ビジネスデザイナー 今井 裕平さん|LAMDASH PALM IN REVIEW
「シェーバーの新常識。置きっぱなしでも馴染むデザイン」
ビジネスデザイナー 今井 裕平が語るラムダッシュパームインの魅力
ラムダッシュの5枚刃テクノロジーを手のひらサイズに凝縮した「ラムダッシュパームイン」。その使用感について伺うインタビューシリーズの第2弾では、数々の中小企業で看板商品を生み出してきたビジネスデザイナーの今井 裕平さんに話を伺います。テーマは今井さんの専門分野である「ビジネスデザイン」。この新商品の可能性についてどのように考えているのでしょうか。
今井 裕平さん
kenma代表。神戸大学大学院を修了後、安井建築設計事務所、日本IBM、電通コンサルティングを経て、kenmaを創業。
中小企業の技術力を活かし、その会社の看板となるヒット商品を生み出す「フラグシップデザイン」を提唱する。
ラムダッシュパームインは、新たな看板商品になる素質がある
「ビジネスデザイナー」とは、どのような職業なのでしょうか?
今井:
ふたつの意味があると思っています。ひとつは業務範囲について。私たちの会社では、商品やサービスをデザインするだけではなく、認知や販売、そしてファンの獲得まで、すべてを一貫して取り組んでいます。つまり、ビジネスをデザインしているわけです。
もうひとつはアプローチについて。デザインには、狭義では「意匠」の話があり、広義では「問題解決」の話があると考えています。ただし、多くの人はデザインの善し悪しを意匠の完成度で判断するんですよ。でも、私たちは成果を出すことにコミットしていて。つまり、ビジネスのためにデザインをしているわけです。
クライアントはどのような企業が多いのですか?
今井:
ものづくり企業から声をかけていただく機会が多いですね。これまでBtoBで培ってきた技術を応用し、オリジナルの商品やサービスに挑戦したいといった声をよく聞きます。
そういう企業に対して、ビジネスデザインを通してサポートをしていると。
今井:
私たちの会社では「フラッグシップデザイン」と呼んでいるのですが、それぞれの企業が持つユニークな技術を見直し、代名詞となる看板商品を作って事業を大きくさせることに貢献しています。ラムダッシュパームインについても、フラッグシップになる可能性はありますよね。電動シェーバーにはアームがあるのが常識じゃないですか。それに対してアームをなくすという新しい常識を考えて提案しているので。
洗面台に置きっぱなしにしても自然と馴染む
今井さんはラムダッシュユーザーだとお聞きしました。
今井:
そうなんですよ。2019年モデルを使用していて。
家電を実際に使用してレビューする雑誌があって、第1位に選ばれていたので購入しました。ただ、僕はそもそもヒゲがそんなに生えないタイプなんですね。電動シェーバーを初めて使ったのも24歳とか25歳とかで。
遅めのデビューだったんですね。
今井:
だから、人生においてヒゲにそこまで時間を費やしたことがなくて。でも、年齢を重ねるうちに少しずつヒゲが濃くなってきたし、30歳を過ぎたこともあるので、きちんとしたものを買おうと思ったんです。
2019年モデルと比較してみて、
ラムダッシュパームインの使用感はいかがですか?
今井:
遜色ないですね。ボディが小さくなると、当然ながら剃り心地も下がるのかなと思っていたんですけれど、それがなかったのですごいなと。
しかも、今回の製品ってデザイナーがめちゃくちゃ頑張ったと思うんですよ。なぜかというと、電動シェーバーってある程度のフォルムができているじゃないですか。そこから逸脱したものを作ろうとしたら、リスクを背負ってまで開発すべきかという議論が社内で巻き起こるはずなんです。そのプロセスを経て発売されたと想像したら、同じデザイナーとして感動せずにはいられないですよね。
このフォルムからデザイナーの苦労の跡が垣間見えたと。
今井:
正直な話、パナソニックやるやんと思いました(笑)。大企業ほどチャレンジするのに躊躇することのほうが多いですから。
そのほかに気になったことはありますか?
今井:
ふたつあります。ひとつはサイズ。洗面台って狭いじゃないですか。だから、コンパクトに使えるのはいいなと思いました。
もうひとつは色。最初は黒を手にしたんですけれど、ひょっとしてと思って白を使ってみたらやっぱり良かったんです。洗面台って白を基調にしていることが多いから、置きっぱなしにしても自然に馴染むんですよ。僕は整然としているほうが好きなので、机の上とかに物を置かないようにしているのですが、ラムダッシュパームインは思わず洗面台に置きっぱなしにしてしまいました。
確かに従来の電動シェーバーは、無骨なので洗面台に置いておくには存在感を放ち過ぎる印象があります。
今井:
基本は使ったらしまうものだと思うんです。友達の家に遊びに行っても、電動シェーバーが洗面台に置きっぱなしにされている光景ってあまり見ないですよね。でも、よくよく考えてみると、毎日使うものなのにその行為を繰り返すのって面倒じゃないですか。キッチンだとよく使う調理道具はそのまま置いておくことが多いわけですし。
無意識のストレスがかかっているのかもしれませんね。
今井:
そう考えると、置台の存在が大きくて。初めはこんなの必要あるんかなと思ったんですよ。どうせしまうなら関係ないわけですし。でも、見える場所に置くことを考えると、置台があるほうが断然いいんですよ。しかも、石鹸台にも形状が似ているじゃないですか。それもあって「置いてください」という無言のメッセージが放たれている気がしていて。あるとないとでは全然違う表情が見えてきます。
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電動シェーバーの新たなカテゴリーを作れる可能性がある
では、ラムダッシュパームインをビジネスデザイン的に考えてみたら、今井さんはどのようなロジックでこの製品を売っていきますか?
今井:
僕だったら最初に新しいカテゴリーを作ると思います。たとえば、持ち手のないシェーバーとか。それでユーザーに商品の存在をしっかり認知させてから、具体的な利用シーンを訴求していきます。今回の商品については、置きっぱなしにできるという点に新しさがあるので、それをビジュアルや言葉で丁寧に紹介していくのがいいのではないでしょうか。
もしターゲットを絞るとしたら、どういった属性の方に訴求していきたいですか?
今井:
年齢とか性別とかを特定するような話ではない気がしています。この商品って潜在化されたニーズを開拓していくためにあると思うんです。そう考えたら、家を建てたタイミングの人はいいかもしれません。一人暮らしの頃とくらべたら洗面台が広くなるじゃないですか。そういうときに欲しい商品になるといいですよね。
*弊社から今井 裕平さんに依頼し、頂いたコメントを編集して掲載しています。