NEW 写真家が魅せる LUMIX G9PROIIの進化論 写真家の証言 #6

写真家が魅せる LUMIX G9PROIIの進化論 写真家の証言 #6 写真家が魅せる LUMIX G9PROIIの進化論 写真家の証言 #6

写真家の証言 #6
「車動認識AFによりフレーミングの自由度が上がる」 By 田村 弥

失敗の許されないレース撮影

さまざまなレースシーンで迫力のあるレーシングカーの撮影を行っているモータースポーツ写真家の田村弥さん。刻々と変わる撮影環境で撮影するためには「タフなカメラ」が要求される。失敗が許されないジャンルだけに、信頼できる相棒が必要になるのだ。

「とにかく信頼性の高いカメラが必要です。モータースポーツシーンはカメラの総合力が試される場所ですね。レースはある程度コンディションが悪くても実施されることが多いので、突然の雨などにもコース上で対応しなければなりません。晴れても夏場の場合には炎天下の中で撮り続けることもよくあることです。我々フォトグラファーもタフでないといけませんが、カメラもタフでないと瞬間を切り抜くことができません。基礎体力の高いカメラを使うことで、それらの環境でもしっかりと撮影できます」

フェンス脇でカメラをかまえる男性

車認識AFの魅力

今回のLUMIX G9PROIIで気に入ったポイントはどのあたりだったのだろうか。

「LUMIX G9 PROとの大きな違いとして感じたのは『AF性能の向上』です。従来の空間認識AFに加え、像面位相差AFが追加されたことで、格段にAF性能が向上しています。今までだと、逆光で点光源(例えばクルマのヘッドライト)などがあると、どうしても迷いがちだったのですが、このカメラの場合には、同じようなシーンでも、ヒット率は格段にアップしています。またLUMIX G9PROIIからは自動認識AFに『車』が追加されたことは興味深かったです。実際にサーキット撮影で使用してみたのですが、ファインダー内にしっかりとクルマがあれば、高い精度でクルマを認識してAF枠が追従してくれます。コツとしては、最初から狙ったクルマをカメラが認識してAF追従ができていることですね。使いこなすことで、アングルの自由度があがり、自分の撮りたい瞬間をしっかりと撮れ、機会損失が減ります。撮影に慣れてくれば、さらに自身のオリジナルを追求することができます。このAFシステムがそなわったことで、レース写真を撮りたいビギナーの負担は大幅に軽減し、さらにステップアップの機能としても期待できます。プロである僕もこの機能をしっかりと使いこなし、理解することで、今までとは違う写真を撮ることができる可能性を秘めていますよ」

フェンス脇でカメラをかまえる男性
フェンス脇でカメラをかまえる男性
F6.3 1/500秒 ISO400 ©田村弥
フェンス脇でカメラをかまえる男性
F10 1/250秒 ISO80 ©田村弥

カメラとしての基礎体力の高さ

今回の進化ポイントである像面位相差AFの恩恵以外にも、マイクロフォーサーズ・カメラだからこそのメリットがあるという。

「とにかくカメラシステムもコンパクトで扱いやすいですね。サーキットでの撮影の場合には、施設内を徒歩で移動しなければならないことがあります。サーキットは結構広いので、身体の負担もあります。そのときに軽い機材であることは、その分動きやすくなるということなので、撮影のバリエーションが出ることにつながります。さらに、LUMIX G9PROIIなら防塵・防滴性能が優れているため、急な雨などにも対応可能です。純正の高性能レンズはほとんど防塵・防滴仕様なので、安心感があります。今回の撮影も天候が変わり、雨が降り出しましたが、それほど濡れていることを意識せず、撮影に集中できました。
また、ボディーデザインが気に入りました。特にボタン類の配置は非常にいいですね。右手だけでほとんどの操作ができてしまう。特にAF-SやAF-Cの切り替えボタンがジョイスティックの上部にあります。自然と親指がいくところにあるので、ノールックでの切り替えが直感的にできます。一瞬でも逃したくないレース撮影では、こういう細かい配慮が意味を持っています。いいカメラですよ」

フェンス脇でカメラをかまえる男性
F5.1 1/125秒 ISO50 ©田村弥
フェンス脇でカメラをかまえる男性
F6.3 1/800秒 ISO100 ©田村 弥

超望遠レンズでも手軽に使える

I型から定評のあった超望遠ズームレンズ「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.」だが、II型になってどのような印象をもったのか。

「このレンズのI型はよく使っているのですが、II型になってもその描写力はすばらしく十分に満足いくレンズでした。このレンズのような高倍率望遠ズームレンズの場合には、中間部分の描写が甘くなることがあるのですが、このレンズに限ってはそのようなことはなく、全域の焦点距離でその描写力が楽しめます。
また、テレコン対応になったことで、最大1600mm(35㎜判換算)の超望遠レンズとしても使うことができるようになりました。テレコンを常用することはありませんが、いざというときに使えるのと使えないのでは、やはり使える方がいいですよね(笑)。使い勝手の部分もしっかりバージョンアップできているのがいいです。
また、LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.関しては、この小型かつ軽量な筐体で通しF2.8なのは今でも信じられません(笑)。ボケ味も非常にふんわりしていて気持ちのいいボケです。まるで単焦点レンズを使用しているかの優しいボケで使いたくなるレンズです。どちらのレンズも光学式手ブレ補正機構を搭載しているので、LUMIX G9PROIIと組み合わせることで強力な手ブレ補正を実現する『Dual I.S. 2』で使用できるのがいいですね」

フェンス脇でカメラをかまえる男性
F4 1/800 ISO6400 ©田村弥
フェンス脇でカメラをかまえる男性
F9 1/500秒 ISO200 ©田村弥

最後に田村さんが「今回のレースはこのカメラを使って撮影した写真をクライアントにしっかりと納品できました。これって普通のことかもしれませんが、プロの仕事にも十分に対応できるカメラだということを意味します。LUMIX Gシリーズもドンドン進化してるんですね」と真剣な眼差しで話してくれた。

ノートパソコンを操作する男性

●撮影協力/BMW M Team Studie、富士スピードウエイ
●文/大貝篤史 写真/田村 弥

■写真家プロフィール

田村 弥 Wataru Tamura

神奈川県生まれ。高校時代からモータースポーツに興味を持ち、サーキット場に通い詰め、レース撮影を始める。モータースポーツ写真家の小林稔氏を師事。その後独立し、自動車専門誌を中心に活躍している。自身も大の車好きで旧車を乗り回す。日本レース写真家協会会員。

■LUMIX G9PROIIと使用したレンズ

LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.(H-RSA100400)

LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.(H-ES35100)

  • 写真WEBサイト orphotograph掲載内容を再構成しています。
  • 掲載作品の著作権は写真家に帰属します。

写真家の証言 #1
「モノクローム系フォトスタイルで世界観を表現できる」
By 中藤 毅彦

写真家の証言#2
「手ブレ補正機構が優秀で超望遠レンズでも安心感がある」
By A☆50/Akira Igarashi

写真家の証言 #3
「プリ連写など進化したAFシステムで決定的瞬間を捉える」
By COZY OGAWA

写真家の証言 #4
「スキーントーンがしっかりと描けるので画に厚みを感じる」
By 高桑 正義

写真家の証言 #5
「精度の高いAF性能であらゆる鉄道写真シーンが撮影できる」
By 高屋 力