【全国防犯意識調査2025】から読み解く防犯対策。全国の6割以上が「これって詐欺かも」と感じた経験あり

防犯についての監修:佐々⽊ 成三(ささき なるみ)
ライター:UP LIFE編集部
2025年12月3日
防犯

近年、刑法犯認知件数は3年連続で増加し、治安に対する不安や懸念が高まる傾向にあります。そこで、パナソニックでは昨年に続き「全国防犯意識調査2025」を実施しました。この記事では調査で明らかになった都道府県ごとの防犯意識の違いや変化、不審な訪問者や詐欺への対応実態などについて解説し、防犯対策に役立つ商品をご紹介します。

【防犯意識調査2025】都道府県での防犯意識の違いや変化とは

写真:家族がリビングで話している様子

警察庁が発表した「令和6年の犯罪情勢」によると、刑法犯認知件数は2021年から3年連続で増加傾向にあり、治安上の大きな課題となっています。このような情勢を受け、パナソニックでは昨年に引き続き、全国の20歳~69歳の男女4,700人を対象に、防犯意識に関する調査を実施しました。ここでは「全国防犯意識調査2025」から見えてきた、都道府県別の防犯意識の違いや昨年と比べての変化等について解説します。

防犯について「しっかり対策している」1位は「富山県」

「現在、防犯対策はしていますか?」という質問に対し、「しっかり対策をしている(14.3%)」と「少し対策をしている(54.9%)」と回答した人を合わせると69.2%となり、約7割の人が防犯対策をしていることがわかりました。これは昨年の69.1%とほぼ同じ結果で、大きな変化はありませんでした。

さらに地域別に見ると「しっかり対策している」と回答した人が最も多かったのは「富山県(23.0%)」で、次いで「大阪府(22.0%)」、そして「茨城県(21.0%)」「高知県(21.0%)」と続きます。
一方、昨年最も多かった「奈良県」、続く「東京都」「京都府」は、いずれも今年は「しっかり対策している」と回答した人が2割以下となり、防犯意識の変化が見られました。

このことから、全国的には防犯意識が維持されていますが、地域によっては昨年と比べて意識の低下が見られるため、防犯対策の継続が課題と言えそうです。

現在、防犯対策はしていますか?(単一回答) N=4700 しっかり対策をしている 14.3% 少し対策をしている 54.9% どちらかといえば対策をしていない 27.8% まったく対策をしていない 3.0%
「しっかり対策をしている」 2025年 富山県 23.0% 大阪府 22.0% 茨城県・高知県 21.0% 2024年(2025年実績) 奈良県 24.0%(19.0%) 東京都 23.0%(12.0%) 京都府 22.0%(14.0%)

防犯対策をしない理由は、半数以上が「どんな対策をしてよいのかわからないから」と回答

次に「どちらかといえば対策をしていない」または「まったく対策していない」と回答した人にその理由を尋ねたところ、「どんな対策をしてよいのかわからないから(52.2%)」という回答が最も多く、知識不足により防犯対策が不十分となっている人が多いことが明らかになりました。次に多い回答は「設備や設置に費用がかかるから(45.7%)」で、コスト面での負担も課題となっていることがわかりました。

防犯対策をしない理由は何ですか?(複数回答) N=1499 どんな対策をしてよいのかわからないから 52.2% 設備や設置に費用がかかるから 45.7% 住んでいるエリアで事件や犯罪が起きたことがないから 18.1% 近所の方の目があるので防犯の必要性を感じていないから 12.4% 盗まれて困るものがないから 11.9% その他 1.9%

この結果から、防犯意識を広げるためには、地域や年齢層に応じた「具体的な対策の周知」や「低コストで始められる防犯の工夫」を伝えていくことが必要と言えるでしょう。

高齢化率が最も高い「秋田県」の防犯対策の状況は?高齢者が多い地域の課題

内閣府が発表した「令和6年版高齢社会白書」によると、人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)が全国で最も高いのは「秋田県(39.0%)」で、2位は「高知県(36.3%)」、3位は「山口県(35.3%)」と「徳島県(35.3%)」でした。

高齢化率が最も高い秋田県では、前問の防犯対策について尋ねたところ、「しっかり対策をしている」「少し対策をしている」と回答した人は64.0%で、全国の69.2%を下回り、昨年の69.0%と比べても減少が見られました。

一方、高知県では「しっかり対策をしている」「少し対策をしている」を合わせると69.0%で、昨年の61.0%に対して増加しています。また、山口県は78.0%で昨年の74.0%より増加しており、地域により防犯意識の傾向が分かれる結果となっています。

高齢化が進んでいる地域でも、防犯に対する意識に地域差があり、特に高齢者が多い地域では防犯設備が長い間更新されていなかったり、簡易な対策であったりするケースがあるようです。また、「ご近所付き合いが防犯対策になる」と考える方も多く、そうした意識や生活環境の違いが地域ごとの傾向に影響していると考察されます。
高齢者が安心して暮らせる社会を実現するためには、各地域での防犯意識を高める取り組みや、世代を超えた見守り体制を構築することが求められそうです。

「しっかり対策をしている」「少し対策をしている」 2025年 秋田県 64.0% 高知県 69.0% 山口県 78.0% 2024年 秋田県 69.0% 高知県 61.0% 山口県 74.0%

「詐欺かも」と感じた経験がある人は全国で約6割。きっかけは、電話やスマホに届くショートメッセージ

写真:お年寄りが電話をしている様子

「これって詐欺かも」と感じた経験の有無を尋ねた質問には、62.3%の人が「ある」と回答。都道府県別では、「岐阜県(73.0%)」が最も多く、続いて「高知県(72.0%)」、そして「群馬県(69.0%)」「長崎県(69.0%)」と続きます。

さらに、どのような場面で詐欺を感じたかについて聞いたところ、「電話(76.0%)」や「スマホに来たショートメッセージ(70.6%)」が上位となり、日常的な連絡手段を悪用した詐欺の手口がうかがえます。

特殊詐欺への警戒心が全国的に高まる中、今後は年齢を問わず、全世代に向けた電話やショートメッセージを狙った詐欺への具体的な注意喚起がより一層重要になりそうです。

「これって詐欺かも」と感じた経験はありますか?(単一回答) N=4700 ある 62.3% ない 37.7%
「これって詐欺かも」と感じた経験 「ある」 岐阜県 73.0% 高知県 72.0% 群馬県・長崎県 69.0%
詐欺と感じた場面はどのようなものでしたか?(複数回答) N=2929 電話 76.0% スマホに来たショートメッセージ 70.6% ネット広告 22.5% SNS 18.7% 訪問販売 16.0% マッチングアプリなどの出会い系コンテンツ 4.8% その他 2.0%

「置き配」に懸念を持つ人は約7割。理由は約8割が「盗難・紛失の不安」と回答

写真:宅配をしている様子

現在、ドライバー不足の解消や物流効率化に向けて、国土交通省は宅配便の「置き配」を標準サービスにする方針を検討しています。そこで「置き配」の標準化に対して懸念があるかを聞いたところ、「かなりある(24.0%)」と「少しある(43.1%)」を合わせると67.1%、約7割の人が「置き配」の標準化に対し、懸念を持っていることがわかりました。

さらに「置き配」についてどのようなことが心配か質問したところ、「盗難・紛失の不安(85.6%)」が最も多く8割を超え、「宅配されたものの破損(52.8%)」「不在と悟られてしまう(46.3%)」が続きました。また、地域別では「新潟県」が最も置き配への懸念が強い結果となりました。

置き配は利便性の向上が期待される一方で、利用者の間ではセキュリティやプライバシーへの不安が根強くあることが浮き彫りとなりました。単に配送方法の標準化だけでなく、安心して利用できる仕組みをどう担保するかが、今後の物流業界全体の信頼性を保つ上で欠かせない要素となりそうです。

国土交通省がドライバー不足解消と物流効率化のため宅配便の「置き配」を標準サービスとする方針を検討していますが、「置き配」の標準化に対して懸念はありますか?(単一回答) N=4700 かなりある 24.0% 少しある 43.1% あまりない 25.2% まったくない 7.7%
「置き配」について、どのようなことが心配ですか?(複数回答) N=3152 盗難・紛失の不安 85.6% 宅配されたものの破損 52.8% 不在と悟られてしまう 46.3% プライバシーの侵害 32.0% 置き配場所が適切ではない・スペースがない 29.5% 家族や同居人、近隣住民とのトラブルの原因となる 9.7% ペットや子どもが触れてしまう 2.6% その他 1.9%
「置き配」の標準化に対して懸念はありますか? 「かなりある」 新潟県 37.0% 兵庫県 35.0% 奈良県 33.0%

「犯罪の手口は日々進化」「対策のアップデート」を。防犯アドバイザーの佐々木成三さんからアドバイス

以上の調査結果をふまえ、防犯アドバイザーの佐々木成三さんからお話を伺いました。

佐々木 成三さん:
防犯意識調査2025の結果から、地域や世代によって防犯に対する意識に差があることがわかりました。「狙われるのは大きな家で、うちは小さいから」や「こんな田舎に強盗なんてこない」と思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、「自分だけは大丈夫」はあり得ません。犯罪の手口は日々進化していますので、私たちも手口を知って、対策をアップデートするようにしましょう。

※パナソニックから佐々木氏に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

防犯対策は定期的にアップデートが大切。防犯に役立つ商品をご紹介

写真:インターホンを操作する様子

防犯対策は、一度行えばそれで終わりというものではありません。時代や環境の変化に合わせて、定期的に見直すことが大切です。ここでは、今すぐ役立つおすすめの防犯対策商品についてご紹介します。

電話に出る前に録音するとアナウンスを流し、警告する「コードレス電話機」

コードレス電話機(子機1台付き)
VE-GD78DL

パナソニックのコードレス電話機(子機1台付き)「VE-GD78DL」は、「迷惑防止※1」を設定すると、呼出音が鳴る前に通話内容を録音する旨のメッセージを相手に伝え、電話に出ると通話内容を自動録音します。これにより、詐欺や勧誘などの迷惑電話を事前に防ぐ効果が期待できます。
さらに着信時に相手に先に名前を名乗ってもらうようメッセージを流すことができる「あんしん応答」機能や、メッセージやチャイム音を流して電話を切るタイミングを作ることができる「通話拒否」機能、本機で録音した通話を相談したい電話の相手に再生して聞かせることができる「迷惑電話相談」機能なども備わっています。

来訪者をワイドな画角で確認できる「テレビドアホン」

ワイヤレスモニター付テレビドアホン
VL-SWZ700シリーズ

訪問者の確認は、高画質な画像で「誰が来たのか」を見極めることが大切です。パナソニックのワイヤレスモニター付テレビドアホン「VL-SWZ700シリーズ」は、左右約170度・上下約100度のワイドな画角を実現する広角レンズを搭載。これにより玄関周辺を広く映し出せるため、カメラの死角に隠れようとする不審者の動きや何か危ないものを持っていないかなど、危険物の有無も左右約170度以内であれば確認できます。
また、不審な訪問や宅配を装った犯罪、リフォーム詐欺などへの対策として、ドアホンが応答する「あんしん応答」機能も役立つ場合があります。

さらに、留守中の来客を動画で録画できる機能に加えて、スマートフォンと連携※2すれば、外出先からでも来客応対が可能です。
連携可能な宅配ボックス※3※4と接続することも可能で、モニター親機が玄関子機※5から宅配業者へ宅配ボックスの存在を案内し、投函を依頼できるため、置き配による盗難防止に役立ちます。

窓が開いたことをお知らせする「開閉センサー」

開閉センサー
KX-HJS100

パナソニックの開閉センサー「KX-HJS100」は窓が開いたことをお知らせしてくれるアイテムです。窓が開けられると報知音*(ヒュンヒュンヒュン)が鳴動します。連携可能なドアホンや電話機と連動させて、どこの窓が開いたかをお知らせします。別の部屋にいながら窓の開閉を教えてくれるので、万が一の時にも通報する時間を作ることができます。​

*警戒モードに設定した場合のみ、報知音が鳴ります※6。​

センサーが反応したらモニターにお知らせ。家の外を見守れる「モニター付き屋外カメラ」

モニター付き屋外カメラ
VL-CV100K

家の外もしっかり見守りたいならパナソニックのモニター付き屋外カメラ「VL-CV100K」がおすすめです。モニター親機とカメラがあらかじめペアリング済みなので煩わしい設定がなく、モニター親機とカメラの1対1ですぐに使用できます。また、インターネット環境やスマートフォンがなくても使用可能です。
動きや人を検知すると自動で録画※7し、モニター親機に音でお知らせします※8。さらにスピーカーが搭載されているため、モニター親機から侵入者に声かけもできます。スマートフォンと連携すれば、外出先から映像の確認も可能です。

設定した時刻に点灯させることで防犯対策にもなる「LEDシーリングライト」

パルック LEDシーリングライト スタンダードシリーズ プレーン ~12畳
HH-CM1234A

簡単にできる空き巣対策のひとつが、不在時に家の電気を付けて在宅を装う方法です。パナソニックの「パルック LEDシーリングライト」は、リモコンの「るすばん」ボタンを押すことで、設定した時刻になると自動で点灯・消灯します。また、点灯・消灯のタイミングは「設定通り」「15分前」「30分前」の3パターンでランダムに変化し、在宅を装ったり、留守を悟らせないようにしたりするのに役立ちます。夜遅くの帰宅時や旅行などで長期間家を空ける際にも、空き巣対策として便利です。

ここでご紹介した商品は、侵入や盗難などの犯罪を阻止することや安全を保証するものではありません。万が一、損害が発生した場合、当社は責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。商品のご使用と合わせて、施錠・戸締り等の防犯対策を行うことをおすすめします。

まとめ

調査では、防犯への関心が高い一方で、地域や年代による差があることがわかりました。また、高齢化が進む地域での対策不足や、詐欺・置き配への懸念など、身近なリスクも見えてきました。日頃から防犯対策を継続し、アップデートしていくことが大切です。安心できるくらしを目指すためにも、この記事を参考にするなどして、できることから防犯対策を始めていきましょう。

防犯についてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

防犯についての監修

写真:佐々⽊ 成三さん

佐々⽊ 成三(ささき なるみ)

防犯アドバイザー
元 埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補
一般社団法人スクールポリス 理事

これまで数多くの捜査本部で、被疑者の逮捕・取り調べや捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に従事し、数多くの実績をあげる。
発想力、情報収集力、行動力には自信があり、新しい捜査手法、被害者の視点に立った被害者支援を行い、数多くの賞を得ているスゴ腕、人情刑事として活躍していた。
現在スクールポリス理事として中高生を対象としたデジタル危機管理の指導を行っている。

[調査概要]

  • エリア:全国
  • 調査対象:20代~60代 男女 計4,700人 【日常的に防犯への意識がある方】
  • 調査期間:2025年9月19日(金)~9月25日(木)
  • 実査委託先:楽天インサイト株式会社
  1. ナンバー・ディスプレイサービスを利用している場合、親機の電話帳に登録されていない相手からかかってきたときのみ迷惑防止の機能が働きます。
  2. モニター親機をルーター経由でインターネットに接続できる環境および、スマートフォンへの専用アプリケーション「ドアホンコネクト」のインストールが必要です。スマートフォンを連携させるには、インターネットに接続したルーター(別売品:グローバルIPアドレス[IPv4][IPv6を用いたIPv4]が付与されているインターネットとUPnPに対応したもの)にモニター親機を接続する必要があります。インターネット環境はグローバルIPアドレスが付与されるものをご用意いただき、UPnP機能、「2.4 GHz」の周波数帯域に対応したルーターをご使用ください。(5GHzの周波数帯では使用できません)ご自宅で使用の場合でもインターネット環境が必要です。ご契約の回線がxDSLなどでインターネット上り回線速度が低いような場合は、宅外接続で画像などが正常に表示できない場合があります。スマートフォン1台あたりインターネット上り帯域で1Mbps以上(4台の場合は4Mbps以上を推奨)。
  3. 宅配ボックスCOMBOは別売です。対応の宅配ボックスとモニター親機を接続することで連携できます。3 台接続した場合、1台はモニター親機との接続となります。<対応機種>パナソニック ハウジングソリューションズ(株)製宅配ボックスドアホン連携専用 COMBO品番:CTNR4026RTB●別売のエントランスポール( 機能門柱)「アーキフレームFタイプ」、マグネットスイッチEK369(宅配ボックス取付用)が必要です。エントランスポール(機能門柱)「アーキフレームFタイプ」に、VL-SWZ700KSは取り付けできません。
  4. 宅配ボックスCOMBO-LIGHTは別売です。対応の宅配ボックスとモニター親機を接続することで連携できます(最大2台まで)。無線接続には別売の開閉センサー品番:KX-HJS100が必要です。<対応機種>パナソニック ハウジングソリューションズ(株)製 COMBO-LIGHT(コンボライト) 品番:CTNR60シリーズ
  5. 宅配ボックスに対応しているのはドアホン1のみです。ドアホン2または3の呼出ボタンが押されても、宅配業者様へのメッセージを流したり、荷受け時の録画はされません。
  6. 本製品単体では作動しません
  7. 別売のmicroSDカードが必要です。対応のmicroSDカード:microSDHCカード:32GB、microSDXCカード:64GB・128GB
  8. 設定が必要です。

2025年12月3日 防犯

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