4K有機ELビエラMZ2500映画監督 樋口真嗣 プライベートスタジオへ設置！ 【中編】

－MZ2500で色々とご覧になられたと思うのですが、映像として違いがわかる作品はありましたか？

少し前になりますが『トップガン：マーヴェリック』。もうひとつ、トップガンほど有名じゃないんですけど…。

－ぜひ、ご紹介をお願いします。

－元の映像クオリティーも高く、暗部がしっかり再現されていますね。今までの有機ELテレビは4年前のモデルですが映像は違いますか？

全然違います。普通に撮ったら、こんなふうに撮れないんです。ものすごく面倒くさいことをしなくちゃいけない。

－街灯や家の光がとてもきれいですね。有機ELテレビを開発する上で一番の悩みは、画素単位ではコントラストや絶対的な光の明るさが出ても、面積が大きくなると限界が生じることです。今までのパネルでは表現できなかったダイナミックレンジも、MZ2500はマイクロレンズ有機ELを使うことにより、高いレベルで実現できました。

－有機EL含めて自発光パネルの暗部階調を表現するパネル制御はとても難しいのです。完全な黒は電流を流さないことで映し出せますが、そこから徐々に弱い電流をかけていくと、発光が少し遅かったり、急に発光したりします。その部分は逆に黒く潰れてたり、浮いたりします。MZ2500にパネルチューニングは通常のパネル調整だけでなく、1枚ずつ専用の設備でパネルを測定し、測定結果に応じて階調を補正しています。
この暗部階調補正をかけることで、微細な映像表現を可能にしています。

このくらい意地悪なソフトを見ると差が出ますね。普通はここまでやらないですよ（笑）

－こちらのスタジオには映画のポスターなどがたくさん貼られていますが、MZ2500で視聴されて感動した古い作品はありますか？

それで言ったらね、びっくりするくらい良かったのがあるんですよ。「天国と地獄」です。

－「天国と地獄」ですか。モノクロ映画もかなり綺麗に表現できますね。

－これはすごい。カラーを見ているような、最近モノクロで撮られた作品みたいです。ソファのファブリックなども細かく見えて、光の感じや影の部分も表現されています。ブルーレイ版ではノイジーであったり、潰れていたりしていた部分がしっかりと表現されていて、質感自体が異なりますね。

－ご自身の監督作「シン・ゴジラ」「のぼうの城^＊」やアニメだと「ひそねとまそたん」などありますが、ご覧になられましたか？

「のぼうの城^＊」は見てないかな。「ひそねとまそたん」はブルーレイしかないんですよ。どうしても4KやUHDになっているのをまず見たいので、あとまわしになっちゃいますね。監督した作品は作っている時にそれこそすれる程見倒すので、完成したら積極的に見ないんです。

－ブルーレイもアップスケーリングしますが、違和感などはありますか？

それってテレビとプレーヤー、どっちでやるんですかね？

－最新の4Kディーガと4Kビエラの組み合わせでは、レコーダー側とテレビの超解像機能の両方を最適に使ってアップコンバートします。ディーガのハイエンドモデルZR1では、クロマアップサンプリングなどの高画質処理によって、驚いていただける映像になると思います。