高周波に関する研究の歴史
高周波治療器誕生の歴史
高周波電気治療の歴史は古く、1887年のHertzによる電磁波の実験的発生にまでさかのぼります。
19世紀後半
Hertzによる電磁波放射の実証、実用的コイル
- 1892年に生理学者のd‘Arsonal(仏)は身体に周波数を伴った電流を通すと生じる作用に着目し、高周波電気治療を始めた。
1929年
高周波療法を人体に応用
- 科学的な体裁が整えられたのは1929年にSchlliephakeらが高周波療法を人体に応用した時に始まる。
1940年代
高周波パルス電磁界の研究が始まる
- その後は超短波療法による温熱効果が主流だったが、1940年代に高周波治療器による連続発振治療時の火傷防止のために、Ginsbergらが高周波パルス電磁界の研究を始めた。
- 日本では1950年代に鈴木正夫らが麻痺筋治療のため低周波電気療法を発表。
1960年
高周波パルスは創傷治癒効果を速める効果
- 1960年、Nadasdiは高周波パルス電磁界が創傷治癒を速めると報告し、この分野の研究がにわかに活発化した。
- 非熱的な微弱な高周波パルス電磁界は創傷治癒のみならず、血行促進、血腫の分解等に有効であることが見出されたが、基本的メカニズムはわかっていなかった。
1980年
高周波パルス電磁界と生物学の結びつきが顕著に
- 1980年になって、高周波パルス電磁界と生物学との結び付きが顕著になった。Lyleらは免疫系への影響を、Contiらは細胞分裂への影響を証明し、これらのメカニズムの根本にCa2+があることを推定した。
1989年
当時の松下電工から家庭用の高周波治療器が発売
- 1985年6月、当時の松下電工の高周波治療器の研究が始まる。 様々な大学・研究機関との共同研究で高周波パルスが生体に与える影響を研究。効果・安全性を立証し業界唯一の家庭用高周波治療器の発売を可能にした。