Air Letter空気を学ぶ ① –データ編–
食べ物や水と同じように、私たちが生きていく上で欠かせない「空気」。体の調子を整えるために食べ物や水のことをしっかり考えて選ぶ人は増えていますが、「空気」を選ぶという人は少ないかもしれません。
しかし目に見えない空気は、私たちが健康的に暮らすためのとても重要な要素です。人が空気によってどのような影響を受けているのか、データから読み解いてみましょう。
データで見る、人と空気の関係
Q1: 人が1回の呼吸で吸う「空気の量」は?
私たちが一度の呼吸で肺に取り込む空気の量は、ふつうの呼吸のときは約500ml※1。ちょうどペットボトル1本分の量です。
運動時には約1,000mlにもなるといわれています。
Q2: 1日の呼吸の回数は?
人は1分間に12~20回呼吸しており、1日分に換算すると最大約2万9000回※2。
もちろん体を動かすと呼吸の回数は増え、運動時は普段の5倍、1分間に80回になることも。逆に寝ている間は呼吸が普段の半分程度になり、1分間に8回程度に減るというデータがあります。
Q3: 1日に吸う空気のトータル量は?
なんと1日に人が吸い込む空気は500mlのペットボトル約3万本分※2になり、重量に換算すると約18kgに。
水を満タンまで入れた一斗缶と重さと同じくらいになります。
Q4: 人が摂取するモノで一番多いのは?
私たちがもっとも多く摂取しているモノは空気。なんと83%(重量比)もの割合を閉めています※3。実は食べ物は7%、飲み物は8%にしかすぎず、私たちの体にいかに空気が大切かがわかります。
なお摂取する空気のうち、室内で過ごす時間に摂取する「室内空気」がもっとも多く57%。室内の空気環境の重要性にも注目が集まっています。
Q5: 大人と子どもの呼吸の違いは?
子どもは大人に比べて1日に吸い込む空気の量は少ないですが、空気に含まれる物質の摂取量を体重1kgあたりで比較すると大人の2倍に※4。
化学物質などが空気に含まれていると、健康な体をつくる時期への影響も少なくありません。小さな子どもがいる環境こそ、空気環境を考えることが重要なのです。
家族の健康のために、「空気」を選ぶ時代。
人々の暮らしと密接に関わっている「空気」。しかし残念ながら身のまわりの空気は私たちが思っている以上に汚れています。
人間の経済活動により排出される窒素酸化物や粒子状浮遊物質、さまざまな場所に発生するカビ菌、花粉やダニのフン・死骸などのアレル物質など、人が1番摂取する「空気」の中にはさまざまな有害物質が…。
家族みんなの健康のためにも、「空気」を選ぶ時代になりつつあるのです。
※1:内山巌雄(国立公衆衛生院)「空気と人 - 生理的立場から -」(1999)
※2:平成24年度 喀痰吸引等指導者講習事業 「喀痰吸引等指導者マニュアル」より算出(成人の場合)
※3:臨床環境医学第9巻第2号 村上周三「住まいと人体-工学的視点からー」
※4:東京都福祉保健局 化学物質の子供ガイドライン「室内空気編」より出典。子どもの体重は1〜6歳児の平均体重15kg、大人の体重は日本人の標準モデルとして50kgとした場合。呼吸量は「人における曝露実態調査の結果(平成13年度調査結果・環境省)」より。