NEW 写真家が魅せる LUMIX G9PROIIの進化論 写真家の証言 #4
写真家の証言 #4
「スキーントーンがしっかりと描けるので画に厚みを感じる」
By 高桑 正義
人肌表現が重要
スキントーンを大事にする「ビューティ」という分野できめ細かなポートレート撮影を行っている写真家の高桑正義さん。スタジオでの撮影から外ロケまで、あらゆる光源の下でも極限まで美しさを追求する撮影スタイルは多くのポートレートファンから支持されている。
「ポートレート撮影において重要なのは、やはりモデルの肌表現がどこまでできるのかだと思います。撮影の内容によってはメイクを強めに行うケースもありますし、素材を生かしたナチュラルメイクの場合がある。どんなシチュエーションでも被写体が美しくあることが重要ですね。外ロケなら自然光、スタジオならライティング。光をしっかりと操ることで、作品の完成度が変わっていく。そこに醍醐味があると思います」
中判カメラのような繊細さ
LUMIX G9PROIIの「人肌表現」にはどんな印象を受けたのか。
「スキントーンに関しては、とてもきれいに描かれていて正直びっくりしました。センサーサイズがマイクロフォーサーズであることが前提で撮影していたので、ここまで階調感を感じる絵づくりになるとは思っていなかったですね。掲載している作品をみてもらえばわかりますが、日の光で少しずつ変化する肌の質感をしっかりと描けています。徐々に変わっていく人肌の生き生きした感じが失われていないと、立体感をしっかりと感じることができ、写真が踊ります。 注目してほしいのは、『髪の毛』の質感です。一本一本繊細に描かれているあたりは、どこか中判カメラで撮影したかのような印象すら感じますね。こういう細かいことの積み重ねが、写真全体に影響を与えるのがポートレート写真です。APS-Cセンサーなどフルサイズセンサーに比べると小さなカメラも多く存在します。センサーサイズが小さいからと行って、必ずしも選択肢に上がらないというわけではなく、使い分けが重要です」
ポートレートに必要な要素がある
それ以外にもポートレート撮影に最適なポイントがたくさんあると高桑さんは話す。
「進化を感じたのは『AF性能』ですね。従来のAFシステムに像面位相差AFが追加されたことに加えて、今回、人物を認識する性能自体も向上したことで、人を捉え続けることが容易になりました。砂浜を動き回るモデルにもしっかりと追従し続けるし、合焦精度がいい。これなら実践で十分使えるAF性能ですね。どんなに画づくりがよくても、AFのヒット率が低いカメラは振り回せません。そうなると、単調な画角ばかりになりがちで、結局バリエーションが稼げません。外ロケでの躍動感がある写真を撮りたいならLUMIX G9PROIIはオススメできます。
さらに、ボディー内5軸手ブレ補正機能が非常に優秀ですね。ポートレートなので、中望遠レンズを使用することが多いのですが、そんなときでもしっかりと像が止まってくれるので、結果高精細な写真を撮影できます。今回の撮影は比較的天気に恵まれたので良かったですが、曇って薄暗かったり、夜間時の撮影だったりすることがあります。そういうシーンでは、どうしてもシャッタースピードが遅くなりがちです。感度を上げればいいのでしょうが、あまりあげるとノイズが気になる……。そんなシーンでは、強力な手ブレ補正機能は強力な武器になります」
単焦点レンズの豊富さがいい
人肌表現にはレンズの性能も重要になるが、ライカブランドを冠するLUMIX Gシリーズレンズの印象はどうだったのだろうか。
「今回の撮影で一通り使わせてもらいましたが、一番気に入ったのはLEICA DGNOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.です。このレンズは開放付近でのボケ味がよく、積極的に開放から使いたくなるレンズです。ピント面は比較的シャープで、ボケは少し柔らかくなります。このあたりは個人的に好きですね。絞り込むと全体的な解像感がアップするので、絞り操作で楽しめます。LUMIX Gシリーズは、単焦点レンズが充実しているのがいいですね。どれも開放値が明るいので、ポートレート向きです。なんと言ってもどの単焦点レンズもフルサイズ用に比べると『軽い』です。これは外ロケ時にはとても有効ですね。あれだけのレンズを現場に持ち込んでも、カメラバッグにすべて収まってしまう。写りも良くて軽いなら、それに越したことはありませんから」
●モデル/榊原美紅 ヘアメイク/川口陽子 スタイリスト/博多屋あい
●文/大貝篤史 写真/高桑 正義
■写真家プロフィール
高桑 正義 Seigi Takakuwa
1980年生まれ。大学を卒業後、印刷会社に入社。その後、アシスタントを経て独立。ビューティ系フォトグラファーとして活躍。現在はファッション系広告案件や雑誌・カタログなどで撮影し、幅広いジャンルに精通。また自社スタイジオではライティングのワークショップなどを意欲的に行っている。
■LUMIX G9PROIIと使用したレンズ
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