【専門医監修】VIOケアの正しい方法は?保湿・洗い方・お手入れのコツ

VIOケア基本の基本! VIOケア基本の基本!

監修:柴田 綾子
ライター: UP LIFE編集部
2026年9月2日
健康

デリケートゾーン(VIO)の悩みやケアは、気になっていても人には相談しづらいもの。洗い方や保湿、アンダーヘアのお手入れなど、どのように行うのが正しいのでしょうか。今回は、VIOの正しいケア方法や保湿方法、お手入れの注意点について、産婦人科専門医の柴田綾子先生に伺いました。

VIOケアで気になる悩みと原因とは

下腹部を手でおさえる女性

VIOのケアといっても、悩みや疑問はさまざま。そもそもアンダーヘア(陰毛)にはどのような役割があるのでしょうか?柴田先生に聞くとアンダーヘアには、私たちの身体を守る働きがあると言います。

アンダーヘアは何のためにある?

「意外とアンダーヘアには機能が多いと私は思います。まず大事なのが、外部からの摩擦をやわらげるクッションのような働き。下着や衣類との擦れを和らげ、皮膚を守ります。また、細菌やほこりが皮膚や粘膜に付くのを防ぐバリアとしての役割も。さらには、汗を分散させムレをやわらげたり、皮膚の環境を守る働きがあると考えられています」

そこで気になるのが、VIOのお悩み。実際、どんな悩みが多いのでしょうか?

どの世代も悩んでいる、VIOのお悩み

デリケートゾーンのお悩みは非常に多く、主にかゆみ、におい、乾燥、そして色素沈着などがあるといいます。実際に婦人科外来でも相談が多いとのこと。

「よくあるのがかゆみやムレの相談ですね。においや乾燥もありますし、痛みやかぶれ、もっと進むと毛嚢炎(もうのうえん)という毛穴に雑菌が入って起こる炎症もあります。おりものの変化や性交時の痛みについても多く聞かれますね」

年代によってもVIOの悩みには差があります。

10〜20代の悩み

生理中のムレやにおい、おりものの増加、自己処理によるカミソリ負けや毛嚢炎の悩みが多い。下着との擦れによってかゆみが出ることも。生理用品を使い始めたばかりだと長時間つけっぱなしになったり、学校や仕事で交換するタイミングを見つけられない場合も。また性感染症の問題も多い

30〜40代の悩み

仕事や育児ストレス、疲労から腟の常在菌であるカンジダが増加し、赤みやかゆみ、痛み、腫れなどが生じる病気・カンジダ腟炎などを繰り返す人が多い。出産後の体質変化やホルモンバランスの変化で、乾燥によるかゆみをデリケートゾーンに感じる人も

50代以降の悩み

更年期以降の女性ホルモンの減少により、乾燥やかゆみ、性交痛を感じやすくなる。デリケートゾーンの違和感や尿漏れによる皮膚炎も目立ってくる時期。よりVIOケアのメリットを感じられる人も

上記のような悩みの原因にはどのようなことが挙げられるのでしょうか?

かゆみやムレの原因

まずかゆみの原因になりやすいのが汗や皮脂。他に経血や尿が付着したまま湿度が上がるとかゆみにつながる。経血や尿の場合は、湿度が高くなると皮膚のバリア機能を低下させる。そこに衣服やナプキンによる摩擦が加わり、細菌や真菌(カビ)が繁殖することで炎症が起こった結果、かゆみやムレにつながることも。その他、カミソリによる刺激や洗いすぎもかゆみやムレの原因になる。強い刺激を避け、アンダーヘアのトリミングや保湿ケアを行おう

においの原因

もともと皮膚にいる常在菌が皮脂を分解するとにおいが生じる。経血やおりものが長時間皮膚に付着したり、ムレが続く時にもにおいが強くなる傾向がある。魚のような強いにおいがある場合は、細菌性腟症の可能性があるので医療機関に相談しよう。においが気になるときはウェットティッシュなどでデリケートゾーンを拭うのもよい。入浴後に化粧水やボディミルクによる保湿がおすすめ

乾燥の原因

加齢や更年期による女性ホルモンの低下、洗浄のしすぎ、刺激の強い石鹸の影響などで皮膚や粘膜の水分が失われる。洗浄するときの刺激を極力避けよう

色素沈着の原因

摩擦や炎症を繰り返すことで、メラニン色素が増えるのが原因。もともとの体質や妊娠・出産などのホルモンの影響もあるが、下着の摩擦や長時間自転車にまたがるなど、生活習慣が原因になることも。セルフケアとして締め付けの強い下着は避け、入浴後にデリケートゾーンの保湿をして乾燥を予防することが大切

洗浄不足や洗浄のしすぎ、そして摩擦による刺激は御法度

「洗浄不足では、汗や皮脂が残りにおいや炎症につながる可能性があります。一方でゴシゴシ洗ったり、ボディソープで頻繁に洗う、腟内まで洗うと必要な皮脂や常在菌まで取り除いてしまい、乾燥や感染症を招くことも。さらに、多くのVIOの悩みは何らかの摩擦による肌への刺激が原因で起こります。ふだんから摩擦を起こさない下着や生活習慣があるとよいと思います」

VIOケアの正しい方法は?洗い方・保湿・お手入れのポイント

POINT

VIOの悩みの原因から正しいケアのポイントは、摩擦を避けることと洗浄、そして保湿にあることがわかりました。ここでは具体的なケアの方法を見ていきましょう。

VIOの正しいケア・お手入れ方法とは?

VIOケアは、「洗いすぎず、清潔にして保湿すること」が基本となります。

VIOの正しい洗い方は?

弱酸性の石鹸や低刺激のボディソープ、デリケートゾーン専用のソープをよく泡立てて、やさしく洗う。腟の中までは洗わず、洗浄後はよくすすぎ、水分をやさしく拭き取る。VIO周辺の皮膚はとてもデリケートなので、肌にやさしいものを使うのがおすすめ。洗浄は1日1回で十分

VIOの保湿方法|保湿クリームは使ってもいい?

乾燥しやすい人や更年期以降の女性は、ふだんから身体に使っている保湿剤を使ってデリケートゾーンを保湿する。化粧水や乳液、低刺激の保湿クリームがおすすめ。毎回保湿することで、皮膚のバリア機能がキープできる。乾燥が気になる人は、お風呂上がりやトイレ後に1日何度か保湿するのが良い

VIOのお手入れ|アンダーヘアの整え方

毛量が多くてムレやすい方はハサミや電気シェーバーを使い整える。カミソリは摩擦が強く、肌を傷つけやすいので注意が必要。特にハサミでのトリミングは肌への負担が少ないのでおすすめ

気になるデリケートゾーンの黒ずみ対策

デリケートゾーンの黒ずみの多くは色素沈着だと話す柴田先生。

「黒ずみが気になる方は多いと思いますが、多くは病気ではなく色素の沈着。皮膚への摩擦や炎症などの刺激で肌は自らを守るためにメラニン色素を作ります。さらにそこから下着との擦れ、自己処理での摩擦や乾燥、かぶれを繰り返していくことで黒ずみが目立つようになっていきます。また、妊娠や加齢などホルモンの影響や体質も影響するため、黒ずみには個人差がありますね」

対策として最も必要なのは「新たな刺激を減らすこと」。

「基本的にはVIOケアと同じで、締め付けが少ない下着を選びデリケートゾーンはやさしく洗いましょう。必ず保湿を行って、皮膚のバリア機能を保ちます。黒ずみ専用クリームなども販売されていますが、効果には個人差があります。また、急に色が濃くなったり、デリケートゾーンにしこりや潰瘍ができている場合、さらには皮膚の左右差が大きい場合は、皮膚疾患やまれに悪性腫瘍が隠れている場合もありますので、婦人科や皮膚科を受診しましょう」

どうしたらいい?生理中のVIOケア

生理中のVIOケアはどうすればよいのでしょうか?

生理中は経血によってデリケートゾーンがムレやすく、それによりかゆみやにおい、かぶれが起こりやすくなります。大切なのは、ふだん以上に清潔を保つこと、そして刺激を減らすことだと柴田先生は話します。

「ナプキンやタンポン、月経カップなどは経血量に関わらずこまめに交換しましょう。長時間同じものを使用していると細菌が繁殖し皮膚トラブルの原因になります。夏場はより通気性の良い下着を選ぶのも大切。また、経血が気になり何度も洗ったり、腟内まで洗浄すると必要な常在菌まで減ってしまいます。細菌性腟症やカンジダ腟炎はこういったことから起こるリスクが上がるので、バランスが重要です。また、デリケートゾーンの強いかゆみや悪臭、灰色や緑色のおりもの、発熱や痛みを伴う症状が出た場合は、感染症の可能性もあります。早めに婦人科を受診しましょう!」

脱毛についてはどう考える?

脱毛は必ずしも必要ではないと話す柴田先生。
「医学的には脱毛をした方が健康に良いと言える根拠はなく、脱毛はご自身が快適に過ごせるかどうかが基準になります。脱毛のメリットは経血やおりもの、尿がアンダーヘアに付着しにくくなり、生理中のムレやにおいが軽減できること。また洗浄もしやすくなるため、清潔をキープしやすく感じる方もいます。しかしデメリットもあります。施術時の痛みや費用ももちろんですが、一度医療レーザー脱毛を行うと元の状態にはもどりません。施術後には赤みや毛嚢炎、やけどや色素沈着などの皮膚トラブルが起こる可能性もあるため、リスクがあることも理解しておくことが大切です。またアンダーヘアには摩擦からデリケートゾーンを守る役割もあるため、完全に脱毛すると刺激を感じやすくなる人もいます」

ただ、水着を着ることが多い方などには、脱毛はメリットが多い場合も。ライフスタイルに合わせて選択していくのが大切です。

注意!VIOケアのNG項目

デリケートゾーンは皮膚が薄いことで、良かれと思って行ったケアがトラブルにつながることもあります。洗浄時にナイロンタオルやスポンジでこすると乾燥や色素沈着の原因になりますし、古いカミソリの使用で皮膚を傷つければ、感染症の原因にもなります。毛抜きで抜くのも炎症を起こしやすくします。

「かゆみがある時に自己判断で市販のステロイド外用薬を長期間使用するのもおすすめできません。かゆみの原因が感染症の場合は、症状が悪化する可能性があります。症状が続く時はやはり医療機関で診てもらいましょう」

正しいVIOケアで毎日を快適に

木漏れ日 女性 笑顔

VIOケアを正しく行うことで、見た目はもちろん、日常生活の快適さやQOLの向上につながると話す柴田先生。

VIOケアは、生活の質を上げる!

「特に更年期以降は女性ホルモンの低下によってVIOの乾燥や痛み、違和感が生じやすくなります。しかし、保湿やスキンケアを行うことで症状が改善することが多いのも事実。症状を持ちながら日々を過ごすのは大変なことなので、がまんせずすぐに取りかかるのが良いと思います」

同時にVIOのケアは人それぞれだと柴田先生は言います。

流行は関係ない!自分らしいケアのあり方

「脱毛をするかどうかを含め、ご自身が快適で心地よいと感じられる状態が最も大切です。流行に合わせるのではなく、自分の身体と向き合いながら、自分らしいケアのあり方を探していきましょう」

監修

柴田綾子先生

柴田 綾子(しばた あやこ)

医師、淀川キリスト教病院 産婦人科専門医、周産期母体・胎児専門医。世界遺産15カ国ほどを旅した経験から、母子保健に関心を持つようになり、産婦人科医になることを決意する。2011年に群馬大学を卒業後、沖縄で初期研修を修了し、現職。女性の健康に関する情報発信やセミナーを中心に活動中。著書に「女性診療エッセンス100」(日本医事新報社)、「ウィメンズヘルスケア マスト&ミニマム」(診断と治療社)、「女性診療のエビデンスをぎゅうっとまとめました」(メジカルビュー社)など。

2026年9月2日 健康

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