【専門医が教える】更年期を快適に過ごすフェムケア習慣とは?正しいやり方とおすすめ習慣

更年期におすすめのフェムケア デリケートゾーンのケアとは? 更年期におすすめのフェムケア デリケートゾーンのケアとは?

監修:白岩 和香苗
ライター: UP LIFE編集部
2026年8月28日
健康

一生のうちに何度も変化を迎える女性の身体。昨今、女性の繊細な身体への理解がすすんでいます。フェムケアは、年齢によって変化する女性の健康を支えるケアのこと。今回はフェムケアについてラエティスクリニック本町副院長の白岩和香苗先生にお聞きしました。

女性のライフステージに合わせて快適に過ごすフェムケアとは?

ベッドで頭痛を感じる女性

フェムケアとは、女性を表す「fem」と「care」を合わせた言葉だと話す白岩先生。

不調の予防、体調の改善につながるフェムケア

「女性の身体は、一生を通じて女性ホルモンの影響を受けることで、様々な症状を抱えやすいもの。そういった女性の症状に対するケア全般をフェムケアと呼びます。以前は、触れにくいデリケートな話題でしたが、昨今はメディアやSNSで情報が行き交うようになったことで、オープンに語られるようになりました。背景には、女性の社会進出や健康需要への関心の高まりがあると思います。そして女性の不調は予防や改善ができるという認識が広まるのは良いことだと思います」

ライフステージによって変わる女性の身体

女性の身体は年齢によって大きく変化します。その理由の1つが女性ホルモン。
「女性ホルモンは思春期を迎える頃から分泌量が増え、20代で安定し、30代後半から徐々に減少していきます。閉経を迎える50代には低い量で安定しますが、一連の変化の間に初経を迎え妊娠や出産、そして更年期までが入ります」と白岩先生。以下に各年齢の変化を整理しました。

思春期

10歳前後〜18歳頃。女性ホルモンの分泌量が増え、第二次性徴が促進される。初経がはじまり身体と心が成長する時期。この時期の栄養状態によっては栄養不足による疲労感が出たり、生理痛などの問題が起こることも。子宮や卵巣が成長しなければ、後の妊娠にも影響が出る

性成熟期

18歳頃〜45歳頃まで。女性ホルモンの分泌量が安定し心身が成熟、妊娠や出産がしやすい時期。30代後半は女性ホルモンのプロゲステロンが先に下がりはじめ、エストロゲンが過多になり、不正性器出血や過多月経等の症状が出やすい時期でもある

更年期

閉経の前後5年。女性ホルモンの分泌が下がり、ホットフラッシュや不眠、抑うつなどメンタル面に問題が出てくることが多い。デリケートゾーンの乾燥やにおい、尿漏れの悩みを抱える場合も。筋肉量や代謝も低下するので太りやすくなることもある

老年期

更年期の後、女性ホルモンの分泌が低いラインで安定する時期。女性ホルモンが減少した結果、骨粗鬆症などの疾患に悩まされることがある。生活習慣を整え、しっかり検診を受けるのがおすすめ

「上記のように女性の身体は、大きな変化の波にさらされています。そしてそれぞれの時期に必要な過ごし方もあります。それがフェムケアにつながると思いますね」

フェムケアにはどんな種類がある?

フェムケアにはさまざまな種類がありますが、以下が代表的なもの。

・デリケートゾーンケア
・月経ケア
・妊娠・産後ケア
・更年期ケア
・骨盤底筋ケア

年齢や自分の身体の状況に合わせて、取り入れやすいものを選ぶと、日常が過ごしやすくなるはずです。

何からはじめる?更年期にも役立つフェムケアのやり方

下腹部に手を置く女性

ホルモンの働きで、何度も変化にさらされる女性の身体。特に更年期はさまざまな症状を自覚する時期なので、フェムケアで快適に過ごしたいものです。この時期のフェムケアにはどのようなものがあるのでしょうか?またどのようにはじめていけばよいのでしょうか?

更年期に変化するデリケートゾーンとその理由

多くの方が50歳前後で更年期に入ります。この時期は女性ホルモンの低下でホットフラッシュや不眠、尿もれやデリケートゾーンの不快感が気になる方が増えるといいます。

乾燥やかゆみ、違和感、においの悩み

「いろいろな身体の悩みが増えていく中で、デリケートゾーンの悩みは相談しにくいですし、一人で抱えている方も多いかもしれません。たとえば乾燥などが原因でかゆみやにおいが気になる場合、適切にケアをすることで不快な症状を軽減することができると思います」

フェムケアをはじめるには、まず何から?

フェムケアの入り口として、おすすめしやすいのはデリケートゾーンの洗浄だと白岩先生は話します。
「デリケートゾーンのお悩みは、本人のQOLを左右します。デリケートゾーンの洗浄は簡単なので、フェムケアの第一歩としてはじめるのがおすすめ。コツはやさしく洗うこと、無理に洗うのは禁物です。膣には常在菌の働きによって自浄作用があるので、やさしく洗いましょう」

デリケートゾーン専用アイテムでやさしく洗う

「デリケートゾーン用の石鹸もありますし、最近では専用ブラシも出ています。便利な道具を使うのも良いですね。より丁寧なケアとして、専用の保湿アイテムを使うのも良いかもしれません」と白岩先生。

ちなみに膣の常在菌の働きは、腸内細菌とも間接的に影響し合っているそう。腸内環境を整えることでデリケートゾーンへも良い影響を与えることができます。

自分の体調を記録することも大切

月経周期の記録は、あらゆる世代に役立つと白岩先生。
「更年期は生理がゆらぎやすい時期です。妊娠や出産だけでなく、更年期に月経の記録をつけることであらかじめ体調不良が起こりやすい時期を予測することができます。記録を取ると自分の体調が客観視できるもので、月経前後の感情の波も理解しやすくなる方が多いです」

無理なく続けられるケアを選ぶ

ケアの方法がわかったらそれを継続したいところ。継続の条件は、ケアの内容に無理がないことだと白岩先生は話します。
「ケアに時間や手間がかかると続かないことが多いですね。完璧でなくても良いので無理なく自分ができる範囲で行うのが一番です」

更年期におすすめ!その他のフェムケア

デリケートゾーン以外にも、更年期を快適に過ごすためのフェムケアはいくつかあります。

①通気性の良い下着

下着にはこだわりたいもの。
「尿漏れでシートを当てている場合もあるので、ムレ対策として通気の良い下着を選ぶのが大切です」

②骨盤底筋トレーニングを行う

更年期に近づくほど感じるようになる尿漏れ。不快な尿漏れを改善するには骨盤底筋トレーニングが最適です。
「骨盤底筋トレーニングでよく紹介されている体操を取り入れるのがおすすめです。大変な場合は、クリニックに骨盤底筋トレーニングができる機器が設置されている場合があるので、利用するのもよいかもしれません」

③睡眠や食生活を整え、適度な運動を行う

やはり下地となる生活習慣を整えることが大切。
「女性ホルモンの分泌が少なくなると、セロトニン(幸せホルモン)やメラトニン(睡眠ホルモン)の量も自然と落ちこみます。メラトニンの量が減少することで、寝つきが悪くなるなどの睡眠の問題につながります。バランス良くしっかり食べて、腸内細菌のバランスを保てば、セロトニンやメラトニンが生成されやすくなりますし、適度な運動を取り入れれば血糖値も安定し、夜間に目が覚めることも少なくなるかもしれません。地道な方法ですが、生活習慣の見直しで1日の質がグッと上がると思います」

フェムケアで上げる!女性の健康力

朝食で味噌汁を飲む女性

できることからフェムケアを取り入れる。その先にはどんな毎日が待っているのでしょうか?

完璧主義を捨てて、とりあえずやってみる!

「更年期の身体の悩みは、1つ1つは小さくても積み重なることで大きな不快感やイライラにつながることがあります。デリケートゾーンのかゆみやムレ、生理痛やPMS、そして尿もれなどはメンタルへの影響が大きいですし、心の安定がなければ生活の質は上がりません。身体のコンディションが整うことで気持ちも自然と回復していきますので、とりあえずやってみよう!の精神ではじめてみると良いと思います。完璧主義にならないことも大切ですね」

また、一生を通じてゆっくり変化する自分の身体に、向き合うことが大切だと白岩先生は訴えます。

フェムケアをはじめとした小さな生活習慣に目を向けよう!

「フェムケアというとまだまだ聞きなれない言葉だと思いますし、身構えてしまうこともあるかもしれません。しかし内容を見てもらえれば特別なケアではないことがわかると思います。毎日の歯磨きのようなもので、続けていけば自然と慣れてしまうもの。これらのケアを続けることで大切なのは、自分の身体に意識を向けられるようになることではないでしょうか。多くの日本の女性が我慢強く、たいていのことがちゃんとできてしまう。だからこそ、私はご自身の身体を労ってほしいと思います。人の身体は口から入るものでできています。医療によるサポートが必要な場合もありますが、普段の食事や生活習慣を改善してフェムケアを取り入れ、健康的な生活を実現していきましょう!」

監修

白岩和香苗先生

白岩 和香苗(しろいわ わかな)

医師、医学博士、産婦人科専門医。ラエティスクリニック本町副院長。ルティランスクリニック代表医師。岩手医科大学医学部卒業後、順天堂大学大学院を経て神戸中央病院、兵庫県予防医学協会で研鑽を積む。2020年に医師の夫とともにラエティスクリニック本町を開院。月経トラブルやPMS、更年期症状など女性特有の悩みに生活習慣改善や栄養療法を用いながらアプローチ、一人一人のライフステージにより沿った診療で人気を得ている。企業の健康経営を支援する「HIKARIプロジェクト」を推進し、従業員の健康増進や予防医療の普及に取り組んでいる。

2026年8月28日 健康

  • 記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。