家事分担、妻の理想は?

ライター:UP LIFE編集部
2019年11月19日
家事・くらし

浮かび上がったのは「妻主体の孤独家事」

30~40代夫婦に、仕事と家庭のバランスをたずねた「ライフスタイル調査」。「時間が足りない」共働き世帯は、家事の分担意識に差があることがわかりました。

家事の分担意識に夫と妻でギャップ

夫婦ともに働いて、家事をして…。各家庭が描く理想の分担と実際の分担は、どのようになっているのでしょうか。共働き夫婦(子あり・なし)にたずねました。

Q:あなたご自身とパートナーの「家事」の分担はどのくらいですか?「現在の状況」と「本当はこうなればいいな」、それぞれの分担の度合いをお知らせください。

  • 夫が思う「実態」 夫 43:妻 57
  • 夫が思う「理想」 夫 45:妻 55
  • 妻が思う「実態」 夫 19:妻 81
  • 妻が思う「理想」 夫 33:妻 67


夫は「実態」と「理想」に差はないと考えるのに対して、妻が思う「実態」と「理想」には差がみられました。さらに、妻が考える「夫の実態」と夫が考える「夫自身の実態」が大きくかけ離れていることから、夫婦間での現状認識に差があることが浮き彫りになりました。

妻だけが「家事に疲れ、悩んでいる」

「自分の方が夫より家事を負担している」と感じている妻たちに、具体的なエピソードをたずねました。

Q:日々の生活の中でどのようなことに疲れているのか。また疲れたと思う時のエピソードなどをお知らせください。

  • 仕事に出かける前にお弁当を持たせて子どもを送り出し、洗濯や食器洗いなどの家事を済ませていくため、慌てて出かけて職場に着くまでに疲れている。また仕事は終わって買い物をして帰ると即、洗濯物を取り込んで夕食の支度があるため、一息つく時間がない。(共働き妻、子あり)
  • 平日は帰ってきてから、一息つく間もなく料理にとりかからないといけない。(共働き妻、子なし)
  • 夕食作りや、2人分のお昼のお弁当作りなど、仕事が終わってもゆっくり座ることができなくて毎日しんどい。(共働き妻、子なし)
  • 子どもの食事と主人の食事の献立を立てるのが大変。みんな好みが違うので自分が食べたい物を作るとしたら、自分以外の人のために別のメニューを作らなければならない。(共働き妻、子あり)
  • 仕事をしているため、子どもの毎日のお弁当作りで朝早くから動き回る。バタバタして会社に行き、働いて帰ると疲れがどっと出る。(共働き妻、子あり)


「一息つく間もない」「ゆっくり座る暇もない」「疲れがどっと出る」…。仕事に行く前も、帰ってからも、あわただしく動きまわっている妻の様子がわかります。

「私の状況を分かってくれない」という孤独家事

「自分がしなければならない」という責任感の強さが、共働き妻の心の余裕を奪っているのかもしれません。仕事と家庭のどちらにも責任を果たそうと考える妻は、夫に対してどのような感情をもっているのでしょうか。

Q:あなたご自身とパートナーが、日々の生活の中でお互いに疲れていてトラブルになった時の状況・内容をお知らせください。

  • お互い働いて同条件のくせに向こうが疲れたばっかりで家事も育児もしないこと。(共働き妻、子あり)
  • 疲れている時に、配偶者から家事のダメ出しされたとき、謝る気持ちになれず言い返してしまいケンカになる。(共働き妻、子あり)
  • 分担があってやっていないことを注意したが、それでもやってくれず、諦めて自分がやったら険悪になった。(共働き妻、子あり)
  • 食器洗いをその日のうちに済ませたい自分と、翌日でもいいと考えるパートナーで衝突した。自分は料理をしたのでパートナーにしてもらいたかった。(共働き妻、子なし)
  • 同じくらいの時間に帰ってくるのに夜ご飯を座って待たれる。(共働き妻、子なし)
  • 私が休日出勤をしていて、パートナーは休日の時、疲れて帰ってきた時に「夕飯早く作って」など言われた時。(共働き妻、子なし)
  • 疲れていて私の体調が悪い時、無理しなくていいよと言う割には家事をしてくれず、言い返してしまってケンカになる。(共働き妻、子あり)
  • 疲れている中、家事を私1人がやっていて、配偶者がソファで寝転がってゲームをやっていると無性にイライラしてしまい、その様子を察知した配偶者がイライラし出すという悪循環。(共働き妻、子あり)

    主体的に動く妻となかなか動かない夫の間に、家事に対する温度差を感じます。普段家事を妻主体で担う家庭では、夫がどう動いていいのかわからないということもあるでしょう。しかし、動かないぶん、何が大変なのかがわからず、深く考えずに発した夫の言葉や行動が、「自分だけが家事に囚われている」と妻に思わせ、孤独を深めているのかもしれません。

夫の感謝の気持ちは、妻に伝わっていない

それでは、夫は家事の分担について、どのように考えているのでしょうか。

Q:理想から見た場合、現在のあなた自身は何点くらいですか?また、現在のパートナーは何点くらいですか?

夫の評価
妻の評価

子供がいる・いないにかかわらず、夫は自分自身の評価を約58点、妻への評価を約75点。一方、妻は自分自身の評価を約61点、夫への評価を約62点としています。
夫は妻への評価が自身よりも高く、妻が家事を担ってくれていることを認識していることがうかがえますが、妻は自分に対しても夫に対しても評価がそれほど高くはありません。自分が普段満足するほど家事をこなす時間はないので、夫にももっと関わって欲しいという妻の悩みが根底にあるのかもしれません。

[まとめ]夫「けっこう理想的に分担できている」 妻「いやいや、もっと分担して欲しい」

イメージ図

共働きの夫婦それぞれに、家事分担の割合を聞いてみました。平均すると、夫は自分が家事を「4割程度」負担していると考えているのに対して、妻は夫が負担しているのは「2割程度」と回答。さらに、それぞれが理想だと思う家事分担の割合と比較すると、夫側は実態と理想で大差がないのに対して、妻側は実態と理想に開きがありました。「夫にもっと家事を分担して欲しい」という妻の要望があらわれた結果になっています。

【30・40代夫婦のライフスタイル調査】
●対象者:関東(1都6県)・関西(2府4県)・愛知県・福岡県・北海道・宮城県・広島県に在住の30〜49歳既婚男女 計2,742人
●調査期間:2017年4月21日~25日
●調査手法:インターネット調査

2019年11月19日 家事・くらし

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