1人が1日に使う水は何リットル?家庭で水を節約する方法
ライター:UP LIFE編集部
2025年11月4日
家事・くらし
家庭で1日に使用する水の量は意外に多いことを知っていますか?この記事では、1日どのぐらいの水を使うのか、さらに毎日少しの工夫で節水できる方法や節水機能のある食洗機・洗濯機・トイレなどを紹介します。ぜひ参考にして大切な水を大事に使いましょう。
家庭での水の使用量は1人あたり1日に約214リットル
令和元年度の東京都水道局による調査では、1人あたり1日に平均214リットル程の水を使用していることが発表されています。
これは2リットルのペットボトルで107本分に相当する量です。これだけの水を、1日に消費しているのです。これが毎日続くことで、かなりの量の水を消費しているということが想像できます。
水の使い道としては、お風呂、洗濯、手洗いなど様々です。水を使わないことはできませんが、毎日のくらしの中で少し節水を心がけるだけで、使用量は大きく変わってきます。節水は家計にはもちろん環境にも優しい活動なので、積極的に意識していきましょう。
食器洗いは5分流しっぱなしにすると約60リットルに!
それでは、水を使用するシーン別に、水の使用量を見ていきましょう。
※13ミリメートルの胴長水栓で水圧0.1メガパスカル、ハンドル開度が90度の場合、1分間に約12リットルの水が流れます。
表にあるように、流しっぱなしにしてしまいがちなシチュエーションでの水の使用量を知ると、いかに水をムダに使っているかもしれないことがわかるでしょう。
もしかしたら、シャワーにかける時間や、手洗いの回数などは個人差もあるので、より多く使用している場合もあるかもしれません。
ただし、この表の使用量は流しっぱなしにした場合のものです。水を使わない時は蛇口を閉める、ということを意識するだけで、水の使用量は減らすことができます。
水道料金の平均金額はどのくらい?
水道料金は地域や世帯人数によって異なりますが、全国平均を見ることで、ご自宅の水道代が高いのか安いのかを判断する目安になります。
水道代の計算方法
水道料金は、基本料金と従量料金、そして下水道料金から構成されています。水道代の計算式は「基本料金+従量課金(従量単価×使用水量)」です。それぞれの内訳は以下のとおりです。
基本料金とは、使用水量に関係なく毎月一定額発生する料金です。水道メーターの口径により変わり、一般的には口径が太くなれば基本料金も高くなる仕組みになっています。
従量課金は、使用水量に応じて変わる料金です。使用水量が多くなると段階的に高くなります。水を使えば使うほど水道代が高くなる理由は、従量課金の部分が高くなるためです。
下水道料金は、上水道の使用水量を汚水排出量とみなして計算されます。下水道のない地域では、請求されません。
基本的に2カ月に一度検針と請求が行われ、支払い方法には、口座引き落としや請求書支払い、クレジットカード払いなどがあります。
水道代の計算例
例えば、ある自治体で口径20ミリメートルの水道を契約し、1カ月に20m3の水を使用した場合を考えてみましょう。
基本料金:1,200円
従量料金:使用水量に応じて段階的に加算
下水道料金:使用水量に応じて計算
これらを合計すると、月々の水道料金が算出されます。ただし、料金は自治体によって大きく異なるため、詳しくはお住まいの地域の水道局のホームページなどで確認することをおすすめします。
水道代の平均額(世帯別)
総務省の家計調査によると、世帯人数別の水道代(上下水道料金)の平均額は以下のとおりです。
| 世帯人数 | 1ヶ月あたりの平均額 |
|---|---|
| 単身世帯(1人) | 約2,200円 |
| 2人世帯 | 約4,200円 |
| 3人世帯 | 約5,500円 |
| 4人世帯 | 約6,300円 |
| 5人世帯 | 約6,700円 |
| 6人以上世帯 | 約8,800円 |
世帯人数1カ月あたりの平均額単身世帯(1人)約2,200円、2人世帯約4,200円、3人世帯約5,500円、4人世帯約6,300円、5人世帯約6,700円、6人以上世帯約8,800円
世帯人数が増えるほど、水道代の平均も高くなりますが、1人あたりに換算すると、世帯人数が多いほど1人あたりの料金は安くなる傾向にあります。これは、料理や洗濯などに必要な水が、ひとまとめで共用されるためです。
水道料金は2カ月に1回請求されるのが一般的です。上記の金額は1カ月分となるため、例えば単身世帯の場合は「約2,200円×2=約4,400円」が、2カ月分の水道代となります。
参考:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 4.世帯人員・世帯主の年齢階級別
水道代の平均額(地域別)
水道料金は地域によっても大きな差があります。総務省の家計調査による地域別の水道代平均額(2人以上世帯)は以下のとおりです。
| 地域 | 1ヶ月あたりの平均額 |
|---|---|
| 北海道 | 約5,900円 |
| 東北 | 約5,800円 |
| 関東 | 約5,200円 |
| 北陸 | 約6,100円 |
| 東海 | 約5,400円 |
| 近畿 | 約4,700円 |
| 中国 | 約5,000円 |
| 四国 | 約4,600円 |
| 九州 | 約4,400円 |
地域別の水道代に差が生じる主な理由は以下のとおりです。
- 水源から離れた家が多い地域は、水を届けるコストが高くなる
- 人口密度が低い地域は、インフラコストの分担によるコストダウンが難しい
- 古い水道管が多い地域は、維持管理のコストが高くなる
- 職員の人件費や施設の維持費が地域によって異なる
最も水道料金が高い地域と安い地域では、数倍の差があることもあります。ご自身がお住まいの地域の料金を確認してみましょう。
参考:家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 11.都市階級・地方・都道府県庁所在市別
家庭で多く水を使うのはどこ?
家庭内での水の使用用途を知ることで、効率的に節水できるポイントが見えてきます。
東京都水道局が実施した調査によると、家庭における水の使用用途の内訳は以下のようになっています。
| 用途 | 割合 |
|---|---|
| お風呂 | 約40% |
| トイレ | 約21% |
| 炊事 | 約18% |
| 洗濯 | 約15% |
| 洗面・その他 | 約6% |
家庭で最も水を使用するのはお風呂で、全体の約40%を占めています。湯船にお湯を溜めるだけで約140リットル以上の水が必要になります。
次に多いのがトイレで、約21%です。1回の洗浄で約6~10リットルの水が消費されます。
その後、炊事や洗濯といった洗浄を目的とするものが続きます。
お風呂での使用率が圧倒的に高いことから、水道代を節約するためのポイントは「お風呂での水の使い方」にあることがわかります。シャワーを流しっぱなしにすると、多くの水を使用することになるため、こまめに止めることが大切です。
どのくらい水を節約できる?家庭でできる節水の方法
ここからは、家庭で実践できる簡単な節水方法をご紹介します。どのくらい節水できるのかも解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
(1リットルあたりの単価を0.24円とした場合の3人家族で1カ月あたりの節約金額です(下水道料金及び消費税を含む)。※1カ月を30日として計算しています。)
コップにくんだ水で歯磨きすると1日に約5リットルの水の節約に
仮に30秒間水を流しっぱなしで歯磨きを行った場合、約6リットルの水を消費します。しかし、コップにくんだ水だけで歯磨きをすると、1回につき約5リットルの水が節約可能です。毎日、朝晩2回磨いた場合、1カ月コップを使用して節水すれば約220円の水道代が節約できます。
洗車はバケツにくんだ水で洗えば約60リットルの節約が可能
たとえば車1台をホースから流しっぱなしの水で洗車すると約90リットルの水を使います。しかし水をバケツにくんで洗うと約30リットルと、約1/3まで抑えることが可能です。
お風呂の残り湯を半分掃除・散水に使うと1回で約90リットルが節水できる
もし掃除や散水にお風呂の残り湯を半分使ったとしたら、1回約90リットルの節水になります。
まだある!賢い水の節約アイデア
他にも生活をする中で節約できるアイディアをご紹介します。普段は意識せず、やっていることも、ちょっとしたことで節水につながります。
「食器」はためすすぎにするだけで、1カ月で約3,600リットルの節水に
前述の表にもあるように、食器を洗うとき、水を出しっぱなしにすると、5分間で約60リットルの水が流れていきますが、洗いおけを使ってためすすぎすると約20リットル足らずで済みます。1日3回すすぎを行った場合、1カ月で約3,600リットルも節水できます。食器は汚れを新聞紙などで拭き取っておけば、さらに水の使用量を減らすことができそうです。
「シャワー」は使っていないときは止めれば1カ月で約3,000リットルの節水に
4人家族で考えた場合、シャンプーの合間や、体を洗っている間などにシャワーを止めると、1カ月で約3,000リットルの節水になります。(1人2分間節水するとして計算)
「トイレ」の大小レバーの違いは約1.6リットル!
トイレのレバーには大と小がありますが、大は小よりも約1.6リットル多くの水が流れます*。水をムダにしないよう家族みんなが上手に使い分けることで、節水効果が期待できます。
*パナソニック「アラウーノV」の場合(使用水量:大4.6リットル、小3.0リットル)。機種により異なります。
「洗濯」は残り湯を再利用
お風呂の残り湯を洗濯に活用することで、節水効果が期待できます。洗濯機の多くには風呂水ポンプ機能が搭載されており、簡単に残り湯を利用できます。
ただし、すすぎには清潔な水道水を使用することをおすすめします。残り湯は洗いの工程で使用し、すすぎは水道水で行うことで、衣類を清潔に保ちながら節水できます。
節水機能のある食洗機・洗濯機で賢くラクに節水する方法
節水効果のある家電を使用すれば、賢く手間なく節水することが可能です。特別な工夫をしなくても水の使用量や水道代を抑えることができるので、選択肢の一つとして取り入れるのもおすすめです。
食洗機は手洗いするときよりも約1/7※1の水の量で洗える!
「食洗機を使うと水道代が高くなりそう」と考えがちですが、実は水を流しっぱなしにする手洗いよりも食洗機の方が水を節約できます。
なぜなら食洗機は噴水のように効率よく水を循環させて洗浄するため、より少ない水で洗浄できるからです。
また、手洗いの場合には泡立てた洗剤を使うので、すすぐための水が大量に必要です。しかし、食洗機は酵素や漂白成分を含んだ高濃度の洗剤液を使います。洗剤液は泡立ちが少ないにもかかわらず、汚れが落ちやすい性質をもっているので、少ない水ですすぐことが可能なのです。
5人分相当の食器※2なら、手洗いの約1/7※1の水で洗えるので、水道代も節約できます。
届いてすぐ使えるスリムタイプの食洗機の定額利用サービスもございます。
節水で洗濯機を選ぶならななめドラム洗濯乾燥機
洗濯機は、縦型よりもドラム式洗濯乾燥機の方が節水効果は高くなります。
ドラム式の場合、ななめに設置されたドラムを回転させるので、使用する水の量が縦型よりも大幅に少ないのが特徴です。衣服を持ち上げて上から下に落とす「たたき洗い」と、ドラムを急速に反転させ、小刻みに衣類を動かす「もみ洗い」の組み合わせで汚れを落とします。縦型はパルセーター(洗濯機の底の回転羽根)の回転による「かくはん水流」のもみ洗いが基本で、洗濯槽の回転により洗濯している衣類同士をこすりあわせて汚れを落とすので、ドラム式に比べて圧倒的に使用する水量が多くなります。
最新の縦型洗濯機は性能が進化しており、節水性能は上がっていますが、それでも節水効果の点ではドラム式が高くなります。
例えば、パナソニックのドラム式「NA-LX129EL(洗濯・乾燥容量12kg)」だと、定格洗濯時の標準の使用水量は約83リットルとなっています。
一方、縦型の「NA-FA12V5洗濯・脱水容量 12kg)」だと約139リットルで、約1.7倍近くの水を使用することになります。節水重視の方には、ドラム式をおすすめします。
まとめ
水は毎日使用する生活必需品ですが、何気なく多くの量を使用しているということがわかります。少し、節水を意識してするだけで、大きな節水効果につながることでしょう。ぜひ、ここで紹介した工夫を参考に、家庭で簡単にできる節水方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、自分で節水を実践するのが少し面倒と感じる場合には、自動で節水してくれる家電を上手に取り入れてみるのもひとつの方法です。それだけで賢く節水することができます。
そして最後にお伝えしたいのは、こんな家庭での小さな節水の心がけが、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にもつながっているということです。SDGsの目標1つは「安全できれいな水とトイレを世界中に」。すべての人が安全に水を使えるように、また衛生的な環境を使えるようにするために、SDGsでは効率的な水の利用で、水不足の解消を呼びかけています。
一人ひとりの節水・節電への小さな心がけがSDGs実現に繋がると思うと、水を大切に使いたい気持ちがより一層深まりそうです。
*水道の使用量や料金等は、上記の出典を参照して算出しています。
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- 【NP-TZ500と手洗いの比較】●NP-TZ500(「汚れレベル3」でエコナビ運転OFF・液体洗剤自動投入OFFの場合):食器点数40点・小物20点、水温20℃、食器洗い機専用洗剤を5 g使用したとき、使用水量は約9.9L。●手洗い:食器点数40点・小物20点、水温20 ℃。10Lのお湯(約40 ℃)でつけ置き洗いした後、洗剤を9.6mL使用して洗い、毎分6 Lで食器1点あたり13.5秒、小物1点あたり5.5秒流し湯ですすいだとき、使用水量は約75L。〈日本電機工業会自主基準 標準汚染時〉[2025年7月現在]
- 食器40点、小物20点(日本電気工業自主基準による)
2025年11月4日 家事・くらし
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