4K有機ELビエラMZ2500映画監督 樋口真嗣 プライベートスタジオへ設置! 【後編】

樋口監督インタビュー後編 樋口監督インタビュー後編

パナソニックがこだわる自発光ディスプレイによる映像の忠実再現は、映像のプロフェッショナルから評価され、有機ELビエラは数多くの映画、ネット動画スタジオの現場でもクライアントモニターとして多数使用されている。

今回は映画監督 樋口真嗣氏のプライベートスタジオに65MZ2500を当社より提供して設置し、本機をスタジオに導入した感想を伺うこととした。

映画監督 樋口真嗣

主な作品

• ローレライ(2005年)
• 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2015年)
• シン・ゴジラ(2016年)
• シン・ウルトラマン(2022年)他

一台で本格的な立体音響が楽しめる

単体でもここまでポテンシャルがある

―現在ご使用のテレビと音の聞こえ方についてはいかがでしょうか?

純粋に相互比較はできないんですけど、AVアンプにつながず、テレビのスピーカー構成のみで聞き比べただけで言えばこんなにいいの?みたいな。ドカンとでかい音を出すんだったら、アンプにつないで低音を出すというのにはかなわないと思います。でもなんだろうな、それこそ普通のテレビのように、夜中でも大丈夫みたいな感じで使ってしまうと近所迷惑になるかな(笑)。多分最初に買うのなら、これで十分というか、すごいですよ。

上に音を反射させるイネーブルドスピーカー、横方向に音を拡げるワイドスピーカー、前向きのラインアレイスピーカーと数多くのスピーカーを搭載しています。

今までの薄型テレビってスピーカーを犠牲にしていましたよね。みんな色々やっているんだけど、この辺が限界かなというのを超えている感じがしますよ。

ラインアレイ&イネーブルド&ワイドスピーカー搭載の360立体音響サウンドシステム+

ラインアレイスピーカー
イネーブルドスピーカー
イネーブルドスピーカー

-それぐらい迫力があったということですね。サウンドバーも不要でしょうか?

今まではそういう何か足りないものを補強していたじゃないですか。でも。単体でここまでポテンシャルがあるんだって、本気でびっくりしています。こういう製品の作り方ってパナソニックらしさっていうことなのかな?っていう気もしたんですよ。余計なものを足さずに、これだけでも必要十分。1台で完成度がめちゃくちゃ高い。

-「シン・ウルトラマン」「シン・ゴジラ」の音はいかがでしょうか?

「シン・ゴジラ」は音響なんかもモノラルなんですよね。
一応、スピーカーを3つ散らしているけど、音はモノラルで音楽だけステレオなんですよ。だからディスク化の時に全然伸びしろがなかった。あまりに何もないよ、引っ張り出せませんよっていう前提でやっていたんです。「シン・ウルトラマン」はもう少し華やかなものにしていたので、今回は音をDolby Atmos®、映像はDolby Vison®でやってみようって。

―それらをMZ2500なら再現できる、誰にでもおすすめできるテレビということでしょうか?

特に僕らの世代でお父さんの趣味とか、どうしても家族に理解されない場合もあるから。アンプなんて買うと何言われるかわからない(笑)。でも、テレビだけだったら大丈夫ですからね。

-テレビを買い換えるだけですから(笑)。

家族出かけている間に「よし今だ!」と。ボリュームをがーっと上げて、すごいDolby Atmos環境で音を聴けるっていう…もっとうまい言い方あるかな、色々敵を作りそうだけど(笑)。

-こちらのスタジオは11.1chで設定されているとのことで、先ほど少し聴かせていただいた際に、天井や背後からの音などがリアルでした。MZ2500のスピーカーだけでも十分と仰っていましたが、こちらのスピーカーとは別々に楽しむという感じでしょうか。

音合わせはまだですが、上から来る音も含めて単体で聴いてもAtmos感があるので、どこまでできるんだろう?また沼が始まる(笑)。

-ビエラは以前にサイドスピーカー付き出していましたが、やはり省スペース化で見送られた時もあります。現在は音へのこだわりも復活して、スピーカーが再注目されたのは嬉しいですね。MZ2500の音を正面から聴くと、映画館で言うとスクリーンの背面から聴こえる感じに近いと思います。

実はね、そろそろテクニクスとしちゃって良いんじゃない?って思っていたんですよ。

- “Tuned by Technics” なんですが、わかりづらいでしょうか?

もっと大きく主張してほしいですよね。今はDolbyを搭載しているのにロゴがない。昔のステレオ機器っていっぱい書いてあって、それが自慢だったんですよ。付けておいた方がいいですよ。

-知っている人が店頭でみたら、Dolby、Technics!みたいな感動があると思います。ただ、ロゴに関しては視聴の邪魔にならないようにしていますが、デザイン的にはご不満ということですね(笑)。

僕らはそうですね。喜んで出したかった機能というか…ちょっと世代が違うかもですが、ナショナルからラジカセのステレオMACムゥ(1978年発売)というのが出ていたんですよ。ボリュームメーターのLEDが七連かなぁ。それが行ったり来たりして光っているのが売りで、邪魔じゃない?って思うけどね。今じゃ真逆なんです。でも、僕らはそれで育っちゃっているから、なんかツマミがあるといいというか(笑)。

-『ナイトライダー*』のナイト2000みたいな感じですね。ただ、それはちょっと女性などには受けがよくないということもあります(笑)。

やっぱりダメかー(笑)。そういうことですよね。

*1980年代に放送されたアメリカの特撮テレビドラマ

映画製作への想い、ビエラへの期待

改めてビエラはすごいと実感

-映画撮影も上映もフィルムからデジタルに移行しました。クリエイターとしてその変化はどのように思われていますか?

僕らの記憶って昔より良い状態になる、というのが一つの喜びとしてあるんですが、もう一つ、昔っぽくならないかな?って思うことがあります。例えば、子どもの頃に見たアニメを今のテレビで見るとみんなパキパキに綺麗になっています。 でも、NTSC方式のテレビを見ているような昔見ていたものと似ているね、っていうモードがあると楽しいかなって。今はどうしても完成度を上げる方向にいっているじゃないですか。足し算されているものを引き算にすると面白さがある。VHSでも見ているような、遊びではあるんだけど、我々のような年寄りはこれから暇になった時に、同じもの何度も擦るように見たりするわけです。実はこんな高画質だったんだよっていうのが今の主流ですが、それが行きついちゃうと今度は逆行すると思うんですよね。

-映画撮影において、VFXやCGなどは映画館でもテレビでもどのように見えた方がよいかなどはあるでしょうか?

映画の場合だと、やっぱりそれが映画の中で本物に見えて欲しいという願いがある。ハレーションをいれたり、露出のバランスが悪かったり、持っているカメラが不安定だったりとかで本物らしく見せたりするときがあるんです。それをテレビ側がフレーム補間などで情報量を増やしちゃうと、どんどん作り物っぽく見えてきて…あれ、こんなだっけ?と思ったりして。ゲームするときはいいじゃないですか。でも、映画はあえて情報量を欠損させて本物らしく見せているものが、フレーム補間によってすごく作りものっぽく見えちゃう。普通のビデオカメラで撮ったような滑らかで解像度の高いものになっちゃうっていうのがね。

今はフレーム補間のようなものでリアルに表現というのを獲得しているけれど、たぶんユーザーの求めるものや時代によって変わっていくと思うんですよね。例えば、HDRも我々のやっていることと真逆なんですよ。映画製作も潤沢に資金があるわけではないので、このシーンは暗く落として見えないようにとか、逆に本当は窓の外は街が見えるのに、スタジオで撮るから白く飛ばしましょうってなるんですよ。そういう何かあるのを感じてください、みたいなシーンもHDRになると全部収まってくる。いつものように白く飛ばしても全部ギュって戻されちゃって、今まで何十年とかけて培ってきたものがご破算になる。

-機器の性能向上と追いかけっこになるんですね。有機ELビエラの設計思想は、クリエイターの映像を忠実に再現するマスモニに近い性能を引き出すことです。樋口監督としてこの姿勢はどのように思われますか?

ぜひお願いします、というか皆がどう思うかはわからないけれど、それがあることによって自分の仕事が豊かになります。おそらく家庭でも欲しい人は多いんじゃないかな。自分なりに映像をもっとよくしてみたいとか、先ほどのオートAIでも十分に良い映像が引き出せているんですけどね。

-最後にMZ2500の総評をお願いいたします。

正直、見比べると全然違っていました。こうやって改めてみるとビエラはすごいなって実感しちゃったんで。だから、ディスクも配信もまだまだ見ていないので今日から始まる気がします(笑)。

樋口監督とビエラ

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使用機器

4K有機ELテレビ TH-65MZ2500[65v型]

「マイクロレンズ有機EL」によるビエラ史上最高の高コントラストと美しい色表現を実現したフラグシップモデル

4K2番組同時録画
BS4K/110度CS4Kチューナー×2|地上/BS/110度CSチューナー×3
ネット動画対応|4K120p入力対応

※テレビ本体に録画することはできません。別売のUSBハードディスクを接続してください。4K放送2番組録画中の4K放送は録画中のチャンネルのみ視聴可能です。

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HDR10+/Dolby Vision®対応
4K/60p/36bit出力対応

※1 36bit階調=12bit(Y)+12bit(Cb)+12bit(Cr)。通常のブルーレイディスクの映像は24bit階調=8bit(Y)+8bit(Cb)+8bit(Cr)。
• 4K/60p/4:4:4に対応するためには18Gbps対応のHDMIケーブル(別売)が必要です。

• Dolby、ドルビー、Dolby Atmos、Dolby Vision、およびダブルD記号は、アメリカ合衆国と/またはその他の国におけるドルビーラボラトリーズの商標または登録商標です。その他の商標はそれぞれの合法的権利保有者の所有物です。

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