集中力が持続しない原因は? 集中力が切れたときの対処法

集中力が続かない原因と対策についての監修:中嶋 泰憲(なかじま やすのり)
ライター:UP LIFE編集部
2021年9月8日
空気

「一度は集中していたのに、すぐに途切れてしまう」「集中したくてもなかなかできない」というお悩みを抱えてはいませんか? 個人差はありますが、集中力を上手にコントロールするのは難しいもの。一体、どのようにすれば良いのか、精神科医の中嶋泰憲さんに聞いてみました。集中しやすくなる室内環境のつくり方もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

集中力が続かない…。一体、なぜ?

集中力が続かない…。一体、なぜ?

「集中しなければ」と思っているのに、どうしても気が散ってしまうのには、何か原因があるのでしょうか? そもそも集中力とは何なのかと合わせて、中嶋さんに教えてもらいましょう。

そもそも集中力ってどんなもの?

「集中力とは、人の認知機能の一領域。目先のことにどのくらいしっかり気持ちを向けられるか、何かに取り組んでいる間、周囲のものなどに気を取られたりしないか、といったことで集中力の高さを表したりもします。

この高低には個人差があり、素質や環境も少なからず関わるもの。たとえば、いったん何かを始めたら、周囲の音が聞こえなくなくなるほど物事に集中できる人もいますが、もし子供のころからそうならば、先天的と言えそうです。また、本来は集中力がかなり高くても、ストレスが強い毎日を送るといったことが原因で、集中力が低下してしまう可能性も。ちょっとしたことでイライラしてしまい、何かを始めてもすぐにスマートフォンを手にしたくなる……なんてこともあり得ますね」

集中し続けられる時間はどのくらい? 1日のうちでピークはある?

「集中力の持続時間には個人差があり、そのときの状況やモチベーションのレベルにもよるもの。そのため、一概にどのくらい続くとは言い切れません。たとえば、ある作業のための1時間の中で、途中にスマートフォンのチェックをしたり違う物事を3回行ったという人は、集中力の持続時間は平均20分程度と言えそうです。

同様に、集中力が続きやすい時間帯も人それぞれ。基本的には、当人の認知機能がピークになるときが持続しやすい時間なのでしょう。朝方の人なら早朝、夜型の人なら家族の寝静まった深夜がピークとなるかもしれません」

集中力を維持できない理由は?

「いつも通りの集中力が続かないときは、何かがいつも通りではないはず。おなかが減っている、疲れている、あるいは寝不足など、体調が影響しているのかもしれません。また、前述したようにストレスフルな日々でイライラしているなど、心の調子がいつも通りでない場合も、集中力の低下につながる可能性があります」

あなたの集中力は大丈夫? チェックする方法

あなたの集中力は大丈夫? チェックする方法

「集中力を含めた複数の認知機能をチェックする方法として、“100から連続して7を引いていくテスト”があります。これは、93、86、79……と順番に声を出しながら引き算をしていくもの。最後の2にたどりつかなくても、ある程度続けられれば集中力に問題はないと判断できます。集中力だけでなく、理解力や短期の記憶力、言語能力、情報処理能力の有無などのチェックもできるため、認知機能の総合的な検査と言えるかもしれません。

なお、このテストにはある程度のモチベーションが必要。遊び半分で実行しても、その時点の認知機能がしっかり反映されないため、真剣に取り組むことが大切です」

集中力を復活させたい! 今すぐできる対策とは?

集中力を復活させたい! 今すぐできる対策とは?

集中力の持続時間に個人差があるとはいえ、集中している時間はできるだけ増やしたいもの。途切れてしまった集中力を取り戻す方法を、中嶋さんに聞いてみました。

集中力が切れる原因に応じて対処しよう

「疲れが原因で集中力が低下した場合は、休息を挟んだり、少し昼寝をしたりすることで頭が再びシャープになる可能性があります。また、自分にとって集中力が低下しやすい時間帯なら、無理をしないで集中しやすい時間にがんばるべき。たとえば朝型の人なら、朝のその時間を逃さないようにしたいですね」

カフェインを摂取するのはOK?

「カフェイン摂取などによる中枢神経系への刺激は、原則、おすすめできません。なぜならそれは、カフェイン依存症へのリスクを増す行為だから。これは、よく眠れない方へ、眠るためにアルコール摂取をすすめることとも類似性がありますね。この場合はアルコール依存症へのリスクを高めますので、医療従事者がそれをすすめることはありえない、と思います」

光、音、温度と湿度…。生活環境は集中力にどう関わる?

光、音、温度と湿度…。生活環境は集中力にどう関わる?

ここまで、集中力について中嶋さんに教わってきましたが、編集部からお伝えしたいのが、集中力を維持するためには快適な室内の環境作りも大切ということ。以前の記事でもお伝えしたとおり、室内の環境と集中力は密接に関係しています。音や光、そして温度と湿度を見直して集中できる部屋を作れば在宅ワークや勉強の際に役立つので、ここで一度おさらいしてみましょう。

光と音をコントロールして、集中できる部屋づくりを

照明にもさまざまな種類がありますが、在宅ワークや勉強をする際に適しているのは、目にやさしくて文字が見えやすいタイプ。色温度は昼白色(5000ケルビン前後)を選びましょう。なお、パナソニックの最新デスクライトには、色温度6200ケルビンと明るさの組み合わせで紙面の文字が読みやすい“文字くっきり光”に加え、パソコン画面が見やすい “パソコンくっきり光”も搭載。スイッチひとつであかりを切り替えることができ、在宅ワークでのパソコン作業にも、勉強、読書にもおすすめです。

また、集中力を持続させるには、できるだけ周囲の音が耳に入らないようにすることも大切。ノイズキャンセリング機能を搭載したイヤホンやヘッドホンを使えば、雑音を手軽に遮断できます。

集中しやすい温度と湿度って?

仕事や勉強に集中するなら、快適温度より少し低い方が適しています。室温は25℃以下、湿度50%が目安ですが、体感温度によっても変わってくるもの。夏に直射日光が入ってくる部屋や、冬の冷気が入り込むような断熱性が低い窓だと居心地が悪く、集中しにくくなりがちです。高性能な窓でも寒さを感じることはあるので、仕事や勉強を行うデスクは窓から離れた位置に置きたいですね。

換気も大切。集中しやすい空気環境をつくろう

上記に加えて気を配りたいのが、質の良い空気環境をつくること。たとえば、二酸化炭素の濃度が高まると、集中力が続きにくくなるとも言われています。室内の空気を入れ換えれば気分転換にもなるし、「こもったニオイが気になって集中できない……」なんてこともなくなるので、定期的に窓を開けて換気を行うようにしましょう。換気の時間や、効率的な換気方法についてはこちらの記事で紹介しています。

室内の空気環境を整える家電の活用もおすすめ

エアコンを利用すれば、室内の温度と湿度は簡単にコントロールできます。特に注目したいのは、パナソニックの『エオリア』。室温を低めにコントロールする“集中モード”を採用しており、リモコンのワンボタンで集中しやすい温度環境に調整します。

このほか、ニオイ対策を行うならおすすめなのは、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機『ジアイーノ』です。本体内で次亜塩素水溶液を生成し、吸い込んだ部屋の空気を除菌・脱臭。キレイになった空気と気体状の次亜塩素酸を一緒に放出するため、空間を丸ごと洗うようにクリーンにすることができます。これなら、ニオイが気になって集中できないということもなくなりそうですね。さらに、新発売のジアイーノは加湿機能も搭載。乾燥の気になる季節も、空気環境を快適に整えてくれるでしょう。

集中力が続かない原因と対策についての監修

中嶋 泰憲

中嶋 泰憲(なかじま やすのり)

慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学先でカルチャーショックを受け、自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人のメンタルヘルスの重要性を悟る。現在は精神病院に勤務。現代社会を生きる人々の心の健康管理に役立てるよう、現場からメンタルヘルスに関する情報発信を行っている。

2021年9月8日 空気

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