革新への挑戦

革新への挑戦 革新への挑戦

2000年代に入ると、人々の健康やマッサージに対する知識や体験は飛躍的に深まっていきます。そんな時代背景を受け、2001年発売の『リアルプロ』初号機からは、その名の通り、“プロのマッサージ師の手技に近づけること”に注力してきました。
本当にマッサージを必要としている方、簡易なマッサージ器具やマッサージチェアでは満足できない方が求めるもみ心地とは――? 「より本格的なマッサージを家庭で体験したい」というお客さまの声に耳を傾け、試行錯誤を重ねながら、開発は進められました。

“プロの手技”への挑戦

歴代の開発者によって積み上げられてきたメカの技術。特にリアルプロのモミメカは、ロボット技術を応用した高度な技術とデジタル制御技術が融合したパナソニック独自のマッサージ技術であり、その手技は年々進化し続けています。

プロの手技を視覚化 コンピュータ設計による「だ円ギア」

プロの手技への第一歩

「手で叩いたり、もんだりすることを機械がやってくれる」というのが、当時の一般的なマッサージチェアへのイメージでした。そんななかパナソニックが目指したのは、プロのもみ心地を追求し、治療理論や身体生理を考えた新しいマッサージチェアでした。

そのためにまず取りかかったのが、“プロの手技の分析”でした。プロの整体師や指圧マッサージ師の動きをオシログラフで視覚化すると、もみ始めは「グイッと押し」、その後さらに力を入れて「グッと締め」、そして「スッと引く」という微妙な力の入れ加減であることがわかりました。その動きを機械化したのが、1978年発売の『モミモミ』に搭載された「だ円ギア」です。

3Dを駆動を実現した「3Dモミメカ」

プロが描く“もみの軌跡”をモミ玉が再現

2003年発売の『リアルプロ EP2110』まで続いた「だ円ギア」ですが、その間、技術はめざましく進化。これまで不可能だった手技の実現という夢に近づいてきました。開発チームは、新技術による“プロのもみ技”を実現するため、開発当初の感圧センサーではなく、シート状のセンサーを施療部位に貼り付けてプロの手技を細かく分析しました。そこで明らかになったのが、微妙に移動しながらもんでいく“もみの軌跡”です。

『リアルプロ EP3200』以降では、ブラシレスモーターとマイコン制御により、上下・左右・前後にモミ玉を自由に動かす「3Dモミメカ(ヒューマンハンドモミメカ)」を開発。ここに「PFCエンジン」「高速PID」といった独自の制御技術を搭載することで、1秒間に2,000回の信号でモーターをきめ細かく動かすことが可能になり、今までできなかったプロのもみ軌跡まで再現できるようになりました。

繊細な手の動きに不可欠な「高性能ブラシレスモーター」

モミメカの頭脳がさらに進化した「PFCエンジンⅡ」

高速フィードバック制御により、なめらかな動きに

プロのように一人ひとりに合わせてもみ加減を調節

最先端の3D駆動技術により、「たたき」「もみ」「指圧」などの基本手技のほか、親指の腹で細かく深くねり回しながら深部のコリをほぐす「揉ねつほぐしもみ」も実現。プロのマッサージ師の手の動きや、人のできる動きを超えた2カ所同時マッサージも可能にしました。さらに、体型センシング、圧力リアルタイム感知で正確なもみ位置を把握し、一人ひとりに合ったもみ心地で、コリをしっかりほぐします。

人の手の複雑な動きを追求するロボットハンド

親指で細かく深くねり回す揉ねつ

“温かい手”への挑戦

プロの手技に学び、「3Dモミメカ」で次々に実現していくなかで、どうしてもできない手技がありました。それは温かい手でほぐす“温感マッサージ”です。座面や背面にヒーター機能を搭載したマッサージチェアも過去にはありましたが、それは電気カーペットのような機能で、人の手の温かさとは程遠いものでした。

心地よい温かさを目指して

そこで考え出されたのが、モミ玉自体を温める方法です。モミ玉が当たっている部位だけに温かさを感じると、まるで温かい人の手にもまれているように感じるのです。さらに、モミ玉とエアーバッグを連動させることで、“温かい人の手によるマッサージ”をよりリアルに追求しました。

2012年発売の『リアルプロ EP-MA73』からは、上半身を温めながらほぐす「温感モミ玉」に加え、足裏マッサージ部にも温感機能を搭載。この「ダブル温感」マッサージは現在まで受け継がれ、多くのお客さまに喜ばれています。

モミ玉の動きとサーモグラフィ

温感モミメカの熱の伝わり方を検証

*サーモグラフィの温度は実際の温度と異なります

Tシャツでもセーターでも心地よい温かさを実感できるか、繰り返し測定

温度の感じ方とマッサージの圧力変化

マッサージ圧力に伴う温度の“ゆらぎ”で、より心地よいマッサージへ

開発の原点

革新への挑戦

終わりなき追求

たゆまぬ進化