毎日のオーラルケアを電動歯ブラシで

市場ではさまざまな電動歯ブラシが発売されており、最近ではスマートフォンアプリと連携して磨き残しを教えてくれる機能や、適度なブラッシング圧をガイドしてくれる高機能なものまで登場しています。これらのアイテムをうまく取り入れることで、オーラルケアの質を高めることができます。

手磨きと電動歯ブラシの違い

電動歯ブラシの一番の特長は、短時間で効率的なブラッシングを行えることです。手磨きの場合、「1回あたり5分以上」が理想とされていますが、忙しい毎日を過ごす中ではなかなか難しいのが実情です。

その点、電動歯ブラシは圧倒的なスピードで振動するので、高い清掃効率が期待できます。特にブラシの毛先が届きにくい歯間や歯周ポケットなどの部位は、手磨きではブラシを細かく動かすことが難しく、磨き残しが出てしまいがちです。
一方、電動歯ブラシの場合、ブラシ自体が細かく動いてくれるため、ブラシの毛先を適切な部位に当てることだけに集中でき、磨き残しが低減するといわれています。

電動歯ブラシにもさまざまなタイプがありますので、かかりつけの歯科医院で相談し、アドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

手磨きと電動歯ブラシのイラスト

歯ぐき(歯肉)への負担

電動歯ブラシを用いる際に意外と意識できていないのが、普通の手磨きとは「磨き方が違う」ということです。

電動歯ブラシは歯ブラシ自体が動くので、手磨きのようにゴシゴシと動かす必要はありません。歯や歯と歯ぐきの境目に当てることを意識して、1本1本丁寧に磨く感覚が大事です。しっかりと汚れを落としたいと思うあまり、ブラシを強く押し付けてしまうとブラシが振動できなくなり、かえって清掃効果が減少してしまいます。

そして、強すぎるブラッシング圧は歯ぐきを傷つけてしまう危険もあります。電動歯ブラシはブラシの毛先が細かく高速で動くため、強い力は不要です。
押し付け防止機能が搭載された電動歯ブラシも多く販売されているのでおすすめです。

電動歯ブラシで歯を磨いているイラスト

電動歯ブラシ使用時の歯磨き剤の選び方

歯磨き剤にはたくさんの種類がありますが、歯周病予防のための歯磨き剤には抗炎症成分や殺菌剤、歯ぐき(歯肉)の血行促進剤、そして、むし歯予防のための歯磨き剤には高濃度のフッ素などが含まれています。これらの有効成分には一定の効果があることが認められているので、電動歯ブラシの場合でも、歯磨き剤の積極的なご使用をおすすめします。

ただし、歯磨き剤の種類には注意が必要です。電動歯ブラシの場合、ブラシの振動が早いため、歯や歯ぐきを痛めないように、ヤニ取り用や美白用など研磨剤が多く含まれているものはお控えください。

電動歯ブラシのタイプについて

電動歯ブラシは、駆動方式によって大きく3つのタイプに分けることができます。ご自身の口腔環境や目的に合ったものを選ぶことが大切です。

バス・スクラビング方式​

歯周ケアに最適といわれるバス法やスクラビング法の動きを再現した駆動方式です。特に歯と歯ぐき(歯肉)の境目に対して、斜め45°の角度でブラシを当てることで、歯周ポケット内まで毛先が入り込み、プラーク※1をかき出すことができます。振動幅が細かいものは、歯ぐきにやさしい使用感が特徴です。

※1 プラークとは歯垢のこと。

バス・スクラビング方式​のイメージイラスト

ローリング方式

歯ブラシの毛先を歯に平行に当て、毛先を歯肉に軽く押し当てるようにして磨くことで、歯ぐき(歯肉)と歯の表面を同時に清掃できます。ブラシの振動の幅が大きいため、ブラシを上手く当てることが苦手な初心者でも、比較的かんたんに一定レベルまで歯垢除去ができることがメリットです。

ローリング方式のイメージイラスト

回転式

丸型ブラシが高速で回転しながら、歯の表面の歯垢を落とします。ブラシで歯を1本ずつ包み込むように磨くため、むし歯予防に適しています。パワフルな磨き心地が特徴です。

回転式のイメージイラスト

お話を伺ったのは
北海道大学
宮治 裕史 先生

歯学研究院 口腔総合治療学教室 教授
北海道大学病院 臨床研修センター 歯科卒後臨床研修部門長

*弊社から宮治先生に依頼し、頂いたコメントを編集して掲載しています。

写真:宮治 裕史 先生

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