第二回:プロ直伝!お部屋別の防災チェックポイントで災害時に備えよう

部屋別の防災チェックポイントについての監修:熊田 明美(くまだ あけみ)
ライター:UP LIFE編集部
2023年7月28日
防災

※この記事は、2020年9月18日に公開された記事を更新しています。

普段の暮らしを大切にしながら、災害にも備えることができる「防災お片付け」。地震や台風時に慌てないためには、家の中でどんな準備をしておけばいいのでしょうか?防災士で収納のプロ・熊田さんに部屋別の安全チェックポイントを詳しくお聞きしました。

前回の記事では、モノを減らすコツをはじめ「防災お片付け」のメリットをご紹介しました。

今回は、普段過ごす時間の多いキッチンやリビング、寝室を中心にチェックしていきます。

キッチンは家電の転倒防止と火災対策

実は家の中でキッチンは危険な場所のひとつです。以下のポイントを見直して安全対策を始めましょう。

まずは、家電の転倒防止。使わなくなったモノを減らして、ケガのリスクを減らしましょう

冷蔵庫の転倒防止イメージ

「まずキッチンで対策すべきことは、大型冷蔵庫や食器棚の転倒防止。冷蔵庫は倒れたら、避難経路をふさいだり、ケガをしたりと大惨事になりかねません。
我が家では、冷蔵庫の上部はツッパリ棒とベルトで固定をして、下は耐震ゴムマットを敷いて倒れないようにしています」

冷蔵庫は、メーカー推奨の転倒防止具や、必要に応じて耐震マットなどで固定するようにしましょう。

また、食器棚にも工夫が必要です。地震の際、扉が勝手に開いて、中に収納している食器が飛び出す危険があります。食器棚や吊戸棚の扉に耐震ラッチが付いているか確認しましょう。付いていない場合は、扉にストッパーなどを取り付けて対策を。食器の下には滑り止めのシートを敷くことで、地震が起きたとき、食器の落下が最小限に抑えられ、ケガのリスクを減らすことができます。
 

収納している食器の量を見直すことも大切です。同じようなサイズのお皿、使わなくなったグラスなどが食器棚の中で眠っていませんか?
一度すべて出してみて、本当に必要か検討しましょう。普段の生活に必要な量をイメージすると、手放してもよいモノが見えてきますよ。

モノが少ないと、サッと取り出せて時短家事につながるのも「防災お片付け」のメリットですね。

火災対策と定期的な点検も忘れずに

「キッチンは火災対策も必須。初期消火が最も重要なので、消火器を正しく使えるようにマスターしておきましょう。また消火器は取り出しやすい場所に備えておくことが大切。我が家は、消火器を家の中央にある廊下収納に設置しています。この他に、初期消火用のファイヤーブランケット(消火布)をキッチンのシンクの傍の壁に吊り下げて、早めに消火できるように備えています」

逃げ遅れを防ぐ、連動型の住宅用火災警報器

住宅用火災警報器イメージ

住宅火災の犠牲者を減らすため消防法で設置が義務づけられている火災警報器。連動タイプだと、設置されたすべての部屋で一斉に起動し、「声」と「警報音」で知らせるので、もしもの時の避難をサポートします。
既に設置されている住宅では、火災警報器は古くなると電子部品の劣化や電池切れなどで火災を感知しなくなることがあるので、設置年月を確認し、設置10年を目安に本体の交換を検討しましょう。

新しく設置する場合、設置基準の詳細は、市区町村条例によって定められています。また、設置義務が適用されない住宅も。住宅用火災警報器設置の際は、各市町村の所轄消防署でご確認ください。

コンセントにホコリがたまっていませんか?

ザ・タップXのイメージ

「家電のコンセントについたホコリは、火災の原因のひとつ。ホコリがたまらないように、こまめに掃除することが大切ですね。掃除がしやすいように、コンセントの周辺にモノを置きすぎないようにしましょう。モノを厳選して配置することで、掃除もラクになりますよ」
ホコリの浸入を防ぐ安全設計が魅力の「ザ・タップX」のテーブルタップ。一体成型技術や防水パッキンの採用で、トラッキングや感電の原因となる、一時的な水しぶきも防ぎます。

リビングやお部屋で延長コードを使用している場合、延長コードに使用期限があることにも注意。古くなった延長コードは火災の原因になります。1年に1回は点検し、異常があれば新しいものに取り替えて安全に使用しましょう。

家族が集まるリビングダイニングの安全対策

テレビやテーブル、ソファや本棚など様々なモノが置いてあるリビングダイニング。食事だけでなく、ゲームをしたり、食後に語り合ったりと、家族みんなで一緒に過ごす時間が多い場所です。

倒れやすいテレビ、固定していますか?

テレビの転倒防止

特にテレビは大型化・薄型化が進み、転倒の危険性も高まっています。最近のテレビの多くは、テレビ台にベルトやねじで固定して転倒・落下を防止する部品が同梱されていますので、一度取扱説明書を確認してみましょう。

パナソニックには、もしもの時のために、テレビ台にピタッと吸着※1する独自構造の転倒防止スタンドがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

ウォールアートのイメージ

リビングに写真立てやお花などを飾っているご家庭も多いのではないでしょうか。熊田さんによると、お気に入りの写真立てや花瓶が、大地震が起きたときには、凶器になることもあるそうです。

「好きなモノや家族との思い出に囲まれた、お気に入りの空間を手放したくないのも本音ですよね。我が家は、割れやすいものを少しずつ、割れにくい素材に変えていっています。例えば、花瓶もポリカーボネート素材に。写真立ても壁に貼るタイプの写真フレームに。絵画はウォールステッカーを飾っています。

“ケガをしないようにするためにはどうしたらいいか“考えることで、解決策はいくらでも見つかります。生活の楽しみを減らさず、できることから始めてみましょう」

寝室は安全を確保できるレイアウトへ

お部屋はレイアウトの工夫で、地震のときに命拾いすることも。安全なお部屋にすると、落ち着いて命を守る行動を考える事ができます。まずは、家具の配置からチェックしましょう。

頭の安全と避難経路の確保を

寝室のイメージ

寝室に、高さのある家具を置いていませんか。家具が転倒し避難の妨げになることを防ぐため、できるだけ置かないようにしましょう。置く場合は、倒れても避難経路を塞がないことやドアにぶつからない位置を考えて。家具の転倒防止器具を取り付けましょう。

寝室のレイアウトで大事なポイントは「ベッドや布団の位置は安全か」と「避難路が確保できるか」の2点です。地震の揺れや台風の強風で窓ガラスが割れる場合があるので、窓の近くで寝るのは避けましょう。スペース的に難しい場合は、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼って対策を。ベッドや布団の位置が決まったら、ドアまでの間の床に障害物となるモノを置かないように、災害時にスムーズに逃げられるようにしましょう。

第一回ではモノを減らすコツ、第二回では、安全な空間にするためのチェックポイントをご紹介しました。お片付けや安全点検をして整った空間に、いよいよ防災備蓄を揃えたり、防災グッズを備えていきましょう。

どこに収納したらいいのかわからず、やみくもに備えていませんか。実はどこに準備しておくかも重要なポイントだとか。

 

次回は、空間を活かした防災備蓄の収納術をレクチャーいただきます。

※1 凹凸のない平らな面に設置してください。凹凸のある設置面では、吸着効果を発揮しません。また、設置面の素材、使用場所や使用環境により吸着効果が弱まる場合があります。

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部屋別の防災チェックポイントについての監修

監修:熊田 明美さん

熊田 明美(くまだ あけみ)

NiceLife代表。「快適な暮らし」と「安心できる生活」の両方を叶えるため、片付け防災収納を提案している。防災備蓄収納マスタープランナー、整理収納アドバイザー、防災士、調理師、乙種防火管理者などの資格をもち、講座やサポートサービス業務も行う。

2023年7月28日 防災

※この記事は、2020年9月18日に公開された記事を更新しています。

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