい時間帯」なのだそうです。
「朝、太陽が昇って花が開くと、花粉も飛び始めることになります。気温が上がれば気流が上昇し、花粉も一緒に上空へ移動するため、日中はいったん落ち着きますが、夕方に近づくにつれて気温は降下。気流が変化して花粉は地上付近に降りてくるため、私たちも影響を受けやすくなります」
花粉はどのように室内へ入り込む?
では、屋外で飛散する花粉は、どうやって家の中に侵入するのでしょうか?
「まず挙げられるのは、換気などで開けた窓から、あるいは人が出入りするときの玄関から。また、外出中に衣類や髪に花粉が付着し、そのまま持ち込まれるケースもあります。特にコートやニット、マフラーなどでウール、カシミヤといった表面に凹凸のある素材のものだと、花粉が付着して落ちにくいため室内に持ち込んでしまいがちです。また、ウールやフリースといった静電気を帯電しやすい素材も、花粉を多く付着させてしまいます。
花粉が付着しにくいのは、どちらかと言うとポリエステルやナイロン、綿などつるんとした素材です。なお、髪の毛も乾燥すると静電気を帯びやすく、やはり花粉が付着しやすくなりますので、静電気対策を行いましょう」
さらに、外干しした洗濯物や、住宅の吸気口にも注意が必要とか。
「衣類も乾いている状態より、濡れているほうが花粉は付着しやすくなり、衣類についた花粉は乾いてもそのまま付着している可能性があります。外干しした洗濯物を取り込む際は、花粉をしっかり叩き落としてから取り込みましょう。このほか、給気口からも花粉は侵入します。ただし、給気口はシックハウス対策や湿気対策のために設けられており、開けておくのが前提なので、花粉を入れたくないからと言って閉めてしまうのでなく、花粉が除去できるフィルターなどを設置すると良いでしょう」
ちなみに、「エアコンを使うと花粉が入り込む」と思う人もいるかもしれませんが、それは誤解だそう。
「一般的なエアコンは室外機と室内機が配管でつながれており、室外機が外気を吸って、室内機から風が出ているので、外気が室内に入り込んでいると思われがちです。でも、実際は室外機で吸った空気は室外機で吹き出し、室内機で吸った空気は室内で吹き出しており、空気の行き来はないため、花粉が入り込むこともありません。室内機と室外機でやり取りしているのは熱だけです」
花粉がたまりやすい場所は? 家の中の要注意スポット
花粉の粒子は小さいため、よほど多量でもない限り、目に見えることはありません。と言っても、黄砂やPM2.5といった微粒子よりもかなり大きく、ホコリやカビなどと比べると重さは3倍近くになります。「イメージと違うかもしれませんが、花粉って意外と重いんですよね」と、田中さん。
「重い分、床に落ちるのも早くなる。最近では水拭きなどの床掃除をしっかりすることも、花粉対策として有効と言われるようになりました。特に、空気が流れにくい部屋の隅や家具の間などは花粉がたまりやすいので、念入りに行いたいですね」
特に花粉がたまりやすいのは、床上30cmエリア
花粉は重くて床にたまりやすいものですが、床だけに注意すればいいわけではありません。なぜなら、人が歩けば床の上に蓄積された花粉は舞い上がるから。ドアの開閉といったことも、花粉を床上から空気中へと移動させる要因です。また、花粉がたまりやすいのは、床上30cmと言われます。
「床に座ったり、寝転んだりする日本のライフスタイルだと、床上30cmは身近な生活エリア。小さな子どもがハイハイするときや、床上に敷いた布団で眠るときなども、少し心配になりますね」
さらに微細! 花粉の破片や“オービクル”
「花粉が壊れて破片になったものはより軽くなり、元の花粉の状態より長く空気中を浮遊することになるので、床、床上30cm、空気中といったエリアの花粉対策が大切ですね」と、田中さん。このほか、花粉の表面を覆う微細粒子“オービクル”が、花粉からはがれて空気中へ浮遊することもあります。オービクルのサイズは0.4μmほどと言われており、空気中に漂う時間も長くなるので、対策には空気清浄機の力を借りるようにしましょう。
活用するなら知っておきたい! 空気清浄機は花粉をどう除去する?
空気中の花粉をしっかり取り除くなら、空気清浄機の導入は不可欠。では、空気清浄機はどのように花粉を除去してくれるのでしょうか? 田中さんに教えてもらいました。
ファンと電気集じん。方式は大きく分けて2種類
「汚れを集める方法で注目したいのは、その集じん方式です。大きく分けて2種類あり、一般的に主力となるのがファン方式。内部にファンを搭載しており、室内の空気を吸い込んで空気中の汚れをフィルターでこし取る仕組みとなっています。もうひとつが電気集じん方式。放電を行って空気中の汚れを帯電させ、電極やフィルターに吸着させるものです。ファン方式の場合、室内の空気をきちんと循環させているか、しっかり吸い込めるかといった点も大切なポイントですね」
ファン方式に搭載されたフィルターの役割とは
「ファン方式は基本的に、プレフィルター、集じんフィルタ−、脱臭フィルターという3つのフィルターを搭載しています。プレフィルターは大きなホコリなどが内部に入るのを防ぎ、脱臭フィルターはニオイを除去。そして集じんフィルターは、花粉をはじめとした空気中の微細な物質をキャッチする働きをもっています。集じんフィルターの中でも高性能と言われるのが、HEPAフィルター。花粉やPM2.5はもちろん、0.3μmまでの微細な粒子にも対応しています」
有害物質を抑制するイオン機能を搭載したタイプも
「モデルによっては、イオンの力で花粉をはじめとした有害物質を抑制することも可能。キャッチした物質はもちろんのこと、イオンを放出して室内の空気に含まれる物質に作用するものもあります」
花粉対策で重要なのは「除去性能」だけでなく「循環」
「前述のように空気清浄機のHEPAフィルターは、吸い込んだ空気の花粉は除去できますが、そもそも空気を吸い込まなければ除去することはできません。そのため徹底的に花粉を除去したいなら、部屋の隅々まで風を届け、循環させ、空気清浄機に戻ってくる気流をつくり出す必要があります。
このほか、花粉対策を重視するなら、部屋全体はもちろん、特に花粉がたまりやすいとされる床上30cmの空気を効率的に集じんできるものを選ぶと良いでしょう」
花粉対策のための空気清浄機、どこにどう置く?
続いて田中さんに教えてもらったのは、花粉対策として空気清浄機を使うときの具体的な方法です。
人の出入りが多いリビングに置くなら…
「リビングの場合は、人が頻繁に出入りするドアの近くに設置を。また、換気するときに開ける窓の対面となる壁の近くも良いでしょう。どちらの位置も、入り込んだ花粉を効率良くキャッチできます。また、空気の流れを考えることも大切です。部屋の隅など、花粉がたまりやすい箇所に向けて風を送り、空気を動かすようにしましょう。また、エアコンの気流に合わせて空気清浄機を置くようにすると、空気の対流を起こすことができ、効率的に花粉をキャッチすることができます」
なお、推奨される設置方法はメーカーやモデルによっても変わるため、各製品の取扱説明書やメーカーサイトなどで確認を。効率の良い使い方など、役立つ情報が掲載されていることもあってオススメです。
花粉も出入りする玄関に置くなら…
「また人が出入りするタイミングで、花粉は家の中へと侵入してきます。そのため、玄関にも空気清浄機を置くことが大切。入り込んだ花粉はすぐに集められるよう、吸気口を玄関ドアに向ける形で設置しましょう。また、入ってきた人は、髪や衣類に付着した花粉を靴を脱ぐ場所で払い、空気清浄機に集めさせてから部屋の奥へ入るようにすると良いですね」
花粉対策で避けたい空気清浄機の設置例
空気清浄機は設置の仕方によって、その効果を十分に発揮できなくなることがあります。花粉を効率良く集じんさせたい場合も、設置の際は注意しましょう。
「NG例としてまず挙げられるのが、部屋の隅。空気清浄機は吸気口から空気を吸い、空気の汚れを取り除いてきれいな空気を吹き出すので、隅に置いてしまうと空気が十分に吸い込めない場合があります。
家具やカーテンなどで吸気口をふさいでしまうケースも同様です。十分に空気が吸えず、空気清浄性能が落ちてしまいますので、取扱説明書に従い、左右や背面に必要な空間を確保しましょう。また、大きな家具などで気流が阻害されてしまう場合も、効率的な循環が妨げられます」
さらに、「エアコンの風が当たる位置」も、避けたい設置場所だとか。
「サーキュレーターと同じで、エアコンの風が直接当たるところに置くと気流が乱れ、空気の循環がうまくいかず、部屋の隅々にきれいな空気を届けたり、汚れた空気を集めたりすることができなくなります。
暖房時はエアコンの吹き出し口を下に向け、空気清浄機は対面に設置、冷房時はエアコンの吹き出し口を上(平行)に向け、空気清浄機はエアコンの下に設置、という形で、エアコンの気流による空気の循環に乗せるようにしましょう」
花粉対策に適した空気清浄機を選ぶときのポイント
これまで田中さんがお話ししてくれたとおり、花粉対策として空気清浄機を選ぶ際はいくつか注目したいポイントがあります。ここで改めて、田中さんに聞いてみました。
「まず欲しいのは、スピーディーに集じんするパワフルな風量。花粉を付着させたまま部屋に入っても、すぐに集じんすれば浮遊時間を減らせるため、花粉に触れるリスクを抑えられます。また、花粉をしっかりキャッチするHEPAフィルターを搭載するなど、集じんフィルターの性能もチェックしたいところ。さらに、花粉対策として選ぶ場合に重視したいのが、床付近の空気も吸い込める気流設計になっているかです。花粉は1時間ほどで床に落ち、人が歩いたりするたびに足元で舞いやすいので、床付近の花粉も吸い込める設計になっているものが良いですね」
ちなみに、空気が乾燥していると、花粉も水分を失って軽くなるのだとか。そう考えると、加湿機や加湿機能付きの空気清浄機も積極的に使った方が良いのでしょうか?
「確かに、加湿すると花粉が重くなり、床に落ちやすくなります。一方で、空気清浄機が吸い込みにくくなる可能性があると思うので、その場合は床を水拭き掃除すると良いでしょう」
加湿空気清浄機『F-VXW90』で徹底的に花粉対策を
花粉対策できる空気清浄機として、ぜひ候補に加えていただきたいのがパナソニックの『F-VXW90』です。
高性能フィルターを採用し、花粉もニオイもしっかりキャッチ
花粉を捉えるフィルターには、PM2.5などの微細な粒子をしっかりこし取る、“静電HEPAフィルター”を採用。ナノレベルの穴でニオイを吸着する活性炭を使用した“スーパーナノテク脱臭フィルター”も採用しており、ニオイ対策は万全です。
侵入した花粉を許さない、独自の気流&イオンテクノロジー
『F-VXW90』の特長の中でも、特に注目していただきたいのが3方向に吹き出す独自の“3Dフロー花粉撃退気流”。立体的な気流が部屋全体を効率よく循環し、大きくて重い花粉も効率良く吸い込めます。また、床上30cmに吸引口を設定したことで、花粉がたまりがちなエリアもしっかりキレイに。
さらに、より進化したパナソニック独自のイオンテクノロジー「ナノイーX」も搭載。スギ花粉を99%抑制するスピードが4倍に進化※しているなど、花粉やハウスダストを素早くしっかり抑制します。こうした機能には、田中さんも大いに納得している様子。
「ワイドな気流で、ワイドに回収できるのがポイント。以前は2方向からだった気流が3方向から吹き出すように進化したことで、室内で花粉がたまりがちな箇所を減らせます。また、花粉にさらされている時間は少しでも短い方がいいので、スピーディーに抑制してくれる“ナノイーX”はとても頼もしい機能だと思います。微細な花粉は、どう予防しようと室内に侵入してしまうもの。入った分をいかに取り除くかが重要になってくるので、空気清浄機での花粉対策は、ぜひ実践していただきたいですね」
※ナノイーX(4.8兆)では、約24時間かかっていたが※1、ナノイーX(9.6兆) 約12時間で99%以上抑制※2ナノイーX(48兆) 約3時間で99%以上抑制※3(約6畳空間での評価、当社調べ)。
※1:花粉の代表格であるスギ花粉において、花粉に含まれるアレル物質を無害な物質へ99%以上変性。<スギ花粉>【試験機関】パナソニックホールディングス(株)プロダクト解析センター【試験方法】約6畳の試験空間で布に付着させたアレル物質をELISA法で測定【抑制の方法】F-VXS90と同等性能機種を運転し、ナノイーを放出。【対象】花粉(スギ)【試験結果】約24時間で99%以上抑制(L20YA052)。
※2:【試験機関】パナソニックホールディングス(株)プロダクト解析センター【試験方法】約6畳の試験空間で布に付着させたアレル物質をELISA法で測定【抑制の方法】F-VXT90と同等性能機種を運転し、ナノイーを放出。【対象】花粉(スギ)【試験結果】約12時間で99%以上抑制(L20YA051)。
※3:【試験機関】パナソニックホールディングス(株)プロダクト解析センター【試験方法】約6畳の試験空間で布に付着させたアレル物質をELISA法で測定【抑制の方法】F-VXW90を運転し、ナノイーを放出。【対象】花粉(スギ)【試験結果】約3時間で99%以上抑制(H21YA020-1)。
まとめ:花粉対策は「侵入させない+室内で取り除く」が重要
花粉に悩む季節でも、「せめて家の中ではできるだけ快適に過ごしたい」と思う人は多いはず。そのためには、花粉の侵入を妨ぎつつ、入ってきたものを除去することが大切です。「そのために活用したいのが空気清浄機」と、田中さん。
「HEPAフィルターを搭載した空気清浄機は、0.3μmまでの微粒子を99.97%取り除く性能を備えていますから、それより大きな花粉はしっかり取り除くことができます。パワフルに吸引できる空気清浄機で、きれいな空気が部屋を循環する流れをつくっておけば、花粉が入ってきてもすぐに取り除け、花粉に曝露するリスクも減らせますので、対策としてオススメ。ただし、フィルターが詰まると性能が落ちるので、フィルターは定期的にお手入れしましょう」
この記事で紹介した商品
花粉対策のための上手な空気清浄機の使い方についての監修
田中 真紀子(たなか まきこ)
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やweb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。総合情報サイト『All About』白物・美容家電ガイド。
2026年3月18日 空気
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