Digital FUN!Netflix映画「新幹線大爆破」×有機ELフラグシップモデル Z95B

Netflix映画「新幹線大爆破」樋口真嗣 新発売の4K有機ELビエラ「Z95B」で鑑賞 「ビエラは国の宝です」 Netflix映画「新幹線大爆破」樋口真嗣 新発売の4K有機ELビエラ「Z95B」で鑑賞 「ビエラは国の宝です」

Netflix映画「新幹線大爆破」がNetflixで独占配信中。監督を務めた樋口真嗣さんが新発売の4K有機ELテレビ ビエラ「Z95B」で同作を鑑賞。映像や音質へのこだわりについて、撮影秘話を交えて語ってもらいました。 

[取材・文 / 奥富敏晴 撮影 / 間庭裕基]

──樋口監督には2023年に当時の最新モデル「MZ2500」で「シン・ウルトラマン」をご覧いただきました。その後、事務所にも導入されたとか。今回も新しく発売される「Z95B」の映像や音響面での進化を体感されたそうですね。

うーん……ショックでしたよ! 新しいのがいいのはわかってるんですが、自分の持っているテレビが過去のものになってしまったショックが大きい(笑)。前のも十分よかったわけで、というかよかったと思いたい……。でも、買い替えようとしている人がいるなら絶対「Z95B」がいい。とにかく最大限の性能を出し切っていると思いますし、僕は旬のコンテンツをそのとき一番いいもので観るのが好きです。

──映画監督としてテレビの進化をどう受け止めていますか?

今の「MZ2500」を導入したのは「新幹線大爆破」を準備しているときですから。映画を1本作るよりも早く進化しているわけで……この進化のスピードは末恐ろしい。お願いだから、なくならないでほしい。ビエラは国の宝ですよ。

──今回は「Z95B」で「新幹線大爆破」をご覧いただきながら、映画の裏話をお聞きできればと思います。まずは、のんさん演じる運転士・松本による「ATC開放」、新幹線の自動制御を解除する場面をご覧いただきます。

音込みでここまで家で観られるようになるのはありがたいですねえ。Netflixが対応しているのはドルビーアトモスホームという家庭用の規格で、「新幹線大爆破」の音響ではその環境でどこまでできるか?という実験をひと通りやらせてもらえました。限界まで。事務所での確認用には「MZ2500」を使っていたんですが、音はドルビーアトモスで観ることができなかったんですよ。皮肉なことに、エンコードができないので配信が始まるまではテレビで観るアトモスの確認ができなかった。

──なるほど。

あと、こうして飛ばし飛ばしで観るとバレちゃうんですが、この映画って冒頭から最後にかけて、徐々に音圧を上げていってるんです。観ている間、気付かないうちに、ものすごい音圧の中にいるよう計算してました。だから一旦止めてからとか、途中から観始めると、「うわ! 音がデカい」とうるさく感じるはず(笑)。途中まで観て続きは次の日とかにすると、感覚がリセットされてしまうので、できれば一気に最後まで観てほしいですね。

──樋口監督がこのテレビで聴きたい音響的な注目シーンは?

ある人物の家が盛大に爆破されるシーンですね。たぶん、爆破の直前のやり取りが、この映画で一番静かなシーンなんですね。ほかのところは基本的に走行音がベースとして入ってますが、ここは民家なのでそれがない。最初は踏切やテレビの音もあるんですが、それも消えて、静かになるんです。そして踏切音が再び聞こえ始めて、一番音がミニマムなところから爆発が起こる。その爆破音の余韻に、そのまま音楽が乗り替わるようになってます。

ATC開放・運転室のシーン

家の爆破シーン

──一番のこだわりが新幹線の走行シーンではない、というのが意外でした。

新幹線のシーンは入れる音がある意味はっきりしてますから。走行音は絶対に鳴ってるからそれを入れなきゃいけない、とか。ほかだと、例えば運転室のシーンは高めのキーンという音を入れています。実際に300kmぐらいで走行している新幹線を取材したときに、運転室はガラスのキャノピーが共振してキーンと鳴っていて。音響効果の荒川きよしさんに実際に現場で録ってもらったものを入れました。

──ここまで、あらゆる音が鳴っていると、音響の作業が大変だったのでは。

今回は音楽の岩崎太整さんに、サウンドスーパーバイザーとして音響全体を見てもらったんです。通常だと音楽は音楽、セリフはセリフ、効果音は効果音とそれぞれミキサーの音量調整の担当が分かれているのを1本化しました。セリフは、音楽のミキサーとして有名な佐藤宏明さんを中心に、音楽のボーカルトラックをいじるのと同じアプローチで作ってます。

──どういった利点が?

今までは音1つひとつのボリュームの上げ下げだけでバランスを取っていたんですけど、そうではなく、音の帯域をすみ分けて収めるようにしてます。効果音では使わない帯域に音楽を入れたり。だから、いろんな音や音楽が入っていても、セリフが聞こえやすいんですよね。音の数は多いのに聞き取りづらくないと思います。

──確かにどんな騒音の中でもセリフはくっきり聞こえた印象があります。あと字幕付きで鑑賞していて気付いたのですが、「あれ? こんなことしゃべってたんだ」と思うような背景のセリフ、特に専門用語がとても多いですよね。

いっぱいしゃべってますね。もうセリフの半分くらいは聞かせなくてもいいと言いますか、情報としてはそこにあればいいと思ってました。それで言うと、東京駅で東北新幹線と東海道新幹線の線路をつなげようとする作戦があるじゃないですか。これについて「東北と東海道は周波数が50Hzと60Hzで違うからつなげても動かないはず」という指摘も多いんですが、実は「50 / 60対応のE7の救援車両を出せるか検討してくれ」(本編1:18:56地点)という説明のセリフを入れていて。プランとして、2つの周波数に対応した北陸新幹線の車両で「はやぶさ60号」を後ろから押すというのはあるんです。そこは鉄オタ上がりの映画人を侮るんじゃない!と(笑)。

──そのあたりのセリフは台本には書かれていたんでしょうか?

いえ、台本に書いちゃうと、ページ数が増えるので。プロデューサーはまずページ数を見るので、ページ数が膨らむと「長いから切れ」と言われてしまう(笑)。切られたくないから、台本からは外しておいて、アフレコの段階でセリフを足してます。

あまり大きな声では言えないけど、このテレビならサウンドバーも必要ないかもしれませんね。音響をアップグレードしたい人がいたら、あれこれそろえるよりこれ1台あれば十分いい。

──「Z95B」ではビエラで初めて新世代の有機ELパネル「プライマリーRGBタンデム」を導入し、今まで以上に明るい光が生み出せるようになっています。「新幹線大爆破」では車内でのレンズフレアやヘッドライトの光、後半の夕焼けなど、光が印象的な瞬間も多いですよね。

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今回はAtlasという新興メーカーのアナモルフィックレンズを使って撮っているんですが、これがものすごいじゃじゃ馬で。とんでもなくフレアが入るんですよね。レンズフレアはかっこいいのでなるべく生かしたいけど、ピーキーすぎてコントロールできないほど入っちゃうんです。新幹線統括本部長がJR東日本の本部会議室に入る場面とか、窓の外からブラインド越しに入る光のフレアが外の直射日光を拾って、画面全体にブラインドの羽根1枚1枚の形がわかるほどのフレアになってしまい、あとで役者さんの顔にかかる部分のフレアだけ消したりしてます。

*映画用フォーマットである横長のシネマスコープ映像を撮影するために開発されたレンズ。映像に光線状のフレアが発生しやすいのが特徴。

──すごい! 一瞬ですが、光の線が大量に走りますね。では光の描写で、樋口監督が「Z95B」で観たいシーンはどこでしょうか?

指令所で最後の作戦を思いつくところ、そこの夕焼けですね。

──観てみましょう。

いや、見事です。編集では2年前のテレビで家庭での見え方を確認していたので、進化したテレビだと全然違うものに見えたらどうしよう?と思ってましたが、狙った輝度はそのままに、よりよくなってますね。いたずらにビカビカもしてない。

──このあたりのシーンは、いろんな場所で夕日がつながっています。

もちろん時間帯がそうだから、どこも夕景なんですが、夜になる前のここの夕景に向けて会話のピークを持ってきてます。指令所はセットですが、本物はこんなに光が入る部屋にはなってないそうです。外の環境が中に影響するのは仕事場としてよくないそうで、差し込む夕日は映画の嘘ですね。

夕景の指令室シーン

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──ではクライマックスの新幹線大爆破シーンも観ていただきます。

遠くに見えるサーチライトの白い光がいいですね。「MZ2500」ではこんな鋭さは出てなかったですし、ここまでまぶしくなかった。「Z95B」でちゃんと表現できているのはうれしいですね。やっぱいいなあ、これ……。

──今回は「新幹線大爆破」をご覧いただきましたが、「Z95B」で観たい映画を樋口監督が作るなら?

「スター・ウォーズ」みたいな映画をやりたいですね。一番好きなのはエピソード4の最後のデス・スター攻略戦。あのトレンチ(溝)の中を進むシーンが延々と観ていたいくらい好き。日本映画はもちろん、最近は宇宙船同士がひたすら戦うSFが少ない気がしていて。日本は今なら「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」とかアニメはいっぱいあると思うんですけど、実写でも宇宙空間の戦闘を観たい。宇宙の黒や星の光も、ビエラの性能が一番発揮されるんじゃないでしょうか。

  • さまざまな表情を見せる草彅剛演じる車掌・高市(右)。樋口監督お気に入りの瞬間はぜひ本編で確認してほしい
  • Netflix映画「新幹線大爆破」場面写真
  • 複数の光源からレンズフレアが出ているシーンの1つ

樋口真嗣(ヒグチシンジ)

1965年9月22日、東京都生まれ。1984年「ゴジラ」に造形助手として参加し、映画界入り。特撮監督を務めた「平成ガメラ」3部作で注目を集め、2005年に「ローレライ」で長編映画監督デビューを果たす。以降「日本沈没」、「のぼうの城」(犬童一心と共同監督)、「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」2部作などで監督を務める。2017年には「シン・ゴジラ」で総監督の庵野秀明とともに日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞。2018年にはテレビアニメ「ひそねとまそたん」で総監督を務め、2022年には「シン・ウルトラマン」を発表した。東映の同名映画をリブートした「新幹線大爆破」で初めてNetflix映画を監督。

Netflix映画「新幹線大爆破」

Netflixにて独占配信中

<ストーリー>
JR東日本にかかってきた1本の脅迫電話。爆弾が東京行きの新幹線に仕掛けられ、速度が時速100kmを下回ると爆発するという状況下、車内はパニック状態に陥る。時間との闘いの中、鉄道人たちは乗客全員を救うべく奔走する。

<スタッフ / キャスト>
原作:東映映画「新幹線大爆破」(1975年)
監督:樋口真嗣
脚本:中川和博、大庭功睦
出演:草彅剛、細田佳央太、のん、要潤、尾野真千子、豊嶋花、黒田大輔、松尾諭、大後寿々花、尾上松也、六平直政、ピエール瀧、坂東彌十郎、斎藤工ほか

プライマリーRGBタンデム搭載
有機ELフラグシップモデル Z95B

・4層構造の「プライマリーRGBタンデム」が生む、鮮やかな高画質
・スピーカーの配置にこだわった新音響システム「360立体音響サウンドシステム+」
・テレビ番組もネット動画も同じ画面で表示、サクサク選べる「Fire TV」
・地震がきても、倒れにくい安心設計「転倒防止スタンド

※転倒防止スタンドは、いかなる条件においても転倒・落下しないことを保証するものではありません。また、当社は、災害等によるテレビの転倒・落下に伴う損害については補償いたしかねます。使用上の注意を十分ご確認のうえ、ご使用ください。

Z95B ラインアップ

• シーン写真、機能説明写真はイメージです。
• 製品の定格およびデザインは改善等のため予告なく変更する場合があります。
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