【パナソニック開発者の意外な言葉辞典】ラムダッシュ ボディトリマー編

ライター:UP LIFE編集部
2026年10月30日
美容

開発者がふと漏らした一言には、カタログには載らない現場のリアルがあり、ユーザーの生活を豊かにしたいという思い、何度失敗してもやり抜く姿勢、これだけは譲れないこだわりが滲み出ます。

ラムダッシュ ボディトリマー ER-GK9Aの開発を担った、企画の飯島諄、設計の橋哲英、デザインの高橋岳人の3名。彼らが語った開発秘話から「意外な言葉」をピックアップし、そこに宿るストーリーをご紹介します。

いい毛を求めて、社内を歩き回る

左から企画の飯島諄、デザインの高橋岳人、設計の橋哲英

近年、男性の美容への意識は高まっており、ムダ毛ケアに関心を寄せる人が増えています。しかし、実際にボディシェーバーを試してみると、思ったように毛を処理できず、やめてしまう人も少なくないといいます。

実は、ラムダッシュ ボディトリマー ER-GK9Aの開発チームの中にも、かつて同じようにつまずいた経験を持つメンバーがいます。

ボディシェーバーについて自身の過去の経験を語る飯島

飯島:実は私、パナソニックに入社する前にムダ毛ケアを試したのですが、その時のボディシェーバーが使いづらく、面倒になってやめてしまったんです。

橋:市場調査をしていると、最初に使ったボディシェーバーの印象が良くなくてやめてしまったという人が結構いるんですよね。

高橋:私の場合は、同僚のデザイナーたちも使っていて、アドバイスももらえたのですぐに慣れましたが、一人だったら抵抗があったと思いますね。

いかに使う人の立場に立てるかが、製品開発において重要だと橋は語る

だからこそ、企画の飯島、設計の橋、デザインの高橋の3人が口をそろえて強調するのが、徹底的なユーザー視点です。

どのような使い方をされるのか、実際に使ってみたらどういった点が気になるのか、ユーザーの目線で考え、まずは自分の体毛で徹底的に試してみることを習慣化しています。

自社・他社を問わず、ふだんから多くの機種を試して使用感をチェックしている

しかし、体質的に毛が薄くて、自分の体で試せる部位が限られているメンバーもいます。設計の橋もその一人です。

橋:私はもともと体毛が薄くて、腕や脚にほとんど毛が生えていないんです。だからこそ、毛が濃い人の気持ちがわからないもどかしさがあって。周りの人にも話を聞きながら、どうしたらお客様にいいと思ってもらえるものを作れるのか、四六時中考えるようになりました。

体毛が薄い橋も、まずは自分で試して、剃り心地や使いやすさを確認することを欠かさない

ボディトリマーの開発に携わってから、橋は通勤中や街中など、日常的に人の体毛を観察するようになったといいます。好きな料理チャンネルを見ている時も、無意識に出演者の手の毛に目がいってしまうこともあるのだとか。

もはや職業病といえるほど注意深く観察し、そこで得た気づきを商品の開発に生かしていました。

ムダ毛に悩む人をなくしたいと、ユーザーに向き合ってきた橋。そんな橋の口をついて出たのは、意外な言葉でした。

【毛深い人は 社内の人気者】

毛深い人は 社内の人気者  【けぶかいひとは しゃないのにんきもの】〈設計〉  〈意味〉  体毛の評価は人の肌でしか正確にできない。開発メンバーは製品を 評価してくれる社内モニターを随時募集しており、中でも毛量・ 密度・長さが揃った「いい感じの毛」の持ち主は貴重な存在。そんな 「いい感じの毛」を持つ人を見つけておき、関係を構築している。 毛深いことが、ここでは純粋に頼られる理由になる。 毛深い人は 社内の人気者  【けぶかいひとは しゃないのにんきもの】〈設計〉  〈意味〉  体毛の評価は人の肌でしか正確にできない。開発メンバーは製品を 評価してくれる社内モニターを随時募集しており、中でも毛量・ 密度・長さが揃った「いい感じの毛」の持ち主は貴重な存在。そんな 「いい感じの毛」を持つ人を見つけておき、関係を構築している。 毛深いことが、ここでは純粋に頼られる理由になる。

ボディトリマーの開発において特に貴重なのが、評価モニターの存在です。製品の正確な評価は人の毛でなければ確認できない部分が多いといいます。

社内では常に製品を評価してくれるモニターを募集し、自分たちでも社内を歩き回り、毛量・密度・長さが揃った“いい感じの毛”を持つ人を見つけると、直接声をかけてリクルートしています。

人工毛の肌サンプルだけでは、実際の切り心地や使用感はわからないと3人は話す

とはいえ、三拍子揃った毛の持ち主は、そう簡単には見つかりません。だからこそ、条件に合う人には開発チームから熱い視線が注がれています。継続して協力してもらえるよう、日頃からの関係構築も怠りません。

そうした地道な取り組みの結果、評価モニターとして頼れるメンバーを見つけておき、実用テストの日時が決まると協力を依頼するといいます。今回も試作品を試してもらい、感想やフィードバックを製品開発に生かしながら、試行錯誤を重ねました。

整えると、別のところが気になり出す

ユーザーが自分の望む状態に少しでも近づけるよう、飯島は長さの調整幅にこだわった

ラムダッシュ ボディトリマー ER-GK9Aが前モデルから変化したポイントの一つが、毛の長さをより細かく調整できるようになった点です。前モデルは1ミリ刻みでしたが、今回のモデルでは0.5ミリ刻みでの調整が可能になりました。

「たった0.5ミリの違いに、どれほど意味があるのか」と思う人もいるかもしれません。しかし、この0.5ミリの違いには、飯島の強いこだわりがありました。

【美意識は 0.5ミリずつ 上がる】

美意識は 0.5ミリずつ 上がる 【びいしきは 0.5みりずつ あがる】〈企画〉 〈意味〉 ケアの刻みを1ミリから0.5ミリに細分化したのは、技術的な精度のためだけではない。はじめて使う人が「いきなりゼロ」に抵抗を感じることを考慮し、少しずつ短くしながら自分の理想に近づけるための幅だ。美意識とは一気に上がるものではなく、0.5ミリの積み重ねで育っていくものだと、開発者は知っている。 美意識は 0.5ミリずつ 上がる 【びいしきは 0.5みりずつ あがる】〈企画〉 〈意味〉 ケアの刻みを1ミリから0.5ミリに細分化したのは、技術的な精度のためだけではない。はじめて使う人が「いきなりゼロ」に抵抗を感じることを考慮し、少しずつ短くしながら自分の理想に近づけるための幅だ。美意識とは一気に上がるものではなく、0.5ミリの積み重ねで育っていくものだと、開発者は知っている。

飯島:人間って不思議なもので、毛の処理に慣れると、もっと短くしたくなったり、他の部位も気になったりと、意識が変わってくるんです。その人が望む状態に可能な限り近づけられるようにしたいという思いから、調整の幅を0.5ミリ刻みに変更しました。

ムダ毛処理への意識は変わってきているとはいえ、初めて行う際は少なからず抵抗を感じるもの。「とりあえず腕やすねの毛だけ」と、人目につきやすい部位から始め、慣れてくると別の部位へとケアする範囲を広げていくそうです。

アタッチメントを装着することで、0.5ミリ単位での長さの調節が可能になる

もちろん、はじめからできるだけ短く仕上げたい人もいれば、自然な状態に整えたいという人や、部位ごとに長さを変えたいという人もいます。理想とする状態は人それぞれです。

飯島:毛がない状態がいい、という風潮を広めたいわけではないんです。自分の理想の姿を実現するための選択肢の一つとして、ボディトリマーを選んでもらえればと思っています。

橋:まずは一度試してもらいたいですね。

高橋:使う人の毎日が、ちょっと前向きになったらいいですよね。

0.5ミリ刻みの長さ調整に込めた思いを語る飯島

毛に悩みを抱えていた人が、ボディトリマーで理想の状態に整え、人目を気にせず過ごせるようになる。少しでも自信が持てれば、今まで避けていた肌を露出する服に挑戦できるかもしれない。今より前向きに過ごせる人が増えてほしい。

たったの0.5ミリ。されど、飯島にとってはユーザーが理想とする状態を実現し、日々の生活がより豊かになるために譲れない0.5ミリだったのです。

点で光らせるのは、簡単だった

何度も試作を繰り返し、影を作らず、面でふわっと照らせる設計を実現した

「20回や30回なんて数ではおさまらない」――新モデルにLEDライトを搭載するにあたって、設計の試作を繰り返した回数です。

ラムダッシュ ボディトリマーの大きな特長といえるのが、I字フォルム。カミソリのようなT字型のものとは異なり、I字フォルムはVIOなどの凹凸のある部位にも刃がしっかり届き、細部まできれいに剃りやすいのが魅力です。

I字フォルムがボディトリマーの特長

さらに、今回のラムダッシュ ボディトリマー ER-GK9Aは、より洗練されたI字フォルムに進化し、コンパクト化・軽量化を実現しました。

このようにI字フォルムは、ボディトリマーの特長であり、強みなのです。

肌ガードアタッチメントを装着すると、デリケートな部位も肌を守りながら剃りやすい

しかし、このボディトリマーの大きな特長であるI字フォルムに、設計の橋は大いに悩まされました。

ER-GK9Aは、ボディトリマーシリーズで初めてLEDライト(名称:スキンビューLED)を搭載したモデルです。

LEDライトがあれば、VIOやワキなど、影ができやすい部位の毛の処理がしやすくなります。薄暗いバスルームなどの環境下でも毛が剃りやすくなるといったメリットもあります。

ER-GK9Aには、明るめのLEDライトが搭載されている

【強みが ネックに なることも】

強みが ネックに なることも 【つよみが ねっくに なることも】〈設計〉 〈意味〉 I字フォルムは、ボディトリマーの最大の特長だ。しかしライトを搭載しようとした時、その形状が逆に制約になった。側面にLEDを設置すると、刃の手前まで光を回り込ませることが難しく、影が出やすくなってしまう。この課題を解消するために、何度も試作を繰り返した。強みと弱みは、同じ場所にあった。 強みが ネックに なることも 【つよみが ねっくに なることも】〈設計〉 〈意味〉 I字フォルムは、ボディトリマーの最大の特長だ。しかしライトを搭載しようとした時、その形状が逆に制約になった。側面にLEDを設置すると、刃の手前まで光を回り込ませることが難しく、影が出やすくなってしまう。この課題を解消するために、何度も試作を繰り返した。強みと弱みは、同じ場所にあった。

橋:ER-GK9Aには明るめのLEDを搭載しているんですけど、そのままだと点でギロッと光ってしまうんです。全体をふわっと照らす光にできないか。“点”ではなく“面”で光らせるために試行錯誤を繰り返しました。その際、ネックとなったのが、このI字フォルムでした。

毛を剃る部位を照らそうとすると、ボディトリマーはI字型であるがゆえに、ヘッドのあご部分が影を作ってしまうのです。

影を作らず、広い範囲をふわっと光らせるため、橋は何度も設計を繰り返しました。

初搭載のLEDライトは、影を作らず、広い範囲を明るく照らすことが課題となった

橋:試作を進めるうえで、高橋さんとは何度も相談しました。「ここをもう少し大きくできないか」「ちょっと難しい」「では、ここの部分を……」と、やり取りを重ねながら形にしていきましたね。

高橋と意見を交わしながら、橋は試作を重ねた

試行錯誤の末、たどり着いたのが、ヘッドのあご部分の下にLEDライトを設置し、三日月型を描くように光らせる設計でした。I字フォルムの強みはそのまま、影を抑え、広範囲を明るくふんわり照らせるようになったのです。

最終的には、100回近くにおよぶ試作を重ね、ようやくこの難題を解決しました。

この色じゃなければ、意味がない

ER-GK9Aでは、新色のライトグレーが登場

3人の中でも細部へのこだわりがひときわ強いのが、デザインの高橋でした。

ボディトリマーはこれまでブラックのモデルが主流でしたが、ER-GK9Aでは新色のライトグレーが加わり、2色展開となりました。

高橋:今回新たに追加されたライトグレーは清潔感を意識しました。最近は真っ白よりもニュアンスグレーのような色味がトレンドですし、洗面空間もウッド調などいろいろあるので、ホワイトよりも中間色のほうが調和しやすいんです。

ER-GK9Aのデザインやカラーの細部には、高橋のこだわりが詰まっている

男性向けの家電はブラックが多い中、高橋は今回の新色に強いこだわりがありました。

同社の手のひらサイズの電気シェーバー「ラムダッシュ パームインがニュアンスカラーで好評を得たことも後押しとなり、ボディトリマーもライトグレーなら新鮮さを感じてもらえると考えたのです。

高橋のこだわりは、本体の色だけにとどまりません。これまでブラックだった刃の根元部分の部品についても、今回のデザインの刷新に合わせて本体と同じ色に変更することにしたのです。

写真はボディトリマー ER-GK23。これまでのモデルには、根元部分の色が本体と異なるものもあった

ただ、これまで採用していた色から別の色に変えると、他部署との調整も必要になるため、大きなハードルがあります。それでも、高橋は今回のカラー変更だけは譲れませんでした。

その熱意に感化された飯島は各部署との調整に奔走しました。

刃の部品のカラー変更を実現するために、飯島は社内を駆け回った

高橋:これまでも部品のカラー変更を希望したことはあるのですが、なかなか実現できず。今回は飯島さんの突破力に助けられました。

飯島:今回の2色展開はインパクトも大きいと思ったんです。だからこそ、細部の色にも妥協したくなかった。管理部門との調整では「ここがブラックだったら印象が全然違わないですか」と、実機を見せながらカラー変更の重要性を伝えました。

飯島の突破力に感謝する高橋

そして、高橋が理想とする本体や部品の色を実現するために、橋も奔走しました。

橋:高橋さんが求める色に近づけるため、海外の塗料メーカーに何度も足を運びました。出てきた色を見せても、「青みが少ない」「赤みが強い」と、なかなかOKが出ず。自分から見たらどれも同じなんですが(笑)。

高橋:感覚的な部分もありますが、最初に目標の色を決めるんです。そこに近づけるのが難しくて。比べてみると「赤い」とか「青い」とか、どうしても感じてしまうんです。

海外に何度も足を運んだことも、今では笑って話せる開発秘話の一つ

苦労の甲斐あって、みんなで思い描いた色を、ようやく形にすることができたのでした。

色や光らせ方に一切妥協しなかった3人。同じ製品の開発に携わりながらも、企画、設計、デザインと立場は異なります。

LEDライトの設計や色の選定でも、それぞれのこだわりがあり、開発がスムーズに進んだとはいえませんでした。意見が合わず、衝突する場面はなかったのでしょうか。

【あまり 喧嘩は しなかった】

あまり 喧嘩は しなかった 【あまり けんかは しなかった】〈企画〉〈設計〉〈デザイン〉 〈意味〉 企画・設計・デザインそれぞれが「この色でなければ」「この形でなければ」と言い合う場面が何度もあった。それでも開発チームが振り返って口をそろえるのは、「あんまり喧嘩しなかった」という言葉だ。対立ではなく、全員が「いいものを届けたい」という同じ目標から違う角度で言っていただけ、と3人は笑う。 あまり 喧嘩は しなかった 【あまり けんかは しなかった】〈企画〉〈設計〉〈デザイン〉 〈意味〉 企画・設計・デザインそれぞれが「この色でなければ」「この形でなければ」と言い合う場面が何度もあった。それでも開発チームが振り返って口をそろえるのは、「あんまり喧嘩しなかった」という言葉だ。対立ではなく、全員が「いいものを届けたい」という同じ目標から違う角度で言っていただけ、と3人は笑う。

飯島:あまり喧嘩はしていないですね。結局、いいものを届けたい思いは一緒なんです。それぞれの視点から、お客様にとっての最適解を考えているだけなので。

橋:今回はデザインを一新するのがテーマだったので、軸となるのが高橋さん。お互い意見は言い合いますが、目指すところが同じだからこそ、生産的な話になるんです。

高橋:デザインを良くして商品の価値を高め、お客様に喜んでもらえるものを目指しています。メンバーがその思いに共感し「みんなでやろう」と言ってくれたのが大きかったです。好き勝手言って迷惑をかけたと思いますが(笑)。

開発の日々を振り返りながら、当時の苦労を語り合う3人

より良い製品を作り、ユーザーに喜んでもらいたい。そんな思いから、開発現場ではそれぞれの視点で意見を交わします。意見が食い違い、譲れないこともありましたが、目指すところは同じ。最善の方法を探りながら、試行錯誤を重ねてきました。

3人を中心に、多くのメンバーの思いや努力が結晶し、誕生したのがラムダッシュ ボディトリマー ER-GK9Aだったのです。

左から企画の飯島諄、デザインの高橋岳人、設計の橋哲英

しっかり剃れるのに、肌にやさしい。ラムダッシュ ボディトリマー ER-GK9A

ラムダッシュ ボディトリマー
ER-GK9A

スキンビューLEDを新搭載し、影になりやすい部位も明るく照らして、全身の体毛をケアしやすいボディトリマーです。長さそろえアタッチメントを使えば、0.5ミリ単位でお好みの長さに調整可能。防水設計でお風呂でも使えるため、手軽に体毛を整えられます。

ラムダッシュ ボディトリマー ER-GK9Aで体毛をケアする様子

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2026年10月30日  美容

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