本質価値を研ぎ澄まし、
歯周ケアの機能美を追求
プロダクトデザイン 山村有史
「Pro&Clean」というデザインコンセプトのもと、電動歯ブラシの新たな骨格を生み出した山村さん。細部にまでこだわり抜いた設計思想と、ユーザー視点に寄り添うものづくりへの想いに迫ります。
「持ち方」から見えてきた、
電動歯ブラシの理想のかたち
新たな骨格をデザインするにあたり、最初に行ったのがユーザー調査です。ユーザーさんの頭にカメラをつけて歯磨きをしてもらい、手元の映像を一コマ一コマ切り取って、持ち方を分析しました。
そこで大きく共通していたのは、中腹から下を持つ人が多かったこと。これは、電動歯ブラシならではの特徴だったと思います。
この発見から、手の小さい人でも握りやすい細さや、手の形にフィットする形状を実現したいと考えるようになりました。
理想を形にする
チームドルツの底力
歯周ケアの機能美を追求するために、電動歯ブラシとして目指すべき姿、あるべき姿を、先行開発のデザインモデル※で作成しました。
自由自在にコントロールできる究極の細さ。そして、ブラシを光らせることでより良い磨き方へと導く、後の「ブラッシングナビ」につながるような提案も行っています。
この理想案をどうやって実現していくかは、チームの力を信じて、委ねる形になりました。
※量産時のコストや設計条件にとらわれず、理想的なユーザー体験を追求するために作成された試作モデル
ユーザー目線のデザインは
何気ないインサイトから生まれる
デザインをする上で大事にしているのは、ユーザーの実生活に寄り添うことです。
例えば、家族が使っている旧式の電動歯ブラシを観察したとき、電源ボタンに汚れが溜まっているなとか、台座が汚れているなとか。そういう何気ないインサイトが発想の起点になっています。
お客さまがどう感じているかという部分に、どれだけアンテナを張ってデザインできるか。かっこいい造形を目指すのではなく、「お客さまのことを考えたら、このデザインになった」。そういうデザインがきっといちばんいいデザインなんだと思います。
使うほど手になじむ
理想のフォルム
新しいドルツプレミアムW音波振動※1ハブラシは、とても直感的で使いやすく、理解しやすいデザインになっていると思います。
奥まで、隅々まで届いて、さらに握りやすい。そういった造形を徹底的に追求した結果、今のフォルムにたどり着きました。
使えば使うほど手になじんでいく感覚を、味わっていただけると思っています。
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