エアコンは「つけっぱなし」でも大丈夫? 24時間利用の賢い使い方

エアコンの24時間利用の賢い使い方についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2023年8月9日
空気

20分~30分程度のお出かけなら、エアコンはこまめにオフにするより「つけっぱなし」の方がおトク。『UP LIFE』でもたびたびお伝えしていることですが「ならばいっそのこと、24時間フル稼働しておいてもそんなに変わらないのでは?」なんて思ってしまう人もいるのでは。 そんな疑問を、家電の専門家である田中 真紀子さんにぶつけてみました。果たして、どうなのでしょうか。

エアコンの「つけっぱなし」を上手に使って賢く節約

以前の記事にもあったとおり、エアコンは冷暖房の効率が高い家電。広い空間を冷やしたり暖めたりするのが得意で、消費電力量も決して多いわけではありません。

そんな費用対効果の高いエアコンは、20分~30分程度の外出時ならこまめにオフにするより「つけっぱなし」の方がおトクになることがあるとも言われています。これは、室内外の温度差が大きいときにエアコンの運転をオンにすると多くのパワーが必要になるため。いったん室内を適温にすればあとは少ない消費電力量でキープできますが、短時間の外出でいちいち運転をオフにしていては室温が外気温に近付いていくため、帰宅してオンするたびに消費電力量の多い「強運転」となってしまうそうです。

もちろん、外出時間や住居の構造、エアコンのモデルなどによって異なるので、すべておトクになるとは言えませんが、試してみる価値はあるはず。そしてせっかくなら「室内の熱損失が大きい窓に断熱効果の高いカーテンを使う」など、外気温との差をできるだけ縮める工夫も同時に実践してみましょう。

いっそのこと24時間「つけっぱなし」にするのはアリ?

いっそのこと24時間「つけっぱなし」にするのはアリ?

一度室温を適温にすればあとは少ない電力量での運転がキープできるなら、24時間ずっと運転させてもいいように思いますが、一方で「寿命が短くなるのでは?」という疑問も浮かびます。実際のところどうなのでしょう?

「施工が必要なエアコンは家電と言うより、給湯器や床暖房のような住宅設備。壊れないわけではないし、寿命もありますが、堅牢につくられていて耐久性が高いと思います。また、立ち上げたときに最も電力を使うので、こまめにオン/オフするとモーターやコンプレッサーにたびたび負荷が掛かってしまうもの。もちろん、常に稼働させているのも負担にはなると思いますが、24時間つけっぱなしでも10年程度はもつのではないでしょうか?

ただし、メンテナンスを怠ると寿命が短くなる可能性が高まります。フィルターにホコリがみっしり付いた状態で運転させるなど、モーターやコンプレッサーに負荷がかかるような使い方は避けましょう。掃除するタイミングは、フィルターなら2週間〜1か月が目安。内部の掃除も、せめて年に1度は行いたいですね」

なお、田中さん宅の場合、暑い時期になると室温を一定に保ちたい事情のある部屋のエアコンは、ほぼ24時間つけっぱなしになるのだとか。

「6月から10月くらいまではほぼ運転オンの状態ですが、驚くほどの電気代にはなっていません。もちろん使わない場合よりはかかりますが、多少電気代が上がったとしても、快適に過ごせるうえに熱中症を予防できるなどの健康面も考慮すれば、コストパフォーマンスは高いと言えるのではないでしょうか。エアコンの様子を見ていても無理な運転をしていることもないですね」

 

【パナソニック製エアコン用 各種フィルター】

エアフィルターの経年劣化やフィルター部分の破れなどがあった時は、エアフィルターごと取り替えましょう。エアフィルターを購入される際は、エアコン本体品番と対応しているか、エアフィルターの形がどうなっているかを確認するようにしてください。

また、エアコンの脱臭や除菌など、お悩みがある場合は、「防カビ」「脱臭」「除菌」用などの各種フィルターとの併用がおすすめです。

*パナソニック製以外のエアコンやエアコン本体品番と対応していないフィルターは使用できませんので、ご注意ください。

「つけっぱなし」にすることのデメリットには何がある?

「つけっぱなし」にすることのデメリットには何がある?

田中さんのお話に背中を押され、24時間「つけっぱなし」を試してみたくなりますが、デメリットはないのでしょうか?

「最大のデメリットは、自動おそうじ機能や内部クリーンが使えなくなる場合があること。この機能は基本的にエアコン本体の運転がオフになってから作動するものなので、四六時中つけっぱなしでは行われません。わが家の場合、犬の散歩に出ている時間は運転オフにして、自動おそうじ機能が作動するように心がけています」

ちなみに、24時間つけっぱなしにしていたとしても、部屋の換気は必要なのだとか。

「エアコンは室内の空気を取り込んで温度を調整し、再び室内へ戻しています。そのため、エアコンを使っていれば換気の必要ないと考える人もいますが、これは間違いで、一部モデルを除いて大半のエアコンは換気することができません。また、空気清浄機能が搭載されていればチリやホコリなどは除去できても、人間の呼吸などで生じた二酸化炭素は減らせないので換気は不可欠。住宅に24時間換気システムがあるなら常に運転させておき、ない場合はエアコンをつけたままでも1日に数回は換気するようにしましょう」

快適に過ごしたいなら、自動おそうじ機能はぜひ活用を!

快適に過ごしたいなら、自動おそうじ機能はぜひ活用を!

田中さんも活用しているという自動おそうじ機能は、エアコンの寿命に関わるだけでなく、快適に暮らす上でも大切なもの。モデルによっては、フィルターの掃除だけでなく内部が汚れないように清潔性を保ってくれるほか、カビの原因菌などの抑制も可能です。

たとえば、パナソニックの『エオリア』は、ナノイーXを採用しており、黒カビやコウジカビなど、エアコンの中で発生すると言われる8大カビを抑制※1。フィルター自動掃除はもちろん、上位モデルでは内部が汚れないようにし、いつでも清潔に保つことができます。

「『エオリア』は熱交換器表面のアルミフィン切断面にまで独自のコーティングを施すなど、エアコン内部の汚れについてもよく考えています」と田中さん。

熱交換器表面のアルミフィン切断面にまで独自コーティング

「このコーティングのおかげで、熱交換器に付いたホコリもスルッと落ちます。カビの栄養分となるホコリが付きにくいうえ、ナノイーXを内部に放出しカビを生えにくくするなど、汚れる前に対処する機能が多いのも『エオリア』の特徴。価格が上がるからと、自動おそうじ機能搭載モデルを避ける人もいますが、たとえ10万円高かったとしても年に一度、内部の掃除を業者に依頼して1万円ほどかかったなら10年でイーブンです」

なお、このおそうじ機能が作動するには、運転オフの時間を作る必要があります。もし24時間ほぼつけっぱなしにしたいなら、『エオリア アプリ※2の“ウィークリータイマー”を使うのもオススメ。運転オン/オフやフィルター自動お掃除などのスケジュールを1週間分、タイマー予約できるので、生活パターンに合わせた設定が可能です。
これで、不在の時などの比較的エアコンを使わない時間帯に「運転オフ」の時間をつくっておけば、せっかく機能があるのに使えていなかった、ということもありません。もちろん、お掃除終了後は、自動で再びつけっぱなしにできます。

「こういった機能をうまく使えば、掃除を気にかける必要もありません。ストレスが軽減できるのもメリットですし、快適さを維持することもできますので、ぜひ活用してみてください」

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エアコンの24時間利用の賢い使い方についての監修

田中 真紀子(たなか まきこ)

田中 真紀子(たなか まきこ)

白物家電をはじめ生活雑貨、家事、住まいなど、暮らしにまつわるモノ・コトの取材・執筆を行うフリーライター。美容家電も得意分野で、働く女性として、一児の母として、忙しくてもきれいになれる美容家電を見つけ、各媒体でも紹介している。総合情報サイト『All About』美容家電・育児用品ガイド。

※1 【試験機関】(一社)カビ予報研究室 【試験方法】25㎥(約6畳)、室温25℃、湿度70%の試験室にて、エアコン内部にカビセンサーを設置、1日3時間の冷房運転後に「オートクリーンシステム」ありとなしの条件において、7日後のカビの菌糸長を比較 【抑制の方法】オートクリーンシステム(「Ag+除菌」フィルター、フィルターお掃除ロボット、ホコリレスコーティング(熱交換器)、防汚・防カビコーティング(送風ファン)、内部クリーン(「ナノイー X」放出)、カビみはり)【対象】エアコン内部に付着したカビ【試験結果】カビセンサーのカビ8種類の成長が抑制されることを確認(報告書No. 180301、180302)
※2 エオリアアプリのご利用には、ご家庭内のインターネット環境との接続が必要となります。

2023年8月9日 空気

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