眠りが浅い原因とは? 夜中に目が覚める理由と改善方法をわかりやすく解説

寝室で寝ている女性の写真 寝室で寝ている女性の写真

眠りが浅いときの対策についての監修:水野 一枝(みずの かずえ)
ライター:UP LIFE編集部
2026年6月25日
空気

「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚める」といった、“眠りの浅さ”に悩んでいませんか? 睡眠の質が下がる原因は、ストレスや生活リズムの乱れや、寝室環境、就寝前の過ごし方などさまざま。だからこそ、ひとつの対策だけでは改善しないことも少なくありません。そこで今回は、和洋女子大学の教授で、寝室環境や睡眠に関する研究に従事する水野一枝さんにお話を伺い、眠りが浅くなる原因をひもときながら、今日から見直したい生活習慣や快適な寝室環境づくりのポイントをご紹介します。

“眠りが浅い”とは、どんな状態?

写真:寝起きの男性

一口に“眠りが浅い”と言っても、その状態はさまざま。水野さんによると、「専門的に見ると、“深い眠りを示す脳波パターンが見られない”といった意味に取られることもある」とのことですが、この記事で言う“眠りが浅い”とは “ぐっすり眠れない状態”を指しています。

熟睡感がなく、しっかり眠れない状態

「“ぐっすり眠れない”というお悩みなら、特に高齢者の方からよく聞くことがあります。あとは高齢者以外でも“ちょこちょこ目が覚めてしまう”とか、“寝つきが悪い”とか。“起きようとしていた時間よりもかなり前に目が覚める”“一度、目が覚めたら眠れない”なんてことも、よく聞こえてくるお悩みですね」

眠りが浅いと、日中の不調につながりやすい

上記のような状態が続くと、心身に影響を及ぼしやすくなるのだとか。

「精神面で言うと、気分が落ち込んで物事への関心や意欲が湧きにくくなる“抑うつ”のリスクが高まる可能性が出てきます。また、心が安定しなくて感情を抑制しにくくなったり、人間関係がうまくいかなくなったりすることも。お子さんの場合は、学力の低下につながるとも言われます。また、身体面では、生活習慣病や肥満、便秘などを引き起こす、などの可能性も。いずれにせよ、いいことはひとつもありません」

眠りが浅くなる主な原因について

イラスト:眠りが浅くなる原因

心身の不調を招くことにもつながるという、眠りの浅さ。水野さんによると、この状態に陥るのには、いくつかの原因があるそうです。

ストレスや不安が深い眠りを妨げる

「ストレスを抱えていたり、不安なことがあったりすると、眠りの質が下がってしまいがち。この状態が長く続くようなら、医療機関で受診する必要が出てきます。ただし、大切な人が亡くなるなど、とても大きなショックを受ける出来事があって眠れなくなくなった場合などは別。睡眠には記憶を定着させる役割がありますが、ショックを受けたときに眠れなくなるのは、ショックな記憶を残さないように自分を守るためかもしれないと考えると、ショックを受けた当日は無理に眠ろうとしなくても良いのかもしれませんね」

睡眠時間が不規則だと、寝たい時間に眠れないことも

「私たちの体の深い部分の体温、いわゆる深部体温は24時間単位で変化していて、夜、眠るときに下がり、日中の起きているときには上がっていきます。この体温と寝たり起きたりするリズムが一致していないとよく眠れません。寝る時間と起きる時間が毎日一定していれば、深部体温もそれに合わせて変化できますが、バラバラの場合は体がリズムを判断できないため、活動したいときに眠くなったり、寝たいときに眠れなくなったりしてしまうんです。

また、日中の仮眠も、睡眠に大きく影響します。睡眠はまとめてとるほうがいいので、できれば仮眠は避けるのがおすすめ。特に15時以降に仮眠をとると、夜、眠れなくなる可能性が高いです。ただし、高齢者の方は日中、起きている機能が落ちてくるので、お昼ご飯を食べてから15時までの間に30分ほど昼寝をしても大丈夫です」

十分な眠りがとりにくくなる、寝る前の習慣

画像:ベッドでスマートフォンを見る男性

「寝る前にスマートフォンやパソコンといったデジタル機器の明るい画面を見ると、睡眠に良くない影響を及ぼします。また、寝室の照明は、昼光色や昼白色などの白い光よりも電球色のオレンジがおすすめ。また、できるだけ明るさを抑え、薄暗くなるように調整しましょう。

このほか、寝る前のカフェインやお酒も控えたいところ。お酒は寝つきが良くなる一方で、その利尿作用からトイレに行きたくなって途中で目が覚めてしまいがちです」

加齢に伴う体の変化が関係していることも

「年齢を重ねるにつれ、日中に起きている機能だけでなく、夜、眠る力も衰えていくもの。また、若いころのように朝まで尿をためておくことができず、途中で目が覚めてトイレに行く回数も増えるため、よりぐっすり眠れなくなってしまうのです」

寝室の温度や湿度の影響も

「眠りに大きく影響を及ぼすのは暑さ。個人差もありますが、睡眠に適した室温は28℃くらいが上限なので、それ以上になる場合はエアコン冷房を使うなどの対策が必要です」

眠れないからと焦ったり、悩んだりするのも避けて

「なかなか寝つけないからといって、寝よう寝ようと思うと焦ってしまい、眠れなくなります。また、布団の中で悩みごとを考えるのもやめましょう。こうしたときはいったん、布団から出て“そのうち眠たくなるや”と気楽に構えるのがおすすめ。このときはスマホなどのデジタル機器を使わず、本を読んだりして過ごすと良いでしょう」

眠りの浅さを改善したいときに見直すべき生活習慣

画像:寝起きの女性

ぐっすり眠るためには、生活習慣を改善することも効果的です。 見直したいポイントを、水野さんに聞いてみました。

起きる時間をできるだけ一定にする

「睡眠と深部体温のリズムを合わせるために、まずは決めた時間に寝起きすることを心がけましょう。そうすることで、寝つきの悪さや日中の眠気などの解消が期待できます」

寝る前のスマホや強い光を抑える

「スマートフォンやパソコンなどの画面は明るすぎるので、少なくとも寝る30分前には見るのを控えましょう」

カフェイン、食事、入浴のタイミングを整える

「カフェインは持続時間が長いので、寝る3〜4時間前にはとらないようにしてください。また、食事で特に睡眠との関わりが大きいのは、朝食と夕食。朝食は抜かずにしっかり食べるようにし、夕食は食べてすぐだとなかなか眠れないので、早めの時間にとるようにすると寝る時間が遅くなることも避けられます。また、食事は毎日一定の時間にとることが大切。私たちの消化器系は食事の時間を記憶して、消化ホルモンを分泌させる働きがあると言われているので、規則正しい食事は消化の面でも良いと思います。

また、寝る前にお風呂に入ると深い眠りが増えると言われています。シャワーよりも湯船に浸かるのが良いので、寝る30分〜1時間くらい前に、少しぬるめのお湯に浸かってリラックスするのがおすすめです。お湯が熱すぎると、体温が上がりすぎてベッドに入っても身体から熱が放出されずに寝つきが悪くなってしまうので、熱いお風呂が好きな方は寝る2時間前くらいをめどに入ると良いでしょう」

1日のどこかのタイミングで体を動かす

「汗をかくくらいの適度な有酸素運動を行うと、睡眠に良い影響を及ぼすとされています。ただし、寝る前に激しい運動をすると興奮して眠りにくくなるので、運動は日中に行うようにしましょう。もし、寝る前に体を動かすなら、ストレッチなどの軽めの運動がおすすめです」

寝室環境を整えると、眠りの浅さが改善することもある

画像:ベッドに座っている女性

生活習慣とあわせて見直したいのが、寝室の環境です。ここでは、水野さんに聞いた眠りやすい寝室づくりのポイントをまとめました。

寝室の温度や空気環境を整えて眠りやすい状態をつくる

「熱帯夜など、特に寝苦しさを感じるときはエアコンの冷房を使うようにしましょう。湿度も睡眠に影響しますが、冷房を入れることで概ね解消できると思います。

一方、寒い時期なら暖房を使いたいところ。寝具やパジャマで調整すれば眠ることはできても、室温と布団の中との温度差が大きいとヒートショックのリスクが高まると言われているので気をつけてください。このほか、アレルギーがある場合は空気清浄機を使うのも良いでしょう」

エアコンを快適な睡眠環境づくりの手段として活用する

「エアコンを使うときは、体に風が直接当たらないように、ルーバーの向きを調整しましょう。また、暑がり、あるいは寒がりの家族と一緒に寝ていると、エアコンでの温度調整が難しいことがあります。夏の場合は暑がりさんに合わせることが多いと思いますので、寒く感じるほうが掛け布団で調節するのがおすすめ。寒いと感じたときにすぐ掛けられるよう、予備の布団を足元に置いて寝るようにしましょう」

寝具やパジャマの見直しも大切

「暑さや寒さが原因で眠りが浅くなる場合は、寝具やパジャマにも注目しましょう。寝具でポイントとなるのは、敷いているもの。夏の場合は、ちょっと硬めの敷き布団やベッドパッドのほうが、体が沈み込まず、空気の通り道が確保されやすいため涼しく感じられておすすめです。シーツは麻のように、サラッとした素材のものを選ぶと良いでしょう。一方、冬の敷き布団は柔らかいと体が沈むため、空気が通りにくくなって暖かく感じられます。

夏のパジャマは首、すそ、そでが開いていると空気が通って涼しくなります。反対に、冬の場合は首元がしっかり隠れ、ズボンはスウェットのようにすそがすぼまっているものを選びましょう」

眠りが浅いときは、寝室に合ったエアコン選びも考えたい

画像:エオリアXシリーズ

睡眠時の環境を整えるうえで必要なエアコン。寝室に合ったものを選ぶときのポイントをご紹介します。

寝室で使うエアコンは、快適性の視点で選ぶことが重要 

眠っているときに快適と感じられることが、寝室のエアコン選びの第一条件。冷暖房の性能はもちろんですが、静音性や清潔性などにもぜひ注目しましょう。

たとえば、パナソニックのエアコン『エオリア Xシリーズ』。独自のコンプレッサーを搭載したことで、快適さを損なわずに消費電力を削減できるので、一晩中つけっぱなしにしていても電気代がかさむ心配が抑えられます。また、独自の清潔イオン“ナノイーX”により、空気中のさまざまな有害物質を抑制できるうえ、エアコン内部の清潔さもキープできて安心。このほか、風量を抑えて静かに運転する“しずかモード”を使えば、「運転音が気になって寝つきにくい」ということもなくなるでしょう。

まとめ:眠りが浅いときは、生活習慣と寝室環境の両方を見直そう

画像:寝ている女性

「快眠のためにさまざまなアドバイスをお伝えしましたが、これらすべてを実践しなければならないわけではありません」と、水野さん。あれもこれもと無理をすると続けにくいため、できることから始めるのが良いのだそう。

「まずは自分がやりやすいと思うことをひとつ選び、長く続けられるようになってから次のことを始めるようにしましょう。また、夜だけでなく日中の過ごし方も大切。イキイキと楽しく過ごせば夜もよく眠れ、翌日は元気に過ごせるという良いループができます。寝不足で元気が出ないからと昼寝をしたら、また夜、眠れなくなった……なんて悪いループに陥らないよう、無理をせずに楽しい日々を過ごしてくださいね」

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眠りが浅いときの対策についての監修

写真:水野 一枝さん

水野 一枝(みずの かずえ)

和洋女子大学 生活環境学科 服飾造形コース 教授。獨協医科大学 第一生理学教室、産業技術総合研究所 NEDOフェロー、東北福祉大学 特任研究員などを経て現職に。寝室の暑さや寒さ、寝具や寝衣と睡眠に関する研究に従事し、睡眠に良い室内の温熱環境を追求している。日本生理人類学会評議委員、日本睡眠環境学会理事。

2026年6月25日 空気

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