【腸の専門医が推奨】自律神経と免疫力を整える!腸活のやり方
監修:小林 弘幸(こばやし ひろゆき)
ライター:UP LIFE編集部
2026年1月9日
健康
さまざまな感染症が猛威をふるう冬の時期。最近では季節を問わず流行することが増えましたが、大切なのは「免疫力」です。今回は免疫力を上げるための方法を、腸活の第一人者である順天堂大学の小林弘幸先生にお聞きしました。
なぜ腸が大事?腸と免疫、自律神経の関係
免疫と腸の関係が注目される昨今。腸活ブームも続いていますが、改めて免疫と腸にはどのような関係があるのでしょうか?
小林先生によると、免疫細胞の実に7割が腸に存在するといいます。
「脳が無い生物はいますが、腸が無い生物はいません。我々は脳からはじまったのではなく、腸からはじまったと考えるべきでしょう。腸脳相関といいますが、腸の状態は脳に反映されますし、その逆も然り。全体の7割の免疫細胞が腸にあるという事実を考えても、腸こそが健康の根幹といってまちがいないでしょう」と小林先生。
腸に免疫細胞が集まる理由は?
一説によると、腸に免疫細胞が集まっているのは、腸が外界との最大の接点となっているからだといいます。
「腸は食べ物の通過道です。外界から入ってくるものをダイレクトに受け取る臓器ですから、免疫機能が備わっているのは当然。さらに免疫細胞は、腸でさまざまなシグナルを受け取り、共存すべき安全な細菌や排除すべき菌などを見分けて仕事にかかります」
腸は副交感神経優位で活発に働く
また、自律神経と腸にも深い関わりがあります。
「そもそも自律神経には、血流をコントロールしたり、腸の蠕動(ぜんどう)運動を調整する働きがあります。よく、緊張するとお腹が痛くなることがありますよね。それは、緊張によるストレスが自律神経の中でも交感神経に働きかけ、腸の運動が停滞してしまった結果。腸の蠕動運動は、副交感神経が優位なときに活発になるので、ストレスが長く続けば当然腸の状態も悪化していきます。
また交感神経が優位になる場合は血管が締まりやすく、血流が滞ります。すると腸に必要な血液が不足し、免疫細胞にも影響を及ぼします。結果、免疫力が低下することがあるのです」
自律神経と腸の関わり
小林先生いわく、腸内環境と自律神経は双璧を成す関係だといいます。
「腸にある多くの免疫は、常に自律神経の影響の波にさらされています。日常生活のストレスによっては、自律神経の乱れにつながり、それが腸の血流に作用して免疫力にも影響を与える。逆もまた同じで、免疫力が下がれば自律神経は交感神経ばかりが優勢になり、腸の蠕動運動が乱れていく。その様子は腸脳相関で脳に伝えられ、さらに自律神経が乱れるという悪循環にもつながってしまいます」
免疫力を高めるなら腸から!生活の中でできる腸活のやり方
それでは、免疫力を高める腸活は、どのようにして行えばよいのでしょうか?
1.食事は規則正しく、腹7分目に
規則正しい食事と食事量の管理は、腸活の基本になります。
「まず暴飲暴食をやめて、腹7分目に。満腹は身体が疲弊します。また朝食はしっかり摂りましょう。人には時計遺伝子が存在しますが、朝食を摂ることで時計遺伝子もリセットされ、自律神経が活動に適した交感神経に切り替わっていきます」
2.腸活におすすめの食べ物は、発酵食品と食物繊維
さらに腸活に必須なのは、発酵食品の摂取。発酵食品には、腸内細菌に役立つ有益な菌が入っています。普段の食事にヨーグルトや納豆、キムチ、味噌などを取り入れることで善玉菌が増え、腸内環境が整っていきます。尚且つこれらの食材に含まれる菌は、たとえ死んだ状態であってもすでにある腸内細菌の餌になったり、免疫細胞を刺激して炎症の起こしすぎや免疫の強さのバランスを整えることも可能です。
「上記に挙げた発酵食品以外に、腸内細菌の餌になる食物繊維として、根菜類、海藻類、きのこ類もおすすめです。具沢山の味噌汁は、腸活メニューとして一番効率が良く、最強だと思います。そして具となる噛みごたえのある野菜も電子レンジをうまく活用すると、忙しい朝でも簡単・時短に調理することができます。
ちなみに私は、根菜がたっぷり入った豚汁やはちみつバナナヨーグルトなどを好んで食卓に取り入れていますよ」
3.腸を温める!適度な運動と「腸もみ」
腸に血流を促し、温めていくことも大切です。そのためにできるのは、適度な運動。20分ほどのウォーキングは、日常にも取り入れやすく腸にも良い影響を与えます。また、脇腹を手でもむ「腸もみ」もおすすめです。
「腸は温めると血流が良くなります。夏場に冷たいものの影響でお腹が冷えた状態になるのは要注意ですね。お腹を温めるためには適度な運動が役立ちます。ウォーキングなどの有酸素運動で腸に刺激を入れましょう。また脇腹を両手でつかむようにしてもむ「腸もみ」も良いですね。湯船に入ってお腹を温めながら、脇腹をやさしくもめば、腸の状態をより良く保つことができるでしょう」
4.良い睡眠のための習慣をつける
質の良い睡眠は自律神経のバランスを整えてくれます。十分な睡眠時間の確保と、睡眠の質を高めるために就寝前後の過ごし方を工夫しましょう。
「良い睡眠のためには3つの時間を意識するとよいです。遅くても就寝の3時間前には飲食を終え、胃腸を休ませます。2時間前には湯船に浸かりましょう。眠る直前の1時間は、脳に刺激のあるスマートフォンの使用を控える。すると質の良い睡眠がとれる可能性が高まります」
腸内環境の改善で免疫力が高まれば、心も安定する!
腸活がすすみ腸内環境が改善されれば、メンタル面の変化も期待できると小林先生は話します。
「良好な腸内環境が維持できれば、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの合成がすすみます。毎日を前向きに過ごせますし、感情面に余裕が生まれるので生活の質が上がるかもしれません。免疫力は向上し、感染症への過度の怯えもなくなります。身体も心も元気に過ごせる。それが腸活の素晴らしさですから、ぜひ試してみてください」
監修
小林 弘幸(こばやし ひろゆき)
医師、医学博士。順天堂大学・大学院医学研究科教授。順天堂大学医学部を卒業後、同大学医学研究科修了。ロンドン大学附属英国王立小児病院外科、アイルランド国立病院外科を経て、順天堂大学医学部小児外科で教鞭を取る。早くから自律神経と腸内環境等に注目し、日本初の便秘外来を開設。最新の著書は「令和の整腸戦略―自律神経と腸内環境を整え、人生を変える」(白秋社)。
2026年1月9日 健康
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