ヒートショックとは？
冬の家庭で起こる危険と対策方法を医師が解説
冬になると話題に上ることが増える「ヒートショック」。
その危険性と対策について、東京都市大学教授で温泉療法専門医でもある早坂 信哉先生に伺いました。
※弊社から早坂先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。
ヒートショックとは？
冬の家庭に潜む危険
ヒートショックとは
ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が大きく変動することで起こる健康リスクのことです。特に起こりやすいのは、冬の浴室。暖かいリビングから寒い脱衣所に移動するときや、寒い浴室から熱い湯船に入るときに血圧が急上昇し、脳内出血や脳梗塞、心筋梗塞などを起こすことがあります。
一般的にヒートショックは高齢者が多いと思われがちですが、必ずしもそうでない場合もあります。湯船から立ち上がった時や長風呂をしたときに、血圧の急激な低下からめまいや立ちくらみが起こるのもヒートショックの一つの症状。こちらは年齢を問わず起こる可能性があります。
浴室での事故数
厚生労働省の調査によると、令和3年の65歳以上の浴槽における不慮の溺死・溺水は5,097人で、その数は交通事故2,150人の２倍以上。浴室での事故がすべてヒートショックとは限りませんが、東京消防庁の令和3年のデータで救急搬送される高齢者の人数が寒い時期に大幅に増加していることから見ても、その多くを占めると推定されます。
ヒートショックが起こりやすい
状況と注意ポイント
家庭内で注意したい場所・シーン
ヒートショックは冬の浴室が注目されがちですが、それ以外の場所でも発生することがあります。例えば足元が冷たい廊下や暖房器具がないことが多いトイレ。外気の入りやすい玄関も要注意です。また、意外と多いのが夜間や早朝の寝室。温かい布団を出て寒いトイレに行く際にヒートショックが起こりやすくなります。
特に注意が必要な人や場面
高齢者は若い人に比べて血管が硬くなっているため、血圧の変動に伴うダメージを受けやすい傾向があります。生活習慣病などの持病がある人もリスクが高いと言えるでしょう。熱めの風呂や長風呂を好む人、飲酒後の入浴などは年齢を問わず注意が必要です。
ヒートショックを防ぐ、
具体的な対策
室内の温度差をなくす
ヒートショックは部屋と部屋の温度差が５℃以上あると起こりやすいとされています。屋内の温度差をなるべくなくすことが大切です。
- 脱衣所やトイレなどに暖房器具を設置
小型の暖房器具を設置し暖める - 窓にカーテンをかける
断熱効果を高めて脱衣所が寒くなるのを防ぐ - あらかじめ浴室を暖める
入浴前に、温かいシャワーをかけたり風呂のふたを開けて浴室を暖める
入浴方法を工夫する
- 湯船に入る前に、足先など心臓に遠いところから順に、肩までかけ湯をする
お湯の温度に体をならすことで血圧が急激に上がるのを防ぐ - 湯船に浸かるのは「41℃以下で10分以内」が目安
熱すぎるお湯や長風呂はリスクを高める - 入浴前に水分補給をする
血管が詰まるのを予防するとともに、浴室での脱水症の予防にも役立つ
ヒートショックに関するQ&A
（よくある質問）
A : 血圧は心臓が１回動くごとに変化するので、１～3秒で急上昇や急降下します。すると血管に流れる血液量も急激に変化します。血管に弾力がある若いうちはその変化に耐えられるのですが、血管が硬くなっていると破れたり詰まったりします。
A : 血圧が下がると脳への血流が減ることでふらついて転倒したり、意識が遠のいて浴槽内で溺れてしまったりといったリスクがあるので軽視しないほうがよいでしょう。
A : 65歳未満でも入浴中に亡くなる方はいます。普段から血圧が低めの人や若い女性など筋肉量の少ない人は、長風呂などによって血圧が下がりすぎてしまうことで、ヒートショックを起こすおそれがあります。また、お酒を飲むと血管が拡張して一時的に血圧が下がるため、飲酒後の入浴は年齢を問わず注意が必要です。
A : 脱衣所やトイレなど、狭い場所に設置するなら小型で移動しやすいものが使いやすいでしょう。ヒートショック対策のためにはスイッチを入れるとすばやく温度が上がるもの、例えばセラミックファンヒーターなどがおすすめです。また、注意しなければいけないのは火事のリスク。安全性に配慮された設計の商品を選びましょう。
A : 上着を羽織る、靴下を履くなどなるべく寒さに身をさらさないようにするとよいでしょう。短時間でも急激な血圧変化は起こります。「ちょっとトイレに行くだけだから」「すぐそこに新聞を取りに行くだけだから」といったときも油断せず、冷えないように対策しましょう。
ヒートショック対策に！
ポイント暖房を活用しよう
ヒートショック対策には、脱衣所やトイレなど「一時的に暖めたい場所」を短時間で快適にすることが大切です。
そんなシーンにおすすめなのが、パナソニックのセラミックファンヒーターです。
他にもおすすめのポイント暖房を
ラインアップ
安全に関するご注意
- 商品は国内一般家庭用です。
- 消費電力が1kW以上の機器は定格15A以上の電源コンセントに接続してお使いください。火災の原因になります。
- ペットの暖房等本来の用途以外に使用しないでください。
- 次のような方がご使用の時は特にご注意ください。乳幼児・自分で温度調節のできない方・身体の不自由な方・皮ふ感覚の弱い方・お子様やお年寄り等皮ふの弱い方・眠気を誘う薬（睡眠薬、かぜ薬等）を飲まれた方・深酒や疲労の激しい方。低温やけどや熱中症（脱水症状など）を起こす恐れがあります。
- 低温やけど対策として、時々暖めている部位を変えるなど注意して使用してください。(比較的低い温度でも同じ部位を暖めていると低温やけどのおそれがあります。）
ご使用の際は、取扱説明書をよくお読みのうえ正しくお使いください。