長く使い続けられる、確かな品質を美しさとやさしさを備えたデザイン性
ライフスタイルや住まいの変化により、昨今ではキッチンがくつろぎ空間とオープンにつながるようになってきています。そんな中、冷蔵庫には収納性や冷却性能といった「機能性」だけでなく、見た目の美しさや心地よさを叶える「デザイン性」も求められるようになりました。機能性と安全性を担保しながら、いかに日常に溶け込む上質なデザイン性を実現するか。それも、設計とデザインチームの腕の見せ所です。
美しさに耐久性と安全性を兼ね備えた強化処理ガラス素材
デザイン性を高めるために、一部の機種では扉表面に強化ガラスを採用しています。光を美しく反射し、空間を広く見せるミラー調の光沢デザインと、空間になじむマットな質感で、触感の心地よさとお手入れのしやすさをかなえたフロストデザインを、くらしやインテリアに合わせて選んでいただけます。
またガラスの端面を見せることで奥行きある美しさを表現する工法にこだわるなど、高い意匠性に挑戦し続けています。
ガラス表面に凹凸を付ける処理と、滑らかにする処理の2段階の化学処理を行う「フロスト加工」。指紋や汚れがつきにくく、使い心地も追求しました。
ガラスの端面を見せることで、ガラス素材が持つ美しさを引き出したデザイン。
強さがあるから、美しさが叶う。万が一、のリスクを抑えるための工夫
パナソニック冷蔵庫のガラス扉は、ただ美しいだけではありません。「私たちの商品開発における“大前提”は『安全・安心第一』。例えばビール瓶をぶつけてしまって扉表面が割れ破片が飛び散る、表面のガラスが外れて落下するといったリスクが発生しないか、徹底的に検証を行います」と設計チームの渡海。冷蔵庫に入れるもので一番硬いと思われるビール瓶を実際に扉にぶつける『衝撃強度試験』や、調理中にぶつける可能性もあるフライパンを想定した“鉄球”を扉面に落下させて行う『鉄球落下試験』などを、新商品開発時には必ず実施。大きな衝撃が加わっても、強化ガラスが割れたりヒビが入ったりしないことを確認しています。
約50°の角度から扉にビール瓶をぶつける「衝撃強度試験」。人が歩く速さでビール瓶をぶつけても割れないことを確認。扉中央部だけでなく、ものをぶつけることの多いコーナー部などでも実験を行っている。
心地よく過ごしていただくために“音”にも配慮
収納設計を考えてコンプレッサーを上部に移動させた「トップユニット方式」は、実は重心だけでなく“音”への配慮も重要な課題でした。コンプレッサーが上部にあると、より耳に近い場所で振動音が発生してしまうからです。「コンプレッサーを完全に覆えば音は小さくなりますが、放熱できなくなって冷却効率が下がってしまう」。
そこで音の出にくい方向をミリ単位で割り出し、冷却用の通気口を設けて冷却性能と静音性を両立しました。さまざまな使用シーンを再現し、騒音試験も実施しています。
無響室と呼ばれる部屋で、冷蔵庫本体から発生する音を測定する「騒音試験」。人の耳の高さに近い約1.5mの位置にマイクを設置し、さまざまな回転数でコンプレッサーを動かして検証。国が定めた基準よりも厳しい条件下で振動音が一定以下に収まることを確認しています。