【防犯最前線2025】防犯のプロと考える!今すぐできる家電での防犯対策
防犯についての監修:佐々⽊ 成三(ささき なるみ)
ライター:UP LIFE編集部
2025年12月15日
防犯
近年、侵入強盗や特殊詐欺など、犯罪の手口はますます巧妙化し、自分や大切な家族を守る対策がより一層、重要な課題となっています。そこでパナソニックでは2025年11月に、防犯アドバイザー・佐々木成三さんをゲストに迎え「『防犯対策2025』ラウンドテーブル」を開催。最近の犯罪傾向や防犯対策、さらに防犯に役立つ家電の活用法について伺いました。
【防犯最前線2025】犯罪の最近の手口とは
―ニュースなどでは、在宅中の被害も増えていると聞きますが、最近の犯罪にはどのような傾向があるのでしょうか。
佐々木成三さん(以下、佐々木):特殊詐欺の被害はここ数年、大幅に増加しています。全国の特殊詐欺被害総額は、2023年は約 452億円 でしたが2024年には約721億円となり、2025年は年間被害額が 1,200億円を超える見込み で、非常に深刻な状況です。一件あたりの平均被害額が高額になっているのも特徴的です。
また、被害者は、以前は高齢者が中心でしたが、最近は中高年や若い世代にも広がっています。電話による詐欺では依然として高齢者が多いものの、SNSを使った詐欺や偽警察官詐欺などでは若者が狙われるケースが増えています。特にオレオレ詐欺の被害者は、20〜30代が増加傾向にあります。
被害者の多くは「自分は騙されないと思っていた」「自分には関係ないと思っていた」と考えており、犯罪組織はそういった“隙”のある人を狙ってくるのです。
警察官詐欺では、偽の電話番号で警察署を装い連絡してきたり、偽の警察手帳や逮捕状を提示したりするなど、道具や仕組みが簡単に用意できる時代になっていることも若い人が被害者になる要因と言えると思います。
犯罪組織は対策をされていない被害者(地域)を狙ってきます。犯罪手口が巧妙化している昨今、自分で自分を守ることが重要な時代になっていると言えるでしょう。
在宅中でも狙われる。数年前と変わってきた犯罪
―近年増えている強盗事件や侵入窃盗についての実態や傾向について伺えますでしょうか。
佐々木:侵入窃盗については「留守を狙う」というイメージがありますが、実際には約3割が“在宅時”に起きています。在宅中は、家の中の音と不審な音の違いに気づきにくく、対応が遅れやすいと言えます。その結果、犯人と鉢合わせしてしまう場合もあります。
また、マンションの共連れや、置き配の荷物を狙うケースなど、住人に近づくタイプの犯罪が増えているのも最近の傾向です。置き配が長時間残っていると、犯人に“無防備な家”と判断されることもあります。
犯罪者は、対策が甘い家をよく見ています。だからこそ、「侵入などの犯罪の気配に早く気づく仕組み」を生活の中に取り入れることが大切です。
侵入方法が多様化する昨今、防犯対策も複数で考える
―侵入窃盗の手口も、以前とは変わってきていると伺いました。実際にはどのような特徴がありますか?
佐々木:最近は、侵入の入り口が多様化しています。
戸建てでは、統計上もっとも多い侵入口が「窓」で、全体の約半数を占めています。
鍵がかかっていても、無施錠の窓や古いサッシ、補助錠のない窓などは狙われやすく、犯人は“開けやすい場所”をしっかり見極めています。
マンションでも油断はできません。共用廊下で立ち止まり、住人の出入りに合わせて侵入する「共連れ」や、オートロック内に入り込んでからエレベーター前で待ち伏せするケースもあり、オートロックだから安心とは言い切れない状況になっています。
犯罪者は、建物の形状や時間帯、 部屋のあかりの状況など“家の弱い部分”を常に探しています。ひとつの対策だけで守るのではなく、複数の対策を重ねていくことが被害に遭わないようにするためのポイント です。
調査データから見える“身近な防犯リスク”
―防犯対策をする際のポイントを教えてください。
佐々木:調査データを見ると、身近な場所に防犯の弱点が多く残っていることが分かります。
まず、実家の防犯については、約6割が「不安がある」と答えています。対策はアナログ中心で、使われているインターホンも「カメラなし」「ブザーだけ」が約3割を占め、相手を確認できないまま応対してしまう状況です。
マンションでも同じです。4人に1人が“共連れ”を経験しており、2割以上が「オートロックがあるから個別対策は不要」と考えています。また、短時間の外出で鍵をかけない人が約4割と、日常の小さな油断が侵入犯罪のリスクにつながりかねない状況です。
さらに、子どもの留守番についても、7割以上の保護者が不安を感じており、3割以上が“ヒヤリ体験”を経験しています。子どもだけの時間にも、防犯対策が必要な状況が見えてきます。
こうした数字を見ると、“うちは大丈夫”と思っているところでも対策が追いついていないことが多いと感じます。早めに気配に気づける仕組みを整えることが、防犯対策の第一歩になると思います。
具体的な防犯対策の方法とは?
―ここまで昨今の犯罪の特徴を伺ってきましたが、日常生活の中で実践できる防犯対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
佐々木:防犯で大切なのは、ひとつの対策だけに頼らず“多層化”することです。
例えば玄関まわりにカメラやセンサーを取り入れるなど、不審な気配に早く気づける環境をつくることで、被害に遭うリスクは減っていきます。
在宅中に不安を感じたときに備えて、家の中で落ち着いて通報できる場所を決めておくのも有効です。いわゆる“パニックルーム”的なイメージで、鍵をかけられる部屋があればいざというときに安心です。
また、110番するときに緊急通報の掛け方を日頃から確認しておきたいですね。例えば、スマートフォンの緊急SOS設定などをあらかじめ確認しておき、緊急時にはすぐに電話がかけられるようにしておくと安心です。
どんなに小さな防犯対策でも、複数を重ねて行うことが大切です。日頃から準備しておくことが、自分や家族を守る大切な一歩になります。
今すぐできる家電での防犯対策
ここからは、防犯対策に役立つおすすめの家電を4つご紹介します。
不審者の訪問をしっかりキャッチ|工事不要のワイヤレスドアホン
玄関先でのトラブルを避けるためには、ドアを開ける前に相手を確認できる環境をつくることが大切です。
ワイヤレステレビドアホンVS-SGZ20Lは、配線工事不要で設置できる電池式のテレビドアホンです。ワイヤレスモニター親機は、家の中の好きな場所で来訪者の応対ができます。
留守でも来訪者を録画できる「自動録画機能」を搭載しており、帰宅後に留守中の来訪者の録画をゆっくり確認することも可能です。
また、玄関子機に、夜でも来訪者の顔が見える※1ように、来訪者にとってもまぶしすぎない電球色のLEDライト(照明用ランプ)を搭載。夜の来訪者の確認にも役立ちます。
ブザーのみのタイプのドアホンをお使いの場合でも、自分で交換できるため、実家に帰省の際にも取り付け可能です。
マンションの玄関前の不審な気配を見逃さない|かんたんに設置可能※2なドアカメラ
マンションでは、玄関ドア前はのぞき窓から見える範囲しか確認できないため、見知らぬ来訪者の対応には、モニター付きドアカメラがあると便利です。モニター付きドアカメラVS-HC400は玄関のドアに掛けて固定するだけでかんたんに設置が可能※2。ワイヤレスドアカメラとモニター親機はあらかじめペアリング済み※3なので、設定も不要です。
来訪者を自動表示※4する「チャイムリンク機能」付き。呼出音に連動して、留守でも来訪者を自動録画できます。
外からの侵入を早めにキャッチ| スマートフォンとも連携できる屋外カメラ
外からの侵入に対する防犯対策では、窓や庭まわりなど、家の外の変化に早く気づけるかどうかが重要です。モニター付き屋外カメラ VL-CV100Kは、動きや人物を検知して自動録画(別売のmicroSDカード※5と設定が必要)でき、スピーカーを搭載しているのでモニター親機から侵入者に声掛け(威嚇)も可能です。
モニター親機をネットワークに接続(有線LANにて)すると、お手持ちのスマートフォンでカメラ映像や録画データの確認もできます。
・モニター親機は無線LAN接続できません。
設定した時間に点灯させて留守を悟らせない|LEDシーリングライト
空き巣は、家が“留守かどうか”をよく見ています。夜の時間帯に家のあかり がしばらく消えたままだと、留守と認識されるきっかけにもなります。一定の時間にあかり がつく環境をつくるだけでも、防犯対策につながります。
「パルック LEDシーリングライト」は、リモコンの「るすばん」ボタンを押すことで、設定した時刻に自動で点灯・消灯できます。点灯・消灯時刻は「設定通り」「15分前」「30分前」の3パターンでランダムに変わり、在宅を装い、留守を悟らせないようにするのに役立ちます。帰宅が遅くなる日や長期間家を空けるときにも、空き巣対策として便利です。
※ここでご紹介した商品は、侵入や盗難などの犯罪を阻止することや安全を保証するものではありません。万が一、損害が発生した場合、当社は責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。商品のご使用と合わせて、施錠・戸締り等の防犯対策を行うことをおすすめします。
まとめ
今回の防犯セミナーでは、最近の犯罪の傾向から在宅時の防犯対策、そして日常の“ちょっとした油断”が犯罪リスクにつながる可能性があることなど、様々な視点からお話を伺いました。
「自分は大丈夫」と思っていても、知らないうちに犯罪を招きやすい状況になっている可能性もあります。気配に早く気づくこと、ドアを開ける前に相手を確認すること、家の外の変化に気づけることなど、防犯意識を高めて対策を積み重ねていくことが大切です。最新の防犯対策アイテムの機能を上手に活用しながら、今すぐ自分でできる対策を実行し、自分や家族の安心なくらしを目指しましょう。
▼防犯についてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
防犯についての監修
佐々⽊ 成三(ささき なるみ)
防犯アドバイザー
元 埼玉県警察本部刑事部捜査第一課 警部補
一般社団法人スクールポリス 理事
これまで数多くの捜査本部で、被疑者の逮捕・取り調べや捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に従事し、数多くの実績をあげる。
発想力、情報収集力、行動力には自信があり、新しい捜査手法、被害者の視点に立った被害者支援を行い、数多くの賞を得ているスゴ腕、人情刑事として活躍していた。
現在スクールポリス理事として中高生を対象としたデジタル危機管理の指導を行っている。
- LEDライト点灯時でも、撮影範囲の両端付近はライトが届かず、本機との距離が近くても顔の識別がしにくくなります。
- ドアカメラの固定ねじはドアに掛けた後に固定してください(固定ねじは抜かないでください)。ドアの形状や材質によっては取り付けられない場合があります。
- VS-HC400はワイヤレスドアカメラとモニター親機がペアリング済みです。VS-HC400Kはワイヤレスドアカメラとホームユニット、モニター親機とホームユニットがあらかじめペアリング済みです。
- モニター親機にご自宅のチャイム音をあらかじめ録音して検知機能を設定する必要があります。チャイム音が鳴る機器と同じ部屋の近くにモニター親機を設置してください(距離の目安 1~4m、ただし、チャイムの音量やモニター親機の設置場所周辺の騒音、または部屋(壁などのしきり)のレイアウトによって変わります)。
- 対応のmicroSDカード:microSDHCカード:32GB、microSDXCカード:64GB・128GB
2025年12月15日 防犯
- 記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。