ポータブルトイレとは?選び方・使い方・清潔に使うポイントをわかりやすく解説

食卓を囲んで話している家族の様子の写真 食卓を囲んで話している家族の様子の写真

在宅介護時のポータブルトイレについての監修:小山 朝子(こやま あさこ)
ライター:UP LIFE編集部
2026年9月9日
家事・くらし

在宅介護や介護施設などでは、夜間の移動や転倒への不安から、ポータブルトイレが必要になることがあります。今回は、ポータブルトイレの種類や選び方、排泄介助の基本、使用後のおしりの洗浄や周辺の衛生管理までを解説します。介助する人・される人の負担を無理なく減らすヒントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

ポータブルトイレとは?

ベッドのそばに置いてあるポータブルトイレの写真

ポータブルトイレとは、居室やベッドのそばに置いて使える、持ち運びできる簡易的な便器のことです。トイレまでの移動が負担になったり、間に合わなかったりする場合に、排泄できる用具として、在宅介護や、介護施設などで使用されています。腰掛便座の一種として、介護保険の特定福祉用具販売の対象になる場合もあります。

ポータブルトイレが必要になるケース

夜間にトイレまで歩くのが難しい場合や、歩行時に転倒するおそれがある場合に、ポータブルトイレが役立ちます。トイレまでの距離が遠い住環境や、間に合わずに困ることが増えてきた場合にも向いています。介助する家族にとっては、移動の付き添いや夜間の負担を減らせる点もメリットです。

一般のトイレとの違い

一般のトイレが床に固定されているのに対し、ポータブルトイレは持ち運べて、置き場所を選べる点が大きな違いです。水洗ではないタイプが多く、使用後は排泄物を処理し、バケツを洗うお手入れが必要です。設置に工事がいらず、身体の状態や住まいに合わせて導入しやすいことも特徴です。

ポータブルトイレの種類

ポータブルトイレにはいくつかのタイプがあり、使う人の身体の状態や住環境によって、向き・不向きが分かれます。代表的な種類と特徴を見ていきましょう。

家具調タイプ

木製のいすのような見た目で、インテリアになじみやすいタイプです。使わないときはふたを閉めるといすのように見えるため、居室に置いても圧迫感が出にくいのも特徴です。安定感があり、安心感のある座り心地を求める人に向いています。一方で、重さがあり、移動させにくい面があります。

家具調タイプのポータブルトイレの写真

樹脂製タイプ

プラスチックなどの樹脂でできた、軽量で扱いやすいタイプです。汚れを拭き取りやすく、お手入れがしやすいです。持ち運びや掃除の負担を抑えたい場合や、介助する人が動かす機会が多い場合に向いています。家具調タイプに比べてデザインはインテリアになじみにくい場合があります。

樹脂製タイプのポータブルトイレの写真

金属製(コモード型)タイプ

金属製のフレームでできた、軽量で持ち運びやすいタイプです。安定感があり、立ち座りしやすいほか、高さを調整できるものや、ひじ掛けを動かして横から移乗しやすいものもあります。シンプルな構造でお手入れしやすく、使わないときに折りたためるタイプなら省スペースで収納できます。一方で、金属製のフレームが見えるため、家具調タイプに比べると居室のインテリアになじみにくい場合があります。

金属製タイプのポータブルトイレの写真

バケツ式・水洗式など種類ごとのメリット・デメリット

排泄物の処理方法でも種類が分かれます。バケツ式は、内部のバケツを取り外して処理する一般的なタイプで、構造がシンプルで導入しやすい一方、使用のたびに洗浄や消臭の手間がかかります。水洗式は、水で洗い流せてニオイを抑えやすい反面、給排水の準備や本体価格の面で負担が大きくなる場合があります。使う頻度や介助する人の手間、設置環境をふまえて選ぶことが大切です。

ポータブルトイレの選び方

ポータブルトイレに手を置いている様子の写真

ポータブルトイレは、使う人の身体の状態と、介助する人の使いやすさの両方から選ぶことがポイントです。ここでは、確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。

身体状況に合わせる

自分で立ち座りできるか、支えがあれば動けるか、介助が必要かなど、身体の状態によって適したタイプは変わります。ひじ掛けや背もたれの有無、安定感などを確認し、無理のない姿勢で使えるものを選びましょう。要介護度によっては、訪問看護師、理学療法士、福祉用具相談員などに相談しながら選ぶと安心です。

座りやすさ・立ち上がりやすさで選ぶ

座面の高さが合っていないと、立ち座りの負担が大きくなります。ひざや腰に力が入りやすい高さを選び、ひじ掛けがあると、立ち上がりを楽に支えられます。座面がぐらつかない安定した構造かどうかも、あわせて確認しておきたいポイントです。

設置場所で選ぶ

ベッドからの距離や居室の広さによって、置きやすいサイズや形は変わります。ベッドのそばに置いて移動を最小限にしたい場合は、コンパクトなタイプが向いています。夜間に使うことが多い場合は、手が届きやすく、暗くても使いやすい位置に置けるかを考えておきましょう。

掃除しやすさで選ぶ

毎日使うものだからこそ、お手入れのしやすさは重要です。バケツが取り外しやすいか、汚れを拭き取りやすい素材か、消臭の工夫がしやすいかを確認しましょう。

介助者の負担も考える

ポータブルトイレは、使う本人だけでなく、介助する人が扱いやすいことも大切です。移動やバケツの持ち運び、洗浄のしやすさなど、日々の作業の負担を想像して選びましょう。

排泄介助の基本

高齢女性の歩行を介助している様子の写真

排泄の介助は、使う人の身体と気持ちの両方に配慮しながら行うことが大切です。ここでは、介助するための基本的なポイントをご紹介します。

介助前の準備

介助を始める前に、トイレットペーパーや使い捨て手袋、清拭用のタオル、消臭剤などの必要なものをそろえておきましょう。手元に用意しておくと、途中で離れずにすみ、使う人を待たせずに落ち着いて介助できます。また、室温を整えておくと、身体の冷えなどを防ぎやすいです。

立ち座りをサポートするポイント

立ち座りや移乗の際は、使う人のペースに合わせ、急がずに支えることが大切です。足の位置を安定させ、手すりやひじ掛けを使ってもらいながら、腰を落とす・持ち上げる動作をゆっくり支えます。無理に引き上げると、双方がバランスを崩すおそれがあるため注意しましょう。

プライバシーへの配慮

排泄はデリケートなことなので、使う人の尊厳を守る配慮が欠かせません。デリケートな部分にタオルをかける、カーテンやついたてで周囲の視線をさえぎる、可能な範囲で一人で過ごせる時間をつくるなど、恥ずかしさをやわらげる工夫を心がけましょう。声かけは、やさしく、さりげなく行うことが大切です。

転倒を防ぐポイント

移動や立ち座りの際は、転倒に注意が必要です。床の水濡れや障害物を取り除き、滑りにくい環境を整えておきましょう。ポータブルトイレが動かないよう安定した場所に置き、必要に応じて手すりを活用します。あわてず、一つずつ動作を確認しながら進めることが、事故の予防につながります。

ポータブルトイレ使用後の肌を清潔に保つケア

排泄のあとは、肌を清潔に保つケアが大切です。清潔を保つことは、快適さだけでなく、肌の健やかさを保つことにもつながります。

排泄後の洗浄が大切な理由

排泄物が肌に残ったままになると、かゆみやかぶれなどの原因になる場合があります。特に、長時間おむつを装着している人や、皮膚がデリケートな人は注意が必要です。排泄後にやさしく汚れを取り除き、清潔を保つことが大切です。

トイレットペーパーだけでは拭き取りにくいこともある

トイレットペーパーでの拭き取りだけでは、汚れが残ってしまうことがあります。しっかり拭こうとして強くこすると、かえって肌に負担がかかるおそれもあります。水で洗い流すと、こすらずに汚れを落としやすく、肌にやさしくケアできます。洗ったあとは、押さえるようにやさしく水分を拭き取り、必要に応じて保湿をすると、肌の乾燥を防ぎやすくなります。

排泄後の洗浄を無理なく行う方法

ポータブルトイレでも、後ほど詳しく紹介する携帯用のおしり洗浄器などを使えば、排泄後の洗浄を無理なく行うことができます。据え置きの設備がなくても取り入れやすく、使う人・介助する人の双方の負担を抑えながら清潔が保てます。

ポータブルトイレを快適・清潔に使う工夫

ポータブルトイレを気持ちよく使い続けるには、ニオイや衛生面の工夫が欠かせません。ここでは、身の回りでできる工夫をご紹介します。

バケツの洗浄

バケツは、使用のたびに洗浄し、清潔を保つことが大切です。汚れやニオイが残らないよう、洗剤を使ってすすぎ、しっかり乾かしましょう。洗浄の負担を減らしたい場合は、袋ごと捨てられる専用の袋や凝固剤を活用する方法もあります。毎日のことなので、無理なく続けられる方法を選びましょう。

消臭剤

消臭剤には、スプレータイプや置き型、排泄物にふりかける凝固・消臭タイプなど、いくつかの種類があります。ポータブルトイレに直接使えるものを選ぶと、ニオイを抑えやすいです。使う場所や好みに合わせて選び、使用量の目安を守って使いましょう。

換気

ニオイをこもらせないためには、こまめな換気も大切です。窓を開けたり、換気扇を使ったりして、空気を入れ替えましょう。消臭剤とあわせて取り入れると、より快適な環境を保てます。使用後だけでなく、日ごろから空気の通り道をつくっておくと安心です。

カーテンを開けている女性の写真

トイレの介助でよくある疑問

ポータブルトイレはどこに置けばいいですか?

使う人が移動しやすいよう、ベッドのそばに置くのが基本です。夜間に使うことが多い場合は、暗くても移乗しやすい位置がおすすめです。安定した平らな床に置き、転倒を防ぐことも意識しましょう。

ポータブルトイレの掃除頻度は?

バケツは、使用のたびに洗浄するのが基本です。本体も、こまめに拭き取って清潔を保ちましょう。汚れやニオイをためないことが、快適に使い続けるコツです。

バリアフリートイレとの違いは?

バリアフリートイレは、手すりや広い空間を備えた固定式のトイレです。一方、ポータブルトイレは持ち運べる簡易的な便器で、工事がいらず、居室に導入しやすい点が異なります。住まいや身体の状態に合わせて選びましょう。

ポータブルトイレ使用後の清潔ケアに役立つ「ハンディトワレ・スリム」

温水洗浄便座のない寝室でも手軽に洗浄できるのが、パナソニックの携帯用おしり洗浄器「ハンディトワレ・スリム 」(DL-P300)です。

携帯用おしり洗浄器ハンディトワレ・スリム
DL-P300

タンクに水またはぬるめのお湯(40℃まで)を入れて使う乾電池式(単4形アルカリ乾電池2本)の洗浄器で、温水洗浄便座がない寝室や介護スペースでも、排泄後に水でやさしく洗うケアがしやすくなります。断続的にシャワーが噴出する「ビート洗浄」により、こすらずに汚れを洗い流しやすいです。
手元のボタンで水の強弱を切り替えられ、洗い心地に合わせてノズルを取り替えることもできます。

携帯用洗浄器から水噴射している様子の写真
標準ノズル ソフトノズル 洗い心地 ノズル交換 5つの穴から しっかり洗浄 7つの穴から やさしい水流 強弱切り替え ボタン切り替え 強 (HI) 弱 (LO) 強 (HI) 弱 (LO)

本体は、収納時で高さ15.4cm・質量230gとコンパクトで、タンクの中に本体を収めて持ち運べます。ポータブルトイレの使用時はもちろん、外出先や、温水洗浄便座が使えない場面でも活用しやすいのが特長です。タンクを取り外して洗えるため、清潔に保ちやすい点も、介護の場面で扱いやすいポイントです。

また、カラーはレッドやブルー、ターコイズグリーンなど、好みに合わせて選べる6色展開。寝室のインテリアになじませたり、お出かけ用の小物感覚で選んだりできるのもうれしい点です。

6色展開のポータブルトイレの写真
ポータブルトイレをバッグに入れている様子の写真

まとめ

ポータブルトイレは、夜間の移動や転倒の不安をやわらげ、介護の負担を軽くする用具です。種類や選び方は、使う人の身体の状態と、介助する人の使いやすさの両面から考えることが大切です。あわせて、排泄後の肌を清潔に保つケアや、ニオイ・衛生面の工夫を取り入れると、使う人も介助する人も、より快適に過ごせます。温水洗浄便座がない場所では、「ハンディトワレ・スリム」のような携帯用おしり洗浄器を活用するのも一つの方法です。無理なく続けられる方法を選び、心地よい毎日につなげましょう。

この記事で紹介した商品

在宅介護時のポータブルトイレについての監修

小山朝子さんの写真

小山 朝子(こやま あさこ)

介護ジャーナリスト、介護福祉士。
20代から約10年に亘り祖母を在宅で介護。執筆、講演、各種メディアでコメントを行い介護ジャーナリストの草分け的存在に。高齢者の見守りに役立つ家電への関心が高く、自らも活用中。河出書房新社より 『介護じょうずは逃げじょうず いまの選択を捨てれば、気持ちも体もラクにーー』を上梓。

2026年9月9日 家事・くらし

  • 記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。