炊飯器の早炊きはどのくらい早い?「時間」「おいしさ」普通炊きとの違い

監修:Panasonic Cooking @Lab
ライター:UP LIFE編集部
2023年12月14日
食・レシピ

炊飯器の「早炊き(コース・機能)」は、調理時間を短時間で済ませたい時に非常に便利な機能です。そんな便利な早炊きですが、普通炊きよりもどのくらい早く炊けるかご存じですか。この記事では、炊飯器の早炊きと普通炊きの違いや早炊きでおいしく炊くコツ、早炊きでもおいしく炊ける炊飯器についてご紹介します。

炊飯器の早炊きと普通炊きの違いとは?

写真:ご飯が盛られてるイメージ

炊飯器の早炊きと普通炊きの違いで気になることといえば「炊く時間」「おいしさ」「電気代」の3つではないでしょうか。ここでは、この3つのポイントにおける早炊きと普通炊きの違いについて解説します。

【工程の違い】早炊きでは工程が省かれることも

まずは一般的な炊飯器の普通炊きの工程について見ていきましょう。

普通炊きの工程は以下のとおりです。
【吸水】
弱火で加熱してお米の芯まで充分に吸水させます。
【炊き上げ】
ムラなく一気に加熱して、吹きこぼさずに沸騰を維持して炊き上げます。
【蒸らし】
お米表面の余分な水分を飛ばして水分を均一にします。

炊飯器にセットする前に、お米を水に浸す時間を設けている方もいるかと思いますが、その必要はありません。炊飯器が吸水工程を担ってくれているので、お米を洗った後すぐに炊飯を開始できます。
普通炊きの場合は、およそ45~60分かけてこの3つの工程を行います。

しかし早炊きの場合、1つずつの工程時間を短くしたり、「吸水」と「蒸らし」の工程を省いたりすることで、炊き上がりの時間を短くします。

【炊飯時間】早炊きは普通炊きより約20〜30分早く炊ける

写真:箸でご飯をすくってるイメージ

パナソニックのジャー炊飯器の場合、「早炊き(高速/早炊きコース)」では「普通炊き(銀シャリ/ふつうコース)」で行う上記の各工程の時間を少しずつ短縮して炊飯します。短縮できる時間は炊飯器の種類や炊飯の合数によって異なりますが、普通炊きが約48~56分で炊き上がるのに対し、早炊きは約20~38分で炊き上がり、約20~30分炊飯時間を短縮できます。

【おいしさ】早炊きはやや硬めや水っぽくなる

写真:夫婦で食卓を囲んでいるイメージ

日本人が好んで食べているうるち米のおいしさは、適度な弾力と粘り気、甘みなどが重要な要素です。そしてこれらの特性はお米が水をしっかり吸い込み、適度に蒸らすことなどで引き出されるとされています。
そのため、吸水時間が短い分硬めに感じたり、蒸らし時間が短いことからごはんと水が十分に馴染んでおらず、水っぽく感じることがあります。
パナソニックのジャー炊飯器では「早炊き(高速/早炊きコース)」の場合、時間短縮のために火力がやや強くなっており、お米の種類によっては硬めに炊き上がることがあります。

【電気代】早炊きはほとんど変わらないか、若干安くなる

早炊きで炊飯する場合、多くの炊飯器は高火力でお米を炊くように設定されています。その点では使用電力が上がる心配がありますが、早炊きすると炊き上がりまでの時間が短くなるため、実際には使用電力量はそれほど変わらないとされています。

パナソニックのジャー炊飯器の場合、「早炊き(高速/早炊きコース)」の方が「普通炊き(銀シャリ/ふつうコース)」よりも炊飯時間が短いため、電気代が若干安くなります。

早炊きでおいしく炊くコツは洗米にあり

写真:ご飯を研いでるイメージ

早炊きでよりおいしく炊き上げたいならお米の洗米にこだわってみましょう。「洗米する」といってもあまりに力が強いとお米が割れてしまいます。割れたお米は炊飯中にでんぷん質が溶け出し、炊き上がった時にベチャっと水っぽい食感になり、本来のお米のおいしさを引き出すことができません。

コツはやさしく洗米すること

洗米中の水にはヌカや汚れが流れ出てくるため、手早く行うことが大切です。また、最近は精米技術が進化しており、一生懸命透明の水になるまで洗う必要はありません。ゴシゴシと力を入れて洗うとお米がべたつく要因となってしまうので、優しく手早く洗米するようにしましょう。

まずは炊飯器の内釜やボウルに水を入れ、お米を軽く2、3回混ぜたら水を捨てましょう。そして水中ではお米同士の摩擦が起きにくく洗米しにくいため、水がほとんどない状態にしてからあまり力を入れずに一定のリズムで同じ方向にぐるぐると20回程度軽くシャカシャカとかき回すように優しく洗米します。うっすらお米が透けて見えるくらいの透明度になるまで、水を3、4回程度入れ替えながら洗米します。

炊き上がったらできるだけ早くごはんをほぐす

写真:女性がキッチンで炊きあがったご飯を混ぜているイメージ

また、ごはんの余分な水分を飛ばすために炊き上がったらできるだけ早くごはんをほぐしましょう。ほぐし方のポイントはごはん粒をつぶさないように気をつけながら、切るようにして全体をほぐすこと。このひと手間でごはんの余分な水分が飛んで、粒にツヤが出て食感もよくなります。

15分水に浸して早炊きするとやわらかくなり、普通炊きよりも早く炊ける!

時間があまりなくてもおいしく食べたいときは15分だけ浸して、早炊きで炊いてみてください。先ほどの通り早炊き炊飯は吸水工程を短くしているため、事前に浸しておくことでふっくら炊けます。余分に時間がかかってしまいますが、普通炊きよりは早く炊けるのでおすすめです。

こんな使い方も。予約炊飯や普通炊きをスタートしたつもりが、ボタンを押せていなかった!そんなときは、事前に十分浸水させていたのであれば、普通炊きではなく、早炊きで炊くことで早くふっくら仕上がります。

またパナソニックのジャー炊飯器には「浸した米コース」というものがあり、炊飯開始ボタンを2度押しすると、吸水時間を短縮して炊飯してくれるコースもあります。(機種とコースによります)
早炊きに比べると、合数によって少し時間はかかってしまいますが、事前浸水専用コースとなっていますのでこちらもお試しください。

※ 夏場など水温が高いときは8時間以上、冬場は13時間以上浸さないでください(お米が発酵し、においの原因となります)

早炊きしてもおいしく炊ける!「高速」コースのある炊飯器

事前浸水不要で、早炊きしても普通炊きと変わらないおいしいごはんを楽しみたいなら、「可変圧力IHジャー炊飯器 ビストロ Vシリーズ」がおすすめです。
炊き方で「高速※1」を選ぶと、炊飯時間は、27〜36分と短時間で炊き上がります。

「玄米高速」コースを使えば玄米も早く炊ける

また、「可変圧力IHジャー炊飯器 ビストロ Vシリーズ」には時間のかかる玄米が簡単においしく炊ける「玄米高速コース」が搭載されています。おどり炊きでお米を激しく対流させることでしっかりとお米の芯まで熱を伝えることができるので、「玄米ごはんコース」の炊飯時間が約85分~に対し、「玄米高速」コースなら炊飯時間約68分~と短時間で玄米がふっくらと炊き上がります。そのほかにも、「炊込み」コース「おこわ」コース「麦ごはん」コース「赤飯」コースなど、手間のかかるごはんが簡単に楽しめる専用コースが多数用意されています。

「やわらか」「しゃっきり」などメニューに合わせた炊き分けが可能

いろいろな食感とかたさに炊き分けが可能で、お子様やご年配の方のごはんなら「やわらか」に、チャーハンや牛丼などの料理なら粒感のある「しゃっきり」に、など食べる人やメニューに合わせて炊き分けができます。
ほかにも米の銘柄に合わせて炊き分ける「銘柄炊き分け」が搭載され、理想の炊き上がりを実現しています。

まとめ

写真:夫婦と子供一人の家族が食卓を囲んでるイメージ

炊飯器の早炊きは家事や仕事、育児などで日々忙しい方に便利な機能です。昔は早炊きしたごはんは硬く水っぽい炊き上がりになることが多いと言われていましたが、最近の炊飯器は技術向上により、普通炊きとそん色なくおいしく炊き上がる工夫がされています。上手に早炊き機能を活用して、時短調理に役立ててみてはいかがでしょうか。

監修

Panasonic Cooking @Lab

Panasonic Cooking @Lab

Panasonic Cooking @Labとは?
「おいしさを科学し、食卓に笑顔と感動をお届けする」をモットーに、「電子レンジ」「炊飯器」「調理小物」「IHクッキングヒーター」「冷蔵庫」を含むパナソニック調理事業の全カテゴリーの調理ソフト開発メンバーが所属し、設計者と生活者の両視点からお客様へのお役立ち活動を実践する組織です。

調理機器・食に精通するユニークな専門性を有するメンバーの知恵を結集して近年の多様化するライフスタイルや価値観に共感する商品やサービスを産み出し、社会にお役立ちしてまいります。

  1. 吸水時間を短縮するので、ややかために炊き上がります。

2023年12月14日 食・レシピ

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