Sシリーズ システムの理念と思想
新たな世界を切り拓く、妥協なき表現力。
デジタル時代の新たな写真文化を創造すること。映像技術の次世代を先見すること。
「Changing Photography」をブランド・フィロソフィーに掲げ、2008年、世界初のミラーレス一眼カメラシステム※1として誕生したLUMIX Gシリーズ。
Sシリーズは、そのLUMIXの新たな可能性を提案します。高精細・高感度な撮影を実現するフルサイズCMOSセンサーを搭載。フルサイズミラーレス一眼カメラでは世界初※2となる4K/60p動画記録に対応。最新の光学技術と革新的な電子制御技術の融合が、これまでにない表現世界を切り拓きます。
LUMIX Gシリーズのハイエンドモデル、GHシリーズで培った静止画撮影と動画撮影のハイブリッド技術も継承・進化。さらに、ライカカメラ社Lマウント*の採用とLマウント アライアンスによる協業は、フルサイズミラーレス一眼カメラにおける自由な機材選択を可能にします。
※1 2008年10月31日発売。ミラーレス一眼カメラDMC-G1。
※2 フルサイズミラーレス一眼として。2019年2月14日現在。2019年3月23日発売。
「生命力・生命美」を描ききる。
その一瞬に被写体が見せる生命の輝き、モノが重ねてきた歳月の重さ。人間の視覚と心の働きはすばらしく、肌触りや温度感、空気感、歴史といった見えないものさえ、眼にしただけで感じ取ることができる。
そのような『感性』がとらえたものを、しっかりと表現すること。それがLUMIXの目指す絵作り、「生命力・生命美」。
「生命力・生命美」は、単に記憶色を再現することではありません。色彩や階調、シャープネスなどの微妙な違い。それがもたらす効果を理解し、意図的にコントロールすることが必要です。そのために膨大な実写と絵作りシミュレーションを繰り返し、例えば「眼をこらしたくなる雄大さ」「なでたくなる柔らかさ」はなぜ感じられるのか、どうすれば表現できるか徹底的に解析。それは、人間の感性を解き明かすことであり、写真芸術の根幹に迫る途方もない試みでもありました。
こうして積み重ねたノウハウを、先進のデジタル技術の結晶であるヴィーナスエンジンが映像化。さらにSシリーズでは、フルサイズCMOSセンサーが持つ解像力と広いダイナミックレンジを活かし、表現力の向上にも挑戦。人間の視覚だからこそ感知しうる「生命力・生命美」を、さらに高いレベルで描き出します。
生きとし生けるもの、移ろいゆくもの。その息吹の、その歴史の、感動を表現する。それがLUMIXに息づく絵作りの思想であり、プロのためのミラーレス一眼カメラ、Sシリーズの高画質です。
©Masaaki Aihara ※この写真はLUMIX S1Rで撮影されたものです。
大自然が織りなす繊細なグラデーション、湿度感や消失感までをも再現する階調表現力。
プロの目と手に同化する。
LUMIX Sシリーズは、この先進のシステムをプロの道具として開発しました。息をのむ解像感と空気感をも表現する描写性能、高いユーザビリティと信頼性、多彩なシーンに対応する拡張性が、映像表現の開拓者たちの感性を覚醒させます。
「被写体と対峙するとき、カメラを意識せず無心になりたい」。それが、多くの撮影者に共通する想いです。瞳の前にあるにもかかわらず、存在を忘れさせるカメラ。多機能でありながら、無意識に操作できるカメラ。この困難なテーマに対しても、プロの道具であるSシリーズは真摯に向き合いました。
光学ファインダーに迫る「リアルビューファインダー」を搭載。高精細な視野が、空気感やシズル感まで伝えます。同時に、ファインダーに接眼したまま意のままに操れるよう主要な操作部材をレイアウト。被写体への集中力が高まり、撮影に深く没入することが可能です。また、1/8000秒の高速シャッターでありながら約40万ショットという卓越した耐久性も実現しました。酷使を続けても正確にシャッターが切れ、プロユースのカメラに必要な信頼性を大きく発展させています。
一方で、撮影後のデジタルワークも含めてクリエイティビティを求められる今日の創作現場では、スムーズに後処理へと移行できることもカメラの大切な資質です。S1R/S1は、USBテザー撮影は当然のこと、高速通信を実現するIEEE802.11acのWi-Fi機能を搭載。撮影と同時に画像をPCに転送、RAW現像やレタッチなどに移行し、集中力を途切れさせることなく創作に専念できます。S1R/S1が目指したのは、表現したい世界へ、何にもとらわれることなく真っ直ぐ歩めるカメラ。プロのニーズにあまねく応える、創造の道具です。
ライカカメラ社、Lマウントを採用※。
■Lマウントの内径は、高画質と小型化を両立させる51.6 mm。明るいレンズの大きな光束を無理なく通せるため、収差の少ない大口径レンズを合理的に設計できます。カメラ・レンズの小型化と高画質化を図る上で、非常にバランスのよい口径です。
■光学設計の可能性を拡大する20mmのフランジバック。 Lマウントのフランジバックは20mm。レトロフォーカスに強く依存する必要がなくなり、広角レンズの大幅な小型化・高画質化を促します。またマウントの強度確保とカメラの小型を両立でき、重いレンズの使用時や強い衝撃を受けた際も、フランジバックの精度をしっかり維持することが可能です。
■高速・双方向のレンズ-カメラ間コミュニケーション。 レンズとカメラのコミュニケーションを司る電子接点は10ピン。フォーカスや絞りの制御、光学特性、手ブレ補正などの情報を高速で通信することが可能です。また双方向・大容量通信により、将来的な機能向上にも対応します。
LUMIXは、ライカ、シグマとの協業により、Lマウント互換製品群を展開。共通プラットフォームによる多様なプロダクトを選択・使用できるため、システムカメラの拡張性が広がり、幅広い写真撮影のニーズに対応することが可能です。
*L-Mountはライカカメラ社の登録商標です。