マクロレンズで
極小の世界を
のぞいてみよう

マクロ機能は、ズームレンズや単焦点レンズなど、さまざまなレンズに搭載されています。特におすすめなのは、明るい中望遠マクロレンズです。中望遠域とは35mm判換算で100mm前後を指し、この焦点距離により大きめなボケ感を楽しむことができます。柔らかな描写が得意なこのレンズは、美しい写真を撮影するのに最適です。さらに、単焦点レンズは一般的に絞り値（F値）が明るく、美しいボケ味を生み出します。また、ワーキングスタンスを取りやすく、撮影がしやすいという利点もあります。近接撮影と美しいボケ味が相まって、幻想的な世界を表現することが可能です。

家の中にマクロレンズで撮影したくなる被写体が多くあります。代表的なものは観葉植物です。マクロレンズで撮影すると、生命力を感じるダイナミックな撮影が可能です。花のめしべやおしべに寄ることで、花全体を撮影するのとはまったく異なる世界を捉えた写真が撮れるはずです。

また、少しアーティスティックな写真に挑戦したい場合は、ライトボックスを使った撮影がおすすめです。スライスすると美しそうな果物などを薄く切り、ライトボックスの上に乗せて透過させます。こうした工夫により、作例のようなアート的な写真を気軽に楽しむことができます。

家の中にあるものを新たな視点で写真に収めることで、目で見るのとは異なる感覚で写真を楽しむことができます。ぜひ、トライしてみてください。

梅雨時期におすすめしたいのが水玉撮影です。雨上がりの草花に水滴がついている光景を見たことがあるかもしれませんが、目で見ただけでは特別なものには感じにくいかもしれませんが、マクロレンズで接近して撮影すれば、まったく違った魅力を感じることができるでしょう。

室内でも水玉撮影は可能です。スポイトで切り花などに水滴をゆっくりと落とすことで、人工的に水玉を作り出すことができます。このメリットは、自分の好みのところに水玉を配置できるため、自分のイメージに近い写真を撮影できることです。

雨上がりにベランダや庭にある草花を撮影するのも良いですし、部屋でじっくりと創作写真を撮るのも良いでしょう。梅雨時期は、マクロレンズらしい写真を撮るには絶好のシーズンです。

マクロ撮影では、シビアなピント調整が必要となります。そんなマクロ撮影にあると便利なのが三脚です。特に室内で撮影する場合には、シャッタースピードが遅くなることがあります。ISO感度を上げることで解消できますが、繊細な色彩を美しく表現するためには、できるだけノイズの少ない低感度で撮影したいところです。また、中望遠域であるため手ブレしやすいレンズでもあります。そんな悩みを解消してくれるのが三脚です。三脚を固定することで、遅いシャッタースピードでも手ブレの心配を減らすことができます。

三脚を利用する際には、シャッターを切るときに注意が必要です。シャッターボタンを押す際に、カメラがわずかに揺れることがあります。これによりせっかく三脚を使ってもブレてしまうことがあります。これを解決するためには、セルフタイマー機能を使い、自動でシャッターを切るようにすることで、揺れをなくすことができます。このような工夫によって、写真の出来映えが大きく変わります。三脚を上手に活用することで、マクロ撮影のクオリティを向上させることができます。

マクロレンズは接写だけでしか使えないレンズというわけではありません。このレンズの特性を活かすことで、ポートレート撮影などにも活用することができます。ポートレートでは、撮影したい被写体を際立たせることが重要です。

今回紹介した2本のレンズは、35mm判換算で90mmと100mmであり、さらにF2.8と比較的明るいレンズです。この条件は人物撮影にも適しています。中望遠レンズらしい適度な圧縮効果と、明るいレンズならではの美しいボケ感を活かした撮影は、マクロ撮影やポートレート撮影以外にもさまざまなシーンで活躍します。マクロレンズを1本持っていれば、写真の世界がさらに広がることでしょう。

LUMIX Gシリーズには、35mm判換算で約60mm相当の焦点距離となるLUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.のレンズがあります。手ブレがしにくいため、カメラに慣れていない方にも使いやすいのでおすすめです。また、最短撮影距離が約10.5cmと短く、被写体に近づいて撮影することができます。これにより、細かいディテールを捉えた魅力的なマクロ写真を撮影することが可能です。さらに、レンズの重量は約180gと軽量で、屋外でのマクロ撮影にも適しています。持ち運びが簡単なので、撮影の幅が広がるでしょう。