新提案!『しない家事』著者マキさんの“できる主婦をやめる”ことで生まれた「3つの家事ストレス解放ルール」

監修・ライター:ヨムーノ編集部
2020年1月24日 家事・くらし

いま、共働き家庭が増え、夫婦で家事を分担する“家事シェア”が浸透してきました。でも、結局、自分の方が抱え込んでしまったり、家事のことで夫婦喧嘩になったりと、かえって負担やストレスが増えてしまっている人も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する、マキさんの「しない家事」は、そんな“がんばりすぎてしまう”人への、新しい提案です。
しなくてもいい家事や苦手な家事を減らし、ゆとりのある時間を増やす、マキさんが見出した3つの考え方をご紹介します。

<プロフィール> マキ(シンプルライフ研究家)

マキさん(シンプルライフ研究家)

東京都在住。夫、11歳と7歳の娘との4人暮らし。広告代理店でテレワークをする傍ら、「しない家事」に関する講演活動やアパレルブランドとの商品コラボなど幅広く活躍するワーキングマザー。不要なものは持たない、不要な家事はしない暮らしを綴ったブログ「エコナセイカツ」が人気。著書は『しない家事』(すばる舎)をはじめ、『マキ流 やめていい家事』(宝島社)、2019年発売の『虫のいい家仕事』(宝島社)など多数。

「できる主婦をやめる」ことで生まれた、マキさんの「しない家事」

読書中のマキさん
マキさんの「しない家事」は、家族と過ごす楽しい時間、自分の時間を増やすための工夫です。
やるべきだと思っていた家事に対する固定観念や、自分にとって必要がない家事の手間を見直すことで「それ“しない”という発想もアリ!」と気づき、ムダな家事を減らしていく。そんな新しい発想から生まれた、家事がラクになるアイデア。
 
マキさん:家事を、無理に夫婦や家族でシェアしなくても、自分のこだわりを手放すことでもっとラクになれる、と気づいたのは、私自身が「できる主婦」になろうとしていたから。普段のやるべき家事の中にある“実はしなくてもいいこと”に気づかず、がんばってしまい、心がつらくなっていたんです。
 
今回は、そんなマキさんが「できる主婦」を卒業したきっかけと、家事ストレスから解放される「しない家事」にたどり着くための方法に迫ります。

きっかけは“ものを捨てること”だった!「しない家事」のはじまり

自分のための時間に、お気に入りのお茶を楽しんだり、読書をしたり……。マキさんが、忙しい暮らしの中に豊かな時間を作ることができた背景には、2つのきっかけがあったといいます。

ティータイムを過ごすマキさん

夫に、やかんを勝手に捨てられたこと

マキさん:出産入院で家を不在にしていた時、以前友人にもらった大切なやかんを、夫が私に無断で捨ててしまったんです。夫は、調理器具は一つで大丈夫!とシンプルに判断。捨てられた当時はもちろんショックでしたが、しばらくすると、やかんは2つなくても困らない、と気づいてしまったんです。そうしたら、意外と“ものはたくさん持たなくても生きていけるんだ”と思えてきました。

子どもが2人に増えたタイミングで、家事に“危機感”を感じたこと

マキさん:子どもが1人のときは、家事の量やスキルを考えても、まだ自分でできるキャパシティがありました。ところが、子どもがいざ2人に増えるとなると、とてもじゃないけれど夫婦で協力しなければこなせない……という現実に気づいたんです。

マキさんは、これを機に、まずはものを減らしてみました。
たとえば、使っていないコスメや複数もっていたハサミ、裁縫道具などの小物。本当に必要なもの、お気に入りのものだけを残して、それ以外は思い切って捨ててみたといいます。
 
すると、ものを片付ける時間、ものを探す時間、どれを使うか迷う時間などがカットされ、家事も気持ちもラクになることを発見。
 
「これは絶対に無いと困る」という固定観念を手放してみたら、意外と「なくても大丈夫」。
この気づきから、家事も「しなくていいこと」はやめていいんだ、と思えるようになったのだそうです。

「できる主婦」から卒業しよう!がんばらないための3つの考え方

「“できる主婦”をやめよう」
「がんばらなくていい」
そう言われても、具体的にどうしたら?と迷ってしまうかもしれません。そこで、がんばりすぎて心が疲れないように、マキさんが実践している3つの考え方をご紹介します。

キッチンで作業をするマキさん

①「気のりしない家事」には時間をかけない

私にとって家事の9割は、気が進みません。家事が得意ではないので、1つでもやらないことを増やせるなら増やしたい。だから、気のりしないなら「しない」という発想です。それで時短できたぶんを、他の「したい」ことに回せます。

②「選ぶ・迷う時間」を作らない(パターン化できることを見つける)

ものを選んだり、迷ったりする時間って意外とストレス。なるべく減らすため、パターンを作れるものは作っておく。たとえば、迷いがちな通勤服は「制服化」してパターンを決めて、着まわしたり。メイクの色は、今の自分に似合うカラーを1つだけ持つようにしたり。そんなシンプルにできることが、日常には意外にたくさんあります。

③「今いらないもの」は持たない

日用品などのストックを増やすと、収納スペースも収納する手間も増えてしまいます。ストックをやめてしまうと、それはそれで不便。だから、ストックの「種類」を増やさないことが肝心。本当にそれが必要かどうかを熟考することで、暮らしのムダが見えてきます。

この考え方を、実際に、暮らしにどのように取り入れていけばいいのでしょう?
具体的に、マキさんが実践している家事の中から、すぐにマネしやすいアイデアをご紹介します。

①「気のりしない家事」には時間をかけない

「タオルはたたまない」

浴室前のつっぱり棒にバスタオルを干すところ
マキさん:タオルの最終的な役割って、「汗・水分を拭き取る」ことですよね。私は、それ以上のゴールを求めません。ホテルのように、美しくたたんで収納することを考えると、気分がのらない(笑)。だから、そこは省く。最終的な役割さえ果たせたらよし!と考えるようにしています。
我が家では、浴室前につっぱり棒を設置して、取り込んだバスタオルをそのままかけて使います。「洗う」「干す」「しまう」を1箇所に集約させた動線づくりをしています。
 
 
「買い物の時間と負担はできるだけ省く」
宅配用ケースのイメージ
マキさん:考えることがたくさんある「買い出し」には時間をかけません。食材を決める、買い物に行く、食材を選ぶ、スーパーから家まで重い買い物袋を持ち帰る……といった、私にとってつらい工程は、思い切って減らします。仕事で疲れて、考える気力もない時、時間がない時は、それらを節約するのが1番ラク!
だから食材は宅配に任せています。おいしく新鮮な食材が毎週届くので、時短だけでなく豊かな気持ちにもなれます。
「“気のりしない”家事は家電に任せる」
 
 
マキさん:私が気のりしない家事の一つが「床の拭き掃除」。“ついで掃除”の仕組みを作ったり、夫に担当してもらったり、と試行錯誤してきましたが、思い切ってやめました。
 
そこで導入したのが「ロボット掃除機」。
任せてみたら、家をキレイにキープできるうえに、夫が空いた時間で他の家事をしてくれるようになり一石二鳥。家事を「家電に任せる」ことで、ずいぶん気持ちがラクになりました。

②「選ぶ・迷う時間」を作らない(パターン化できることを見つける)

「メイク道具は1ジャンルにつき1個まで」

メイク道具が入ったコップ
マキさん:時間を上手に使うためには、迷う時間を作らないこと。私は毎日のメイク道具を1ジャンルにつき1個までと決めています。さらに、すべてをひとまとめにして取っ手つきのコップにイン。洗面所の棚に置き、サッと取り出すだけなので、毎朝のメイク時間のアクションが激減。扉のついた棚に入れておけば、ほこりがつかず、掃除の手間も省けます。
 
 
「献立は材料を“セット置き”で二度と迷わない」
冷蔵庫の中の食材
マキさん:毎日献立を考えるのってストレス。仕事が終わって、帰りながら必死で今晩作るレシピを考えると、心がつらくなります。だから、冷蔵庫の食材を見て、作るものを決めたら忘れないよう、材料をセットにしてまとめておきます。それを見ると、今日作りたかったレシピが一目で分かるので、献立を考える時間が省けます。
たとえば、ニラと豚肉のセットを見れば「炒め物」を、まぐろ缶とトマトを見れば「サラダ」を作ろうとしていたことをすぐ思い出せます。余計なことを考えずに、夕飯の準備に取りかかれるんです。

③「今いらないもの」は持たない

「ムダなストックを作らない」

ラップとアルミホイル
マキさん:使用頻度の高いラップとアルミホイルは、巻数の多いタイプを購入しています。巻数が多いと長く使えるので、買い物に行く回数が減り、ゴミが出て処理する回数も減り、余分なストックを収納する手間もかかりません。毎日の必需品こそ、厳選してストックする“種類”を絞ることで、ムダな手間を減らすことができます。
 
 
「弁当に、箸ケースはいらない!」
お弁当とお箸がバンドでとめてある様子
マキさん:箸ケースって、当たり前に必要だと思い込んでいませんか?私はいちいち洗うのがつらくて、思い切ってやめてみました。結局、弁当箱はしっかりと袋(クロス)に包んでいるから衛生面でも問題なく、家族からも苦情なし。それで、「あ、必要ないんだな」と分かりました。
 
このように、ひとつやらないことを増やすだけで、ぐっと家事がラクになる。その経験が、次の「しない家事」につながっています。

いかがでしたか?
私たちが今、当たり前だと思ってがんばっている家事には、実は“しなくてもいいこと”や“不要なこと”があるかもしれません。仕事に家事に、子育てに。毎日めまぐるしく“がんばっている”人こそ、もっと暮らしにゆとりが生まれ、豊かな時間を作るためのヒントが、マキさんの考え方にはたくさんあります。
みなさんも、参考にしてみてくださいね。

「監修」

「編集/ヨムーノ編集部、撮影/林ひろし」
プロフィール:月間1,000万人が読む、暮らし情報メディア「ヨムーノ」。忙しくても“暮らしをもっと楽しくかしこく!”をコンセプトに、暮らし全方位の「すぐ実践できるトレンド」をウェブで発信。特徴はメディアを一緒に作るインスタグラマー組織「ヨムーノメイト」。インテリアや料理、ファッションなどの達人や、人気ショップのマニア780人(19年12月現在)と編集部のコミュニケーションで生まれる、独自の情報が人気。

2020年1月24日 家事・くらし

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