【肉の冷凍保存】気になる賞味期限とおいしく保存する5つのポイント!

肉の冷凍保存方法や解凍方法についての監修:検見﨑 聡美(けんみざき さとみ)
ライター:UP LIFE編集部
2024年3月5日
食・レシピ

お肉はまとめ買いして冷凍保存するという方も多いかもしれません。ただし、冷凍の仕方によってはおいしさを損なってしまうこともあります。この記事では、冷凍したお肉の賞味期限や、おいしく冷凍保存するためのポイントを解説します。

肉の消費期限と賞味期限

写真:発泡トレーに入った肉の様子

食品には、「消費期限」と「賞味期限」の表示があります。

消費期限とは、安全に食べられる期限のことで、賞味期限とは未開封で保存方法を守った場合に、おいしく食べられる期限のことです。肉の消費期限は、冷蔵室で保存した場合の期限になります。

肉の賞味期限の目安

肉の賞味期限は、冷凍保存すれば冷蔵保存よりも長くなりますが、種類によって目安が異なります。

牛肉、豚肉のこま切れ肉、薄切り肉、ステーキ肉、ブロック肉の場合は、冷凍した場合、約3週間~1カ月です。鶏もも肉や鶏むね肉、鶏ささみ肉の場合も約3週間~1カ月を目安に使い切りましょう。そして牛肉、豚肉、鶏肉にかかわらずひき肉は空気に触れる部分が多いことから傷みやすいため、約2~3週間を目安になるべく早く使い切ることが大切です。

ただしこれらの期間はあくまで目安であり、肉の状態や使用している保存袋、冷蔵庫内の保管場所などによっても変わりますので、注意が必要です。なるべく早めに食べ切るようにしましょう。

肉の冷凍保存方法

肉の冷凍保存は、肉の種類や加工の状態に合わせてすばやく冷凍することで、解凍後に使いやすくなります。ここでは牛肉、豚肉、鶏肉、ひき肉の冷凍保存方法について解説します。

牛肉の冷凍保存方法

写真:ラップで包まれた牛肉の様子

【こま切れ肉、薄切り肉】
表面の水分をキッチンペーパーで拭き取り、使いやすい量に小分けします。小分けにした肉を薄く平らになるように広げてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて空気をしっかり抜いてから冷凍保存します。使いやすい量に小分けしておくと、調理時にも使いやすくなり便利です。

また、薄く平らな状態にすることで短時間での冷凍・解凍ができます。小分けにする際は、素手で触ると細菌が繁殖するおそれがあるため、菜箸やトング、ビニール手袋などを使うと良いでしょう。

【ステーキ肉、ブロック肉】
表面の水分を拭き取り、空気が入らないようにラップでしっかり包みます。さらにアルミホイルで包んで冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから冷凍保存します。アルミホイルで包むことでより早く冷凍できます。おうち焼き肉で牛肉が余ったときもこれらの方法で保存すればおいしく使い切れます。

豚肉の冷凍保存方法

写真:ラップで包まれた豚肉がお皿の上に置かれた様子

【こま切れ肉、薄切り肉】
表面の水分を拭き取り、使いやすい量に小分けします。小分けにした肉を薄く平らになるように広げてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて空気をしっかり抜いてから冷凍保存します。

【豚ロース肉】
表面の水分をキッチンペーパーで拭き取り、1枚ずつラップに包みます。冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから冷凍保存します。とんかつやトンテキに調理する場合は、水分を拭き取る前に筋切りをしておくと調理時間の短縮になります。

鶏肉の冷凍保存方法

写真:ラップで包まれた鶏肉が入っている冷凍用保存袋が、お皿の上に置かれた様子

【鶏もも肉、鶏むね肉】
表面の水気を拭き取り、1枚ずつラップに包みます。冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから冷凍保存します。もしくは使いやすい大きさや分量に分けてからラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。から揚げやサラダチキンなど調理が決まっている場合には、カットした鶏もも肉や鶏むね肉に下味をつけておくと冷凍時に味が染み込み、調理時間の短縮もできます。

【鶏ささみ肉】
筋を取り除き、表面の水分を拭き取ってから1本ずつラップで包んで冷凍用保存袋に入れて冷凍保存します。

ひき肉の冷凍保存方法

写真:ラップで包まれたひき肉が入っている冷凍用保存袋を、手に持っている様子

ひき肉は空気に触れると傷みやすいため、購入後できるだけ早く冷凍保存するのが基本です。保存するときは使いやすい量に小分けして、なるべく薄くしてからラップで包み、冷凍用保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍保存します。

肉の冷凍保存5つのポイント

写真:発泡トレーに入った肉の様子

肉を冷凍保存するときは、以下のポイントを押さえておくことで、よりおいしく保存ができます。

【冷凍のポイント1】新鮮なうちに冷凍保存する

肉が新鮮なうちに冷凍保存することも大切です。冷蔵保存している肉の品質は、徐々に劣化していきます。そのため、すぐに食べない場合はできるだけ早く、新鮮なうちに冷凍保存しておきましょう。可能であれば、肉を購入した日に使う分と冷凍する分を分け、冷凍保存するとよいでしょう。

【冷凍のポイント2】急速に冷凍する

写真:肉が入っている冷凍用保存袋が、金属製のトレーの上に置かれた様子

食品が凍るまでの時間が短ければ短いほど、食品の細胞の損傷を抑えられるため、おいしく保存するには急速冷凍がおすすめです。家庭用冷蔵庫の中には急速冷凍機能を搭載しているものもあるので、冷蔵庫に急速冷凍機能が搭載されている場合は活用しましょう。

冷蔵庫に急速冷凍機能が搭載されていない場合には、金属製のトレーを活用すると良いでしょう。ステンレス製やアルミ製など熱伝導率が高いトレーに肉をのせて冷凍室に入れると、冷気が伝わりやすくなり、より短い時間で食品を冷凍できます。

【冷凍のポイント3】酸化しないように注意する

肉は酸化しないように、ラップで包んで冷凍保存するのがおすすめです。空気になるべく触れない状態で保存しましょう。

【冷凍のポイント4】空気が入らないように密封する

写真:冷凍用保存袋の中に肉を入れ、両手で袋内の空気をしっかり抜いている様子

肉は空気に触れると酸化して品質が落ちやすくなるため、肉をラップで包むときは空気が入らないようにぴったりと包みましょう。また、ラップのまま冷凍室に入れると保存している間にラップがはがれて空気に触れて酸化したり、霜がついたりする場合があります。ラップに包んだ肉は冷凍用保存袋に入れ、袋内の空気をしっかり抜いてから冷凍保存しましょう。

【冷凍のポイント5】使用する保存袋の耐冷温度を確認する

冷凍保存するときは冷凍用保存袋を選ぶようにしましょう。

食品向けに販売されている保存袋は、大きく冷蔵用と冷凍用の2つがありますが、冷蔵用と冷凍用の違いは耐冷温度と袋の厚みです。一般的な冷蔵用保存袋の耐冷温度は-30℃程度に対し、冷凍用保存袋は-70℃程度と耐冷性に優れています。また、冷凍用保存袋は冷蔵用保存袋よりも厚みがあり、冷凍焼けや臭い移りなどを防ぎやすくなります。電子レンジで解凍する際には、耐熱温度が100℃以上かも確認しておくと良いでしょう。

冷凍した肉の解凍方法

写真:ラップで包まれた肉が入っている冷凍用保存袋が、お皿の上に置かれ、それを両手で持っている様子

適切に冷凍保存しても解凍方法によっては、肉の風味や食感を損ねる場合があります。ここでは、冷凍保存した肉をおいしく解凍する方法や注意点について解説します。

【解凍方法1】冷蔵室で自然解凍する

調理するまでに時間がある場合は、冷凍室の肉を冷蔵室に移して自然解凍する方法があります。冷蔵室での自然解凍は、時間はかかりますが放置しておくだけで解凍できるので手間がかかりません。

ただし、解凍するときはドリップに注意しましょう。ドリップとは肉の内部から出るたんぱく質やうまみ成分などを含む水分のことで、放置すると臭みの原因になります。冷蔵室で自然解凍するときはドリップが出ても大丈夫なように、受け皿に網を置き、肉をその上にのせてドリップに肉が浸らないように解凍しましょう。ドリップを防ぐには、半解凍の状態で取り出して使用すると良いでしょう。

【解凍方法2】流水に当てながら解凍する

冷凍した肉を冷凍用保存袋に入れたままボウルなどに移し、流水に当てて解凍する方法です。冷蔵庫での自然解凍よりも短い時間で解凍できます。流水解凍では完全に解凍させず、半解凍で使いましょう。中心部分は凍っていても表面は適度に解凍されている半解凍なら包丁が入りやすく、下ごしらえもしやすくなります。

【解凍方法3】急ぐ場合は電子レンジの解凍機能で解凍する

急いで解凍したいときは、短時間で肉を解凍できる「解凍機能」が搭載されている電子レンジで解凍するのがおすすめです。ただし、加熱ムラが起きやすく、ドリップも出やすいため、様子を見ながら少しずつ解凍すると良いでしょう。

電子レンジで解凍するコツを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

急速冷凍でお肉をおいしく保存!「はやうま冷凍」搭載冷蔵庫

写真:「はやうま冷凍」搭載冷蔵庫 WXタイプがリビングに置かれている様子

お肉をおいしく冷凍保存するならパナソニックの「はやうま冷凍」搭載冷蔵庫がおすすめです。ここでは「はやうま冷凍」機能の特長についてご紹介します。

「はやうま冷凍」でおいしさも食感もキープ

急凍45分・60分

「はやうま冷凍」は、業務用レベルの急速冷凍※1で食品のおいしさをキープします。大風量の集中シャワー冷却と熱伝導率が高いアルミプレートによって食品をすばやく凍らせ、霜つきも防ぎます。食品のおいしさや食感をキープして冷凍でき、お肉や野菜はもちろん、下味つけをした食材や作り置きおかずも解凍加熱したあとのおいしさがぐっと上がります。

すばやく凍らせるから、食品の細胞の損傷を抑えておいしく冷凍

通常冷凍 うまみが逃げる、「はやうま冷凍」(急速冷凍) うまみがとどまる※2

「はやうま冷凍」は食品をすばやく凍らせるので、食品の細胞の損傷を抑えます。水分が凍る温度帯をすばやく通過することで、お肉のうまみを逃さずにとどめ※2、おいしく冷凍保存ができます。

解凍ムラを抑え、中までしっかり解凍!スチームオーブンレンジ

写真:スチームオーブンレンジ ビストロ NE-UBS10Aがキッチンに置かれている様子

冷凍したお肉をできるだけおいしく解凍するなら、パナソニックの「スチームオーブンレンジ」がおすすめです。お肉の解凍ムラを抑えながら、中心部分までしっかり解凍できるので、何度も解凍しなおす手間が省けます。

サイクロンウェーブ加熱でムラを抑えて解凍!

写真:ボウルに入ったひき肉を両手で持っている様子

マイクロ波をらせん状に放射するサイクロンウェーブ加熱により、食品の中心部分からおだやかに、ムラを抑えて解凍します。さらに「高精細・64眼スピードセンサー」が分量や種類を見分けて※3自動で解凍を制御するため、手間なく解凍が行えます。

まとめ

お肉をおいしく冷凍保存するコツは、できるだけ新鮮なうちにラップで包み、冷凍用保存袋に入れて急速冷凍することが大切です。手間なくおいしく冷凍、解凍したい場合には、「はやうま冷凍」搭載の冷蔵庫や、加熱ムラが防げるスチームオーブンレンジがおすすめです。お肉をムダなくおいしく使い切るために役立ててみてはいかがでしょうか。

肉の冷凍保存方法や解凍方法についての監修

検見﨑 聡美(けんみざき さとみ)

料理研究家、管理栄養士。赤堀栄養専門学校卒業後、料理研究家のアシスタントを務める。独立後はテレビや雑誌、書籍等を中心に活躍。体にやさしく初心者でも手軽に作れる料理に定評がある。

*当社調べ。運転状況や食品の種類・状態や量によって、効果が異なります。
※1 最大氷結晶生成帯(-1℃~-5℃)を通過する時間:約28分。実験条件:牛ステーキ肉(もも肉)150gをラップ包装。クーリングアシストルーム内のアルミプレートの上に置いて急凍した場合、外気温25℃、扉開閉なし(当社測定)。
※2 実験条件:牛ステーキ肉(もも肉)150gをラップ包装。クーリングアシストルーム内のアルミプレートの上に置いて冷凍。凍結後、10日間冷凍室で保存。冷蔵室で24時間解凍。外気温25℃、扉開閉なし(当社測定)。
※3 マイクロ波による食品の温度上昇特性や、面積、温度上昇速度により、食品を分類し見分けます。

2024年3月5日 食・レシピ

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