花粉症企画 前編「花粉の予防は早めが肝心!今すぐ出来るおすすめの対策を紹介」
監修:茂木立 学(もぎたて まなぶ)
ライター:UP LIFE編集部
2021年2月1日
健康
つらい花粉時期を乗り越えるための、あの手やこの手の予防策。家の中にいても侵入してくる花粉はどうやったら防げるのか?花粉の時期の洗濯はどうしたらいいの?そんな花粉の時期のお悩みや疑問について、耳鼻咽喉科の茂木立 学先生にお聞きしました!
花粉の侵入経路と、意外な落とし穴
毎年、バレンタインデー前後から飛散しはじめる花粉。
毎年の花粉の飛散量にも、その年の条件により差があるといいます。
そんな花粉時期には、どのように対策するのがよいのでしょうか?
今回は、花粉時期に知っておきたい、生活上の工夫に焦点をあててご紹介します。
花粉症症状の軽減には、花粉との接触機会を減らすことが何よりも大切。
花粉の家屋への侵入経路には、玄関や窓はもちろん、通気口も挙げられます。
また、人や屋外に干した洗濯物について侵入することも。
特に、通気口や人について侵入する花粉は、どうしても見逃しがち…。
部屋に通じる通気口には、100円ショップなどに売っている
通気口用のフィルターが役に立ちます。
花粉だけでなく、普段のおそうじも楽になるので、一石二鳥です。
家に入る前に!玄関で花粉を払って持ち込まない工夫を
また、人とともに侵入する花粉は、玄関の外で、よく払ってから家に入るよう徹底しましょう。
「花粉は外気と接するあらゆる身体の部位につきます。
服などについた花粉は、注意深く落とす方もいらっしゃいますが、花粉は髪や顔にもつきますので玄関に入る前に、髪についた花粉も落とせるようしておくとよいかもしれません」と茂木立先生。
対策としては、玄関先に洋服用のブラシだけでなく、ヘアブラシを用意しておくこと。
洋服用のブラシで花粉を落としたあと、ヘアブラシをサッと髪に通して家に入ります。
玄関先の空気清浄機で、二重に予防!
玄関先には、空気清浄機を用意し、残った花粉を吸着するよう対策するのもおすすめです。
また、家に入ったら、手洗いはもちろん、洗顔も一緒にすれば、なお良し!
屋外からの花粉の影響を徹底的に少なくするための生活の知恵として、参考にしてみてください。
花粉症時期のお掃除テク
家に入る花粉をできる限りシャットアウトしたら、普段のお掃除も見直してみてはいかがでしょうか?
花粉は掃除機で一気に吸い込む…!と意気込みがちですが、小さく軽い花粉は、掃除機の排気口から漏れ出してしまうこともあります。
できれば、掃除機を使わず、湿らせた雑巾やモップなどを使い、床を拭き取るとよいでしょう。
家の中に侵入した花粉は、床の表面に散らばっていることも多いので拭き取る際は、花粉が舞い上がらないよう、静かに拭き上げて。
花粉が舞いやすい場所に、空気清浄機を移動させよう
また、とりきれない花粉のために、空気清浄機は玄関だけでなく必要に応じて移動するなどして、いつでも稼働できるようしておくのも手です。
なお、お掃除中は換気をしたいところですが、花粉時期の換気は、朝一番に行うのがおすすめです。
朝の早い時間帯は花粉の飛散量も低いので、屋内への花粉の侵入も少なくてすみます。
花粉時期のお洗濯テク
そしてお洗濯は、断然、室内干しがおすすめ。
花粉への接触率が、室内干しにするだけでグッと下がるはずです。
乾燥機を使用する際は、柔軟剤で静電気予防を
乾燥機の使用もおすすめですが、異なる素材でできた衣類がこすれることで静電気が発生し、花粉を舞い上がらせることがあるかも知れません。
柔軟剤を使うと繊維同士の摩擦が防げるので上手に取り入れてみましょう。
それでも花粉に悩んだら、「鼻うがい」に挑戦!
花粉をさまざまな工夫で徹底防御したとしても、残念ながら完全に花粉の付着を防ぐことは難しいかもしれません。
生活上の対策をした上で、やはり花粉症特有の不快感に悩まされる場合は、「鼻うがい」にチャレンジしてみましょう。
簡単!「鼻うがい」の方法
【用意するもの】
- コップ
- ぬるま湯
- 塩
準備として、ぬるま湯100ccに1gの濃度で塩を混ぜ、コップ1杯分ほどの生理食塩水をつくります。
【痛くない鼻うがいの方法】
1.コップに入った生理食塩水を、斜め45度上を向きながら静かに片側の鼻に流しいれましょう。
2.口にたまった水を出し、もう片側も行います。
3.左右の鼻で2~3回、うがいを繰り返します。
鼻がツーンとするので、鼻うがいは苦手!という方は、生理食塩水を流し込む際に、上を向きすぎているのかもしれません。
ツーンとする場所は、鼻の上部にある嗅裂(きゅうれつ)という部分に生理食塩水が達しているからなので、斜め45度上方を意識し、重力にしたがって静かに少量ずつ生理食塩水を流し込むことを意識してみましょう。
気にし過ぎは返って危険?無理のない範囲で予防を
「さまざまな花粉防御の工夫はあると思いますが、気にしすぎてストレスになるのもいけません。
アレルギーはストレスで悪化することも知られています。ご自身が負担なくできる範囲で行いましょう」と茂木立先生。
今年は新型コロナウィルスの予防として、マスクや手洗いは徹底する方が多いかと思います。
花粉もウイルスも、上手な向き合い方が肝心
花粉症対策もウィルス予防と類似する部分があるので、神経質になりすぎず、ニューノーマルな生活様式に花粉防御をトッピングするという気軽な気持ちで取り組むのがよいかもしれません。
次回は、花粉症企画の後編!
時期を乗り越えるためのボディメンテナンスにフォーカスしてご紹介いたします。
監修
茂木立 学(もぎたて まなぶ)
「もぎたて耳鼻咽喉科」院長。日本大学医学部卒業後、複数の病院で臨床経験を積む。駿河台日本大学病院耳鼻咽喉科医局長および同病院外来医長を歴任後、平成17年に「もぎたて耳鼻咽喉科」を開院。患者の立場に立ったわかりやすい説明で、地域医療にも貢献している。
2021年2月1日 健康
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