S5Ⅱ/S5ⅡX開発者インタビュー コンセプト編

コンセプト編 コンセプト編
コンセプト編
静止画・動画性能編
AF・手ブレ補正編
外装・デザイン編

常に進化し続けるSシリーズシステムを実感してほしい。

─ Sシリーズについて、これまでの経緯をお聞かせください。

渡邊:LUMIXはS1とS1Rという2機種でフルサイズミラーレスカメラに参入しました。このカテゴリーでは最後発ということもあり、我々に出来得るフルスイングの性能で送り出すというコンセプトで開発させていただきました。
商品発売後は、その高い性能と信頼性に対して評価頂いた反面、サイズ面などのネガティブなご意見もありました。それがS5につながっています。S1R、S1はハイレベルのプロユーザー層がターゲットでありましたが、S5においては、その機能や性能を余すことなく小型・軽量のボディに凝縮し、より広いユーザーにお届けするということを基本コンセプトとし、開発しました。

渡邊 慎治(商品企画担当)
渡邊 慎治(商品企画担当)

─ S5Ⅱをどんなユーザー層に使用してほしいですか?

渡邊:S5Ⅱは他社製品からの乗り換えやミラーレス一眼を初めて使うユーザーを基本的なターゲットユーザーとしています。S5Ⅱの大きな進化ポイントは、LUMIX初となる像面位相差AFを搭載し、更に静止画の連写撮影も約30コマ/秒を実現するなど、これまで足らずを感じてきておられた動きものを撮影するユーザーの方にも満足いただけると思います。

─ 新しいエンジンはライカカメラ社との協業で開発されたそうですが。

渡邊:今回S5Ⅱに搭載したエンジンはライカカメラ社とパナソニックで共同開発した画像処理エンジンで、L2 Technology(エル・スクエアテクノロジー)エンジンという呼び方をしています。
これまで両者でそれぞれ培った画像処理のノウハウがあるので、そういったものを結集して、…精度であるとか、高速な演算処理とか、お互いの得意な部分を結集させて新たに開発したのがL2 Technologyエンジンです。

─ 動画性能も強化されているそうですね。

渡邊:S5ⅡではC4K 60p/50p 4:2:2 10bit無制限記録、6K 30p/25p 4:2:0 10bitの記録が可能です。ありがたいことに、ユーザーからはLUMIXといえば動画というイメージを持っていただけています。また昨今の市場の変化においても、より静止画と動画の親和性が高まっており、両方をシームレスに使いこなすユーザーが増えています。LUMIXの強みである動画に関しては出し惜しみをせず、更にそういったハイブリッドなユーザーにマッチする製品をご提供するということで、S5Ⅱにおいてもこれだけの仕様を入れました。

─ S5ⅡXを同時発表しましたが、S5Ⅱとの違いは?

渡邊:同時発表したS5ⅡXでは、特に動画について、より高度な部分がステップアップされた仕様になっています。S5Ⅱとの具体的な違いは、動画性能とブラックエディションの外装デザインです。具体的に、高画質で動画編集にも適したProRes動画記録や高い圧縮率で記録できるAll-Intra動画記録などのハイグレードな動画撮影が可能になるのと、さらに、カメラから有線/無線で直接動画のライブ配信が行えたり、USBテザリングも可能など動画配信者向けの機能も搭載しています。
外装デザインについては、映像表現は基本的にクリエイターが主役で、カメラやレンズは創作の道具だという考え方である、LUMIXのデザインフィロソフィーである「無心」というキーワードのもと、クオリティの高い動画撮影を求めるクリエイターに向けたデザインとして、ブラックで統一されたデザインとしています。

─ S5ⅡXを同時発表しましたが、S5Ⅱとの違いは?

渡邊:同時発表したS5ⅡXでは、特に動画について、より高度な部分がステップアップされた仕様になっています。S5Ⅱとの具体的な違いは、動画性能とブラックエディションの外装デザインです。具体的に、高画質で動画編集にも適したProRes動画記録や高い圧縮率で記録できるAll-Intra動画記録などのハイグレードな動画撮影が可能になるのと、さらに、カメラから有線/無線で直接動画のライブ配信が行えたり、USBテザリングも可能など動画配信者向けの機能も搭載しています。
外装デザインについては、映像表現は基本的にクリエイターが主役で、カメラやレンズは創作の道具だという考え方である、LUMIXのデザインフィロソフィーである「無心」というキーワードのもと、クオリティの高い動画撮影を求めるクリエイターに向けたデザインとして、ブラックで統一されたデザインとしています。

ユーザーの皆様と共に、LUMIXも新たなフェーズへと踏み出していきたい。

─ 従来機S5で好評だった点をお聞かせください。

塩見:Sシリーズの中でも、S5はオールラウンドかつ小型・軽量ということもあるのですが、もう少し踏み込むとユーザーから評価が高い点が2つあります。
ひとつは画質で、特に色表現やグラデーション、階調表現に関して、高い評価をいただいております。マイクロフォーサーズのG9 PROから、絵作り思想「生命力・生命美」を確立したのですが、そこからご愛用いただいているユーザーがそのままフルサイズに乗り換えられること。またフルサイズは、LUMIXならではの優れた色表現に加えて、センサーの持っている情報量の多さやボケ表現がプラスされるので、さらにユーザーの表現が拡がると好評いただいております。また、S5で初めてLUMIXに触れた方からは、撮って出しに生かされるカラーサイエンスに驚きの声もあり、また、LogやRAWといった素材編集の自由度の高さも評価いただいています。
もうひとつは手ブレ補正です。LUMIXでは従来からDual I.S.でレンズとボディの協調制御を行ってきたのですが、フルサイズでも手ブレ補正の精度で高い評価をいただいています。

塩見 記章(マーケティング担当)
塩見 記章(マーケティング担当)

─ どのようなユーザー層を想定していますか?

塩見:S5ⅡはS5と比較して、画質の進化はもちろん、像面位相差AFが加わって進化したリアルタイム認識AFが搭載され、手ブレ補正もさらに強化されています。従来機の場合は、独特なAFの挙動に対してマニュアルフォーカスを選択せざるを得ない場面があったり、手ブレ補正についてもジンバルなどのアクセサリを活用せざるを得ない場面があり、ユーザーが作品を制作する際に、機材制約によって一歩踏みとどまってしまうシーンがあったのではないか、と思います。S5Ⅱは、AFも手ブレ補正も、ある程度カメラに任せることができるようになったことで、ユーザーが本来発揮したいと願うクリエイティビティに集中することができるように、お手伝いができると考えています。
そのため、カメラへのリテラシーが高いハイアマチュアの方に使いこなしていただくのはもちろん、初めてフルサイズカメラで作品を制作したい、大切な思い出を記録したいと願うエントリーのユーザーの方にも手に取っていただきたいと考えています。

─ 価格設定についてはいかがでしょうか。

塩見:まず、今回、私たちがターゲットとしているお客様は、いきなりフルサイズ一眼カメラを購入する方々です。
以前はAPS-C機から入門して、腕を磨きながら、いつかはフルサイズという流れがあったのですが、フルサイズでもお求めやすい商品が市場にあること、かつユーザビリティが向上して、操作が難しくなくなってきたことなどが理由で、一足飛びにフルサイズカメラをご購入される方が近年急増しています。
次にターゲットとしているお客様は、2台目のカメラをご検討されている方々です。1台目を購入される際は、まだ、ご自身の経験もないので、ご友人の話を聞いたり、WEBなどで口コミを見たりしてご購入される場合がほとんどですが、使っているうちにやりたいことや表現したいものに気が付いていく。その時に2台目を検討される方は、メーカーを決め打ちせず、一度フラットに見る、ということがユーザー調査で分かってまいりました。
そういった方々にとって購入の際に重要なポイントとしては、スペックはもちろんですが、やはりコストパフォーマンスです。初めての方はもちろんですし、2台目を検討される方は、まだレンズ資産が揃っていないので乗り換えしやすい。そういった方々にお手に取っていただけるよう、お求めやすい価格を設定いたしました。また最初に揃えるレンズは標準ズームと50mm単焦点レンズであろうと考え、ダブルレンズキットも設定しています。

─ S5Ⅱを使用することで、撮影スタイルはどう変わりますか?

塩見:上記の通り、S5Ⅱは定評のある画質に加えて、AFや手ブレ補正がある程度カメラ任せにできるため、今まで、遠慮してきた、あるいは諦めていたような新たな表現にチャレンジいただけるのではないかと考えています。LUMIX S5Ⅱを通して、ユーザーの皆様の表現自体が新たなフェーズへと進むと同時に、私たちもユーザーの皆様と共に、新たなフェーズへと踏み出していきたいと思います。

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