【医師が解説】水分補給の目安は?1日の摂取量と正しい飲み方を解説

一人一人に合った水分補給で若々しく健康に! Q. 正しい水分摂取の方法は・・ 不正解 飲めるときに一気に飲む! 一気に飲むと尿に排出されやすい ゴクゴクよりもチビチビが正解! 正解30分おきにチビチビ飲む! 少しずつ飲むことで身体が水分を保水できる! 一人一人に合った水分補給で若々しく健康に! Q. 正しい水分摂取の方法は・・ 不正解 飲めるときに一気に飲む! 一気に飲むと尿に排出されやすい ゴクゴクよりもチビチビが正解! 正解30分おきにチビチビ飲む! 少しずつ飲むことで身体が水分を保水できる!

監修:谷口 英喜(たにぐち ひでき)
ライター: UP LIFE編集部
2026年6月9日
健康

夏を前に身につけておきたい水分補給の知識。水分補給は熱中症対策だけでなく、健康維持や老化予防にも深く関わっています。しかし「1日にどれくらい飲めばいい?」「お茶でもいいの?」など、正しい水分補給の方法を知らない人も多いのではないでしょうか。今回は済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生に、適切な水分補給の方法についてお聞きしました。

日本人は水分が足りない!1日に必要な水分摂取量の目安とは?

グラスに入った水の写真

飲水学の専門家、麻酔科医として活躍してきた谷口先生。麻酔科医は麻酔をかけることだけをイメージする人が多いかもしれませんが、実際には麻酔とともに、手術中の患者の体内水分量をコントロールすることも重要な役割です。適切な水分量を保つことで症状を落ち着かせたり、より早く回復に向かわせたりすることを数多く経験されています。

しかし、水分補給が大切なのはわかりますが、1日あたりどのくらいの量を飲めばよいのでしょうか?谷口先生は、WHOが推奨する量と比較すると日本人の水分摂取量は少ない方だと話します。

水の国、日本ならではの価値観

「WHOの推奨量は1日あたり男性3ℓ、女性2ℓ。それに対し日本人の水分摂取量は少ない気がします。しかしWHOの数値は外国人の体型を想定した量で、小柄な日本人の場合は、ここまでの量を摂取する必要はないと思います。実際に必要な水分量は、それぞれの方の状況によって変わります。さらに、日本は水道水が飲める数少ない国で、いつでも水が安心して飲めることを特別なことだと思わない方も多いかもしれません。水への関心が低く”水を飲む”ことが習慣化されにくいことも、水分摂取量の少なさと関係がありそうです」

個人差が大きい!体重で変わる適切な水分摂取量の目安

改めて、個々人にとって必要な水分量はどのように考えればよいのでしょうか?
「推奨される1日当たりの食事も含めた水分量は、体重や年齢、環境にも左右されるので一概には言えませんが、目安は体重の数値の40倍です。たとえば50kgの人では、50×40で2,000、つまり2ℓが推奨されます。暑い時期はさらに500mlから1ℓの追加摂取がおすすめですね。ただ、しっかりと3食の食事が摂れていれば食事からも水分が摂取できるので、純粋な水分は推奨量の半分でも大丈夫なんです」と谷口先生。

1日に必要な体重あたりの水分量の求め方 体重50kgの場合 50×40=2000 → 2L(1000ml=1L)

ダイエット中など食事からの水分量が限定される場合は、意識して水分を摂る必要があります。

40代がターニングポイント?水分不足が身体に及ぼすリスク

グラスに入った水と女性の写真

1日に推奨される水分量がわかったところで、もしそれが摂取できないとどうなるのでしょうか?暑い時期においては、水分補給が命に関わることは周知の事実ですが、日頃の水分不足が健康に大きな影響を及ぼすことはあまり知られていないかもしれません。

水分不足で起こる体調不良

「多くの体調不良の原因に、代謝の滞りがあると考えられます。代謝の滞りが起きる原因も1つではありませんが、非常に大切なのが水分。水分量が少なければ、酸素や栄養分が運べません。また、身体に溜まっていく老廃物も流すことができなくなります。さらに、水分量が少ないと汗がかけなくなるので体温調節もしにくくなります」

それならできる限り飲めばよいのかというとそうでもないと谷口先生は続けます。

水の摂りすぎにも注意!過剰な水分補給が身体に及ぼす影響

「難しいですが、水分の摂りすぎも身体に影響を与えます。水分が多すぎるとむくみが生じて酸素や栄養分の運搬が難しくなります。むくみが多ければ痛みや重だるさなど体調不良につながります。また、心臓や肺に水が溜まれば心不全や肺水腫などの病気につながることも。そして、極端な水分の増減が長期間続くと心臓や脳に負担がかかり、脳梗塞や心不全のリスクや死亡率が上がります。老化も早まる傾向にありますよ」

水分補給のターニングポイントは40歳!

谷口先生曰く、水分補給のターニングポイントになるのが40歳とのこと。40歳以降は、適切に水を飲めたかどうかで健康や若々しさに差が出てきます。

身体の水分の4割が筋肉に!筋肉量の減少が「身体の保水力」低下をまねく

「40歳は筋肉量が落ちる時期です。身体の水分の4割が筋肉にある関係から、筋肉量が落ちれば必然的に保水量も減ってしまいます。身体の変化を感じやすいのが40代ですから、その前から適切に水分を摂れているのが望ましいですし、もし摂れていなかったとしてもこれからしっかりと水分を摂っていくことで、必ず身体は良い方向に変わっていきます」と谷口先生。

それでは具体的に、身体を健康に保つためにできる水分補給とは、どのようなものでしょうか?

正しい水分補給の方法!お水はこまめに飲むのがポイント

蛇口からグラスに水を注ぐ写真

まず飲むべき水分は、シンプルに水道水で良いと谷口先生。

「日本は水道水が安全なので、水分補給は水道のお水を基本に考えるのが良いと思います。ただ水道水には、塩素が入っているので、浄水機能があればさらに良いです」

水分補給は「チビチビ飲み」がおすすめな理由

水道水であれば!と、水分補給ができるタイミングでごくごく飲んでしまいそうですが、一気に大量に飲むのはおすすめできないそう。

「じれったいかもしれませんが、水分は少しずつ、そしてこまめに摂るのが鉄則です。一気に飲めばすぐに尿になって排出されてしまいますし、保水できません。目安は100ml(コップの1/3くらいの量)を30分置きに飲むこと。気温が高い日の外出時には10分置きがおすすめです。いわゆるチビチビ飲みですね。これなら尿意をもよおしませんし、保水もできる。水分補給の効果を実感できるはずです」

デスクに常備したい、チビチビ飲みのお水

ふだんから、デスクなど手が届くところに水分が入った水筒やマグを置いておくのが良いかもしれません。

また、白湯もおすすめ。冷たすぎないので胃腸に負担がかからず、自律神経を整えリラックス効果があるのも事実。お手洗いが近い人は、50度ぐらいの白湯をチビチビ飲むのがよいでしょう。そのほか、カフェイン無しのお茶や無糖の炭酸水もおすすめ。特に炭酸水は胃腸を程よく刺激し、食欲を増進させてくれます。

水分補給に向かない、注意が必要な飲料とは

「水分でもアルコール、カフェインが多く入ったもの、糖分が多い飲料に注意が必要です。アルコールとカフェインは尿となって水分が出やすいですし、糖分は虫歯やその他の身体へのダメージが出やすいです」

水分補給は体調に直結する!

「皆さん自身の身体に合った水分補給を続けることで、先に述べた病気の予防はもちろん、肌の張りや認知機能のキープなど、若々しさや将来的な健康維持につなげることができるはず。水分は身体を喜ばせるもの、若々しさを保つ秘訣ともいえます。ぜひ、水分補給についての知識をアップデートして、生活の中でスムーズにお水が摂れるよう心がけてみてください」

監修

谷口英喜(たにぐち ひでき)さんの写真

谷口 英喜(たにぐち ひでき)

医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業後、横浜市立大学医学部麻酔科入局。同付属病院救命救急センター、集中治療室などで研鑽を積む。2011年より神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授に就任。現在、済生会横浜市東部病院患者支援センターにて臨床に携わるとともに、臨床栄養の生涯教育サイト「谷口ゼミ」を開塾。提唱する「飲水学」をはじめとした情報提供、医療従事者への教育に取り組んでいる。著書に「 -いのちを守る- 飲水学 からだがよろこぶ水分補給のトリセツ」(評言社)など多数。

2026年6月9日 健康

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