冬、エアコン使用時の乾燥に悩む人は必見! お部屋を快適な湿度に保つ方法

監修:藤原 千秋
ライター:UP LIFE編集部
2024年2月16日
空気

室温を効率良くコントロールするエアコンは、夏の冷房はもちろん、冬もメインの暖房器具としても活躍する家電です。ですが、懸念されるのが「湿度の低下」。エアコンを使っているとき、空気の乾燥が気になっている方も多いようです。エアコン使用時でも、快適な湿度を保つ方法は……? 住生活ジャーナリストの藤原千秋さんに教えてもらいましょう!

エアコン使用時に空気が乾燥する理由は?

エアコンを使っていて、室内が乾燥すると感じたことはありませんか?夏はもとより、特に気になるのが冬。「エアコン暖房をつけると、湿度がどんどん下がる……」という声は、よく聞こえてきます。

暖房を使うことで湿度が下がる原因は、空気の性質によるもの

以前の記事『冬、室内の湿度を上げる方法は? 暖房で乾燥する部屋を快適にするコツ』で藤原さんが教えてくれたとおり、空気は温度が高いほど、より多くの水分を含むことができます。つまり、暖房を使って部屋の温度を上げたとき、空気中の水分量が同じなら湿度(相対湿度)は下がるということ。空気は少ない水分を補おうとして人の体からも水分を奪っていくため、私たちは乾燥を感じてしまうことになるのです。

屋外よりも飽和水蒸気量が多いため、必然的に湿度は低くなる

空気の乾燥が引き起こす困りごととは?

写真:コップに水を注ぎ入れる

肌や目、のどなどの乾燥につながる

私たちの体の中で水分が奪われやすいのは、空気に触れている部分です。具体的には肌や髪、目のほか、鼻や口の中などとなりますが、「粘膜が乾燥するとかゆみを感じたり、目が疲れやすくなったりすることもある」と、藤原さん。また、乾燥で舞いやすくなったホコリを吸い込んでしまう心配もあるそうです。

隠れ脱水を起こしやすくなる

肌や目などの水分は、体内からつくり出されます。空気から水分を奪われれば当然、体内の水分量は減っていくため、水分補給をしなければ脱水症状に陥ることも。汗をかくことで水分不足を意識しやすい夏と違って、冬は気付かないうちに脱水が進むことも多いのです。

室内の空気が乾燥しにくくなる方法は?

ここでは、お部屋の湿度を快適に保つ方法をチェック! 藤原さんのアドバイスも交えながら紹介するので、乾燥が気になっている方はできることから始めてみてください。

洗濯物を室内に干す

写真:部屋干し

洗濯物が乾く過程で空気中に水分が放出されるため、室内干しをすれば室内の湿度が上がることになります。

「室内干しの洗濯物が一番乾きやすいのは、部屋の中で空気が最も動く場所。カーテンレールなどを使って窓際に干す人もいますが、窓を閉めたままだと空気が動きにくい場所なので、スペースがあるなら部屋の中央に干しましょう。皆さん、すでに実践されているかと思いますが、サーキュレーターなどを使って強制的に空気を動かすのも良いですね。

このときに気を付けたいのは、目的を誤らないこと。室内干しの目的は、あくまで洗濯物の乾燥です。これを忘れると、たとえば加湿機の吹き出し口近くに洗濯物を干す、なんてちぐはぐな行動をとってしまうこともあるもの。室内干しに限ったことではありませんが、何かをするときはその目的を意識することが大切です。“何のためにこれを使うのか”“これをするのは何のためなのか”を考えていただきながら、ベストな手段を選んでいくと良いでしょう」

加湿機や加湿機能付き空気清浄機を設置する

写真:加湿機や加湿機能付き空気清浄機

「加湿できる家電を使えば、効率良く空気にうるおいが与えられます。ただし、湿度の上げすぎは結露やカビなどの発生にもつながりかねないので、湿度計を確認しながら使うようにしましょう」

なお、パナソニックの気化式加湿機なら、加湿量を自動でコントロール。“お急ぎモード”や“のど・肌モード”、“おやすみモード”といった機能を搭載したモデルなら、目的ごとに最適なうるおいを届けます。

また、パナソニックの加湿空気清浄機も、パワフルかつスピーディな加湿が可能。最適な部屋の湿度と言われる約40%〜約60%の範囲で3段階の加湿レベルを用意しており、水蒸気の出る調理中は控えめにするなど、状況に応じて選ぶことができます。

加湿機能を搭載したエアコンを使用する

写真:エアコン

「エアコン暖房時に乾燥が気になるなら、加湿しながら冷暖房運転ができるエアコンを使うのもアリですよね」と、藤原さん。そこでオススメしたいのが、パナソニックのエアコン『エオリア LXシリーズ』です。室外機に換気・除加湿ユニットを搭載しており、給水なしで部屋の加湿が可能。暖房運転との併用に加え、約48分で部屋の湿度を50%まで上げるスピード加湿も実現しています。

※暖房加湿運転時。CS-LX404D2にて。当社環境試験室(約14畳)、外気温7℃、湿度87%、設定温度23℃、設定湿度連続、風量・風向自動、加湿量強。加湿条件は室内温度12℃以上、湿度70%以下、屋外温度 -10℃~24℃です。

まだまだあります!冬のエアコン使用時に気を付けたいこと

写真:リビングで過ごす家族

湿度コントロール以外にも、寒い季節を快適に過ごす方法はさまざま。具体的にどんなことができるのか、藤原さんに聞きました。

室内の温度ムラを解消するには

「暖かい空気は上に、冷たい空気は足元にたまります。この温度ムラの解消に有効なのが、先ほども触れたサーキュレーター。エアコンの対角線上に置き、上向きに風を送ることで空気を循環させることができます。ただ、風が体に当たると不快なうえに、肌寒く感じてしまうので、風量を下げたり向きを変えたりといった工夫をしながら、ベストな使い方を探してみてください」

換気をするとき、暖房はつけっぱなしでOK!

「窓を開けて換気をするときは、暖房を切る必要はありません。これは、暖房を切ってから換気をすると室内の温度が大きく下がり、元の温度に戻すときにより多くの電力が必要になるため。同じ理由から、夏も冷房時運転を切らずに換気するようにしましょう」

イラスト:暖房をつけながら換気

エアコンの暖房が冷房より電気代がかかるのはなぜ?

「エアコン暖房に限らず、冬になると光熱費が高くなるのは仕方ないこと。なぜなら、冬は夏に比べて室温と外気温の差が大きいからです。たとえば夏、設定温度を28℃としたとき、外気温が30℃なら2℃下げれば済むのに対し、冬は設定温度が20℃でも、外気温が5℃だとすれば15℃も上げなくてはなりません。それだけパワーが必要になるので、冷房に比べて電気代がかかるのは当然なのです」

乾燥を抑えるだけじゃない、湿度を上げる必要性

「湿度を上げると体感温度も上がるため、同じ温度でも湿度が低いときに比べて暖かく感じることができます。それにエアコン暖房時は、設定温度を1℃下げると消費電力を約10%削減できると言われているので、電気代節約の観点からも見過ごせません。なお、室内が最適な湿度かどうか、感覚だけで見極めるのは意外と難しいので、温湿度計で確認するのがオススメです」

目安となる室内温度&湿度を参考にしながら、自分にとって快適な環境をつくろう

写真:温湿度計

快適と感じられる温度と湿度は、人によっても異なるものです。目安として、暖房時の室温は20℃、湿度は1年を通して40%〜60%と言われることもありますが、藤原さんによると「自分にとって最も快適な温湿度にコントロールすることが大切」なのだとか。

「上記の室温と湿度は目安なので、例えば“室温26℃、湿度70%”というくらい、大きく外れていなければ、厳密に守る必要はないと思います。湿度が60%を超えるとダニが発生しやすくなるので、そこは抑えていただきたいですが。自分にとってベストな温湿度を知るためには、“今、快適だな”と感じるたびに、温度と湿度をチェックする習慣をつけると良いですよ。私もその方法で、温度25℃、湿度50%が自分にとって快適だとわかることができました。携帯サイズの温湿度計を持ち歩いて、家の中だけでなく外出先でも温湿度を意識するのがオススメです」

監修

藤原 千秋

藤原 千秋

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して20余年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

2024年2月16日 空気

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