炊飯器の保温温度はどのくらい?温度が設定されている理由を解説

監修:Panasonic Cooking @Lab
ライター:UP LIFE編集部
2023年9月14日
食・レシピ

炊飯器には保温機能が備わっているため、炊いた後でも温かいごはんが楽しめますが、何度くらいで保温されているかご存じでしょうか。この記事は炊飯器の保温機能に着目し、保温温度や適切な使い方、また電気代について解説。さらに、保温ごはんのおいしさをアップさせる炊飯器や、低温調理もできる炊飯器もご紹介します。

炊飯器の保温温度は何度?保温温度は変更できる?

写真:家族で食事をとる様子

炊飯器の保温機能は、家族の食事時間がバラバラのときなどに重宝しますが、どのくらいの温度で保温されているのでしょうか。

保温温度はおよそ60度〜74度

炊飯器の保温温度は、メーカーや機種によって異なりますが、約60度~約74度に設定されているものがほとんどです。保温温度を変えられる炊飯器もありますが、細かく温度変更できるわけではありません。

保温温度が設定されている理由

写真:茶碗に盛られたごはん

多くの炊飯器の保温温度が約60度~約74度に設定されているのには、主に2つ理由があります。

雑菌が繁殖しにくいため

60度を下回る温度で保温すると雑菌が繁殖しやすく、ごはんが早く傷んでしまいます。雑菌の繁殖を抑えるために、多くの炊飯器の保温温度は60度以上に設定されています。保温中に何度も炊飯器のフタを開けたり、フタを開けっぱなしにしたりすると温度が下がってしまうので注意しましょう。

メイラード反応によるごはんの黄ばみを防ぐため

保温温度は高過ぎてもごはんをおいしく保温できません。温度が高い状態が続くと、ごはんに含まれる糖とアミノ酸が結合する「メイラード反応」が起きます。そうなるとごはんは黄ばみ、香りも損なわれてしまうため、多くの炊飯器の保温温度はメイラード反応が起きにくい約74度以下に設定されています。

保温機能を使わずごはんを保存すると

長時間保温機能を使うと、ごはんは乾燥して固くなったり黄ばんだりして、味や食感が悪くなりがちに。それなら保温機能を切った状態でごはんを保存すればいい、と考える方もいるかもしれませんが、おいしく保存はできません。炊飯器の保温機能を切ると、炊飯器内が冷めるときに結露するため、ごはんはべちゃべちゃの状態になってしまうのです。さらに密封状態でごはんがゆっくり冷えていくときは雑菌が繁殖しやすい状態でもあるので、傷みや臭いの原因になります。

ごはんの上手な保存方法はこちらの記事をご参照ください。

保温しない場合は早めに冷凍

写真:ラップで包まれたごはん

炊いたごはんをしばらく食べないなら、できるだけ早く冷凍保存しましょう。保存するときは、ごはん適量を取り出し、熱いうちにラップでピッチリと包みます。人肌ぐらいになるまであら熱が取れたら冷凍室に入れて保存します。食べるときは自然解凍せずに、電子レンジの「あたためコース」や「加熱コース」を使ってしっかり加熱しましょう。

保温にかかる電気代

写真:電卓の上に、?と書かれた木製の正方形ブロックが3つ置かれている

保温時間が長くなるほど電気代がかかります。電気代は電力料金と使用時間で算定できます。公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている目安単価は、31円/kWh(税込)*です。一般的な5合~8合炊き炊飯器の場合、1時間あたりの保温時消費電力量は13Wh~20Wh程度のため、1時間保温すると0.5円~0.6円ほどかかることになります。

ちなみに、炊飯器でお米を炊くときの電気代は1回あたり約5円~6円。10時間以上保温するなら2回に分けて炊くか、まとめ炊きしてすぐに冷凍保存するほうが電気代を抑えられます。

*2022年7月改定

ごはんはどれくらいの時間保温できる?

炊き上がったごはんは、メーカーや機種によっては24時間程度保温できるとされているものもありますが、長時間の保温はおすすめしません。長く保温するとどうしても味や風味が落ちてしまい、さらにごはんが傷みやすくなってしまいます。お使いの炊飯器ではどれくらいの時間保温できるか、取扱説明書を確認しておくとよいでしょう。
またごはんを保温する際には、内側にしゃもじを入れたままにしたり、保温中に冷やごはんを足したりすると、雑菌や臭いの原因にもなるので注意が必要です。

保温機能を使って低温調理はできる?

写真:皿に盛られた蒸し鶏と野菜

ローストビーフやサラダチキンなどがおいしく作れることで人気の低温調理。一定温度で食材を湯せんして加熱する調理方法ですが、湯せん温度をキープするために炊飯器の保温機能を活用したいと思う方もいるのではないでしょうか。
ところが、多くのメーカーでは保温機能を使っての低温調理を推奨していません。これは、炊飯器の保温機能の温度は低温調理の適温よりも高いことが多く、食材に合わせて温度調整ができないためです。取扱説明書に記載された用途以外に使うと、思わぬ事故につながる恐れもあります。

近年、低温調理や無水調理もできる炊飯器も登場しています。炊飯器でさまざまな料理を作りたい方は調理が可能なタイプの炊飯器を選ぶとよいでしょう。

保温中もおいしさをキープする炊飯器

パナソニックの「可変圧力IHジャー炊飯器 ビストロ Vシリーズ」は、お米の状態に合わせて最適な火力で炊き上げる「ビストロ匠技AI」を搭載。お米一粒一粒にしっかりと熱を伝えるから、ふっくらしたごはんが楽しめます。

写真:ビストロの釜で炊きあがったごはん

フタを開けると、おいしいごはんの証拠である「カニ穴」ができています。

保温中のごはんをアツアツに

写真:アツアツのごはんが置かれた食卓

おいしく炊き上がったごはんは、なるべく早くアツアツの状態で食べるのが一番。でも、実際には保温したごはんを食べる機会も多いのではないでしょうか。ビストロ Vシリーズには、保温ごはんをよりおいしく食べるための機能が備わっています。

ごはんを保温していると、釜底に余分な水分が発生してごはんがべたつきがちになりますが、ビストロ Vシリーズは「うるおい循環保温」でごはんの温度と水分を均一にするため、べたつきや乾燥のないごはんをキープします。
また、温度設定にも工夫があります。通常、保温しているごはんは、炊きたてよりもやや低めの温度となっています。ビストロ Vシリーズの場合、基本の保温温度は65度ですが、ボタンを押すだけで再加熱が可能。アツアツの状態で食べることができます。
さらに、保温時の状態によって「露やにおいを抑える」「変色や乾燥を抑える」「保温の温度を上げる」といった設定もでき、ごはんのおいしさを維持します。

ちなみに、ビストロ Vシリーズは保温の設定温度を上げる・下げることも可能。ただし、通常の保温温度なら最長24時間まで保温できますが、温度を上げた場合は12時間を超える保温はおすすめしていません。

かかった電気代も一目でわかる

使用頻度の高い炊飯器の電気代は気になるものですが、ビストロ Vシリーズには電気代表示機能が付いています。炊飯終了後には「炊飯にかかった電気代」、保温を切った後には「炊飯と保温にかかった電気代」が表示されるので、節約意識の向上にも役立てられます。もちろん、表示は消すことも可能です。

低温調理でかたまり肉もしっとりおいしく

炊飯器で調理がしたいなら、パナソニックの「圧力IHジャー炊飯器 SR-CR10A」がおすすめです。圧力炊飯でお米の芯までしっかり熱を通し、冷めてもおいしいごはんが楽しめるほか、調理もおまかせできる一台。コースを設定してスタートボタンを押すだけの簡単操作で、カレーやシチュー、無水調理での温野菜など、幅広い料理が作れます。
低温調理機能を使えば、かたまり肉もしっとりとした仕上がりに。サラダチキンやローストポークなど、家族が喜ぶメニューも簡単に作ることができるので、食卓がグッと豊かになるはずです。

まとめ

炊飯器の保温機能は便利ですが、長時間ごはんを保温するとおいしさが損なわれてしまいます。長時間保温になりそうなら、早めに冷凍保存することでおいしさが保てるだけでなく、電気代の節約にもつながります。
保存中のごはんをおいしくする機能や、低温調理の機能を備えた炊飯器も登場しています。この機会に、毎日の食事のおいしさと楽しさを追求してみてはいかがでしょうか。

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「おいしさを科学し、食卓に笑顔と感動をお届けする」をモットーに、「電子レンジ」「炊飯器」「調理小物」「IHクッキングヒーター」「冷蔵庫」を含むパナソニック調理事業の全カテゴリーの調理ソフト開発メンバーが所属し、設計者と生活者の両視点からお客様へのお役立ち活動を実践する組織です。

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2023年9月14日 食・レシピ

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