冷房運転でおすすめの風向きは? 風を上手に利用して快適性をアップ

監修:Yuu
ライター:UP LIFE編集部
2022年9月6日 空気

エアコンの冷房運転時、風の向きはどこに設定していますか? 「特に気にしたことはない」という方もいるかもしれませんが、実は風向きひとつで冷房効率は変わるため、電気代を抑えることもできるんです。そこで、冷房の風はどこに向けるのが正解なのか、一級建築士のYuuさんに聞いてみました。さらに、風で冷房効率をアップさせる方法として、サーキュレーターの正しい使い方もご紹介! この夏を快適に過ごすために、ぜひ参考にしてください。

上向き、下向き、それともスイング? 冷房運転時の風向きはどれが正解?

写真:冷房を使用する女性のイメージ

「冷房の風は上向きに送りましょう」と、ズバリ答えを教えてくれたYuuさん。その背景には、「空気の対流」が大いに関係しているのだそうです。

冷気は下へ、暖気は上へ。温度の違いが空気の対流を引き起こす

「空気は性質上、冷たければ下へ、暖かければ上へと移動します。冬の暖房時、足元が冷えているのに顔がほてるのも、同じように空気が流れることで自然に対流が起きているからです」

ちなみにこの性質は、液体にも備わっているとか。その実例としてYuuさんが挙げてくれたのは、お風呂でした。

「給湯設備が古いお風呂は、沸かしたときに表面がものすごく熱くなるのに下の方は冷たいまま。湯船に入るにはお湯をかき回して適温にする必要がありますが、最近の全自動給湯器は下から暖かいお湯を出して強制的に循環させ、温度のバラツキを抑えているので、ちょうど良い湯加減にできるんです」

正しい風向きと空気の循環が、快適な空気環境をつくる

この対流という現象を考えると、吹き出し口から冷たい風を出す冷房は上向き、暖かい風を出す暖房は下向きが正解というのもうなずけますね。

「冷房時に風を上向きにすれば冷気を遠くまで届けられますが、それでも自然に下へと落ちてくるもの。この温度ムラを解消するには、空気を適切に撹拌して循環させる必要があります。室内の空気環境にとって、エアコンの風向きと空気の循環はとても大切な役割を担っているんですよ」

風向きをスイングにしても空気は循環させられる?

Yuuさんによると、「上下に風を送るスイングも、空気を循環させるのに役立つ風向き」とのこと。ただし、体に風が直接当たるタイミングがあるため、寒かったり不快に感じたりするようなら上向きを利用するのがおすすめです。

温度を下げる前に風量を上げれば、電気代にも影響あり!

写真:電気代のイメージ

あまりに暑い日だと、つい冷房の設定温度を下げがちです。でも、それよりも省エネという点では、風を上手に利用する方がおすすめ。パナソニックの実験では、設定温度を1度上げて風量も上げた場合、年間約1200円以上※1も節約できるという結果が出ています。

「電気代を抑えつつ涼しくする方法として、ここ数年でフィーチャーされているのが風量を上げること。これは、空気を冷却するよりも風量を強くする方が、少ないエネルギーで済むためで、結果として電気代が抑えられるんです。ただ、最近のエアコンは自動運転がとても優秀。快適に調整してくれるうえに省エネ性も高いので、設定に迷ったときはエアコンにおまかせするのもひとつの方法ですね」

なお、エアコンの風量設定について「自動」と「微風」を比べてみた調査もあります。環境にもよりますが、「自動」と「微風」を比較したとき、「微風」は「自動」に比べて設定温度に到達するまでの消費電力が20%高く、到達するまでの時間が6.4分長いという結果に※2。風量も、エアコンにおまかせの「自動」を積極的に活用するのがよさそうです。

温度ムラを解消させる、サーキュレーターの上手な使い方

写真:サーキュレーター

室内に生じた温度ムラを解消するには、サーキュレーターが効果的。風を起こして空気を撹拌し、強制的に循環させることが可能。冷房効率を上げるには、エアコンの下に置き、エアコンと同じ風向きにすれば良いことは、以前の記事でもご紹介したとおりです。ただし、Yuuさんによると、「これはあくまで基本的な使い方」なのだとか。

冷気だまりを解消し、まんべんなく届けることを念頭に置いて

「サーキュレーターの本質は、たまった冷気の拡散と、エアコンからでは届かない場所に冷気を送ること。部屋の形状や家具の位置、エアコンの取り付け状況など、使う環境によっては置き方を変える方が良い場合もあります。

たとえば、細長い部屋などでエアコンと正面の壁の距離が短かったり、エアコンと近い位置に家具があったりする場合、冷気はすぐに壁や家具にぶつかって落ちるので、下ばかりが冷えることに。このケースならサーキュレーターはエアコンの対面に置き、首を振って左右に冷気を送るといった使い方が適切です」

遮熱性の低い窓の上にあるエアコンは、その下が熱くなる

「窓上に設置されることが多いエアコンですが、窓ガラスの遮熱性が低いと日射熱によって冷房効率が下がってしまいがち。窓際は冬に寒いだけでなく、夏は暑いんです。それでも窓の近く、エアコンの真下にソファを置いている家庭を、今まで数多く目にしてきました。そんな時は遮熱や断熱カーテンなどで窓まわりの性能をあげつつ、サーキュレーターを対面に置いて冷気を送り込むのが効果的。同時に、ソファも別の場所へ移動させたいところです。

このように、窓との関係や、普段どこで過ごすのかまで考慮しながら、エアコンとサーキュレーターを上手に併用したいもの。迷ったときは、まずエアコンの風向きを少しずつ変えながらチェックしてみるのがおすすめです。風が届かない場所、冷えすぎる場所がわかれば、サーキュレーターの使い方も見えてくるので、新しい家に住むときには私も必ず確認しています」

サーキュレーション効果があるシーリングファンの使い方

天井に設置するシーリングファンも、風を起こして気流を送る働きがあります。もし使っている場合は、「冷房時と暖房時で回転方向を変えることが大切」と、Yuuさん。

「シーリングファンの回転する方向によって風の向きが変わることは、意外と知られていません。冷房時は左回転にすることで下向き運転となり、天井側から気流を送って体感温度を下げる効果があります。一方、暖房時は右回転の上向き運転にすると、天井付近の暖気を拡散できるので、夏と冬とで回転方向を変えるのがおすすめです」

他にもいろいろ! 知っておきたい、冷房効率を上げるTips

写真:電卓を持つ女性

以前の記事で、冷房効率をアップさせるさまざまな方法を教えてくれたYuuさん。家の中に入り込む熱対策として、屋根裏の断熱リフォームのほか、遮熱性を高めるすだれや緑のカーテン、日除けスクリーンの導入などを提案してくれました。また、体感温度を下げるために、壁や床に調湿建材を使って湿度をコントロールといった方法も。

室内機と室外機、それぞれにできる対策とは

「もちろん、エアコン自体に目を配ることも、とても大切。フィルター掃除を怠るとホコリが詰まってエネルギーロスが発生し、ムダな電気代がかかってしまいます。また、室外機の環境も確認したいところ。たとえば日当たりが良い場所だと室外機そのものが熱くなり、冷房効率が下がるため、直射日光が当たらないように屋根やよしずなどで日陰をつくるといいでしょう。ただし、空気の流れを遮ると効率が悪くなるので、全体を覆ったり、周囲にたくさんの物を置いたりするのはやめましょう」

最新のエアコンなら、冷房運転時の快適性も大きくアップ!

写真:リビングで過ごす家族

目覚ましい進化をし続ける最新エアコン。冷房性能も例外ではなく、暑い夏の日も快適に過ごせるのはもちろん、省エネ性もとことん追求されています。

遠くまで届き、体に風が直接当たらない

たとえば、パナソニックのエアコン『エオリア』は、最大12m※3まで冷風が届くロング気流を採用しており、広いリビングでも快適。また、涼風を大きなフラップで持ち上げ、シャワーのようにふりそそぐ“天井シャワー気流”により、冷たい風を直接体に当てない仕様となっています。さらに、信州・蓼科高原に吹く風を再現した“1/fゆらぎ気流”で、自然に近付けた心地よい風を体感可能。上位機種のLXシリーズ/Xシリーズなら、風量や風向きまで自動で調整します。

部屋の温度と湿度をしっかり見張って快適なままキープ

LXシリーズ/Xシリーズは、設定温度に達しても部屋の温度と湿度をキープする仕様。電源のON/OFFを繰り返すことがないので、ムダな電力が消費されたり、OFFになって暑い思いをしたりといったことも抑えられます。

(湿度):当社環境試験室(14畳)、外気温35℃時、体感温度25℃が得られるように設定、冷房運転時。運転安定時の湿度が、新製品CS-LX402D2/CS-X402D2(55%)、当社従来品CS-X400D2(59%)との比較。
(温度):当社環境試験室(14畳)、外気温35℃時、体感温度25℃が得られるように設定、冷房運転時。運転安定時約1時間の温度変動幅が、新製品CS-LX402D2/CS-X402D2(0.2℃)、当社従来品CS-X400D2(1.3℃)との比較。

グラフ:温度と湿度の違い

フィルターお掃除ロボットも搭載

さらに、エオリアはホコリを自動で吸引・排出するフィルターお掃除ロボットが優秀。長年のホコリ研究から開発した独自のブラシで、エアフィルターに付いたホコリをきれいにかきとるのはもちろん、屋外に自動排出までしてくれるので、お手入れの手間もぐんと軽減できます。余計な電力を消費せず、家計にもやさしいエアコン※4です。

省エネで快適なエアコンに買い替えて、暑い日も快適に

「以前なら、10年前のエアコンは電気代の節約を理由に買い替えが推奨されていましたが、今は以前ほど電気代に大きな差はありません。でも快適性が大きく変わっています。わが家も最近、エアコンが壊れたので買い替えたところ、とにかく快適。古いエアコンだと冷気が当たって寒いのに、風向きを変えると暑くなったり、就寝中も寒さを感じて不快だったりといったことがあったのに、新しいエアコンはとても快適でストレスも解消されましたね。エアコン冷房を苦手とする方も、きっと満足できるはず。

特に高齢者で冷房を避ける方は多いですが、熱中症リスクの高い日は必ず利用して欲しいですね。わが家の母も冷房が苦手でしたが、エアコンが新しくなってイヤがることはなくなりました。温湿度計を用意して、“目安を越えたら自動運転の温度を調整してね”と伝えそれを実践しています。快適な空気環境を支え、健康な暮らしを守るエアコンだからこそ、多くの方にこだわっていただきたいですね」

この記事で紹介した商品

Yuu

監修:Yuu(本名:尾間 紫)

多くの現場経験や相談実績を持ち、リフォーム全般に精通する一級建築士。住宅リフォームコンサルタント・住宅リフォームガイド。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱しており、講演・監修・執筆などを通じて本当に満足するリフォームのノウハウを伝えている。総合情報サイト『All About』リフォームガイド。

※1 パナソニック製品「F401D2」を使用。電気代27円/kWhでの実験
※2 稼働開始時外気温/室温30℃以上、設定温度26℃冷房時(パナソニック独自調査)
※3 当社測定基準による。CS-LX402D2/CS-X402D2、当社試験室、リモコン設定27℃、ロング設定、左右風向正面、冷房運転時、ピーク風速0.2m/s以上となる距離。
※4 平均室温一定で運転した場合の購入時に対する消費電力量の割合を、フィルターお掃除ロボットありと、フィルターお掃除ロボットなし(フィルターにホコリ約2gが付着した状態)の約1年後で比較。(当社調べ)おフィルターお掃除ありの場合を100%とした場合、フィルターお掃除なしの場合の消費電力量が約125%となった。【試験条件】CS-LX402D2/CS-X402D2の場合。当社環境試験室(約14畳)、外気温2℃、設定温度23℃、風量・風向自動、暖房運転安定時。消費電力量の、フィルターお掃除あり(455Wh)と、フィルターお掃除なし(606Wh)との比較。使用頻度や使用環境により効果は異なります。

2022年9月6日 空気

記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。

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