FUKUROI QUALITY

「FUKUROI QUALITY」を世界へ。
~信頼されるドラム式洗濯乾燥機を目指す、袋井工場の挑戦~

写真:創業当時の工場

江戸時代、東海道五十三次の宿場町として栄えた静岡・袋井。ここ袋井には、グローバルに展開しているものがある。それは「洗濯機」。
1973年の工場創業以来、パナソニック静岡工場、通称「袋井工場」では、三種の神器と呼ばれ生活必需品となっていた洗濯機を国内外へと送り出してきた。また、ここ袋井工場で製造されているドラム式洗濯乾燥機は、日本国内だけでなく海外へも輸出されている。

写真:これまで生産してきた商品の一例(2003~2018) 写真:これまで生産してきた商品の一例(2003~2018)

創業以来45年間で送り出してきた数多くの製品、その進化の度に積み重ねてきたノウハウによって、「JAPAN QUALITY」ならぬ「FUKUROI QUALITY」を実現してきた袋井工場。その「FUKUROI QUALITY」の秘密を工場のキーパーソン3名が語る。

工場管理:元井 博也

写真:元井 博也(工場管理)

生産技術:高橋 利光

写真:高橋 利光(生産技術)

品質管理:柳 真介

写真:柳 真介(品質管理)

より大きく、より強く。洗濯槽へのこだわり。

元井)
私たち袋井工場は、パナソニックのタテ型洗濯機やドラム式洗濯乾燥機の、素材や部品の加工から組み立てまでを一貫して行っています。工場では様々な工程を経て製品が作られますが、私たちが特にこだわって生産に取り組んでいるのは「洗濯槽」です。そのポイントとなるのは「サイズ感」。日本の住宅環境における洗濯機の設置スペースの多くは600mmとなっているため、私たちはその限られたサイズに収まるよう日々洗濯槽を作っています。

写真:元井 博也(工場管理)

お客様のニーズとして大きいのは、一度にたくさん洗える「洗濯容量」であること。600mmという洗濯機のボディサイズ幅は維持しながらも、いかにして大容量化を実現していくかが課題となります。そこで目をつけたのが、洗濯機内の中央部にある隙間です。その隙間を『エキスパンド加工』という技術を用いて、中央部だけを押し拡げることにより洗濯槽を拡大、洗濯容量をアップさせているのです。

イメージ図:洗濯槽の中央部のみを押し拡げる『エキスパンド加工』

ただ、洗濯槽は0.48mmの薄いステンレス板で成形されるため、単純に押し拡げるだけでは強度の面で課題が残ります。そこで、洗濯槽自体に凹凸のある模様を施す『さざなみ加工』という技術によって、強度を確保しています。
毎日使う洗濯機ですから、より多くの洗濯物を洗える「サイズ感」、日々の使用に耐えられる「耐久性」といった点には特にこだわっていますね。

写真:洗濯槽に凹凸の処理を施す『さざなみ加工』

「真円」が、洗濯槽の出来を左右する。

高橋)
洗濯槽作りの難しさは、高速回転する洗濯槽の振動をいかにして低減させるか、つまり制振性能の確保にあります。そのために私たちが常に意識しているのは、洗濯槽作りにおける様々なプロセスにおいて「真円」を保つことです。

※真円とは、正しい円のこと。

写真:高橋 利光(生産技術)

例えば、エキスパンド加工の場合。洗濯槽を拡げる際に、均等に拡げる、正しい円(真円)のまま拡げるということに神経を尖らせる必要があります。これが狂ってしまうと、高速回転する洗濯槽が振れてしまい、槽を支える軸に負担がかかり、結果として耐久性にも影響が及んでしまうのです。
真円を意識するのは、さざなみ加工の場合も同様です。エキスパンド加工後、ステンレスに均等に凹凸をつけることで強度を確保しますが、この工程においても真円を保ったままであることが、洗濯槽の精度に深く関わってきます。

写真:エキスパンド加工の工程、均一に広げていくことで真円を維持

常に洗濯槽を真円に保つことは振動を減らし、音まで小さくすることに繋がります。ある意味、真円が洗濯槽の出来を左右する、と言っても過言ではありません。今後も洗濯機は進化し、新たな技術や機能は出てくると思いますが、袋井工場としては、お客様に快適に使い続けていただくために、洗濯機のコアとも言える洗濯槽作りの精度をさらに高めていきたいと思います。

毎日使うものだからこその責任。

柳)
エキスパンド加工やさざなみ加工といった、洗濯槽を作る工程だけでなく、ものづくりには必ず、「バラつき」と呼ばれる、製品1台ごとの寸法や性能のわずかな差が生じます。そのバラつきをいかに規定内に収めて、良品のみをお客様に届けられるか、それが私たち品質管理の使命です。

写真:柳 真介(品質管理)

袋井工場ではいくつも品質試験がありますが、特に力を入れているのは環境試験と耐久試験です。寒冷地を想定した0℃環境、高温多湿の土地を想定した温度40℃・湿度95%環境といった、様々な環境下・条件下においても問題なく稼働できるか試験を行うほか、約5,000サイクルにも及ぶ稼働試験を通じて、耐久性を確認しています。

決められた試験を毎日確実に行うだけでなく、製品1台1台に対して愛情を持って試験を実施することが、「FUKUROI QUALITY」を生み出すと思っています。その想いが最終的に、愛着を持って洗濯機を長くお使いいただくことに繋がれば嬉しく思います。

※洗濯から脱水までを1サイクル。約5,000サイクル=約7年間

写真:低温から高温まで想定した環境試験の様子
写真:長期使用を想定した稼働試験の様子

「FUKUROI QUALITY」を世界へ。

元井)
パナソニックは、世界各地に工場を展開しています。洗濯機工場は現在11拠点を展開、今後も増加していくことが予想されます。その中での私たち袋井工場の使命は、新たに生まれる海外拠点に対して、エキスパンド加工やさざなみ加工といった独自技術や生産ラインを共有・展開すること。海外工場が円滑に稼働できるためのモデル工場、いわゆる「グローバルマザー工場」として生産活動に取り組んでいくことです。これからも、この袋井の土地で生み出される業界初、世界初の技術を「FUKUROI QUALITY」として、国内外へと発信し続けていきたいと思います。

写真:工場内の様子
写真:工場内の様子
写真:工場内の様子

袋井市と地域活性化プロジェクトを実施。愛される工場へ。

元井)
袋井工場は、創業以来45年に渡ってこの袋井の土地で生産活動を続けています。これはひとえに、地域の皆様からのご支援の賜物です。そこで、何らかの形でその感謝をお伝えするべく、2017年より袋井市とともに地域活性化プロジェクトに取り組んでいます。

その一環が、袋井市の観光PRやパナソニックの洗濯機を紹介するプロジェクションマッピングです。毎日午後6時から工場外壁に投影しており、近くを走る電車からも見えますので、近くにお立ち寄りの際には、ぜひ一度見ていただければと思います。その他にも、地域交流を兼ねたものづくり見学会や、洗濯機仕様のラッピングバスの実施など、幅広く活動を続けています。

こういった活動を通じて私たちが目指すのは、地域の皆様に愛される工場になることです。地域からの期待や反響を胸に、従業員一同、今後とも誇りを持って働いていきたいと思います。

プロジェクションマッピング

工場棟の外壁に投影。パナソニックの映像技術、袋井の観光名所や季節の風景、双方の強みを生かしたPR活動。

プロジェクションマッピング

ラッピングバス

洗濯機をイメージしたラッピングバスを運行。記念式典では、近隣の幼稚園児たちを招待し、洗濯機の仕組みなどを紹介。

ラッピングバス

ものづくり見学会

工場見学、ものづくり、洗濯機の勉強会など、実際に見て触れて知ることができる地域交流イベント。

ものづくり見学会