もしもの災害に備えよう!やっておきたいスマホの設定と、おすすめ防災アプリ

災害時のスマホの使い方と、おすすめアプリについての監修:辻 直美(つじ なおみ)
ライター:UP LIFE編集部
2021年2月26日
防災

“スマホの防災”、あなたは万全ですか?
「災害時にスマホを使った」―73.7%という調査結果もあり、非常時にスマホはとても有用なツールと言えます。(防災意識調査 n=1,000(停電経験者))

そこで今回はレスキューナースの辻直美先生に、災害時のスマホの使い方と、おすすめアプリについて伺いました。

災害時、スマホはよく使われる

防災意識調査の円グラフ

グラフ:防災意識調査 n=1,000(停電経験者)

情報を収集したり、安否情報を発信・確認したりと、災害時にスマホは欠かせません。上記の調査結果からも、73.7%の人がスマホを「使った」と回答しています。年齢別に見ると、20代がもっとも割合が高く、78.0%にのぼります。

 

辻先生:
災害時には情報は「自分で取りに行く」ことが大切です。待っていても誰かが“正しい”情報をくれるとは限りません。そのためにも、スマホをうまく使いましょう。

自然災害に備えて、スマホでできる防災対策とは?

イメージ写真:ハテナマークの柄の積み木

そんなスマホも、非常時に有効に使用するためには事前に準備が必要です。
まずは、非常時のために必要なスマホの設定について、考えていきましょう。

もしもに備えて。「緊急速報」の通知をON!

災害時に備え、まずは以下のことを確認します。

①緊急速報や、緊急速報メールの通知設定
緊急速報や緊急速報メールは、非常時に地震速報、津波警報、その他の災害・避難情報を受信することができます。スマホの設定で必ず「ON」にしておきましょう。

②災害時に必要なアプリをチェック
緊急速報の設定ができたら、次は有用なアプリをインストールしておくのがおすすめです。緊急速報の設定とともにスマホに準備しておくことで、いざというときの情報収集などに役立ちます。

ただ、一口に「防災アプリ」といってもたくさんの種類があります。以降ではインストールしておきたいおすすめアプリをご紹介します。

「災害時に役立った」の声多数。体験者がおすすめする防災アプリ

イメージ画像:スマホを操作している様子

災害時の情報把握にも役立つアプリ:「X」

Xのアイコン

平時はコミュニケーションツールとして人気の高いX。災害時は家族や友人の安否確認や、“タイムリー”な情報を入手できるので、使い方によってはとても有用なツールとなります。

 

〈こんなところで役に立つ!X体験者の声
調査当時はTwitter(現:X)です。
「Twitterの検索を使えば、自分の地域やその他の地域含め、役立つ情報がたくさんある」(20代女性)
「停電発生時、ガソリンスタンドに長蛇の列ができており給油できなかった。Twitterで近くのスタンドの混雑状況を確認し、空いているときに給油することができた」(50代女性)

情報を素早く入手できる一方で、不確かな情報が存在するのも事実。平時では冷静に判断できても、緊急時も同様にできるとは限りません。
そこで、あらかじめ公的機関などをフォローしたり、日頃から信憑性のある情報を発信している人を見つけておくのがおすすめです。

〈フォローしておきたい!災害時に役立つアカウント:外部サイトへリンク〉

辻先生:
少なくとも、国や自治体のアカウントは事前にフォローしておきましょう。“信憑性のある情報を発信している人”の見つけ方は、その人のバックグラウンドをチェックしてみたり、お顔やお名前を出しているかを確認すると良いですね。非常時は慌てて、そのような余裕がないかもしれません。普段から精査しておくことが大切です。

災害情報をプッシュ通知で知らせてくれる:「Yahoo!防災速報」

Yahoo!防災速報アプリのアイコン

緊急地震速報や豪雨予報、津波などさまざまな災害情報をプッシュ通知でお知らせしてくれるアプリ。自宅や実家、勤務先など、国内最大3地点を登録できるほか、位置情報を連動すれば、現在地へも通知してくれます。出張先や旅行先でも情報をキャッチすることも可能です。
アプリ画面上では、最新の災害情報だけでなく、災害の種類ごとの避難場所を確認することができます。

 

〈私はこう使った!「Yahoo!防災速報」体験者の声
「防災速報で色々と情報を知ることができ、安心を得ることができた」(50代女性)
「最新情報が客観的な内容で更新されるから、使用しています」(30代男性)

辻先生:
「Yahoo!防災速報」は、自宅や実家などを登録しておけば、緊急時、自分が遠方へ外出しているときでも“大切な人が今、どのような状況にいるのか”を通知してくれるので、便利なアプリです。

「防災速報」といっても、いろんなアプリがあります。使い方はもちろん、デザイン面などでも好みは人それぞれ。災害時に些細なことで戸惑ったりしないよう、普段から自分にてとって使い勝手が良いものを選んでおくのがおすすめです。

レスキューナース辻先生おすすめ!防災アプリ2選

辻先生おすすめ防災アプリ① 防災・避難誘導アプリ「みたチョ」

防災・避難誘導アプリ「みたチョ」のロゴ

「みたチョ」はAR技術を利用した避難所案内アプリです。災害時、起動すれば最も近い避難所まで案内してくれるので、慣れない土地でも迷わず避難することができます。

【おすすめポイント1】:電波がなくても避難誘導してくれる!
災害時はどこでも電波が入り、インターネットが使えるとは限りません。ですが、「みたチョ」はそのようなオフラインの状態でも利用できるのがポイント。その上、100万人が一斉にアクセスしても利用できるので安心です。

【おすすめポイント2】:カメラ機能で避難所を探すことができる!
地図上で避難所の位置を確認できるのはもちろん、「みたチョ」のカメラ機能で自分の周辺をかざせば、非常口のピクトグラフが表示され、最寄りの避難所へ案内してくれます。地図が苦手な人でも安心して利用することができます。

辻先生おすすめ防災アプリ② 「特務機関NERV防災」

「特務機関NERV防災」のロゴ

地震・津波・噴火・特別警報の速報や、土砂災害・洪水害・浸水害の危険度通知などの通知を受信することができるアプリです。被害が予想される地域にいる際に、素早く状況を認識することができます。

【おすすめポイント1】:情報の伝達が速い!
「特務機関NERV防災」は、気象業務支援センター(気象庁本庁舎および大阪管区気象台内)と接続した専用線からダイレクトに情報を受け取っています。そのため、利用者も迅速に情報をキャッチできます。

【おすすめポイント2】:プッシュ通知を送り分けてくれる!
すべての通知に対し、通知音やバイブレーションがあるわけでないのもポイント。端末の位置情報や、発令された防災情報の種類、緊急度などに基づき、「静かな通知」、「通常の通知」、「重大な通知」と通知方法を送り分けてくれます。
緊急地震速報(警報)や津波警報などの「重大な通知」では、強制的に鳴動し、ユーザーに危険が迫っていることを知らせます。

辻先生:
アプリはどれもインストールしておくだけでなく、自分に「合うか」、「合わないか」、事前にチェックしておきましょう。“お気に入り”や、使い慣れたもので身の回りを固めておくことで、実際に被災した際に“心のゆとり”を保つことができます。

急な停電時にも。電池式のモバイルバッテリーがあると安心

もしもの備えに、電池式のモバイルバッテリー

もしもの備えに、電池式のモバイルバッテリー。
BQ-CC87:スマートフォン約0.5回分充電可能(内蔵電池3.7 V約2700 mAhのスマートフォンの場合)。
*満充電したエネループ(BK-3MCC)4本を使い、内蔵電池3.7V2700mAhのスマホに充電した場合の目安。使用状況や周囲温度によって変化します。

アプリをインストールし、事前に使い勝手をチェックしても、いざというときにスマホの充電がなければ意味がありません。
そこで活躍するのが、電池式のモバイルバッテリー。
充電池や乾電池を取り替えれば何度でも使用できます。大きな災害時にはもちろん、数時間の停電時にもおすすめです。スマホの電源が切れてしまったとき、充電式のモバイルバッテリーの充電がなくなってしまったときなど、もしもに備えて持っておくと安心です。

辻先生:
まず、充電式のモバイルバッテリーをお持ちの方は、どれくらい充電できるのか、何回充電できるか、実際に試しておくと良いでしょう。思っていたより充電されなかったり、よくスマホを使用される方でしたら、ひょっとしたらそれだけでは足りないかもしれません。さらに、モバイルバッテリーを日頃から使うようにしておくのも大切です。いざというとき、「充電されていなかった」では意味がありませんから。
そんなときのためにも、電池式のモバイルバッテリーがあればより安心ですね。

できることから、はじめてみよう

イメージ写真:スマホを見ている様子

「防災」と聞くと少しハードルが高く感じるかもしれません。ですが、スマホの備えなど、簡単にできるものもあります。まずは身近なものから少しずつ、着手していくことが大切です。

 

辻先生:
いきなり“100点満点”を目指す必要はありません。まずは小さなことからコツコツと続け、その小さな加点の積み重ねがいつか、“100点”に近くなれば大丈夫。無理をすると苦しくなるので、楽しみながらやっていきましょう。

 

スマホの「防災」ができたら、あなたのために、そしてあなたの大切な人のために、そのほかの防災準備も始めてみませんか。

※防災意識調査
対象者:全国の20~69歳男女 計2,000人
    (内1,000人が5時間以上の停電経験者)
調査期間:2021年1月20日(水)~22日(金)
調査手法:インターネット調査

災害時のスマホの使い方と、おすすめアプリについての監修

監修:辻直美先生

辻 直美(つじ なおみ)

国際災害レスキューナース
一般社団法人 育母塾 代表理事
阪神・淡路大震災を経験し、災害レスキューナースへ転身。看護師歴28年、災害レスキューナースとして25年活動。
被災地派遣は国内外共に経験を積む一方で、防災に関する講演やコラム掲載など、活躍は多岐にわたる。
著書『レスキューナースが教えるプチプラ防災』、『レスキューナースが教える 新型コロナ×防災マニュアル』(扶桑社)

2021年2月26日 防災

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