NEW 写真家が魅せる LUMIX G9PROIIの進化論 写真家の証言 #1

写真家が魅せる  LUMIX G9PROIIの進化論 写真家の証言 #1 写真家が魅せる  LUMIX G9PROIIの進化論 写真家の証言 #1

写真家の証言 #1
「モノクローム系フォトスタイルで世界観を表現できる」
By 中藤 毅彦

作品づくりには妥協はいらない

世界各国でモノクロ写真をメインに数々の作品を生み出している写真家の中藤毅彦さん。スナップシューターとしてまさに「伝説」の域に達している中藤さんだが、独特な世界観のある写真とその作風は、世界中の人から愛されている。
そんな中藤さんは日頃からどんなところにポイントを置いて作品を撮っているのか。

「街中での撮影が多いので、やはり小型かつ軽量なカメラをまず選びたいです。街中でのスナップには人物撮影も含まれます。当たり前ですが『はじめまして』の人なのでいかに短い時間でリラックスしてもらえるかがポイントになります。あまり大きなカメラだとカメラの存在感が大きく警戒されてしまうこともあります。ですので、小さいカメラがいいですね。さらにモノクロを中心に作品を撮っていますので、モノクロ機能が充実しているカメラは使いやすいです。今はミラーレスカメラが主体なので、電子ビューファインダーが撮影時にモノクロになっています。とてもイメージしやすいので、さらに自分の世界観を表現しやすいですね」

長髪の異国人男性
F1.8 1/3200秒 ISO200 ©中藤毅彦
中藤毅彦

卓越したモノクロ表現のしやすさ

カメラへのこだわりがある中藤さん。そんな中藤さんにとって今回のLUMIX G9PROIIはどんなカメラだったのだろうか。

「このカメラを持ってシカゴに行って作品を撮ったのですが、搭載されている『フォトスタイル』がとても良かったですね。LUMIXシリーズは『L.モノクローム』という優れたモノクロシミュレーションが搭載されていましたが、このカメラから『ライカモノクローム』というフォトスタイルが追加されました。『L.モノクローム』よりもさらにコントラストの強さを感じるモノクロ写真が撮れるので個人的には非常に気に入りました。モノクロームらしい白と黒のコントラストが繊細に描かれているのに、トーンに力強さがあります。
他メーカーには『モノクローム専用カメラ』の設定がありますが、LUMIX G9PROIIなら、それらのカメラと引けを足らないモノクロ写真を撮ることが可能です。それだけ完成度が高い。そして一番の魅力は、ボディー内で細かい味つけができることですね。モノクロ写真は、個性が出やすい写真でもあります。このカメラなら、ひとりひとりの『好み』をフォトスタイルの設定で細かく調整できます。例えば粒状の有無やコントラストの強弱など調整できるパラメーターが多いので、これからモノクロ写真をメインで作品を作り込みたい人にオススメできるカメラです。
ちなみにカラーのフォトスタイル『スタンダード』でも作品を撮っているのですが、見た色がそのまましっかりと記録されているイメージで好感が持てました。忠実に色を再現されていることは重要です。そこから自分に合った『フォトスタイル』で追い込んでいくのものよし、使いこなしたいフォトスタイルを追い込んでいくのもよし。自分専用にしていく楽しさがありますね」

街の風景写真
F7.1 1/100秒 ISO1600 ©中藤 毅彦
フルートを吹く異国人男性
F2.5 1/1600秒 ISO400 ©中藤毅彦
川下りをするカップル
F11 1/250秒 ISO400 ©中藤毅彦
遊園地
F6.3 1/3200秒 ISO800 ©中藤毅彦

AF性能の良さが安心感をくれる

LUMIX G9PROIIから採用された像面位相差AFの恩恵を感じることはできたのか。

「AF性能に関しては狙ったところにスピーディに合焦するので、ストレスなく使えましたね。従来モデルよりも合焦速度も上がっています。夜間撮影や暗い店内での撮影もありましたが、低照度での合焦率がよかったのも驚きです。瞬発力が上がったことで『撮りこぼし』が少なくなり、作品のバリエーションが増えますね。このあたりは、スナップ撮影にはとても重要です。地味に使い勝手がいいと感じたのは、ジョイスティックです。任意でAFを合わせたいシーンでしっかりとAFポイントを移動できます。また配置がいいので自然に使えるのがいいですね」

都会の夜景
F1.7 1/40秒 ISO6400 ©中藤毅彦
ビリヤードをする男性たち
F1.7 1/250秒 ISO12800 ©中藤毅彦
煙草を燻らす雰囲気のある老人
F1.7 1/1600秒 ISO12800 ©中藤毅彦

高性能なレンズ群がいい

そう話してくれた中藤さん。スナップ撮影でも十分に対応できる基本性能があることがうかがえる。レンズに関してはどうだったのだろうか。

「今回の撮影では、LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.をメインに撮影を行いましたが、このレンズはすごいレンズです(笑)。まず開放値が通しでF1.7とかなり明るいので、スナップ、ポートレートなど様々なシーンで使えます。焦点距離も35mm判換算で20-50mm相当ですので、スナップには最適な焦点距離でした。開放値からとにかくシャープながらもボケ味は自然で厚みがあります。点光源なども破綻することなく美しいです。それでいて逆光耐性が高い。まさに死角のないオールマイティーなズームレンズですね。唯一気になったのは大きさですが、性能とのトレードだと思えば、十分に我満できる範囲です。LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH.も少し使いましたが、軽量かつコンパクトな筐体なので、ポケットに忍ばせておける大きさです。超広角ならではの迫力のある画が撮れるので気に入りました。LUMIX Gシリーズは豊富なレンズ群があるので、自分の撮りたい分野に合わせて、レンズをセレクトできるのが楽しいです。さらに価格も比較的安価なものが多いので揃えやすいですし」

見つめる異国の若い女性
F1.7 1/3200秒 ISO200 ©中藤毅彦
夜の異国風景
F2.2 1/1600秒 ISO6400 ©中藤毅彦
ギターを弾く豹柄の服を着た異国の人
F1.7 1/125秒 ISO12800 ©中藤毅彦
対岸にビルが建ち並ぶ海
F1.7 1/1600秒 ISO800 ©中藤毅彦
中藤毅彦

●文/大貝篤史 写真/中藤毅彦

■写真家プロフィール

中藤 毅彦 Takehiko Nakafuji

東京生まれ。早稲田大学第一文学部中退。その後東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。都市スナップを中心に作品を多数発表。国内外問わず、その土地の生活空間を象徴するような空気感の漂う作品を撮る。作家活動とともに東京にてギャラリー・ニエプスを運営。展示やワークショップを多数開催。

■LUMIX G9PROIIと使用したレンズ

LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.
(H-X1025)

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