ゆっくり時間をかけて家族になろう
パナソニック保護犬猫譲渡会で出会った2頭の保護猫
ライター:小見山友子(sippo編集部)、フォトグラファー:山本佳代子
2026年3月2日
ペット
人も犬も猫も「家族」みんなが幸せにくらせる社会の実現を目指して開催している「パナソニック保護犬猫譲渡会」(協力:朝日新聞社sippo編集部)では、これまでにのべ2万7千人以上が来場し、343頭(2026年2月10日時点)の譲渡につながっています。
佑介さん・久美さん夫妻は、2年連続でこの譲渡会に足を運び、保護猫とのご縁を結びました。慎重な性格のキジトラの「すーちゃん」と、物おじしない茶白の「あんみつ」君(愛称:みっちー)とくらしながら、焦らずに関係を育んできた日々。保護猫と向き合う中で生まれた変化と、家族の歩みを紹介します。
遊びたい盛りとクールなお姉さん
――現在、2頭はどのように過ごしていますか?
久美さん:みっちーの方がとにかく遊びたい盛りで、つねにすーちゃんに絡んでいくんです。でも、すーちゃんはそれほど遊びたくないようで、逃げたり「しつこい!」という感じでパンチをくり出したりもしています。
佑介さん:すーちゃんの方が2歳ほど年上のお姉さんなので、冷静ですね。みっちーはよく僕のことも遊びに誘ってくるんです。すごくわんぱくなので、おもちゃを1日で破壊してしまうこともあるほど。以前は、夫婦で仕事の話をすることが多かったですが、最近は自然と猫たちの話になりますね。
――すーちゃんとの出会いは、2024年のパナソニック保護犬猫譲渡会だそうですね。
久美さん:インスタグラムでパナソニック保護犬猫譲渡会を知って、ちょうどゴールデンウィーク中だったこともあり、「まずは見に行ってみよう」と思って参加しました。友人も保護猫を迎えていましたし、家族を探している猫がたくさんいることを知っていたのでペットショップは選択肢になくて。猫を迎えるなら保護猫をという気持ちが強かったです。あと、企業さんがやっている譲渡会というのがめずらしいので、興味もありました。
佑介さん:会場は想像していたよりにぎやかでした。猫たちが保護された経緯や性格について、団体の方からゆっくり話を聞くことができたので、それがすごくよかったですね。1頭ずつ説明してもらえたので、保護猫について理解が深まりました。
久美さん:すーちゃんは、新宿区の須賀の神社で保護された女の子で、譲渡会ではケージの奥にいたんです。お母さん猫だったので警戒心が強く、保護団体の『42825(よつやねこ)』さんには「人慣れは大変かもしれない」と言われましたが、私たちは特に気に留めず。それよりシュッとしたきれいな顔立ちが印象的で、私の一目ぼれでした。
――すーちゃんをお迎えするまでには、少し時間がかかったと聞きました。
佑介さん:譲渡会へ行ったのは、ちょうど新しい住まいについて検討していたときでした。そこですーちゃんに出会って、「この子を一生大切にできる家にしよう」と。当時はペット不可の賃貸に住んでいたので、ペット可の分譲マンションを購入して引っ越すことにしました。
久美さん:引っ越しに追われているうちに、すーちゃんを保護した団体名をうっかり忘れてしまって……。でもどうしても会いたくて、パナソニックのサイトや保護団体のSNSで保護猫の写真を片っ端からチェックして、ようやくよつやねこさんに辿り着いたんです。
佑介さん:そのため連絡するのが遅くなってしまい、トライアルを始めたのは年末頃で、2025年1月に正式譲渡になりました。
人慣れへの道のり
――すーちゃんをお迎えした当初は、どんな様子でしたか?
佑介さん:最初の半年間はほとんど触ることができなくて。ケージや棚の奥に隠れて出てこないという状態でした。
久美さん:ごはんをあげても威嚇(いかく)されたり、かまれそうになったりするので、どう接したらいいか悩みました。テレビやYoutubeを参考に伸びる孫の手を購入して、距離を保ちながらなでる練習もしていましたが、「このままの状態が続くのかな」と不安になることもありました。
佑介さん:そんなとき知人から、「もう1頭いたほうが社会性が身について、人にも慣れやすくなる」と聞き、2025年に再び譲渡会へ足を運んだんです。そこで出会ったのが、すーちゃんと同じく新宿エリアで保護された「あんみつ」。こちらから2頭目の相談をしたわけではありませんが、すーちゃんのことを覚えていたよつやねこさんが、「いい刺激になるし、人との距離を縮めてくれると思いますよ」とすすめてくれました。物おじしないみっちーの性格が、すーちゃんと僕たちをつなぐ存在になると。
久美さん:みっちーはすぐに慣れて、1カ月ほどですーちゃんにも変化が起きました。台所でごはんの準備をしていると、足元に来るみっちーにつられるように、すーちゃんも来るようになったんです。少しだけ、ささっとなら触れさせてくれるようになってきています。
佑介さん:みっちーは、僕たちとすーちゃんの橋渡し役のような存在ですね。正面から近づくとカッとやられることはあるものの、距離は確実に縮まりました。
久美さん:ペットカメラで留守番中の様子を見ると、2頭は意外とよく動いているんです。のびのび過ごしているのを見ると、「この家を心地よいと思ってくれているのかな」と感じます。あと、みっちーは私が仕事をしていると、キーボードやひざの上に乗ってきたりするので、すごくうれしいですね。
一方のすーちゃんは、人にはなかなか慣れないけれど、手のかからないお利口さん。慎重な性格なので新しいものに無闇に反応することもありません。以前は、SNSで飼い主に甘える猫を見て、すーちゃんとの関係を比べて落ち込んだことも正直ありました。でも、猫一頭一頭に性格や育った環境がある。すーちゃんにとって必要な距離感があって、それを理解しながら関係を育んでいくものだと思います。猫と人が同じ空間で、共存しているような感覚です。
――初めて猫をお迎えする上で、保護団体の存在をどう感じられましたか?
久美さん:とても大きな存在ですね。よつやねこさんは少人数で活動されていて、代表の根井まりさんが、保護した経緯や猫一頭一頭の性格、健康状態まで把握されていると感じました。信頼できる関係もつくれましたし、お迎え後もLINEでつながり、すーちゃんとどう仲良くなっていけばいいか相談できたのは心強かったです。何かあったときにすぐ聞ける相手がいるのは安心感がありました。
佑介さん:初めて猫を迎え入れる側としては、ケージやトイレなど猫とくらす室内環境のアドバイスもとても参考になりました。
勇気をもって一歩を踏み出していく
――2頭を迎えたことでくらしにはどんな変化がありましたか?
久美さん:早起きできるようになりました。あと、猫モチーフのものを見ると、自然と目がいくようになって。猫が生活の中に当たり前にいる存在になったんだなと感じています。
佑介さん:自分は家族が増えたという感覚ですね。家にいる楽しみが増えましたし、仕事をしていても「この子たちのために頑張ろう」と思います。あとは健康で長生きしてもらうために、猫のことをもっと知ろうという意識も芽生えました。
久美さん:猫たちと長く一緒にいたいから、それが自分たちの健康を考えることにもつながっています。
――保護猫をお迎えしたいと検討している方へ、メッセージをお願いします。
佑介さん:人慣れしていない猫の場合は、人間のほうから勇気をもって関わっていくことが大切だと思います。無理に距離を縮めようとせず、時間をかけて自分たちの存在を伝えていく。その積み重ねしかないと感じますね。威嚇や「シャー」という反応が少しずつ減ってきて、「一緒にくらしている」と受け入れられていると感じたときは、それだけで十分うれしかったですね。
久美さん:猫たちは、こちらの気持ちをちゃんと感じ取っているように思います。思いやりをもって向き合えば、少しずつ関係は変わっていく。「人慣れしていないから」という理由だけで諦めず、お迎えしたいと思う子がいたら、その子が安心してくらせる環境を考えることが大切なんじゃないかなと思います。
佑介さん:大事なのは「この子と一緒にくらしたい」という気持ちと、何があっても向き合い続ける覚悟。一歩踏み出すことで、見えてくるものはきっとあります。
初めて「猫とくらす」という一歩を踏み出したご夫妻。猫たちにとってどうすれば心地よくくらせるかを考えながら、無理をせず、時間をかけて関係を育んできました。その歩みはいまも続いています。
保護猫や保護犬を迎えることは、ときに勇気のいる選択かもしれません。それでも、目の前の命と向き合い、共に過ごす時間を積み重ねることで、新たな家族のかたちは少しずつつくられていきます。
くらしを便利で豊かにし、人や社会が幸せになることを目指すパナソニックにとって、同じ家でくらす動物たちも家族です。パナソニックは、保護犬猫譲渡会の開催や、犬猫とのくらしに寄り添う製品づくりを通して、人も犬も猫も「家族」がともに心地よくくらせる社会の実現を目指してまいります。
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2026年3月2日 ペット
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