携帯トイレは必要?災害時のトイレ問題とおすすめの防災グッズ
災害時のトイレ問題についての監修:加藤 篤(かとう あつし)
ライター:UP LIFE編集部
2026年8月28日
防災
地震や豪雨などの災害時は、断水や下水道の被害で自宅のトイレが使えなくなることがあります。この記事では、携帯トイレの必要性や備蓄量の目安、選び方、排泄後の衛生対策までをわかりやすく解説します。
災害時に携帯トイレは本当に必要?
災害時に自宅のトイレが使えなくなると、くらしに様々な支障が生じます。食料や水と同じように、トイレの備えも大切です。まずは、なぜ携帯トイレが必要になるのかを見ていきましょう。
なぜトイレが使えなくなるのか
災害時にトイレが使えなくなる原因は、断水だけではありません。断水で水が流せなくなるほか、下水道や排水設備が被災すると、水が出てもトイレを流せなくなる場合があります。断水していなくても、下水道や排水管に被害があるときは、汚水の詰まりや漏水、逆流などを防ぐために、自治体や管理会社からトイレの使用を控えるよう案内されることもあります。特にマンションなどの集合住宅では、配管の損傷状況が確認できるまで使用できない場合もあります。
トイレが使えないことで起こる問題
いつもどおりにトイレが使えないと、排泄を我慢するために水分や食事を控えてしまい、脱水や便秘だけでなく、エコノミークラス症候群などの健康リスクが高まると言われています。また、トイレに排泄物がたまると、感染症や悪臭の原因になることもあります。
在宅避難でも必要な理由
避難所へ行かず、自宅で生活を続ける「在宅避難」を選ぶ場合でも、携帯トイレは役立ちます。自宅にいても、断水や下水道の被害でトイレが使えなくなることがあるためです。携帯トイレを備えておけば、断水時でも衛生的な環境を保ちやすく、安心につながります。
携帯トイレとは?
携帯トイレとは、どのようなものなのでしょうか。基本的な仕組みや、混同されやすいほかのトイレとの違いを整理しておきましょう。
携帯トイレの仕組み
携帯トイレは、自宅の便器に取りつけて使用する袋タイプのトイレで、袋の中に排泄した大小便を凝固剤や吸収シートで吸収します。使用するごとに袋を縛って保管します。
災害用トイレとの違い
「災害用トイレ」は災害時に使用するトイレ全般を意味し、「携帯トイレ」は災害用トイレの一種を指すことが多いです。呼び方は製品やメーカーによって異なる場合もあるため、セット内容や使い方を確認して選びましょう。
簡易トイレとの違い
簡易トイレは、段ボールやプラスチックでできた組み立て式・折りたたみ式の便座(本体)に携帯トイレを組み合わせて使うのが一般的です。本体は繰り返し使い、使用後は携帯トイレを交換します。
ポータブルトイレとの違い
ポータブルトイレは、便座とバケツが一体になった据え置き型のトイレで、主に介護の場面で使用されます。災害時には、避難所や在宅避難、福祉避難所などで、高齢者や障害のある方など、移動が難しい方の排泄を支援するために活用されることがあります。簡易トイレの一つではありますが、主な用途や設置方法が異なります。
携帯トイレは何日分必要?
いざというときに困らないよう、携帯トイレはある程度まとまった量を備蓄しておきたいものです。経済産業省は、備蓄の目安として1週間分(1人あたり約35回分)を推奨しています。ライフラインの復旧には時間がかかることもあるため、まずはこの1週間分を目標に考えるとよいでしょう。
1人あたりの必要回数
避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインでは、災害時におけるトイレの平均的な使用回数は1日5回が目安とされています。これをもとに計算すると、1週間分では1人あたり約35回分(5回×7日)が必要になります。
家族人数別目安
1週間分を備える場合、単身世帯では約35回分、2人家族では約70回分、3人家族では約105回分、4人家族では約140回分が目安です。高齢者や小さな子どもがいるご家庭では、不安や寒さなどで使用回数が増えることもあるため、少し余裕をもって備えておくと安心です。
携帯トイレの選び方のポイント
携帯トイレは、製品によって性能やセット内容が様々です。選ぶときに確認しておきたいポイントをご紹介します。
凝固剤の性能
まずは尿を十分に吸収できるかなど、凝固剤の性能を確認しておくと安心です。日本トイレ研究所は、吸収性能等に関する試験を実施し、性能を満たしている製品をウェブサイトで公表しているので参考にしてください。
臭いが漏れにくいか
災害時はゴミ収集が滞る可能性が高く、使用済みの携帯トイレを自宅で一定期間保管しなければならない場合があります。そのため、防臭袋が付いていたり、消臭性能があったりする製品が望ましいです。使用後は生活空間とは別のところに保管することをおすすめします。
処理が簡単か
凝固剤や吸収シートの取り扱い、排泄後に袋をしばりやすいかどうかも確認しておきましょう。手間の少ない製品は、家族の誰もが使いやすく、負担を減らせます。
コンパクトさ
備蓄品はまとまった量になりやすいため、収納スペースに収まりやすいサイズかどうかもポイントです。
使用回数
携帯トイレのセットは「○回分」で表示されていることが多く見られます。表示された回数が家族に必要な量を満たしているかを確認し、不足しない製品を選びましょう。
一緒に備えておきたい防災グッズ
携帯トイレとあわせて、次のような防災グッズも備えておくと、より衛生的に過ごしやすくなります。
・ウェットティッシュ(手指や便座の清拭用)
・使い捨て手袋(衛生対策)
・防臭袋・消臭袋(臭い対策)
・トイレットペーパー
・アルコール消毒液(手指衛生)
・ライト(停電時の使用)
これらをトイレ用の防災セットとしてまとめておくと、必要なときにすぐ取り出せて便利です。
見落としやすい!排泄後の衛生対策
災害時は手洗いが難しく、排泄物の保管時間も長くなりがちです。感染症や臭いを防ぐために、排泄後の衛生対策もあわせて考えておきましょう。
排泄後の手指衛生
水道が使えない状況を想定し、ウェットティッシュやアルコール消毒液で手指を清潔に保ちましょう。使い捨て手袋を活用するのも一つの方法です。
消臭・防臭対策
使用後は袋の口をしっかり密閉することが大切です。防臭袋を使うと、臭いの拡散を抑えやすくなります。
保管場所と処分方法
使用済みの携帯トイレは、直射日光を避けて保管しましょう。処分方法は、お住まいの自治体のルールに従ってください。災害時は自治体から処分方法の案内がある場合もあるため、指示を確認するようにしましょう。
断水時でもおしりを清潔に保つ!携帯用おしり洗浄器
携帯トイレだけでは拭ききれないおしりの不快感を解消するアイテムとして役立つのが、パナソニックの携帯用おしり洗浄器「ハンディトワレ・スリム」(DL-P300)です。
「ハンディトワレ・スリム」は、タンクに入れた水やぬるめのお湯(40℃まで)を使って、おしりを手軽に洗浄できる携帯タイプの洗浄器です。
断続的にシャワーが噴出する「ビート洗浄」で、心地よく洗える設計になっています。また、手元のボタンで水の強弱を切り換えられ、ノズルを取り換えれば洗い心地も選べます。
付属のアダプターを使えば、市販のペットボトルの水でも使えるため、水の確保が難しい環境でも活用しやすいのが特長です。
電源は単4形アルカリ乾電池2本で駆動するため、停電時でも使いやすい点が防災グッズとして心強いポイントです。電池寿命は約100回※1と、長く使えるのもうれしい特長です。
収納時は高さ約15.4cmとコンパクトで、質量は約230g(乾電池含む)と軽く、防災グッズのセットに入れておいてもかさばりにくいサイズです。周囲を気にせず使いやすい低騒音化設計も採用しています。
また「ハンディトワレ・スリム」は、災害時だけでなく、普段の外出時にも役立ちます。温水洗浄便座のない外出先や旅行先、キャンプなどのアウトドアシーンでも、いつものように清潔に過ごしやすくなります。防災用として備えながら、日常でも活用できるアイテムです。
まとめ
災害時は、断水や下水道の被害によって、自宅のトイレが使えなくなることがあります。携帯トイレは、1人あたり1週間分(約35回分)を目安に備えておくと安心です。防臭袋や使い捨て手袋、ウェットティッシュなどもあわせて備え、衛生的に過ごせる環境を整えておくことも大切です。日頃から家族構成に合った備えを見直し、一度実際に使い方を確認しておくことも忘れないようにしたいところです。いざというときに慌てないよう、普段から準備を進めておきましょう。
この記事で紹介した商品
災害時のトイレ問題についての監修
加藤 篤(かとう あつし)
NPO 法人日本トイレ研究所 代表理事
1997年からトイレを通じた暮らしと社会の課題解決に取り組む。災害時のトイレ衛生や防災対策に関する啓発活動をはじめ、子どもの排便環境や学校・公共トイレの環境改善などに携わり、安心して利用できるトイレ環境づくりを推進している。
※ 本記事のテキスト内容は専門家による監修を受けていますが、使用している写真は内容をわかりやすくお伝えするためのイメージです。
2026年8月28日 防災
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