睡眠の質を上げるには? 快適な寝室のつくり方と空調の工夫を紹介

睡眠についての監修:坪田 聡(つぼた さとる)
ライター:UP LIFE編集部
2026年1月23日
空気

「熟睡できない」「たっぷり寝たはずなのに、疲れが残る」など、睡眠にまつわるお悩みを抱えている方は少なくありません。もし、あなたがより良い眠りを求めるのなら、「睡眠時の空気」に注目してみては。その理由や実践のヒントを、睡眠の専門家で医師の坪田 聡さんに教えてもらいました。睡眠時の環境を整える必要性や、快適な眠りをサポートする寝室づくりのコツなどとあわせてご紹介します。

睡眠の質が悪くなる原因とは? 「睡眠時の空気」はどう影響する?

写真:ベッドに座り、掛け布団を抱えている女性

1日の中で過ごす時間が長い場所と言えば、寝室。何なら「人生の1/3は寝室で過ごす」とも言えますよね。そんな寝室の空気が睡眠に適していないと、やはり睡眠の質は下がってしまいがちです。具体的にどのような空気が影響を及ぼすのか、坪田さんに聞きました。

寝室の温度や湿度が適切でない

「寝室の空気が高温・多湿だと、汗をかいても蒸発せず、体温の放熱が妨げられるため、寝つきが悪く浅い眠りになりがちです。一方、温度が低いと体が冷えて寝つきにくくなったり、途中で目を覚ましたりしてしまうことも。湿度も低ければ鼻やのどの粘膜が乾燥しやすくなるため、眠りを妨げる要因となります」

空気の汚れで眠りが浅くなる

「空気中に漂う花粉やハウスダストが原因で、睡眠の質が下がることもあります。たとえば、口呼吸がのどの乾燥やいびきにつながったり、目や鼻、皮膚の不快感で眠りが浅くなったり、夜中に何度も目が覚めてしまうということもありますね。空気中の汚れに関しては、化学物質やたばこの煙にも注意が必要。それらの成分やにおいがのどや肺を刺激し、睡眠の持続を妨げることがあるので注意が必要です」

睡眠の質が心身の状態を左右することも

「睡眠の質が下がると、心と体に影響を及ぼすことがあります。心への影響を挙げると、集中力や記憶力が低下して学習や仕事の効率が落ちる可能性が。また、感情が不安定になってイライラや落ち込みが増え、ストレス耐性が弱まったり、モチベーションが下がって日常生活の活力が失われたりすることもあります。

体への影響としては、休んでも疲労感や倦怠感が残り、日中の眠気が強くなることも。また、自律神経の乱れによる不調が出やすくなる場合もあります」

快眠に適した寝室環境とは?

写真:日差しが差し込む寝室

理想的な室温・湿度の目安

「寝室の温度と湿度は、睡眠の質を左右する要素のひとつです。季節ごとでは、夏(梅雨〜真夏)なら室温は26℃前後、湿度は50%前後(許容範囲は40〜60%)が良いと言われます。また、冬(晩秋〜真冬)は室温16〜20℃前後、湿度50%前後を目安に調整すると良いでしょう」

イラスト:寝室の室温・湿度の目安を示す図。左側は夏で、エアコンから冷風が出ており、室温は26℃前後、湿度は50%前後。右側は冬で、エアコンから暖風が出ており、室温は16〜20℃前後、湿度は50%前後

寝具選びでは、寝床内の温度と湿度もポイントに

「睡眠の質を上げるなら、寝具選びも大切。マットレスや敷き布団は高反発タイプ、ポケットコイルといった体圧分散性の高いものを選ぶと、腰や肩への負担が減って寝返りしやすくなります。また、枕は首の自然なカーブを支える高さや硬さが重要。高すぎても低すぎても、不眠や肩こりにつながります。

掛け布団は季節に応じて厚みや重さ、素材の調整を。寝床内の温度を33℃前後、湿度を50%前後に維持するのがポイントです。春は朝晩の寒暖差が大きいため、薄手の掛け布団やタオルケットを組み合わせて調整。夏は蒸し暑さ対策に、通気性の良い麻やガーゼ素材のシーツ類を使います。掛け布団は薄いものや冷感素材のものを選び、熱がこもらないようにしましょう。秋は涼しさと温もりのバランスをとるのに適した、薄手の羽毛布団や綿布団を。空気が乾燥してくるため、保温性と吸湿の両立もポイントです。冬は暖かさを逃さない羽毛布団や、ウール素材が最適。乾燥対策として、綿やシルクのシーツを使うと肌触りが良く、保湿効果も期待できます」

季節ごとでも変わる、睡眠の質を上げる服装

「眠るときは部屋着ではなく、パジャマに着替えましょう。着替えるという行為自体が睡眠モードへの切り替えとなり、入眠を助けます。パジャマは上下が分かれたタイプだと寝返りがしやすいうえ、体温調節が自然に行えておすすめ。ゆったりしたサイズ感で締め付けがないものは、血流や寝返りを妨げずリラックスできます。

また、綿、麻、シルクといった天然素材は通気性と吸湿性に優れ、肌にやさしいのが特徴。春と秋は調整しやすい綿素材、夏は通気性と速乾性をもつ麻やガーゼ、冬は保温性の硬いフランネルやシルクが良いでしょう」

良い眠りに影響する光、音、香り

光や音、香りも、睡眠の質に影響を及ぼす要素。以前の記事にもあるように、寝室の照明は「赤みがかった暖色系の電球色」が、眠るときの音は「気持ちを落ち着ける“1/fのゆらぎ”がある、波の打ち寄せる音や、木の葉のざわめきなど」がおすすめです。

「香りの場合は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせて入眠をスムーズにするものが効果的。快眠アロマの代表格であるラベンダーは、ストレスや不安を軽減して寝つきを良くするほか、深い眠りを促します。また、鎮静作用が強く、不安や緊張を和らげるカモミールや、ストレスを軽減して交感神経の高ぶりを鎮めるベルガモットなども、寝室に取り入れると質の高い睡眠が期待できます」

睡眠環境の質を上げるための空調・空気清浄の工夫

写真:眠る赤ちゃん

寝室の温度と湿度の調整におすすめなのが、エアコンや空気清浄機、加湿機(加湿器)などの空調家電。人が眠っている間も睡眠に適した室温、湿度で運転し、快適な眠りをサポートしてくれます。それぞれの家電のメリットや、上手な使い方を坪田さんに聞きました。

自動的に快適な温度を保てるエアコン

「温度を一定に保てるエアコンは、夏の熱帯夜や冬の寒い夜でも快適な環境を維持できます。最近は、夏の室内熱中症なども問題になっているので、睡眠中も上手に活用したいですね。

先ほども触れたように、室温が夏なら26℃前後、冬なら20℃〜22℃になるように設定しましょう。体に直接、風が当たらないように、風向きも調整を。一晩中、つけっぱなしにするのが気になる場合はタイマー機能を使い、寝ついてから約3時間と目覚める前の30分〜1時間だけ運転させます。エアコンによっては睡眠をサポートするモードを搭載しているので、そちらを利用するのも良いでしょう。なお、暖房で室温をあげると乾燥が進むため、加湿機(加湿器)の併用をおすすめします」

加湿機(加湿器)や除湿機で眠りに適した湿度に調整

「湿度の調整には、乾燥シーズンは加湿機(加湿器)、梅雨や夏は除湿機を。湿度40〜60%で設定し、就寝の30分前から稼働させておくとスムーズに入眠できます。

なお、水タンクやフィルターに雑菌が繁殖すると湿気とともに雑菌が空気中に放出されてしまうので、取扱説明書に従った定期的なお手入れは必須です。また、蒸気が出る加湿機(加湿器)の場合は、ベッドから少し離して設置しましょう。寝具に直接、蒸気が当たると湿気がたまり、カビやダニの繁殖リスクが高まるので注意してください」

空気清浄機で空気の汚れをケア

「空気中のニオイや汚れを取り除ける空気清浄機は、睡眠環境の質を高めることにも役立ちます。体に直接、風が当たると眠りの妨げになるので、ベッドから少し離して設置しましょう。家具の配置などに合わせて、空気の循環しやすい場所に置くのがおすすめです。

就寝前の約30分は強めに運転させ、部屋の空気をきれいにしておきましょう。就寝時は静音モードやおやすみモードなどに切り替えると、作動音が抑えられます。なお、フィルターが目詰まりすると吸引力が落ちるので、こちらも定期的なお手入れを欠かさずに」

睡眠中の作動音を抑える方法は?

“家電の音が気になって眠れない……”なんてことのないよう、寝室で使う家電は静音性にも注目して選びたいところ。さらなる対策として、坪田さんに「音を減らす工夫」と「音を気にしない工夫」を教えてもらいました。

「就寝時に静音モードを利用しても気になる場合は、就寝前に強めに運転させて空気環境を整え、入眠後はタイマーで自動停止させるのもひとつの方法です。また、フィルターや内部にホコリがたまると運転音が大きくなるため、掃除はこまめに行いましょう。また、ホワイトノイズや環境音、好きな音楽などを小さな音で流すと、家電の作動音をマスキングできます。耳栓や睡眠用のイヤホンを利用し、遮音するのも良いでしょう」

睡眠の質を高めるために意識したい生活習慣

写真:ベッドに横になってスマートフォンを操作する女性

「普段からよく眠れない」という場合は、眠る前の行動を見直すことで睡眠の質が上がる可能性もあります。坪田さんに聞いた、快眠を得るための就寝前のルーティンをまとめました。

快眠を得るための就寝前のルーティン・過ごし方

1.眠る前のテレビの視聴やパソコン、スマートフォンの使用を避ける
上記のような電子機器の画面から出る光は、睡眠の調節をするホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。メラトニンが減ると、睡眠の質が落ちることに。

2.布団は眠ることだけに使う
布団に入ったら映像を観たり本を読んだりせず、あとは眠るだけの習慣をつけましょう。脳が睡眠モードに切り替わり、自然と眠気が生じるようになります。

3.就寝の2時間前までに夕食を済ませる
胃腸の動きが活発なときは熟睡できないため、夕食を食べてすぐに眠るのは避けて。食後、2時間ほど経って、消化が一段落してから布団に入るようにしましょう。

4.就寝の1時間前には、照明を少し落とす
部屋が明るいと、脳が「今は昼だ」と錯覚してメラトニンの分泌が抑えられるため、寝床に入る1時間前には照明を少し落としましょう。本を読んだり音楽を聴いたりしながら、リラックスして過ごすのがおすすめ。

5.眠る前の飲酒を避ける
お酒を飲むと寝つきは良くなるものの、眠りが浅くなり、睡眠全体の質は落ちてしまいます。

6.睡眠時間は7時間前後に
個人差はありますが、もっとも病気になりにくい睡眠時間は7時間前後と言われています。起床時刻の7時間前には就寝するようにしましょう。

快適な寝室環境づくりに役立つおすすめ家電

パナソニックの空調家電には、寝室の空気を整えるのに役立つ機能を搭載しています。中でも注目の製品と、その機能をご紹介しましょう。

夜間も心地良い温度と清潔な空気で、快適な睡眠環境をサポート

エアコン『エオリア Xシリーズ』は、霜取り運転中でも暖房を止めないエネチャージシステムや、省エネ性の高いエコロータリー コンプレッサーなどを搭載したハイグレードモデルです。

決めた時間が経つと停止する“おやすみ切タイマー”をはじめ、タイマー運転開始時の1時間後から自動で温度と風量を調節し、冷やしすぎや暖めすぎを抑える“おやすみ運転”や、“おやすみ運転”中のリモコン操作を学習し、次回の運転に反映する“快眠メモリー”などの機能で、快適な睡眠をサポートします。

画像:エアコン『エオリア Xシリーズ』

空気の汚れと乾燥から眠りを守る加湿空気清浄機

パナソニックの『F-VXW90』は、加湿機能やナノイーXを搭載していないエアコンを使っている家庭にもおすすめの加湿空気清浄機です。湿度を快適な範囲で保ちながら、花粉やホコリ、アレル物質などをしっかり除去し、独自の清潔イオンであるナノイーXで抑制。乾燥しやすい季節や花粉シーズンなど、空気の質が気になるときも睡眠環境を整える、心強い1台です。

画像:加湿空気清浄機『F-VXW90』

まとめ:快適な寝室環境づくりが、睡眠の質を左右する

「質の高い睡眠は、心身の健康を守る基盤です」と、坪田さん。だからこそ「温度、湿度、空気環境を整えて快適な寝室をつくり、ぐっすり眠って日中の活力や集中力を高めてほしい」そうです。眠りの質にお悩みなら、寝室の環境や生活習慣を見直してみては? そのときは、パナソニックの空調家電も、ぜひお役立てください。

睡眠についての監修

坪田 聡(つぼた さとる)

坪田 聡(つぼた さとる)

日本医師会、日本睡眠学会所属。ビジネス・コーチと医師という2つの仕事を活かし、行動計画と医学・生理学の両面から、睡眠の質の向上に役立つ情報を発信中。快眠グッズや気になる研究発表など、睡眠に関連する最新情報も紹介している。総合情報サイト『All About』睡眠ガイド。

2026年1月23日 空気

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